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Making Magic -マジック開発秘話-
バトルを選べ その2
2023年4月17日
先週、『機械兵団の進軍』のバトル全てについての解説とそれらがどのようにデザインされたかの説明を始めた。それぞれについて、その次元の話をして、なぜその色にしたか、第1面の「入場」効果(ETB)として選んだ効果、バトルを倒した時の第2面で得られるものとして選んだカードについて見ていこう。カードについて、コレクター番号順に見ていくことにする。その1の記事ではほぼ黒まで終わったので、今回はその続きとなる。
《ウルグローサへの侵攻》
《ウルグローサへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ウルグローサへの侵攻が戦場に出たとき、これでない1つを対象とする。これはそれに3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
主な舞台にしたセット:
『ホームランド』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
ウルグローサは、『ホームランド』セットのために作られた次元である。このセットは、マジック黎明期に注目を集めたいくつかの要素(《セラの天使》《センギアの吸血鬼》《ハールーン・ミノタウルス》など)を取り上げ、それらを軸にした次元を作った。この次元はいくらか暗めの雰囲気で、新しく次元を作ると決めるまでは『イニストラード』の舞台にしようと考えられていた。初期から、ウルグローサは黒単色のバトルになると考えられていた。
この次元は吸血鬼と最も関連が深い(センギア一族の出身地である)ので、入場効果として吸収を持たせることに決めた。第2面については、いくつかのバトルで使っている手法、つまりその次元からの伝説のクリーチャーを置いている。ウルグローサの場合、そのクリーチャーは《Grandmother Sengir》だった。彼女は『ホームランド』で伝説のクリーチャー・カードになっていて、センギアの中で2番目に有名である。一番有名な《Baron Sengir》は『統率者レジェンズ』で新カードになっていたので、《Grandmother Sengir》で行くことに決めた。我々は新しいセンギアの太母のカードを『アルファ版』からの《センギアの吸血鬼》をもとにして、2つ変更を加えた。1つ目が、クリーチャーが死んだ時、彼女が殺したものでなくても強化されるようにしたこと。2つ目が、ライフも吸収するようにしたことである。元のカードに合わせて、サイズは3/3にした。
《カルドハイムへの侵攻》
《カルドハイムへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
カルドハイムへの侵攻が戦場に出たとき、あなたの手札にあるすべてのカードを追放する。その後、その枚数に等しい枚数のカードを引く。次のあなたのターンの終了時まで、これにより追放されているカードをプレイしてもよい。
主な舞台にしたセット:
『カルドハイム』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
タイヴァー
カルドハイムは、2009年、初代『プレインチェイス』の次元として初登場した。
『プレインチェイス』を作った当時、我々は訪問すべき次元を検討していた。その中の1つが、北欧神話を元にした次元だった。我々はそれをカルドハイムと名付けた。『プレインチェイス』で将来の次元のヒントを示していた次元から名前を変える必要があったテーロスやタルキールとは違い(それぞれ、アーコスとモンセンという名前だった)、北欧神話を基柱にした2021年のセットを作る時点で名前をカルドハイムのままにすることができた。
このカードは、逆順にデザインされたものである。物語として明確に描かれてはいないが次元に多大な影響を与えた物語上の出来事があったので、それをプレイヤーに見せたかった。侵略の樹を止めるため、カルドハイムの人々が世界樹を燃やすのだ。世界樹は、カルドハイムを形作る10個の領界をつなぐ樹である。これを表すため、土地を捨てて直接ダメージを与えるという効果を持たせた。この効果が赤であることが、このカードを赤にした理由である。
これはレア・カードなので、もう1つ能力が必要だった。1つ目の効果と組み合わせるため、土地が捨てられたことを参照する誘発型能力を作った。最も気に入ったものは衝動的ドロー(自分のライブラリーの一番上にあるカードを追放し、そのターンそれをプレイできるようにする)を使っていた。そして、この2つ目の能力が、入場効果に影響した。
これは、人気のアーティファクト《記憶の壺》をもとにして、2つ大きな変更を加えたものである。
