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Making Magic -マジック開発秘話-
『機械兵団の進軍』展望デザイン提出文書 その2
2023年5月15日
先週は、『機械兵団の進軍』の展望デザイン提出文書の前半を話した。今日の記事ではその後半をお話しする。以下の文章のほとんどは提出した実際の文書そのままであり、さらにそれに詳細の解説や文脈をコラムで書き加えている。
連合(このグループの正式名は未定)
ファイレクシアンは単一の種族なので、それのためのまとまったメカニズムを作るのは簡単である。連合は、ファイレクシアンでないことでだけ定義される。過去28年の間に作ってきたセットの中で作ったほとんどあらゆるクリエイティブなものを表している。
守備者をまとまりを持って表すための鍵は2つある。1つ目に、我々は平行デザインで作った、すなわち様々な次元がどれも同じことをしていることを示した。連合はすべて異なるが、ある面においては非常に似通っているのだ。2つ目に、協力するというテーマを使った。守備者はそれぞれ自分の次元を守ることに必死なので、そのためなら、通常は敵対している同士であったとしても、誰とでも喜んで協力する。
次元(新カード・タイプかもしれないし、新サブタイプかもしれない)
〈アモンケットへの門〉
土地 —砂漠
これはタップ状態で戦場に出る。
{T}:{B}を加える。
{2}{B},{T}:これを追放し、変身した状態で戦場に戻す。その後、これにプレインズウォークする。これの忠誠度がなくなったなら、これはマナ能力でないすべての能力を失う。起動はソーサリーとしてのみ行う。
/////〈次元、アモンケット〉
土地 —砂漠・次元
{T}:{B}を加える。
あなたがコントロールしているクリーチャー1体がブロックされた状態になるたび、防御プレイヤーは 1点のライフを失う。
{4}{B}, {T}:これにプレインズウォークする。
あなたがこれにプレインズウォークするたび、白の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体を生成する。
忠誠度 — 2
〈イニストラードへの門〉
土地
これはタップ状態で戦場に出る。
{T}:{B}を加える。
{3}{B}, {T}:これを追放し、変身した状態で戦場に戻す。その後、これにプレインズウォークする。これの忠誠度がなくなったなら、これはマナ能力でないすべての能力を失う。起動はソーサリーとしてのみ行う。
/////〈次元、イニストラード〉
土地 —次元
{T}:{B}を加える。
クリーチャー・カード1枚があなたの墓地を離れるたび、あなたは2店のライフを得る。
{5}{B}, {T}:これにプレインズウォークする。
あなたがこれにプレインズウォークするたび、あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
忠誠度 — 1
ここで言っていることのほとんどは、最終的に実際の製品で実現されている。この段落は、この文書の重要な機能の好例である。必要なのは我々が何をしているかだけでなく、その理由なのだ。実際、バトルは提出した時点からは大きく変わっているが、なぜ必要だったのかを明確化したことで何をすべきかをセットデザインが把握する助けになったのである。
我々は守備者に取り組むために、まず、大きく立ち戻った。先述の通り次元という観点からこのセットのあらゆる側面を考える必要があったので、守備者をその守る次元全体として考えたのだ。
そのために、次元というものを派手で直感的に注目させるメカニズム的要素を作る方法を探した。『プレインチェイス』で使われていた手法では、ここで我々が必要とすることとはいくつか違いがあった。1つ目に、次元カードは大判カードであり、ブースター・パックやデッキに入れることが(簡単には)できない。
2つ目に、次元カードで表していたのは次元の中の場所だった。我々はカード1枚で、次元全体の本質そのものを表したかった。例えば、プレイヤーが次元を集めることができたり。ゲームプレイにおいて次元名が出てきたりするようにしたかったのだ。
3つ目に、『プレインチェイス』の次元カードでは次元を古い宇宙論で扱っている。次元は1つしか同時には扱えず、お互いに相互作用することはあり得なかった。『Marathon』の物語(ファイレクシアンによる世界樹の変質)は、次元がお互いに相互作用しうる新しい宇宙論を作り上げた。我々は、新しい現実を再現する助けにするためにこのメカニズムが必要だったのだ。
最初から、『プレインチェイス』カードのカード・タイプが次元であり、「次元」と呼ぶことによって問題が生じることはわかっていたが、必要な雰囲気をもっともよく表す単語だったので、別の単語を探す必要があるということを付記した上で使ったのだ。
