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「虚ろな者」と「復讐蔦」の次は何だ?
2018年8月10日
墓地デッキは今まで常にモダンの主流であり続けた。さまざまな発掘デッキが次々に現れそして消えていった。《壌土からの生命》はあちこちで見かけられた。《恐血鬼》は人々が除去偏重のデッキをプレイしているときにさまざまなデッキに姿を現す。
マジック25周年記念プロツアーの結果とモダンが今後どうなっていくかについて触れる前に、2月のプロツアー『イクサランの相克』を振り返ってみよう。
2 《山》 1 《沼》 3 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 1 《乾燥台地》 1 《沸騰する小湖》 3 《黒割れの崖》 -土地(18)- 4 《炎刃の達人》 4 《恐血鬼》 4 《炎跡のフェニックス》 4 《虚ろな者》 4 《通りの悪霊》 1 《黄金牙、タシグル》 3 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(24)- |
4 《燃え立つ調査》 4 《信仰無き物あさり》 4 《稲妻》 4 《ゴブリンの知識》 2 《集団的蛮行》 -呪文(18)- |
3 《渋面の溶岩使い》 2 《大物狙い》 2 《致命的な一押し》 2 《古えの遺恨》 1 《集団的蛮行》 2 《血染めの月》 3 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
「ホロウワン」には、そのデッキ名の元になっている《虚ろな者》を早期に、場合によっては第1ターンに複数プレイできる優れた初期手札が複数存在する。《燃え立つ調査》はそれを一発でやってのけられる。《信仰無き物あさり》と《通りの悪霊》を組み合わせることでも可能だ。これらのほぼ重複する要素には少しずつ違いがあり、そのため適切な順序での行動を行うことがとても重要だ。
《恐血鬼》と《炎跡のフェニックス》は単体除去や全体除去……もしくはブロックしようとする奴に対する耐性をもたらしてくれる。またこのデッキには勝負を決めるための《黄金牙、タシグル》や《グルマグのアンコウ》のような大型クリーチャー、《稲妻》や《集団的蛮行》といった火力/妨害の類も搭載されている。
「ホロウワン」デッキは最初その無作為にカードを捨てる要素のせいで諦められていた。その要素はすべての強みを最大限にしようとする人々にとって基本的に魅力的ではないからだ。しかし結局のところ、このデッキはとても強力で、大量のランダム要素はこのデッキの高いパワー・レベルを分かりにくくさせているだけだった。
しばらくの間、「赤黒ホロウワン」デッキはトップメタのデッキ、そしてもしかすると仮想敵とみなされていた。対戦相手は1枚の《外科的摘出》や《大祖始の遺産》では《虚ろな者》を抑え込むのに不十分だということを学ばなければならなかった。
数か月前、私は是非取り上げるべき素敵な《復讐蔦》デッキを見かけた。
4 《山》 1 《森》 3 《踏み鳴らされる地》 4 《樹木茂る山麓》 3 《血染めのぬかるみ》 3 《銅線の地溝》 1 《地平線の梢》 -土地(19)- 4 《ボーマットの急使》 4 《炎刃の達人》 4 《傲慢な新生子》 4 《炎樹族の使者》 3 《無謀な奇襲隊》 2 《炎跡のフェニックス》 4 《復讐蔦》 4 《虚ろな者》 4 《通りの悪霊》 2 《わめき騒ぐマンドリル》 -クリーチャー(35)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《ゴブリンの知識》 -呪文(6)- |
2 《渋面の溶岩使い》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《稲妻の斧》 3 《古えの遺恨》 2 《破壊的な享楽》 1 《血染めの月》 1 《骨までの齧りつき》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
このバージョンには2つの新しい角度からの攻撃がある。
それでも1ターン目に複数体《虚ろな者》が出る可能性は保たれている。この要素はうまく合わさるように見え、私はワクワクした。あと私は単純に少数のバラバラな小型クリーチャーでビートダウンするのが好きなのだ。
初手にさまざまなブン回りの可能性があることが私をこの構築にこだわらせた。あらゆる手札が驚くべきシナジーの組み合わせだったのだ。
この緑のバージョンを私は好んでいたが、ほとんどのプレイヤーはより完成された赤黒の「ホロウワン」デッキをプレイした。だがそれは『基本セット2019』がモダンに《縫い師への供給者》をもたらすまでのことだ。
