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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

蒼き『森』の彼方へ その2

Mark Rosewater
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2023年9月18日

 

 先週、『エルドレインの森』のカード個別のデザインの話を始めた。語るべきことはまだあるので、今回はその2になる。

戦争の世継ぎ、ローアン》《平和の世継ぎ、ウィル

 ローアンとウィルは、デザインで鏡映しの双子として知られているものだ。メカニズム的に、ある面で似ていてある面で真逆であり通例として対抗色である2つのデザインのことをそう呼んでいるのだ。『アルファ版』からの古典的な例は(リチャードは本当に鏡映しの双子が好きだったので大量に存在したが)《白騎士》と《黒騎士》である。

 この2体のクリーチャーはどちらも有色2マナで2/2で、先制攻撃とプロテクションを持つ。対抗色であり、お互いの色からのプロテクションを持つ。

 ローアンとウィルを作る最初の一歩は、彼らを対抗色に置くことだった。彩りを加えるため、両方とも多色で、その両方の色が対抗色であるようにした。ローアンとウィルは伝統的にそれぞれ赤と青で、対抗色なので、それはそのまま維持することになる。2組目の対抗色として我々が選んだのは黒と白だった。物語上の立場を踏まえて、ローアンが黒、ウィルが白になるのが自然だった。

 彼らの最初のデザインはこうだった。

〈復讐に燃える後継者、ローアン〉
{1}{B}{R}
伝説のクリーチャー ― 人間・ウィザード
3/3
先制攻撃
あなたが呪文を唱えるためのコストは{X}小さくなる。Xはあなたがこのターンに失ったライフの点数に等しい。

〈賢き後継者、ウィル〉
{1}{W}{U}.
伝説のクリーチャー ― 人間・ウィザード
3/3
警戒
あなたが呪文を唱えるためのコストは{X}小さくなる。Xはあなたがこのターンに得たライフの点数に等しい。

 どちらもコストは1MN(Mは1色目、Nは2色目を表す)で、3/3で、キーワード能力1つを持ち、コスト低減能力を持つ。鏡映しなのは色由来で、キーワードの選択と、コスト低減の条件が異なっている。

 最終バージョンはこの最初のデザインからそう遠くはなっていない。パワー/タフネスは一致させるのではなく鏡映しにすることにした。攻撃的なローアンは4/2、防御的なウィルは2/4になった。キーワード能力は両方の色を1種色または2種色とするもののほうがいいが、黒は先制攻撃の3種色なので、ローアンの能力は先制攻撃から威迫になった。コスト低減能力はタップが必要になり、影響を受ける呪文はそれぞれの2色に限定された。どちらの変更もプレイデザインの懸念によるものだろう。

 最後に、この2枚のアート指示をお見せしよう。

*** 拡張アート・テンプレート ***
舞台:エルドレイン
色:赤と黒のマナに関わる伝説のクリーチャー
場所:アーデンベイルの城趾(234ページ参照)
行動:ローアン(8ページの女性)が破壊された塔からの崩れそうな階段を降りていて、彼女のそばの壊れた壁に剣を擦っている。彼女は戦争で両親と故郷を失ったことに怒っていて、復讐に燃えている。石壁を擦っている彼女の剣からは火花が散っており、反対の手に火花魔法の力を蓄えている。彼女の剣と蓄えた魔力を、鏡の破片(106ページ)が取り巻いている。鏡の破片は紫色の魔力のたなびき(102ページ参照)を放っている。
焦点:ローアン
雰囲気:心に傷を負った戦争の犠牲者、仕返しをすることに躍起である。
注意:このアートは2種類のアスペクト比で印刷されます。(1)標準のアスペクト比 (2)拡張マージン(添付のテンプレート参照)標準のアスペクト比で切り取れるように絵を組み立て、拡張マージンを、拡張アスペクト比で印刷されたカードで見えるイースターエッグとして追加の面白い詳細で埋めてください。