1つ目、唱えることができるカードは追放されているものした。《記憶の壺》では、引いたカードをそのターン唱えることができて、ターン終了時にそれらを捨てて追放していたカードを戻していた。新しいカードを与えて、1ターンその追放されたカードを唱えられるようにするほうが単純だと感じたのだ。
2つ目、引くカードの枚数を7枚ではなく手札にあったカードの枚数にした。
《カーサスへの侵攻》
《カーサスへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
カーサスへの侵攻が戦場に出たとき、これは各クリーチャーや各プレインズウォーカーにそれぞれ3点のダメージを与える。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
カーサスは、バトルの中でも知名度の低いものの1つである。これは今まで1枚のカードでしか言及されておらず、しかも製品のものではなかった。
《Mirrored Depth》は、店舗で開催されたイベントの参加賞として配られた、ゲートウェイ・プロモカードと呼ばれるものである。このカードは、『ワールドウェイク』と関連するプロモーションの一環だった。巨大な水晶の上で戦っているということ以外、この次元については何も決まっていなかった。
デイブ・ハンフリーズ/Dave Humpherys率いるデザイン・チームがバトルを揃えたとき、訪問したいすべての次元を使って、まだ不足している分があったのだ。そして彼らは、その穴を埋めるためにあまり知られていない次元を使った。カーサスはその好例だった。すべてのプレイヤーやプレインズウォーカーにダメージを与える次元というアイデアを気に入って、その効果にふさわしい次元を探した。ベレノン、フィオーラ、ラバイア、トルヴァダはこのスロットで検討されたものである。
第2面では、この次元についてわかっている唯一のことを扱った。大量の水晶があるので、水晶のエレメンタルにすることにしたのだ。屈折というフレイバーを表し、入場効果と関連する効果が必要だったので、最終的には呪文を唱えるたびに対戦相手にダメージを与える誘発型能力に落ち着いた。クリーチャーのサイズと護法能力は、このカードのバランスを取るために選ばれたものである。
《メルカディアへの侵攻》
《メルカディアへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
メルカディアへの侵攻が戦場に出たとき、あなたはカード1枚を捨ててもよい。そうしたなら、カード2枚を引く。
主な舞台にしたセット:
『メルカディアン・マスクス』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
メルカディアが登場したセットは、『メルカディアン・マスクス』1つだけである。この次元を定義づける主な要素は2つあった。反乱軍によって攻撃されている商業都市である。この次元には奇妙な性質があり、他の次元と同じ物理法則が働かないので(ほとんどのプレイヤーは竜巻のたぐいだと認識しているが)逆さの山のような奇妙なものが存在している。メルカディアは特に人気の次元というわけではない(『メルカディアン・マスクス』も人気のセットというわけではない)が、『機械兵団の進軍』で扱わないのは間違いだと考えたのだ。赤になったのは、第2面に必要な効果のせいであってフレイバーのせいではないと思う。(反乱軍で有名な都市、というのはまあ赤寄りだろうとは思う。)
これも、第1面よりも第2面がフレイバーに寄ったカードである。『メルカディアン・マスクス』には、マナを支払ってカードを捨てることで効果を発生させられるスペルシェイパーというクリーチャー・タイプのクリーチャー群がいた。『時のらせん』ブロックにもスペルシェイパーはいたが、それ以来は登場していない。いかにもメルカディアなので、ここで使うのはいいアイデアだと考えた。メルカディアには賢いゴブリンがいることで有名なので、このカードはゴブリンにした。召集を基柱にした青赤のドラフト・アーキタイプを助けるため、このカードはクリーチャー・トークンを生成する。青と赤は伝統的にクリーチャーが少ないので、セットデザイン・チームはアーキタイプを成立させるためにトークン生成カードを増やす必要があったのだ。これが生成するトークンが青赤なのは、その2色で召集に使えるようにするためである。
第1面は単純な入場効果の赤ルーター(捨てて引く)を使った。このカードはアンコモンなので、単純なものにする必要があったのだ。取引を中心にした商業次元にカードのろ過はふさわしいと思う。
《レガーサへの侵攻》
《レガーサへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
レガーサへの侵攻が戦場に出たとき、バトルや対戦相手でありこれでない1つを対象とし、クリーチャー最大1体を対象とする。これはその前者に4点のダメージ、その後者に1点のダメージを与える。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