次元は、第1面が土地の両面カードである。土地の面は、変身能力以外ではただマナを出すだけで、現時点ではすべてタップ状態で戦場に出る。(セットデザインで、アンタップ状態で戦場に出るためにライフの支払いが必要な土地を試してもよい。)各カードには、もう一方の面に変身するための変身コストがある。その面は、その次元を表している。現時点で、第2面はサブタイプを持つ土地である(現時点では「次元」としているが、変更の必要があると思われる)。第2面には、土地・次元といったような独自のカード・タイプが必要かもしれない。
第2面には、4つの要素がある。1つ目に、タップするとそのカードの第1面と同じ色のマナを出せる。次元に変身したらマナを出せなくなることも試したが、プレイデザインが懸念を示したのでマナを加えた。
2つ目に、常在型能力を持つ。この能力は、そのカードが変身したら即座に有効になる。
3つ目に、起動型能力を持つ。ほとんどはマナを必要とするが、タップだけのものもある。カードを変身させたら、第2面のタップ能力の効果が発生する。例えば、〈アモンケットへの門〉を〈次元、アモンケット〉に変身させると、白の2/2のゾンビ・クリーチャー・トークン1体が得られる。
(「次元の忠誠度」という大枠以外で)採用された性質の1つが、攻撃されうるということであることは興味深い。
4つ目に、忠誠度を持つ(この用語は簡単に変更できる)。次元はプレインズウォーカー同様にクリーチャーに攻撃されて忠誠度を失うることがある。次元が忠誠度を失ったなら、マナ生成以外のすべての能力を失う。次元が「侵略者の手に落ちた」ときに失われることがはっきり示された枠を使うことになるだろう。
この文書を書いた時点でこの問題が解決できていないことはわかっていたので、これについてこれだけの文章を費やしている。展望デザイン・チームは可能な限り多くのデザイン上の問題を解決しようとするが、我々が解決できなかった、あるいは理想的な形で解決できなかった問題は必ず残っている。だからこそこの文書を見返すことが示唆に富むのだ。
今回のデザインにおけるすべての要素の中で、さらなる作業が最も必要なものはこれである。現時点で、これはデザインにおいて最も野心的な部分であるが、このセットの特徴の本質そのものなので、これを採用することは必須だと考えている。このメカニズムについて、プレイデザインから多くの示唆を得ている。カードには多くのツマミがあるので、セットデザインがこれらを成立させるための正しい組み合わせを見つけることができると期待している。先述の通り、すべてのブースターに次元を入れるという計画である。
最終的なバトルの枚数は36枚になったので、必要な枚数についての私の感覚は的を得ていた。
各ブースターに次元1枚を入れるようにするため、次元カードは30〜40枚は必要になるだろう。そのために、展望デザインでは次元を分類したリストを作った。分類1には、スタイルガイドが存在する、訪問したことがある次元が含まれる。分類2には、プレイヤーが一般的に馴染みがあるが分類1の条件を満たさない次元が含まれる。分類3には、公式な形で参照されたことがあるが分類1、2に含まれない次元が含まれる。その一覧は次の通り。
分類1:主要な次元
この分類にあるすべてが次元になった。ファイレクシアに侵略されているわけではない新ファイレクシアを含むかどうかについては議論があった(アスタリスクが付いているのはそのため)。含みたいと考えていたので、セットデザインとクリエイティブ・チームが入れる方法を見つけてくれたことには満足している。
なぜドミナリアにアスタリスクがついているかはわからない。長年の間に複数のスタイルガイドが作られているからかもしれない。
アラーラ
アモンケット
アルケヴィオス(ストリクスヘイヴン)
ドミナリア*
エルドレイン
イコリア
イニストラード
イクサラン
カラデシュ
カルドハイム
神河
ローウィン/シャドウムーア
新セレスタ
新ファイレクシア*
ラヴニカ
タルキール
テーロス
ゼンディカー
分類2:主要ではない次元
この分類の中ではボーラスの牢獄領域とラバイア以外のすべての次元はバトルになっている(デザイン中の一時期は、ラバイアもバトルになっていた)。
ボーラスの牢獄領域
フィオーラ
ケイレム
メルカディア
ムラガンダ
ラバイア
レガーサ
セゴビア
シャンダラー
ウルグローサ
ヴリン
分類3:その他の次元
アリは一覧を作ったが、驚くほど長かった(ので、この文書に列記はしなかった)。会議記録にあわせて投稿されている。ここまでに出ていないバトルはすべてその一覧にあったと思う。
大量にあるので列記はしない。
この分類の使い方について、私の推測は非常に正確だった。今後の次元に関して、少し説明させてもらいたい。我々は2〜3年先の仕事をしている。この時点で、我々はいくつもの新次元を手掛けていた。まだどこでも登場していない次元を登場させる「布石となる」次元をいくつか入れ、数年内に訪問するときに結果を見せるということを検討した。なぜ採用しなかったのか。