*** 拡張アート・テンプレート ***
舞台:エルドレイン
色:青と白のマナに関わる伝説のクリーチャー
場所:領界(20ページの背景と、298ページ~305ページの基本土地参照)
行動:軍勢を率いるエルドレインの新たな王、ウィル・ケンリスを描く。彼の後ろにはアーデンベイルとヴァントレス(260ページ、267ページ参照)の紋章のある軍旗がある。彼は騎乗しているかもしれない。彼の義足がはっきりと描かれていると良い。ウィルについての補足は添付の通り。
焦点:ウィル
雰囲気:勇敢な若き王と彼の率いる国
注意:ウィルについての補足は添付の通り。アーデンベイルとヴァントレスの騎士については、それぞれ260ページ~263ページ、267ページ~269ページ参照。このアートは2種類のアスペクト比で印刷されます。(1)標準のアスペクト比 (2)拡張マージン(添付のテンプレート参照)標準のアスペクト比で切り取れるように絵を組み立て、拡張マージンを、拡張アスペクト比で印刷されたカードで見えるイースターエッグとして追加の面白い詳細で埋めてください。

食事を終わらせるもの、ジンジャー卿

 展望デザインのリードを務める場合、そのセットでプレイヤーがプレイしたくなるものをよく理解することが必要である。このコンセプトを、社内では「キー・セールスポイント」(Key Selling Points, KSP)と呼んでいる。エルドレインの次元は、最初、マジック流のアーサー王伝説として提案された。騎士と探索の、宮廷や王城の次元になる予定だった。その元素材から広げられる範囲には限界があるので、私は童話要素を加えることを提案した。長い間、私は童話のセットを作ろうとしていて、アーサー王伝説と童話は相性がよかったのだ。アーサー王伝説はイングランド流の童話だとも言える。

 そのセットを手掛け始めて、私は別のことに気がついた。プレイヤーは一般的にハイファンタジーの宮廷や王城が好きだが、マジックでは『アルファ版』からよく扱ってきているので独自性は感じられない。単に、いつもマジックがしていることだと感じられるのだ。新しいものではなく古いものを提供することになるので、悪いKSPだった。セットを売り込むとき、新しくて心が躍るものに寄せたいものである。

 私はこの情報をマーケティング・チームに伝えた。私は「このセットには色々とクールなものがあるが、プレイヤーの注目を集めるのは童話絡みだろう。それは新しいものだ。私は、このセットを売り込むときに童話の側面に寄せることを強く要請する。」と言ったのだ。何ヶ月も経って、その話をしたマーケティング部門の長から呼び出された。そして、彼女はトレイラーを私に見せてきた。彼女は、「あなたの言ったことに寄せたわ。」と言ったのだ。

 トレイラーにはウィザーズで多くの人の口に上った。この次元は社内にアーサー王伝説の次元と説明されていたが、トレイラーではジンジャーブレッドの人々が描かれていたのだ。ユーザーの反響が良くないのではないかという懸念の声が上がった。しかし、その懸念は完全に的外れだったとわかった。ユーザーはこのトレイラーを大絶賛したのだ。あまりに好評だったので、我々は逆の心配をすることになった。このセットにジンジャーブレッドの人(《ジンジャーブルート》)はいるが、トレイラーの主役はどこにもいなかったのだ。ジンジャー卿は一体どこに?これに関するメールが多く寄せられた。

 そこで、再訪の際には、ジンジャー卿にカードが必要なのは明らかだった。最初のデザインはこうだった。

〈勇敢なるジンジャー卿〉(バージョン#1)
{2}
伝説のアーティファクト・クリーチャー ― 食物・騎士
2/1
対戦相手がプレインズウォーカーをコントロールしているかぎり、これは二段攻撃を持つ。
あなたがこれやあなたがコントロールしていてこれでない食物1つを生け贄に捧げるたび、クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。
{2}, {T}, これを生け贄に捧げる:3点のライフを得る。

 トレイラーでの彼女の敵がガラクだったので、その雰囲気を再現するために最初に必要だったことは対プレインズウォーカー的な何かだった。名前が「ジンジャー卿」なので、彼女は騎士である必要があり、二段攻撃はそれと相性が良いと感じられた。他の食物があるデッキに入れて欲しかったので、彼女の2つ目の能力を食物と関連したものにした。彼女の3つ目の能力は、彼女に食物のサブタイプを持たせるたちに必要なものだ。

〈最後の一人、ジンジャー卿〉(バージョン#2)
{2}
伝説のアーティファクト・クリーチャー ― 食物・騎士
3/1
プロテクション(プレインズウォーカー)
あなたがコントロールしているアーティファクト1つが戦場から墓地に置かれるたび、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。
{2}, {T}, これを生け贄に捧げる:これのパワーに等しい点数のライフを得る。