レガーサが一番知られているのは、『マジック・オリジン』でチャンドラの灯が初めて点った時に彼女が渡った次元としてだろう。ヘリウド騎士団とケラル砦があり、そこでヤヤがチャンドラに教えたのだ。この次元の初登場は、小説「Purifying Fire」だった。『プレインチェイス(2012年版)』では1枚の次元カード《ケラル山》で登場している。次元の中でも特に赤い火山の次元なので、レガーサが赤のバトルになるのは最初から明らかだった。
また、直接ダメージの入場効果を持つことも明らかだった。アートでは、紅蓮術を使ってファイレクシア人と戦うケラル砦の学生が描かれている。火の広がる雰囲気を表現するため、対象は2つ取っている。第2面は学生を表している。テーマ的に直接ダメージと関連付けたかったので、直接ダメージ呪文を強化するものにし、それらの呪文を唱えたときに強化されるように果敢を持たせた。
《タルキールへの侵攻》
《タルキールへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
タルキールへの侵攻が戦場に出たとき、あなたの手札にある望む枚数のドラゴン・カードを公開する。そうしたとき、これでない1つを対象とする。タルキールへの侵攻はそれに、Xに2を足した点数のダメージを与える。Xはこれにより公開されたカードの枚数に等しい。(Xは0でもよい。)
主な舞台にしたセット:
『タルキール覇王譚』『運命再編』『タルキール龍紀伝』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
ナーセット、サルカン(ウギンはドミナリア出身だが、タルキールを第2の故郷としている。)
我々は『タルキール覇王譚』ブロックで、まる1年をタルキールで過ごした。この次元は他の次元と少し異なり、セットの1つである『タルキール覇王譚』は物語上の出来事によってすでに存在しなくなった時間軸に存在するのだ。つまり、『タルキール覇王譚』の様々な要素はその次元に存在するが、いくらか変わっているということである。タルキールはドラゴンやお互いに戦う氏族の次元なので、レガーサ同様、次元の中でも赤い次元である。
タルキールはドラゴンで有名なので、最初から、第2面がドラゴンであることは明らかだった。ただのドラゴンではなく、他のドラゴンがいることで利益をもたらすドラゴンにしようと考えた。自身のクリーチャー・タイプで誘発するようにすることで、リミテッドのように単体でも作用するが基柱ともできるカードになるようにした。
次に、第1面の入場効果もドラゴンに言及するものにする方法を探した。最終的に、ドラゴンを公開して入場効果を強力なものにできるようにしたが、持っていなくても実用的である。
《イコリアへの侵攻》
《イコリアへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
イコリアへの侵攻が戦場に出たとき、あなたのライブラリーやあなたの墓地からマナ総量がX以下であり人間でないクリーチャー・カード1枚を探し、戦場に出す。これによりあなたがあなたのライブラリーからカードを探したなら、ライブラリーを切り直す。
主な舞台にしたセット:
『イコリア:巨獣の棲処』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
ルーカ
イコリアは、怪物というフレイバーを再現するトップダウンの次元としてデザインした。初登場が『イコリア:巨獣の棲処』である。文明がほとんどなく、巨大な怪物がいるとなればフレイバー的に緑なので、これが緑のカードになるのは最初から明らかだった。
このカードで必要なことはわかりやすかった。第1面は巨大クリーチャーを助けるもので、第2面は巨大クリーチャーだ。最終的に、我々は入場効果を、自分のデッキからクリーチャーを持ってきて戦場に出すものにした。マナ・コストに{X}を入れることで、長期戦では巨大クリーチャーを出せるが初期に引いても死に札にならないようにしたのだ。「人間でない」というおまけは、カードにイコリアらしさを持たせるためのものである。『イコリア:巨獣の棲処』では、その次元に住む人々と怪物を区別するため、人間でないクリーチャーにだけ働く変容能力を作った。
第2面は巨大な怪物だが、どの怪物でもいいというわけではなかった。『イコリア:巨獣の棲処』の広告の一環として、ゴジラのキャラクターで彩ったカード(ゴジラ・シリーズ・モンスター・カード)があった。それらのカードには、通常版とゴジラ版があった。ただし例外が1枚あった。それが、ボックス購入特典のゴジラである。そのカードには通常名として《力の具現、ジローサ》があったが、(テーブルトップには)カードとして《力の具現、ジローサ》は存在しなかったのだ。この第2面は、ついにジローサをカードにする素晴らしい機会だと考えられた。カードの能力でブロックの作用を変えるのは、もとの《力の具現、ジローサ》のデザインを振り返るものである。
