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Making Magic -マジック開発秘話-

デザインファイル:『ウルザズ・デスティニー』その1

2025年4月21日
去年の12月、私は新しいシリーズ「デザインファイル」を開始した。このシリーズは、デザイン完了時の提出文書のカードを紹介しながら、それらについて語っていく。
前回は私が初めてリード・デザイナーを務めたセットである『テンペスト』のカードを紹介した(その1、その2、その3、リンク先は英語、後日翻訳版を掲載予定)。今回は、2回目に努めたセットの『ウルザズ・デスティニー』について語っていく。本記事では、多くの変更を経て印刷に辿りついたカードを紹介する。2つ目のセクションでは、『ウルザズ・デスティニー』には収録されなかったカードを見ていく。
まずは簡単な歴史の話から始めよう。『マジック』が私を雇ったのはデベロッパー(開発者)としてであり、デザイナーではなかった。その後、当時の首席デザイナーだったジョエル・ミック/Joel Mickを説得し、『テンペスト』のリード・デザイナーへと抜擢された。このセットが上手くいったため、その後も多くのセットのデザイン・チームをリードするようになった。私がリードした2つ目のセットが『ウルザズ・デスティニー』だ。さらに当時の開発部は人手不足だったため、このセットのデザイナーは私1人だけだった。
《ゴブリンの司令官》
RR01
〈ゴブリンの将軍〉
ゴブリンの召喚
赤
2/2
エコー
[カード名]が場に出たとき、ゴブリン・トークンを4個場に出す。これらは1/1の赤のクリーチャーである。
『ウルザズ・デスティニー』はブロック時代のセットだ。ブロックは統一されたテーマや世界観を持つセットが集まったものだ。当時のルールでは、名前付きのメカニズムはブロックの最初のセットに2つだけ導入できた。2つ目と3つ目のセットには新しいメカニズムを入れることができず、それらのメカニズムの発展形しか入れることができなかった。『ウルザズ・デスティニー』はブロックの最後のセットであり、デザイン空間の大部分が前のセットで使い果たされていたため、私は創意工夫を凝らす必要があった。
2つの名前付きメカニズムのうちの1つがエコーである。エコーはクリーチャーを唱えるときは通常通りコストを支払い、次のターンには再度コストを支払うか、そのクリーチャーを生け贄に捧げなければいけないメカニズムである。『ウルザズ・サーガ』ブロックでは、2回目に支払うコストはすべて最初のマナ・コストと同じだった。このメカニズムを『時のらせん』で再録する際、この点は変更されることになる。
エコーはデメリットに感じられるため、デザインが難しいメカニズムである。カード(通常はクリーチャー)のマナレシオは良くなるが、多くのプレイヤーはカードパワーを正確に捉えるよりも、これを単なる欠点として見てしまう。『ウルザズ・サーガ』では、エコー持ちクリーチャーに入場効果を組み合わせることを試してみた。そうすることで、エコー・コストを支払わない場合でも、ソーサリー呪文のように扱うことが出来る。
私は次に、エコー・カードと死亡時誘発を組み合わせるコンセプトを試そうと考えた。これにより、エコー・コストを支払わなくてもアドバンテージが得られるのである。《ゴブリンの司令官》はまさにその実験の一例だ。私がウィザーズに入社する前に好きだったカードの1枚は『ホームランド』の《センギアの従臣》だ。このカードは戦場に出たときにクリーチャー・トークンを3体生成するため、本体と合わせて1枚のカードで4体のクリーチャーをもたらしてくれ、このカードのおかげでデッキ構築が楽しかった。《ゴブリンの司令官》は、《センギアの従臣》から着想を得ている。
従臣と初期の司令官にはいくつか違いがあった。まず、《ゴブリンの司令官》は0/1トークン3体ではなく、1/1トークンを4体作成していた。さらに、《ゴブリンの司令官》には死亡時にあなたがコントロールするゴブリンの数を参照する効果が追加されていた。元々のデザインとしてはを支払ってプレイして、次のターンにクリーチャーかプレイヤーに4点のダメージを飛ばすことができた。エコー・コストを支払うと、本体は2/2のクリーチャーとして残るデザインだった。