理由の1つ目が、先んじて次元を扱うのは非常に手がかかるということ。『マジック・オリジン』でカラデシュを初登場させたときに体験している。基本的には、初期世界構築の作業の一部を前倒しする必要があり、それには時間もリソースもかかる。『機械兵団の進軍』にはすでに視野の問題があるので、さらに作業を増やすのは無理があると感じたのだ。
2つ目の理由が、既存の次元に加えてまだ言及したことのない次元を登場させることは、「まもなくこの次元を訪問する」というあまりにも明白なメッセージになってしまうが、それは『機械兵団の進軍』から注目を奪ってしまうことになり望ましくない。ユーザーには、知らない次元よりも知っている次元に注目してもらいたいのだ。
分類1のすべてと分類2のほとんど、必要であれば分類3からもいくらかを次元カードにする計画である。また、これらの分類には含まれない新次元も存在する。将来への布石として、いくつかの新次元が必要かもしれない。
応援/boost(新メカニズム)
〈帆凧の先達 ZEN〉
{4}{U}
クリーチャー —マーフォーク・ならず者
2/2
飛行
応援1(これが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。それに+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、そのクリーチャーはこれのすべての能力を得る。)
〈ナヤの刃友 ALA〉
{3}{R}
クリーチャー —猫・戦士
1/1
二段攻撃
応援1(これが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。それに+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、そのクリーチャーはこれのすべての能力を得る。)
例示が数の大きい応援を持っていないことは驚かされた。変数がある場合、その変数が成立するかを示すために数字を変えるのが通例なのだ。また、例に出した2枚ともが、数は変わっていて〈帆凧の先達〉は白になってはいるが、セットに採用されている。
応援は、守備者たちが協力することを表す新メカニズムである。応援を持つクリーチャーが戦場に出たとき、対象のクリーチャー1体(それ自身でもいい)を選び、+1/+1カウンターN個(Nは応援数)を置き、ターン終了時まで応援クリーチャーのすべての能力を与える。例えば、《灰色熊》を戦場に出しているときに〈帆凧の先達〉をプレイしたとする。〈帆凧の先達〉に+1/+1カウンター1個を置くか、《灰色熊》に+1/+1カウンター1個を置いてターン終了時まで飛行を得させるかを選ぶことができる。応援メカニズムは、唱えたときに興味深い選択をさせるようにするため、他のクリーチャーに与えたい能力を持つようにデザインされている。
召集(再録メカニズム)
〈レギサウルスの突撃 XLN〉
{1}{R}
ソーサリー
召集
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+2の修整を受けトランプルを得る。
〈副陽の夜明け〉
{5}{W}{W}
ソーサリー
召集
すべてのクリーチャーを破壊する。あなたがコントロールしていてこれにより破壊されたクリーチャー1体につき1体の、飛行を持つ白の1/1のスピリット・クリーチャー・トークンを生成する。
この記事を書きはじめた時点では、私は、召集がこれまで最も少なかった色である青と赤に寄せるのはセットデザイン中にされたことだと思っていた。これから見る通り、記憶違いだった。
チームワークらしさを表現して、インスタントやソーサリーに持たせられる(他のメカニズムの殆どは非常にパーマネント中心である)メカニズムを探した。召集は、まさにふさわしい既存のメカニズムだったのでセットに加えることにした。展望デザイン・チームでは、その楽しくフレイバーに富んだ使い方を実験した。
協力する伝説
〈ズルゴとアナフェンザ DTK〉
{R}{W}
伝説のクリーチャー —オーク・スピリット
2/2
速攻
トークンでもこれでもないクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、クリーチャー1体を対象とする。それのの上に+1/+1カウンター1個を置く。
{1}{W}:あなたがコントロールしていてこれでないクリーチャー1体を対象とする。それをオーナーの手札に戻す。
〈スラムとゴンティ KLD〉
{1}{W}{B}
伝説のクリーチャー —ドワーフ・霊基体
2/3
あなたがアーティファクト・呪文1つを唱えるたび、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーの一番上にあるカード3枚を追放する。このターン、あなたはそれらのうち1枚をプレイしてもよい。それが呪文・カードなら、それを唱えるためにマナを任意の色であるかのように支払ってもよい。各ターン、この能力は同じ対戦相手を複数回は対象にできない。