《イクサランへの侵攻》
《イクサランへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
イクサランへの侵攻が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカード5枚を見る。あなたは「その中からパーマネント・カード1枚を公開し、あなたの手札に加える。」を選んでもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
主な舞台にしたセット:
『イクサラン』『イクサランの相克』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
ファートリ
イクサランは、中南米をもとにした次元で、『イクサラン』と『イクサランの相克』が初出である。これらのセットには、恐竜、マーフォーク、海賊、吸血鬼を扱うクリーチャー・タイプ・テーマがあった。このバトルにはいくらかの色の自由度があったが、この次元が緑寄りであり、これらのセットで最も人気があったクリーチャー・タイプが恐竜だったので、このバトルを緑にすることにした。
第2面は恐竜にしなければならなかった。ジローサと差別化するため、いくらか小さいかわりに破壊不能にする誘発型能力を持たせて攻撃することを推奨するものにした。そして、第1面は柔軟性を持ったマナ基盤にした。ライブラリーの一番上にある5枚からパーマネントを探すことができるので、序盤では土地を、中長期戦では他のパーマネントを持ってくることができる。
《ムラガンダへの侵攻》
《ムラガンダへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ムラガンダへの侵攻が戦場に出たとき、あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、あなたがコントロールしていないクリーチャー最大1体を対象とする。その前者の上に+1/+1カウンター1個を置く。その後、その前者はその後者と格闘を行う。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
『未来予知』で、メカニズムとフレイバーの両面からマジックの未来の可能性を描いたミライシフト・カードを作った。それらの次元の1つが、ムラガンダという前史時代の次元だった。2枚のカードで登場していた。
前史時代の次元らしさを再現するため、恐竜と洞窟壁画を描いた。これらを「あまり発展していない」効果、つまり基本土地やバニラ・クリーチャー(ルール文を持たないクリーチャー)を扱う効果とメカニズム的に組み合わせた。
ムラガンダはその後、初代『プレインチェイス』で《餌場》の次元で登場している。その後、『統率者(2011年版)』で、クリーチャー《擬態の原形質》でも登場した。これらを踏まえてこのカードを作ることになる。恐竜やウーズがいる前史時代の次元は緑っぽいので、そこから始めた。
野生で原始的な場所という雰囲気を表すため、入場効果はクリーチャーを対戦相手のクリーチャーと格闘させるものにした。また、その格闘で勝ちやすくするため、+1/+1カウンターも載せるようにした。第2面は、すでに第2面が恐竜の緑のカードは2枚あるので、ウーズにすることにした。ウーズが他のクリーチャーを助けるというアイデアを採用した。『未来予知』のカード《ムラガンダの印刻》と関連付けるため、この効果はすべての能力を失わせて一時的にバニラ・クリーチャーにするものにした。
《シャンダラーへの侵攻》
《シャンダラーへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
シャンダラーへの侵攻が戦場に出たとき、あなたの墓地にあるパーマネント・カード最大3枚を対象とする。それらをあなたの手札に戻す。
主な舞台にしたセット:
なし
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
なし
シャンダラーが初登場したのは、マイクロプローズという会社が作った「Magic: the Gathering」というビデオゲームである。当時、熱烈なファンがいて、かなりの懐かしさを感じさせるものになっている。後に、『時のらせん』ブロックでドミナリアが滅亡後の世界になった後で、シャンダラーを基本セットのカードの一部で舞台として使っている。この次元は、過剰な自然とマナの豊富さで定義づけられているので、緑のバトルがもっともふさわしいと考えた。