私が作ったこのカードは少し強すぎることがわかった。我々は調整し、死亡したときにダメージを飛ばす能力を削除した。更に、トークンの作成は戦場に出たときと死亡したときに2体ずつにした。コストもと高くなったが、本体のサイズは3/3にできた。
《心の管理人》
CG02
〈サイクリング・エルフ〉
エルフの召喚
緑
1/1
:あなたのマナプールに
を加える。
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
エコーと死亡誘発の相性の良さに気付いてから、私はそれを他の場所でも使えないかの模索を始めた。次のカードでこの話題に戻るが、その前に別の話をする必要がある。最終的にはすべてが繋がってくる。
『ウルザズ・サーガ』ブロックにおける、もう1つの名前付きメカニズムがサイクリングだ。サイクリングは、手札からそれを捨ててマナを支払うことで、カードを1枚引くことができる。『ウルザズ・サーガ』ブロックでは、サイクリング・コストはすべてだった。後年にサイクリングを再録した際は別のコストでの支払いを探求したが、それは『ウルザズ・デスティニー』から何年も後の話である。
歴史的な補足をしておくと、エコーとサイクリングはどちらも元々『テンペスト』のデザイン提出文書に含まれていたメカニズムである。エコーはマイク・エリオット/Mike Elliotがウィザーズ入社前に作成した「Astral Ways」セットでデザインしたもので、サイクリングはリチャード・ガーフィールドが『マジック』のデザインから離れている間に考案していたものである。『テンペスト』には内容が詰め込まれすぎていたため、デザインの最終段階、つまり開発に入る直前の段階でこの2つはセットから削除された。『ウルザズ・サーガ』のリード・デザイナーであり、『テンペスト』のデザイン・チームにも参加していたマイク・エリオットが、それらをこのブロックの名前付きメカニズムとして採用したのである。
私はサイクリングの発展形を目指して様々な試みを行った(詳細は来週)が、特に印象に残ったアイデアが1つある。それが、「戦場サイクリング/cycling from play」という名称で呼んでいた能力である。これは、手札からカードを交換するのではなく、戦場のカードを交換するという発想である。起動のためのコストは通常のサイクリングと同じくに統一していた。
《心の管理人》は、この戦場サイクリングのデザイン哲学を体現する好例である。マナ生成は序盤から中盤にかけて有用であるが、土地が揃ってくる終盤には価値が下がってくる。この能力によって、そういった「役目を終えた」リソースを新たなカードに変換できるのである。興味深いのは、このカードがデザイン提出文書から印刷まで一切変更されなかった点である。我々開発部の用語では、このようなカードを「脳内印刷/brain to print」と呼んでいる。
今にして思えば、この能力に「戦場サイクリング」という名称を与えておくべきだったと感じている。ほとんどのプレイヤーは、この能力とサイクリングとの関連性に気づかなかったからである。また、後年サイクリングに関連するカードが登場した際、これらのカードもその恩恵を受けられればよかったと悔やまれる。
《疫病犬》
UB01
〈ファイレクシアの胞子吐き〉
2BB
ホラーの召喚
黒
3/3
[カード名]が場から墓地に置かれたとき、すべてのクリーチャーはターン終了時まで、-1/-1の修正を受ける。
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
デザイナーとして、私は各要素が互いに上手く結びついているカードを好む。死亡誘発を気に入っている理由の1つも、これが戦場サイクリングやエコーと相性が良いためだ。死亡誘発の難点は、誘発させるのが難しいことだ。つまり、誘発させるにはクリーチャーを死亡させり必要がある。そのため、我々はしばしばこれを生け贄能力と組み合わせたり、対戦相手にブロックを強要するようなアグロデッキで使ったりする。エコーは、クリーチャーが死亡するタイミングが明確であるため、死亡誘発と組み合わせるには好都合である。戦場サイクリングは、いつ死亡させるかのコントロールが完全にプレイヤー側が持っているという点で特に優れている。生け贄がクリーチャー自身の能力として組み込まれており、必要なときにいつでも誘発させられるからだ。