 次のこのバージョンでは、彼女の対プレインズウォーカー部分を短くしようとしている。彼女の食物シナジーの制限をいくらか緩め、食物のみならず他のアーティファクトとも働くようにした。二段攻撃をなくしたので、スタッツを2/1から3/1にした。最終バージョンでは、プレインズウォーカーに相対したときだけに能力を与えるようにした。2つ目の能力には、少しだけ強くするために占術1が加わった。

 アート指示は以下の通り。

*** 拡張アート・テンプレート ***
舞台:エルドレイン
色:マナの色と関連していない伝説のパーマネント
場所:エッジウォール(26ページ~30ページ)の家の中。
行動:生きているジンジャーブレッドの女性ジンジャーがジンジャーブレッドの駿馬に乗って卓上を駆ける! 彼女は大きなフォークを槍として使い、金属コーティングのボタンの盾を持っている! 彼女自身の糖衣に加えて、キャンディの鎧をつけていても良い。
焦点:ジンジャー
雰囲気:突撃!
注意:このアートは2種類のアスペクト比で印刷されます。(1)標準のアスペクト比 (2)拡張マージン(添付のテンプレート参照)標準のアスペクト比で切り取れるように絵を組み立て、拡張マージンを、拡張アスペクト比で印刷されたカードで見えるイースターエッグとして追加の面白い詳細で埋めてください。

 最後にトリビアを1つ。彼女の愛馬の名前はシナモンだ。

大群の笛吹き、トーテンタンズ

 先週、マジックにおけるハツカネズミの歴史に触れた。今週は、ネズミについて語ろう。

 ネズミは『アルファ版』で登場したが、カード1枚だけだった。ただし、非常に注目を浴びるカードだった。《疫病ネズミ》は、多く持っていればいるほど強くなる。そして、初期のマジックでは、デッキに入れられるカードは4枚までという制限はなかったので、対戦のために席につくと《疫病ネズミ》で一杯のデッキに突っ込むことになることが多かったのだ。

 ネズミが再登場したのは1年後だったが、それ以降セットごとに1枚ほど入るようになった。デザイン的には、あらゆるところに散らばっていた。各カードがネズミのトップダウン的本質の一部を扱っていた(ネズミはこそこそしていて、疫病を媒介し、少し破壊的である)。繰り返されるテーマは、ネズミは他のネズミとつるみたがるというものだが、それはほとんどの場合同じカードを大量にプレイすることで行われていた。

 これらすべての副作用として、ネズミはタイプ系デッキとしてはうまく組み合わなかったのだ。ネズミは作られ続けたのでプレイされるネズミは大量にいたが、それらを組み合わせることが推奨されることはなかった。そして、我々がタイプ系テーマを掘り下げるたびに、焦点を当てるクリーチャー・タイプは他のものになっていたのだ。

 やがて、我々はネズミ・デッキを主導するために個別のカードをデザインしはじめた。それが入ったセットには大量のネズミはいないことが多かったので、ドラフト戦略になることはなかったが、プレイヤーがネズミ・デッキを作りたいのはわかっていた。『エルドレインの王権』にさえ、《群れの笛吹き男》がいた。

 『エルドレインの森』は、ネズミのタイプ系デッキをドラフト・アーキタイプとして持つ初めてのセットである。2色の各組み合わせを童話を基柱に作っていて、「ハーメルンの笛吹き男」を使わないのはもったいなかったのだ。これを成立させるための鍵は、ネズミ・トークンではブロックできないようにする必要があると気づくことだった。これによって、ネズミを生成してネズミの群れで攻撃することを推奨することができ、それは基本的にプレイヤーが『アルファ版』から見せていた望みなのだ。

 トーテンタンズは、黒赤で何をすべきかを示すことが期待されている、標識となる金色のアンコモンである。大量のネズミ・クリーチャー・トークンを生成すること、そして攻撃する動機となることが必要なことはわかっていた。ネズミの生成とクリーチャーの死を関連付けることはフレイバーに富んでいると感じた。ネズミに接死を持たせることは最初のデザインからこのカードにあったものだったが、最初は起動型ではなかった。