第1面と第2面の間にクールなメカニズム的繋がりがあるカードで、シャンダラーはまさにふさわしいのだ。第1面の入場効果は自分の墓地からパーマネント・カードを手札に戻し、第2面は自分の手札にあるパーマネント・カードを戦場に出すのだ。シャンダラーらしく、第2面をエンチャントにしたいと考えた。このカードは最初にデザインされたものからほとんど変わっておらず(持ってくるカードが2枚から3枚になっただけ)、ずっとシャンダラーのままだった。
《ゼンディカーへの侵攻》
《ゼンディカーへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
(包囲戦が戦場に出るに際し、それを守る対戦相手1人を選ぶ。あなたや他のプレイヤーはそれを攻撃できる。それが倒されたとき、それを追放する。その後、それを変身した状態で唱える。)
ゼンディカーへの侵攻が戦場に出たとき、あなたのライブラリーから基本土地・カード最大2枚を探し、タップ状態で戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。
主な舞台にしたセット:
『ゼンディカー』『ワールドウェイク』『エルドラージ覚醒』『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』『ゼンディカーの夜明け』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
キオーラ、ナヒリ、ニッサ
ゼンディカーは、3回以上訪問した5つの次元の1つである。土地メカニズムのメカニズム的特徴を基柱としていて、多くの冒険世界の素材を扱っている。本質的に緑な次元の1つなので、緑のバトルにすることは必然だった。
この次元は非常に土地中心なので、両面ともに土地に関連付ける必要があった。入場効果としてもっとも当然の選択が、土地を持ってくる効果だった。第2面では、クリーチャー・土地を作りたかったが、それは想像よりも少しばかり難しいことがわかった。最後の守備カウンターを取り除いたとき、バトルを追放して変身した状態で唱えるのだが、土地はそもそも唱えないのだ。
次善の策は、第2面を戦場にある間土地として数えるクリーチャーにすることだった。こうすることで、土地を参照するメカニズムと相互作用させることができる。また、さらに土地らしさを持たせるため、タップしてマナを出す能力を持たせた。
《アラーラへの侵攻》
《アラーラへの侵攻》
バトル ― 包囲戦
アラーラへの侵攻が戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上から、マナ総量が4点以下であり土地でないカード2枚が追放されるまで1枚ずつ追放していく。あなたはそれらのカード2枚のうち1枚を、マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。その中の1枚をあなたの手札に加える。その後、これにより追放されてそれらでないカードを、あなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
主な舞台にしたセット:
『アラーラの断片』『コンフラックス』『アラーラ再誕』
出身のプレインズウォーカー(カード化済):
アジャニ、テゼレット
アラーラは、弧3色(カラー・パイで並んでいる3色)の次元としてデザインされた。『インベイジョン』ブロックは4~5色の組み合わせが中心になっており、『ラヴニカ:ギルドの都』は2色の組が中心だったので、『アラーラの断片』はまだ扱っていないものに焦点を当てた多色のブロックだった。
この次元は最初、5つの断片に分かれており、それぞれの断片は1色とその友好色を持ち対抗色を持たない次元を基柱にしていた。ラヴニカ同様、アラーラを単色や色の組み合わせにするのはふさわしくないと考えられたので、これを5色のバトルにすることにした。
各色1点で5マナになるので、効果は派手なものにできることになる。我々は、『アラーラ再誕』の人気のメカニズムである続唱のようなことをすることにした。小さな呪文・カード2枚を持ってきて、1枚を唱えて、もう1枚を手札に加えるのだ。第2面は、『アラーラの断片』の巨大ソーサリーである根本原理を思い出させるようにデザインされた。それぞれの効果が、5つの断片を思い出させるものになっているのだ。
星々のバトル
本日はここまで。いつもの通り、今日の記事や私が語ったバトルや次元、『機械兵団の進軍』そのものについての感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
来週は、その3になる。
その日まで、あなたが好きなマジックの次元でのプレイを楽しめますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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2024.12.18広報室
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