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Play Design -プレイ・デザイン-
Mファイル『ドミナリア』編・赤緑・多色・アーティファクト
2018年5月11日
おかえり、ドミナリアの住人たちよ! 君たちがMファイルの今回の連載を締めくくる準備ができていることを願っている(まだ最初の半分を見ていないなら、ここからどうぞ)。ここでは1年前のデザインとデベロップのファイルを振り返り、興味深く、洞察に満ちていて、そして愉快な抜粋の一部をみんなと共有していく。
マジック:ザ・ギャザリングのカードを作ることは1つの極めて協調的な過程だ。開発部のメンバーは全員定期的にファイルを目を通しコメントをすることが奨励されている。今回は、こちらのメンバーがコメンテーターだ! ここをクリックすると彼らに会える。
《魔術師の稲妻》
DGH: ケンからの新作。
MH: これ、すごく好きだ。
GJ: 私もこの見事なカードを本当に楽しんでる。
MDT: 素晴らしいカードですね!
ELI: 〈ウィザード稲妻〉と〈ウィザード対抗呪文〉は現代のデザインと比べて変に見えたり場違いになったりせずに古き日々を大いに語っている。
『ドミナリア』はいくつかのマジックの最も象徴的なカードをどのように再想像するかというエキサイティングな挑戦をもたらした。ケンは、ウィザードをコントロールすることで敬意を表せば、オリジナルである『アルファ版』の呪文を手にすることができるというデザインを考え出した。このことは《魔術師の稲妻》をスタンダードのパワー・レベルの《稲妻》のリメイクとする一方で、このセットにとても古典的なファンタジーの雰囲気を与えた。天才!
《ゴブリンの連射》
DGH: アーティファクトかゴブリンを生け贄にするのはどうだ?
DGH: 分かった、見てみよう。
MJG: 笑わせてもらった。
ELI: このアートで笑ってしまう。
ここでは、デイブはクリエイティブ的にアーティファクトか……ゴブリン!?を生け贄に捧げるカードがデザイン可能なのかどうかを疑問に思っていた。私は彼が、元々仲間のデザイナーにゴブリンを生け贄に捧げるカードかアーティファクトを生け贄に捧げるカードがどちらが好みか尋ねていたのではないかと思っている。誰も反応しなかったとき、デイブは両方にして済まそうと考えた。まるでアーティファクトとゴブリンは機能的に違いがないかのように! 実際ほとんどのことは可能であることが分かった。
《火による戦い》
DGH: ケリーはこういうカードが欲しいといっていた、ヤヤは振り分け可能なダメージ呪文を使う。
MJG: これは好きだが、アンコモンだと思っていた。
ELI: 私もものすごくアンコモンな感じがする。
DGH: アンコモンに移動。最初のコストを1マナ軽くした。
DGH: キッカーの部分にプレイヤーを追加。
DGH: ティミー/タミーへ推すために数字を大きくした。
DOUGB: ティミーの好みだね。
DGH: 最後の部分をany targetsに変更。
《火による戦い》はクリエイティブ・チームの要望によってデザインされたカードの一例だ。彼らはヤヤとその火力呪文の熟達を表している瞬間を要望した。これがとても興味深いことである理由は、通常クリエイティブ・チームはセット・デザイン・チームからカード・デザインを受け取って、その後それらのために物語的に筋が通った革新的な方法を見つけるからだ。これは実際に逆のことが起きたという珍しい例だ。
《炎の番人、ヴァルダーク》
DGH: これについているオーラを追加。
DGH: アップキープから戦闘時の誘発に変更。
ALLI: 統率者戦ですごく良さそうですね。
DGH: ついているものごとに拡大する必要があるかどうかはわからないが、みんなこれを楽しんでいる。
GJ: 効果が拡大することが特に統率者戦でとても魅力的だということが分かった。
Eli: 拡大しないなら基本的に統率者戦や基柱カードとして二度見ることはないだろう。
DGH: 3/1→3/2。
ヴァルダークは少しの間そのクールさの一部を失う危機にあっていたようだ。内部にいる統率者戦フォーマットの熱狂的ファンがその危機を食い止め、デイブに効果が拡大するテキストを維持することを納得させた。その結果夢のあるスタンダードの基柱カードと魅力的な統率者となった。ウィン・ウィンだ。
《ヤヤ・バラード》
DGH: 新デザイン。
ALLI: 名前とサブタイプだけを変えても気にならないぐらいチャンドラとそっくりですね。
AP: チャンドラとヤヤの違いは?