《疫病犬》は、戦場サイクリングと死亡誘発を持つカードの中で、開発段階で最も変更が少なかった1枚だ。唯一の変更点は、マナ・コストがから
へと調整されたことと、サブタイプがホラーから猟犬へと変更されたことである。
《光る翼》、《こそこそ歩くスカージ》、《目印甲虫》、《真鍮の秘書》
〈透明マント〉
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは呪文や能力の対象にならず、クリーチャーにブロックされない。
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
CB06
〈ゾンビの大群〉
2B
ゾンビの召喚
黒
2/1
ライフを2点支払う:[カード名]はターン終了時まで飛行を得る。
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
CG04
〈弾み熊〉
2G
熊の召喚
緑
2/2
[カード名]が場から墓地に置かれたとき、対象のクリーチャー1体はターン終了時まで+2/+2の修正を受ける。
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
UA01
〈幸運のノーム〉
アーティファクト・クリーチャー
2/2
, [カード名]を生け贄に捧げる:カードを1枚引く。
『ウルザズ・デスティニー』には、最終的に8枚の戦場サイクリング・カードが収録されたが、その内半分以上は引継ぎ後に初期案から変更された。《光る翼》は簡素化され、コストも軽くなった。《こそこそ歩くスカージ》は飛行を得た。《目印甲虫》は色マナが重くなり、タフネスが上がり、死亡誘発が弱体化した。《真鍮の秘書》はタフネスが1減っただけだ。
《遺宝安置所の修道士》&《カワセミ》
CW04
〈解呪者〉
クレリックの召喚
白
2/2
[カード名]が場から墓地に置かれたとき、対象のアーティファクト1個か対象のエンチャント1つを破壊する。
CU03
〈自由の鳥〉
3U
鳥の召喚
青
2/2
飛行
[カード名]が場から墓地に置かれたとき、カードを1枚引く。
死亡誘発は、エコーや戦場サイクリングだけのものではない。このテーマが気に入ったので、他のカードにも採用することにした。《遺宝安置所の修道士》と《カワセミ》は2枚とも脳内印刷カードだ。
《ヤヴィマヤの古老》
CG07
〈魂のドルイド〉
〈ドルイドの召喚〉
緑
2/1
[カード名]が場から墓地に置かれたとき、あなたのライブラリーから基本土地を1枚取り除く。それをタップ状態で場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。
開発中、このカードに戦場サイクリングを書けば素晴らしいカードになることに気付いた。生け贄に捧げたときのアドバンテージの損失を補うため、基本土地を1枚ではなく2枚探すようにした。その後、マナ・コストをに変更した。
《夜のチャイム》
CB10
〈連鎖する死〉
エンチャント(クリーチャー)
黒
エンチャントされているクリーチャーが場から墓地に置かれたとき、対象の黒でないクリーチャー1体を破壊する。
死亡誘発の次の段階は、エンチャントしたクリーチャーに死亡誘発を与えるオーラを作ることだった。我々は常に基本的な効果に工夫を加える方法を模索しており、《夜のチャイム》という斬新な除去呪文を作り出した。《夜のチャイム》のデザインの段階からの変更はがマナ・コストに追加された程度で、ほぼそのままの形で印刷された。
《弓術の訓練》、《私的研究》、《ただれた傷口》、《焼夷弾》、《はずみ》
UW05
〈成長する恩寵〉
エンチャント(クリーチャー)
白
あなたのアップキープに、[カード名]に成長カウンターを1個置く。
エンチャントされているクリーチャーに与えられるすべてのダメージは、[カード名]に置かれている成長カウンター1個につき1点軽減される。