このアイデアはセットデザインに渡ってから激増した。提出時点でファイルにあったのは5枚だった。最終のセットには15枚あり、関連製品にはまだ他にもある。おそらく、協力する伝説は今後もよく使われるものとして道具箱に入ることになるだろう。既存のキャラクターに、雰囲気を変えるための一捻りを加えたカードを作ることができるのだ。
この戦争で、敵対していた同士が協力しなければならなくなるというアイデアを採用した。そのためのクールな方法は、2体のクリーチャーを1枚のカードで表す伝説のクリーチャーを作ることだった。現時点で、このセットではレアの敵対色サイクルでこれを表現している。
超兵器
〈ストリクスヘイヴンの大儀式 STX〉
{5}{U}{U}{U}
ソーサリー
召集
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーがコントロールしていて土地でないすべてのパーマネントをオーナーの手札に戻す。
あなたがコントロールしているすべてのパーマネントをアンタップする。
〈ファルケンラスの復讐 ISD〉
{2}{B}{B}{B}
エンチャント —オーラ・呪い
エンチャント(プレイヤー)
エンチャントしているプレイヤーが攻撃されるたび、攻撃プレイヤーはカード3枚を切削し、「自分の墓地にあるクリーチャー・カード1枚を復讐カウンター1個が置かれた状態で戦場に戻す。」を選んでもよい。そのクリーチャーが戦場を離れるなら、それを他のどこかに置く代わりに追放する。
これは(アリがもとのアイデアを思いついた)クールなサイクルで、セットには採用されなかった。これの要素は物語では登場しているが、メカニズム的サイクルにはならなかったのだ。
各次元がどのようにファイレクシアの侵略に対応するか。このレアのサイクルでは、アルケヴィオスの巨大魔法からイニストラードの巨大呪いまで、5つの次元が総力を上げた「超兵器」を描いている。
次元をまたぐサイクル(サイクル・テーマ)
これは採用されたが、私が想像していたよりも繊細な形だった。マジックのセットにはサイクルが必要で、これはテーマを扱うクールな方法だと思えた。(展望デザイン提出文書にある)この採用されなかった実装では、5つの次元にいる全く異なった騎士のサイクルといったものだった。私は、サイクルの構造を、様々な次元にそれぞれ、ある面では根本的に異なる類似した要素が存在することを示すために使うというアイデアが気に入っていたのだ。(「この次元では、騎士は巨大猫に乗っている。」)もし透かしが採用されていたら、もっと明白に示せていたことだろう。
協力する伝説のクリーチャーや超兵器は、連合の類似性を示す有用な道具である。『Marathon』では、複数の次元からの要素によるサイクルがありうる。次元が違いはありながらも同じような反応を示すということを見ることができる並行石を示すことができるのだ。これらの次元間サイクルはどのレアリティでも採用でき、また非常に堅固なサイクルからゆるいものまで可能である。
ボーナス・シート
セットデザイン・チームは最終的に、我々の提案以上に集約したボーナス・シートの使い方をした。私は最終的なボーナス・シートに満足している。
これは現時点では正式にファイルには入っていないが、展望デザイン・チームで話し合ったアイデアである。ファイレクシアンと戦う守備者の広がりを示すための方法の1つが、様々な次元で戦う要素を示すこのセットのボーナス・シートを使うことである。ボーナス・シートに入れるカードは、特定の次元を象徴するものであるべきだと考えている。カード名に固有名詞が入っているカードに限るということも検討した。それが必要かどうかはわからないが、このセットにクールでテーマ的な追加になるだろう。
ブースター・ファンはこのアイデアを採用したが、通常のカードでもこれを伝える助けとなる方法があったらよかったと思っている。
最後に、先述の通り、我々は各カードにそのもとあった次元を識別する方法があるようにすることは重要だと考えている。それによって、この戦争の重要性や規模が強調できるだろう。
両陣営
このセットの殆どの部分はこの対立のどちらかの陣営に分類されるが、この対立そのものを表すカードもありうると考えている。現時点でファイルにある例は以下の通り。
戦いエンチャント
〈マラキールの戦い ZEN〉
{1}{B}{B}
エンチャント
あなたが土地1枚をプレイするか攻撃するたび、これの上に戦争カウンター1個を置く。これの上に3個目の戦争カウンターが置かれたとき、これを生け贄に捧げ、連合かファイレクシアかを選ぶ。
- 連合 —あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
- ファイレクシア —プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード2枚を捨てる。あなたはカード2枚を引く。
〈霜剣山の戦い〉
{1}{R}
エンチャント