KD: ほとんどのチャンドラと違いをつけるためにヤヤは呪文か赤の呪文により突っ込んだものにしたほうがいいと思う。
DGH: 構築フォーマットミニチームの提案に基づいて変更。
DGH: 忠誠値+2。
チャンドラは長いこと赤単のプレインズウォーカーの注目を独占していて、《ヤヤ・バラード》を違うものにすることにはある種の難しさがあった。ありがたいことに、ケリー・ディグズはヤヤはチャンドラよりもう少し呪文に重きを置いていることを明らかにしてくれた。メカニズム的には、楽しいゲームプレイのパターンをもたらす、繰り返し使えるダメージではない赤の効果を見つけることは能動的で大きな課題だ。《石の雨》あなたに、《石の雨》あなたに、《石の雨》あなたに、は最近では全くうまく行かない。
《苗木の移牧》
EVL: 新しいカード。いい芽です。
DGH: キッカーしたらもっと芽が出るようにした。
KEN: 生け贄にする効果と、横並べ戦略と、キッカー関連とコンボだね。
AP: このいい芽という名前が好きだ……
MDT: わたしのいい芽が逝ってしまった、いやああ!
ELI: 彼らは我々の心の中でいつでもいい芽だ。これについて我々は多分医者に診てもらわないといけないな。
ABRO: ゆっくりお休み、いいゅめを。
DGH: キッカーを{5}→{4}に。
すべてのカードには名前がいる。デザイン・リードは通常できるだけ少ない単語数でそのカードの意味を伝える名前をつける。お分かりのように、《苗木の移牧》の元々の名前は「いい芽」といった。苗木・トークンを2つ生成し、2つの植物はかつてはとても仲の良い親友であるらしかった。最高の。親友。この名前は魅力的だったが、一貫したファンタジーのコンセプトを助長することには失敗した。『Salad』なのに。
《冒険の衝動》
YS: 大好きだ。強いがカード・アドバンテージを与えない。
DGH: 私は今の状態で楽しめた。
DGH: 公開するから見るに変更。
DGH: 皆、実際にこの名前を好きになっている。
ABRO: 私は衝動的に冒険をするのが大好きだ。
一方で、《冒険の衝動》はあらゆる面で条件を満たしている。カードのデザインのメカニズム的な意味を伝えつつ、クリエイティブ・チームにコンセプトを発展させるための素晴らしい空間を与えている。デザイン中ずっと名前を変更されずに最後まで通過するという類まれなる恩恵に預かるカードはほとんど存在しない。大冒険だ。
《胞子冠サリッド》
DGH: 新しいシンプルなロード。
ELI: ロード・クリーチャーはいつも計算が増えるので、この非正方のスタッツがわかりにくい計算を増やすのではないかと心配している。
DGH: 1/2→2/2。
DGH: ファンガスもパンプするように変更? シンプルではなくなったな。
DOUGB: クール! 面白いのは、この「他の」というテキストが苗木の分類について思い出させるように読ませていることだ。実際に問題ではなく、ただ単にかわいい。
ELI: 今私はこれを冷淡な生物学教授の声で読むつもりだ、ありがとうダグ。
最初に、いくつか表現の定義をしよう。
- ロードは特定のタイプのクリーチャーにボーナスを与えるクリーチャーのことだ。
- 非正方のスタッツとはクリーチャーのパワーとタフネスが等しくないことを言う。