 すべてのネズミファンの諸君、私はついにドラフト・アーキタイプをお送りできることを喜ばしく思っている。あなたのネズミの大群が多くのゲームに勝利できますように。

忠義の徳目》《知識の徳目》《執念の徳目》《勇気の徳目》《強靭の徳目

 クリエイティブ・チームが次元を構築するとき、必ずすることの1つがカラー・パイをその次元の本質にどう組み入れるかを決めることである。これにはいろいろな方法がある。陣営に組み込まれることもあれば、次元の要素(テーロスの神々の神殿など)を定義づけることもあれば、特定のテーマに紐付けられることもある。

 エルドレインの場合、クリエイティブ・チームは各色を基柱にした5つの宮廷を作ることにした。各宮廷がそれぞれ異なる色と関わり、その色の精神を体現するのだ。その中で、各色の徳目を作ることになる。さて、宮廷が理念的に目指している肯定的な性質とは何だろうか。

 ここで話は『エルドレインの森』の展望デザインになる。市場調査で『エルドレインの王権』のメカニズム的要素の中で最も高評価だったので、出来事を再登場させたいと決めていた。そこでの問題は、それを用いて何をしたいのかだった。

 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』で出来事を使い、少し拡張していた。『エルドレインの王権』の出来事を持つカードはすべてクリーチャーだった。『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』では、それをアーティファクトに拡張した。役割と協約により、『エルドレインの森』はエンチャント・テーマがあるので、全体エンチャントが出来事を持つサイクルを作るのはクールだろうと考えた。しかし、そのエンチャントは何をすべきだろうか。

 ここでその2つが運命的な出会いをすることになる。『エルドレインの森』はこの次元の童話という側面にさらに焦点をあてることを決めていたが、宮廷にも何らかの言及が必要だった。そして結局、徳目は世界構築の一部ではあったがカードに組み入れられてはいなかったのだ。5枚の出来事持ちエンチャントが、この宮廷の徳目を表すとしたらどうだろうか。

 まず、そうするとそれらのカードは単色でなければならない。色違いの出来事をセット内で扱うことを計画していたが、徳目は単色の宮廷に紐付けられていて、このサイクルにはなじまない。展望デザインでは徳目のレアのサイクルを作ったが、セットデザインに渡ってから神話レアになった。

 このデザインの鍵は、徳目を体現していると感じられるような、プレイヤーが毎ターン使いたいと思う強力なエンチャントを作ることだった。そのエンチャントは、カードの強さがほとんどすべてである。我々は、メカニズム的にその選ばれたエンチャントの効果と繋がりのあるインスタントやソーサリーを出来事として探す必要があった。

最終バージョンを見つける前に各色について試した能力は以下の通り。

忠義の徳目
あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
//出来事//〈アーデンベイルの援助〉{1}{W} ソーサリー ― 出来事
白の1/1の人間・クリーチャー・トークン2体を生成する。
各終了ステップの開始時に、このターンにパワーが2以下であるクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出ていた場合、カード1枚を引く。
//出来事//〈忠義の表明〉 {1}{W} ソーサリー ― 出来事
警戒を持つ白の2/2の騎士・クリーチャー・トークン1体を生成する。(その後、このカードを追放する。後に追放領域にあるこのエンチャントを唱えてもよい。)

 忠義は、自軍のクリーチャーを有利にしようとするものだと思われるので、デザイン・チームが選んだすべてのエンチャントは自軍を強化するか大軍団を揃えることで利益を得るかのどちらかだった。どのバージョンでも、出来事はクリーチャー・トークンを生成するものだった。

知識の徳目
いつでもあなたのライブラリーの一番上にあるカード1枚を見てよい。あなたのライブラリーの一番上からクリーチャーでない呪文を唱えてもよい。
//出来事// 〈ヴァントレスの援助〉 {1}{U} ソーサリー ― 出来事
占術2を行う。(その後、このカードを追放する。後に追放領域にあるこのエンチャントを唱えてもよい。)

 展望デザイン・チームは最初に、もっと多くの呪文を唱えられるようにする能力を試したが、それはいつも使っていることで、あまり心躍るものには見えなかった。そこで、効果をさらに強力な、その代わりに範囲の狭い、ものにした。白の徳目は一般に有用だが、青の徳目はそれを基柱にすることが推奨される。