それからマジック25周年記念プロツアーが開催された。そのプロツアーで赤と黒の濃い強力な《復讐蔦》デッキが頭角を現した。
このデッキはここ数週間Magic Onlineのリーグで5-0している。もちろん、Magic Onlineの結果が現実世界に影響を及ぼすにはしばらく時間がかかる。ではプロツアーで使われたリストを見てみよう。
1 《山》 1 《沼》 2 《血の墓所》 1 《草むした墓》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 2 《新緑の地下墓地》 4 《黒割れの崖》 -土地(18)- 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 4 《臓物の予見者》 3 《ゴブリンの奇襲隊》 2 《ボーマットの急使》 4 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 1 《大いなるガルガドン》 2 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(32)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(10)- |
2 《暗黒破》 2 《稲妻の斧》 2 《思考囲い》 4 《破壊的な享楽》 1 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
このデッキには何種類かの爆発的初動がある。デッキ名にもなっている《復讐蔦》を《信仰無き物あさり》を唱えて複数捨て、《搭載歩行機械》や《歩行バリスタ》といった0マナのクリーチャーを2枚唱えれば1ターン目に戦場に出すことができる。《傲慢な新生子》は《復讐蔦》を捨てて戦場に出す準備を支援でき、それと同時にデッキを振り進むことができる1マナのクリーチャーなので特に強力だ。
《黄泉からの橋》も0/0を唱えて即死させることで恩恵を得られる。《黄泉からの橋》を捨てて圧力をかけるために2~3体ゾンビを出すというのはよくある初動だ。《墓所這い》と《恐血鬼》の反復はそのための餌をたくさんくれる。《傲慢な新生子》、《臓物の予見者》、《大いなるガルガドン》はトークンの流れを取り次いでくれる手段だ。
《縫い師への供給者》はライブラリーのカードを墓地に送ってくれる……2回も。これが《墓所這い》と連携するゾンビであるという事実は《墓所這い》を本当に輝かせる。
《墓所這い》は(単に墓地から戦場に出る《恐血鬼》とは違い)実際に墓地から唱えられるので、《復讐蔦》はそれを参照する。《墓所這い》は《復讐蔦》が戻ってくるために必要な2体のクリーチャーに数えられるのだ。
「赤黒・復讐蔦」は1~2週間前に突発的に出てきたデッキかもしれないが、まだ進化の余地が残っている。私は人々がさまざまな追加のディスカード手段に手を出すのを目にしてきた。
それら自体は望ましいものだ。かなり効果的に墓地に送りたいカードを送ってくれる。その後私は複数の役割をこなすカードをプレイしているリストを見かけた。
《復讐蔦》とディスカード手段を誘発するなかなかのサイズのクリーチャーだ。これが手札の最後の1枚だったら4/3がお得なコストで手に入る。
もしかしたら次にやってくるのは《血怒りの喧嘩屋》ではないだろうか?
1 《山》 1 《沼》 2 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《草むした墓》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 4 《黒割れの崖》 -土地(17)- 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 3 《墓所這い》 3 《臓物の予見者》 4 《恐血鬼》 2 《血怒りの喧嘩屋》 4 《復讐蔦》 4 《歩行バリスタ》 3 《搭載歩行機械》 -クリーチャー(35)- |
4 《信仰無き物あさり》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(8)- |
2 《高山の月》 2 《稲妻の斧》 2 《古えの遺恨》 2 《集団的蛮行》 2 《破壊的な享楽》 4 《虚空の力線》 1 《冒涜の行動》 -サイドボード(15)- |
「赤黒・復讐蔦」のフリー・スロットはまだ定まっていない。このデッキの多くは緑のマナ源を全く使っていない。一部ではライブラリーを削ってクリーチャーを1枚手に入れる《屍体の攪拌》や《忌まわしい回収》のようなカードが使われている。
《虚ろな者》、《復讐蔦》、《黄泉からの橋》、そして《縫い師への供給者》はどれも強力なカードだ。それらを全部混ぜたら流行るだろうか?