あなたが土地1枚をプレイするか攻撃するたび、これの上に戦争カウンター1個を置く。これの上に3個目の戦争カウンターが置かれたとき、これを生け贄に捧げ、連合かファイレクシアかを選ぶ。
- 連合 —あなたのライブラリーの一番上にあるカード4枚を追放する。次のあなたのターンの終了時まで、それらをプレイしてよい。
- ファイレクシア —最大2つを対象とする。これはそれらににそれぞれ3点のダメージを与える。
これも日の目を見なかったサイクルである。バトルがファイレクシアンと次元の住人の戦いを表すものになったので、このサイクルには特徴がなくなったのだろう。私は、特にそのセットの中心的対立を扱うような、固定語が好きだ。
これはレアのサイクルで、5つの異なる次元を舞台としていて、どちらの陣営が勝利するかを選んでエンチャントの効果を決めるために(『運命再編』のように)固定語を用いている。
ドラフト・アーキタイプ
展望デザイン・チームは、10組の2色組み合わせのドラフト・アーキタイプにいくらか時間をかけることができた。現時点での振り分けはこうなっている。
白青
これはほとんど残った。
反撃のために集まった良き者を表す騎士部族要素を持つ、テンポデッキである。
青黒
これは緑青に移った。最終的には黒緑の墓地テーマが採用された。
「変身関連」の色の組み合わせで、ファイレクシアンがすべてを同化することを示している。
黒赤
これは採用されたが、黒赤が生け贄テーマを扱うのは普通のことだ。
パーマネントを生け贄に捧げることを基柱としたデッキである。対立を制するために両陣営がすることを表している。
赤緑
このアーキタイプは最終的に、この文書が作られた時点では存在しなかったバトルを中心にすることになった。
パワーが4以上のクリーチャーを扱うミッドレンジ・デッキである。これは反撃する次元の野生の部分を表している。
緑白
このテーマは採用された。
この色は+1/+1カウンターを扱うので、応援メカニズムと相互作用する。良き者が軍団を組み上げることを表している。
白黒
これは採用されて私が一番喜んだテーマである。私はプレリリースでこの色を使い、とても楽しんだのだ。
黒はもっともファイレクシアンと関わりのある色であり、白はその指導者エリシュ・ノーンの色なので、これはファイレクシアン部族のアーキタイプである。
青赤
召集が青赤なのはセットデザインの手によるものだと思っていたが、展望デザイン中から始まっていたようだ。
これは召集をもっとも扱っているアーキタイプである。良き者の協力を表している。
黒緑
最終的に青黒が墓地を扱うアーキタイプとなったので、このアーキタイプは培養と大型クリーチャーへのランプに寄せることになった。
これは墓地をもとにした再帰デッキだ。黒赤同様、両陣営に共通した側面を表しているといえる。
赤白
赤白はアグロのままになったが、それは赤白だからであり、守備者中心でもあり続けたが、それ以外はすべて変更されることになった。最終的には、応援がかなり中心に据えられている。
これは10個の中のアグロなデッキであり、装備品や機体との親和性がある。また、守備者を表してもいる。
緑青
緑青のアーキタイプはランプか「セットのテーマを扱う」か、その両方である。土地がバトルに変更になったので、このテーマは赤緑に移り、緑青は青黒のテーマを奪った。
これは次元と相性が良いようにデザインされたランプデッキである。これも良き者を表すデッキである。
結論
私は、『機械兵団の進軍』の出来栄えを非常に誇らしく思っている。この文書と、先行デザイン・チームや展望デザイン・チームがしたことはこのセットに大きな影響を与えた。デイブ・ハンフリーズ率いるセットデザイン・チームがこの文書のあらゆるアイデアを広い、それをさらに良いものにしてくれたことに感謝したい。また、『機械兵団の進軍』を素晴らしいものにしてくれた、下流工程で尽力したさまざまなチームにも礼を述べたい。
この、非常に野心的なセットの青写真を作る助けとなる、先行デザイン、展望デザインの両チーム(とクリエイティブ・チーム)のすべての作業を誇らしく思う。これを使ってセットデザイン・チームがどのようなことをするか、楽しみである。この文書に書かれている(あるいは書かれていない)ことについて質問があれば、いつでも聞いてくれたまえ。
ご清聴に感謝する。
マーク・ローズウォーター
さて、以上が注釈付きの『機械兵団の進軍』展望デザイン提出文書となる。楽しんでもらえたなら何よりである。そして、いつもの通り、この記事、文書、『機械兵団の進軍』についての諸君からの感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、「得られた教訓」シリーズの新しい記事でお会いしよう。
その日まで、あなたの展望を現実とする機会があなたとともにありますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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