UU05
〈成長する叡智〉
エンチャント(クリーチャー)
青
あなたのアップキープに、[カード名]に成長カウンターを1個置く。
エンチャントされているクリーチャーが場から墓地に置かれたとき、[カード名]に置かれている成長カウンター1個につきカードを1枚引く。
UB05
〈成長する戦慄〉
エンチャント(クリーチャー)
黒
あなたのアップキープに、[カード名]に成長カウンターを1個置く。
ブロックしているクリーチャーのパワーが[カード名]に置かれている成長カウンターの数以下なら、それを破壊する。
UR07
〈成長するニトロポーション〉
エンチャント(クリーチャー)
赤
あなたのアップキープに、[カード名]に成長カウンターを1個置く。
エンチャントされているクリーチャーが場から墓地に置かれたとき、[カード名]は対象のクリーチャー1体か対象のプレイヤー1人に、これに置かれている成長カウンター1個につき1点のダメージを与える。
UG06
〈成長する処方〉
エンチャント(クリーチャー)
緑
あなたのアップキープ中に、[カード名]に成長カウンターを1個置く。
エンチャントされているクリーチャーは、これに置かれている成長カウンター1個につき+1/+1の修正を得る。
『ウルザズ・サーガ』には、アンコモン・サイクルとレア・サイクルに詩句エンチャントのサイクルがあった。これらは毎ターンカウンターが置かれ、生け贄に捧げるとカウンターの数に応じた結果が得られた。『ウルザズ・デスティニー』では、このテンプレートをオーラに応用する方向でアレンジを加えた。
オーラはその性質上、元々ディスアドバンテージを持っているため、カードを生け贄に捧げなくてよいことにした。代わりに、ターンの経過と共に増加していく効果を持たせた。これらのデザインの中には、最初から理想的なデザインになっていたものもあれば、大幅な変更が加えられたものもある。
《私的研究》、《焼夷弾》、そして《はずみ》は分かりやすい効果になっていた。各色が持てる効果は限られており、青のカードを引く、赤の直接ダメージ、緑のクリーチャー強化はどれも定番の効果だ。
《弓術の訓練》は元々はダメージ軽減だったが、開発段階でダメージを与える効果へと方針転換した。ただし、白単色にあるべき効果には収められた。《ただれた傷口》は実際には回避能力のように働き、ほとんど誘発することはなかった。開発バージョンでは対戦相手のクリーチャーに貼ることを想定したカードになった。オーラを作るときはいつでも、対戦相手のクリーチャーにも使えるオーラの可能性を探っている。
予見者サイクル
CW05
〈軟膏の魔道士〉
ウィザードの召喚
白
1/1
,
:あなたの手札にある白のカードの枚数に等しいX点のライフを得る。
CU04
〈思考の魔道士〉
ウィザードの召喚
青
1/1
,
:対象の呪文1つを、あなたの手札にある青のカード1枚につき
を支払わないかぎり、それを打ち消す。
CB05
〈死の魔道士〉
ウィザードの召喚
黒
1/1
,
:対象の、あなたの手札にある黒のカードの枚数以下のパワーを持つ黒でないクリーチャー1体を破壊する。
CR06
〈火の魔道士〉
ウィザードの召喚
赤
1/1
,
:[カード名]は、対象のクリーチャー1体かプレイヤー1人にあなたの手札にある赤のカード1枚につき1点のダメージを与える。
CG06
〈成長の魔道士〉
ウィザードの召喚
緑
1/1
,
:対象のクリーチャー1体はターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xはあなたの手札にある緑のカードの枚数に等しい。
『ウルザズ・デスティニー』の作業中、私は新しいリソースを見つけたいと考え模索していた。プレイヤーが既に持っているゲーム内要素を支払うコストとして使えるものはないだろうか? さらに別の観点として、単色デッキを推したいとも考えていた。この2つの考えが交差した結果、手札の内容を使うというアイデアに辿り着いた。手札にはカードがある。それをリソースとして使えないだろうか? 単色デッキを強化するため、特定の色のカードをリソースとするのはどうだろうか?