1 《山》 3 《血の墓所》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 4 《黒割れの崖》 -土地(16)- 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 3 《ゴブリンの奇襲隊》 2 《臓物の予見者》 4 《搭載歩行機械》 3 《歩行バリスタ》 4 《復讐蔦》 4 《虚ろな者》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(32)- |
4 《燃え立つ調査》 4 《信仰無き物あさり》 4 《黄泉からの橋》 -呪文(12)- |
2 《大物狙い》 2 《鋳塊かじり》 1 《大いなるガルガドン》 3 《思考囲い》 2 《集団的蛮行》 4 《虚空の力線》 1 《悪戦 // 苦闘》 -サイドボード(15)- |
4つの要素全てを同じデッキに詰め込んだこのバージョンは速さが詰まっている。スロットを確保するために、除去耐性の要素――具体的には《恐血鬼》《墓所這い》《炎跡のフェニックス》――を抜かねばならなかった。また増えた墓地を活用する探査クリーチャーも入っていない。しかし、軽い4/4と2/2のゾンビの群れがあるときに、実際それで十分ではないだろうか?
《ゴブリンの奇襲隊》、0マナの構築物、そしてプレイしなくてはならないディスカード手段の数を増減させている間に、私はオーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwaldが「赤黒ホロウワン」に対して行った調整を思い出した。
これは強力なマジックのカードだ。
3 《山》 1 《沼》 2 《血の墓所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《聖なる鋳造所》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《樹木茂る山麓》 1 《乾燥台地》 1 《沸騰する小湖》 2 《黒割れの崖》 -土地(18)- 4 《炎刃の達人》 4 《恐血鬼》 4 《炎跡のフェニックス》 4 《虚ろな者》 4 《通りの悪霊》 1 《黄金牙、タシグル》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(23)- |
4 《燃え立つ調査》 4 《信仰無き物あさり》 4 《稲妻》 4 《ゴブリンの知識》 3 《未練ある魂》 -呪文(19)- |
3 《渋面の溶岩使い》 3 《致命的な一押し》 1 《思考囲い》 2 《古えの遺恨》 2 《大物狙い》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
オーウェン・ターテンワルドがこれを強いと言うのなら、おそらくそうなのだろう。
オーウェンは「赤黒ホロウワン」を基本的にそれ単体で強力なカードである《未練ある魂》を入れる形にアップデートした。特にほとんどの場合フラッシュバックで唱えるので、1枚の《聖なる鋳造所》は大したコストではない。
この《未練ある魂》のテクノロジーは新しい「赤黒・復讐蔦」デッキを改良することができるだろうか?
1 《山》 1 《沼》 2 《血の墓所》 1 《聖なる鋳造所》 4 《血染めのぬかるみ》 3 《樹木茂る山麓》 1 《湿地の干潟》 4 《黒割れの崖》 -土地(17)- 4 《墓所這い》 4 《傲慢な新生子》 4 《縫い師への供給者》 1 《ゴブリンの奇襲隊》 1 《臓物の予見者》 4 《恐血鬼》 4 《復讐蔦》 4 《歩行バリスタ》 3 《搭載歩行機械》 -クリーチャー(29)- |
4 《信仰無き物あさり》 2 《集団的蛮行》 4 《黄泉からの橋》 4 《未練ある魂》 -呪文(14)- |
3 《大物狙い》 2 《鋳塊かじり》 3 《思考囲い》 2 《稲妻の斧》 1 《集団的蛮行》 2 《摩耗 // 損耗》 2 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
私は対戦相手に圧力をかけるために、その値段が見合うものであれば新基軸を導入することを常に好む。《聖なる鋳造所》を1枚入れることは喜んで支払うような値段だ。
私はこのデッキのディスカード手段として《集団的蛮行》が好きだ。これは他のものと比べて最も多くの干渉手段を提供してくれる。またこの選択は、リストを見て他の用途の狭いディスカード手段ではなく《集団的蛮行》に惹きつけられた「ホロウワン」デッキを手本としている。
もちろん、これらの多用途なディスカード手段の強さは同じぐらいで、好みの問題だ。おそらく数か月後にはゲームが繰り返されて「ベスト・バージョン」ができているだろう。
読んでくれてありがとう!
トム・ロス
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