それはそれとして、我々がカードをデザインしているときに忠実に守ろうとする決まりの1つに、「人々が本当に求めているのでない限り、難しい計算をさせるな」というのがある。無駄に戦場を複雑にしないことは一般的に差し引きで有益あるとみなされ、そして《胞子冠サリッド》が2つ目のクリーチャー・タイプを強化する能力を得たら、スタッツを正方にすることは複雑さを減らす大きな助けになる。
このカードをもっと簡潔にするため、ファンガスと苗木を分けて見ているような書式になった。しかしながらダグがこれを決断したのは別の理由によるものだった。
《ヤヴィマヤの化身、ムルタニ》
YS: 魅力的だ。楽しい物語を伝えている。これを『アモンケット』ベースのセルフ・ミル・デッキで試してみるのは間違いない。
DGH: 前は土地を1ターンクリーチャー化するために墓地を追放していた。今は別の動きのために手札に戻すだけになった。
DGH: 1マナ軽く。戻す条件を変更。
DGH: もう1マナ軽く。
DGH: 構築フォーマットミニチームによりトランプルを追加。
ID: フューチャー・フューチャー・リーグにより{5}{G}{G}→{4}{G}{G}に。
DGH: 戻す土地を3枚から2枚に、能力の{2}{G}を{1}{G}に。
ムルタニはフォーマットを定義する除去呪文があるときに、スタッツに基づいたクリーチャーのパワー・レベルをどう上げられるかの素晴らしい例だ。このスタンダード環境のムルタニは《ヴラスカの侮辱》、《封じ込め》、《残骸の漂着》、《排斥》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》の一部になるだろう。これらは特定の脅威に対する一般的な回答になるので、我々はだんだんコスト、スタッツ、キーワード能力に関して気前良くなり、最終的にこの完成形にまとめた。
《シッセイの後裔、シャナ》
DGH: */*でクリーチャーの数に等しくした。これを2マナにしてもいいのだろうか? 3マナでなにかテキストを追加する必要があるかもしれない。
DGH: いくつかテキストを追加。
DGH: 条件付きトランプルと警戒を《魂の管理人》テキストに変更。これも良さそうだ。
KD: 警戒/トランプルのテキストとライフを得るテキストはこれのコンセプトを大きく違う方向に推す――一方は軍のリーダーで、もう一方はクレリック/ドルイドタイプだ。
DGH: 追加のテキストを削除。
DGH: ウィザードからの呪禁を追加。
BRYAN: そのテキストは狭すぎるし混乱を招く恐れがある。
DEL: 分かりやすくするために「対戦相手がコントロールするパーマネントの対象にならない」というのも考えられますが、これは機能的に強くなってます。
JDR: 《名も無き転置》は別の犠牲者を求めている。
この話の中で、シャナはさまざまなキーワードの詰め合わせとしてデベロップされていた。デイブがさまざまな選択肢を試していたいたので、ケリーは各能力がシャナをクリエイティブ的に全く異なる道に向かわせていると鋭く指摘した。ケリーの助言で、現在見られる除去耐性につながる方向性を選ぶことができた。興味深いことに、今のシャナは仲間であるドミナリアの住人の《マーフォークのペテン師》とのぎこちないやり取りを避けるようになった。
《永遠の大魔道師、ジョダー》
DGH: サム/Samの新作。
ELI: おお、統率者向けとして好きだ!
EEF: 素敵ですね! 大好きです!