デザイン中、予見者達は「魔道士」と呼ばれており、私はサイクルを1つだけ作成した。この魔道士達のマナ・コストは全員と対応した色の1マナだ。1/1のクリーチャーであり、手札のその色のカードの枚数を参照する値変動能力を持っていた。この基本的なデザインは印刷まで維持されたが、開発段階で大きな変更があった。予見者はアンコモンになり、コモンの空いた枠には新しい単発呪文のサイクルが入った。コモン呪文は、それぞれ対応した色の予見者と同じ値変動効果を持つことになった。
《ジャスミンの予見者》は手札の白のカード1枚につき2点回復するようになり、値変動効果がカード1枚と効果の1が対応していない唯一の予見者となった。《ベラドンナの予見者》は、大きく変更された唯一の予見者だ。クリーチャーのパワーを参照して破壊するのではなく、実質的にはタフネスを参照する-X/-X効果に変更された。これはテンプレートとしてよりシンプルであり、黒の値変動によるクリーチャー破壊効果の方針にも沿っていた。
《ちらつき》
CW08
〈リフレッシュ〉
ソーサリー
白
対象のパーマネント1つを、それが今場に出たかのように扱う。
UW03
〈セラの催眠術師〉
クレリックの召喚
白
2/3
セラの催眠術師が場に出たとき、対象のパーマネント1つを、それが今場に出たかのように扱う。
RW03
〈達人した催眠術師〉
ウィザードの召喚
白
,
:対象のパーマネント1つを、それが今唱えられたかのように扱う。
『ミラージュ』の開発チームで働いていた頃、私はフェイジング・メカニズムを使ったさまざまな効果の実験を行っていた。その中でも特に気に入ったのは、クリーチャーが自分自身を危機から守る手段としてフェイジングを用いるアイデアだった。ただし、フェイジングでは入場効果が誘発しないため、それを不満に思っていた。感覚的には誘発して然るべきに思えたが、ルール上はそうなっていなかった。そこで私は、入場効果を誘発させる別の手段を考えるようになった。これが《ちらつき》の原点だ。
『ウルザズ・デスティニー』のデザイン時、私は各色に垂直サイクル(コモン、アンコモン、レアに1枚ずつで構成されるサイクル)というアイデアを考えていた。この戦場に出たように扱う効果がとても気に入ったので、白の垂直サイクルに採用した。コモンのカードは1回だけの効果にした。アンコモンのカードはクリーチャーで、入場効果として付けた。レアはクリーチャーで、何度も使えるよう起動型能力にした。
開発段階において、ルール・マネージャーはパーマネントを再度戦場に置くことが、これを実現する最も簡単なやり方だと判断した。そのシンプルな実現方法は、パーマネントを追放し、戦場に戻すことだ。しかし開発チームはこの効果を3枚のカードに記載するのは適切でないと判断した。結果として開発チームはコモンのカードを採用し、コストにを追加し、トークンでないという制限を加え、カードのレアリティをレアに移動させた。
「ちらつき効果」はその後、すべてのレアリティで使われる基本的な『マジック』の効果となった。
《一掃》、《鎮圧》、《撲滅》、《塩まき》、《木っ端みじん》
UW04
〈エンチャント・ロボトミー〉
インスタント
白
対象のエンチャント1つをゲームから取り除く。それのコントローラーのライブラリーと墓地から、同じカードすべてをゲームから取り除く。その後、そのライブラリーを切り直す。
UB07
〈クリーチャー・ロボトミー〉
ソーサリー
黒
対象のクリーチャー1体をゲームから取り除く。それのコントローラーのライブラリーと墓地から、同じカードすべてをゲームから取り除く。その後、そのライブラリーを切り直す。
UR04
〈アーティファクト・ロボトミー〉
ソーサリー
赤
対象のアーティファクト1個をゲームから取り除く。それのコントローラーのライブラリーと墓地から、同じカードすべてを取り除く。その後、そのライブラリーを切り直す。
私は『テンペスト』のために、《ロボトミー》というカードをデザインした。
このデザインがとても気に入っていており、プレイヤーからの評判もよかったので、さらにバリエーションを作ってみるのも面白いと考えた。土地以外のパーマネント・タイプごとに《ロボトミー》を作ろうと考えた。タイプは3種類しかなかったので、3色に割り当てることにした。黒はクリーチャー、白はエンチャント、赤はアーティファクトだ。〈アーティファクト・ロボトミー〉の色を緑にすることも考えたが、最終的に赤にすることにした。
開発部はこのアイデアを非常に気に入ってくれて、完全なサイクルにすることを提案してきた。そこで、赤に基本でない土地・ロボトミーを追加し、アーティファクトは緑に移された。しかし、それによって青だけがカード・タイプを持たないことになってしまった。そのとき確かマイク・エリオットが、青ロボトミーはインスタントやソーサリーにしてはどうかと提案してくれた。
各カードのコストはオリジナルの《ロボトミー》と一致しており、結果としてこれらのカードは大会でも多く使われるカードとなった。
あなたの『ウルザズ・デスティニー』が待っている
時間切れで、今回はここまでとなる。次回は続きをお届けする。いつものように、今日の記事や取り上げたカード、『ウルザズ・デスティニー』への感想やフィードバックをメールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週はその2をお届けする。
それまでの間、お気に入りのデータベースで『ウルザズ・デスティニー』を振り返ってみてくれ。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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