執念の徳目
あなたのアップキープの開始時に、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。あなたがコントロールしているクリーチャー1体が死亡するたび、それを追放する。
//出来事//〈ロークスワインの援助〉 {B} ソーサリー ― 出来事
この呪文を唱えるための追加のコストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。クリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。(その後、このカードを追放する。後に追放領域にあるこのエンチャントを唱えてもよい。)

あなたのドロー・ステップを飛ばす。X点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上にあるカードX枚を裏向きで追放する。次のあなたの終了ステップの開始時に、それらをあなたの手札に加える。
//出来事// 〈執念の表明〉 {1}{B} インスタント ― 出来事
クリーチャーやプレインズウォーカーである1つを対象とする。これはそれに2点のダメージを与え、あなたは2点のライフを得る。

 黒で執念を表すわかりやすい方法は、何らかの形での再利用である。展望デザイン・チームは、墓地から手札にクリーチャーを戻すことから始めた。セットデザイン・チームはその後まったく異なる手法として、(黒の歴史上最も強力な呪文の1つである)《ネクロポーテンス》のように感じられる呪文を作った。これはあまり執念という感じではなかったので再利用に戻されたが、クリーチャーを手札ではなく戦場に戻す形に強化された。

勇気の徳目
あなたがコントロールしている攻撃クリーチャー1体がダメージを与えるなら、代わりに、それはその2倍の点数のダメージを与える。 //出来事// 〈エンバレスの援助〉 {R} ソーサリー ― 出来事 クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+0の修整を受け先制攻撃を得る。(その後、このカードを追放する。後に追放領域にあるこのエンチャントを唱えてもよい。)

あなたがコントロールしていてインスタントやソーサリーである呪文がクリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、それはそのパーマネントやプレイヤーにその2倍の点数のダメージを与える。 //出来事// 〈勇気の表明〉 {R} ソーサリー ― 出来事 1つを対象とする。これはそれに2点のダメージを与える。

 この呪文がクリーチャーの攻撃を推奨するというアイデアは非常に勇敢なので、展望デザイン・チームはそれを採用した。倍にするというテーマは、呪文に移るにはセットデザインがそれが勇敢っぽく感じられると気づくまで少し時間がかかった。彼らは最終的に、同じく攻撃することを推奨する衝動的ドローの誘発型能力にした。それがこの徳目を最もよく表しているからである。

強靭の徳目
あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーはトランプルを持つ。あなたのアップキープの開始時に、あなたがパワーが4以上であるクリーチャーをコントロールしている場合、カード1枚を引く。
//出来事// 〈ギャレンブリグの援助〉 {1}{G} ソーサリー ― 出来事
あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とする。それの上に、+1/+1カウンター2個を置く。(その後、このカードを追放する。後に追放領域にあるこのエンチャントを唱えてもよい。)

あなたがパーマネントやプレイヤーの上に1個以上のカウンターを置くなら、代わりに、そのパーマネントやプレイヤーの上にそれらのカウンターに加えてその各種類につきそれぞれそのカウンター1個を置く。
//出来事// 〈強靭の表明〉 {1}{G} インスタント ― 出来事
クリーチャー1体か2体を対象とし、2個分を割り振る。それらの上にその割り振った個数の+1/+1カウンターを置く。

 展望デザイン・チームは最初、強靭さを再現するために最も筋が通る、大型クリーチャーを推奨することに焦点を置いた。セットデザインはその後、自分のクリーチャーを強化して大型クリーチャーにすることを参照することを試した。

 最終的に、それらのデザインはどれも成立せず、セットデザイン・チームは強靭さをもう少し象徴するように、つまりクリーチャーでなくプレイヤーを強化することにした。出来事呪文とエンチャントの組み合わせると、墓地にある自分の最大のクリーチャーを戦場に戻せるのだ。

心の中の『森』

 時間が許す限りのカード個別のデザインの話をしてきた。いつもの通り、今日の記事や私が語ったカード、『エルドレインの森』全体についての感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagramTikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、『エルドレインの森』の10個の童話アーキタイプをどのように割り振ったかを掘り下げる日にお会いしよう。

 その日まで、あなたの『エルドレインの森』のゲームがめでたしめでたしで終わりますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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