DGH: 1マナ軽く。さあ夢のマナ・カーブを描いてみよう。
ABRO: 『アモンケット』の{5},{T}で好きな色の組み合わせで5マナ出る土地に注目。
GJ: これの描く夢のマナ・カーブのほうが唱えるのに{W}{U}{B}{R}{G}いるよりも大好きだ。
DGH: 3/3から4/3に。
ジョダーは「夢のマナ・カーブを描くこと」の究極の具現だ。ジョダーと一緒にアンタップを迎えれば、文字通りあらゆることが可能になる。つまり、5色全てのマナが出すことができれば……ジョダーはスタンダードのパワー・レベルの観点からは最強のカードではないかもしれないが、マジックのカードの中には幅広いプレイヤーを惹き付けるものがある必要がある。5マナであらゆる呪文を唱えるという夢は確かに魅力的だ。
《吠えたけるゴーレム》
EEF: リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldの新カードです。
GSV: プレイテスターの意見でドロー・ステップの誘発から攻撃/ブロック時の誘発に変更。
YS: それでも好きだ!
AF: 「カーンのペット」
KEN: これは《吠えたける鉱山》というよりもビートダウンする《寺院の鐘》だね。
DGH: アンコモンに格下げ。
YS: それでもこれが好きだってことを止められはしない!
DOUGB: 本当に楽しそうだ。
KEN: 私もそれでもこのカードが好きだよ。
創造主自らによるデザインの1つだ。マジックの作者リチャード・ガーフィールドは『アルファ版』から彼のオリジナル・デザインを1つ取り上げて我々のために作り直してくれた! ミュージシャンが自らの歌をリミックスするのとよく似ている。DJリチャード・ガーフィールドの《吠えたける鉱山》2018年版だ。そして、そう《三日月の神》を無視しているのは分かっている……あと、我々はここでヨニが《吠えたける鉱山》を本当に本当に好きなことを学んだ。
《ウェザーライト》
GSV: 伝説のカードならなんでも探せるようになった!
MJG: このテーマ的なつながりは大好きだ。
DOUGB: 素敵なデザインだな。
MJJ: 《キランの真意号》を倒せるように4/5にできる?
KD: ぜひともこれをスタンダードの他の機体に匹敵するようにしたい。
DGH: 4/5になった。
DGH: 5枚見て歴史的なカードを探すようになった。
この「搭乗」という言葉はあの伝説のウェザーライト号について語る場合全く新しい意味を帯びるようになる。ジョイラは今回ラフ、アルヴァード、ティアナ、シャナ、そしてスライムフットを率いている。メカニズム的には、ウェザーライトの各乗組員がそれを起動できる(一部のメンバーは他よりも手間がかかるかもしれない)のがすごく楽しいと思う。
この艦が歴史的な物を積み込むためにその周りを飛び見つけ出すことはもう1つのテーマ的なホームランだ。セット・デザインの時に最終的にこの方法になるまでに何度か反復工程を擁したが、《ウェザーライト》と《ウェザーライトへの乗艦》は機能的にとても揃ったものになった。最終的に、カード名とセット名が同じになり得る瞬間というのは珍しいことだ。
《演習用模型》
DGH: サムの新デザイン。
DGH: FFLはこれを構築物にしたがっている。
ABRO: 私のカーン築デッキに完璧だな!
私はアンドリューが以下のデッキリストを公開できるように、このカードをこの記事で取り上げるように私に提案したと思っている。しかし実際、過程について言うならば、開発初期のクリーチャー・タイプは流動的ですぐ変わる。アンドリューはこれの使い方を小さな戦闘ロボットとみなし、タイプの変更を求めた。彼の願いは叶えられ、その後はご存知のとおりだ。
4 《霊気拠点》 4 《産業の塔》 4 《永遠衆の墓所》 4 《陽焼けした砂漠》 4 《ザルファーの虚空》 2 《絡みつく砂丘》 1 《発明博覧会》 -土地(23)- 4 《ボーマットの急使》 4 《商人の荷運び》 4 《演習用模型》 4 《金属ミミック》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《鋳造所の隊長》 4 《鋳造所の検査官》 1 《屑鉄さらい》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(33)- |
4 《ウルザの後継、カーン》
-呪文(4)- |
ではまた次の機会に。
ダン (@Daniis7)
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