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Making Magic -マジック開発秘話-
『Unfinity』ガントレット その3
2022年10月17日
その1、その2の2週にわたって、『Unfinity』のカード個別のデザインの話をしてきた。今回はその3であり、最後の記事となる。
《Pair o' Dice Lost》
ほとんどのマジックのセットでは、名前を意識してデザインするカードもあるが、名前決めまでは何も確定したものとしては扱わない。アン・カードでは、少しばかり一体的な性質を持ち、名前で遊ぶことも多い傾向にあるので、早いうちに名前を確定させてコンセプト化に影響を与えることがある。《Pair o' Dice Lost》はその好例である。私はこのカードを、展望デザインの初期にこの名前で作った。カードのコンセプト化に到った時、私はこの名前でコンセプト化したいといい、通った。結果、(パークの賞品である)捨てられたふわふわしたサイコロ2つに焦点があたったアートになった。名付けに到った時、私はアリ(・ジルルニク/Ari Zirulnik。名前とフレイバー・テキストのリード)に「他の名前を検討してもいいが、うまくいく名前を見つけるのは難しいと思うよ」と言ったのだ。アリは笑い、「ああ、この名前を変える気はありませんよ」と答えたのだった。
《Rat in the Hat》
《Rat in the Hat》がデザインされたスロットは、白黒の「帽子関連」のドラフト・アーキタイプで使うコモンのクリーチャー・カードだった。最初のバージョンは手札破壊カードで、帽子を被った自軍のクリーチャーの数に応じて拡大するものだった。
〈帽子の中の鼠〉(バージョン#1)
{1}{B}
クリーチャー ― ネズミ
1/1
これが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札にあり、あなたがコントロールしていてアート上で帽子を被っているクリーチャーに等しい枚数のカードを公開するあなたはそれらのカードの中から1枚を選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
次は、生命吸収するカードを試した。
〈帽子の中の鼠〉(バージョン#2)
{1}{B}
クリーチャー ― ネズミ
1/1
これが戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは、あなたがコントロールしていてアート上で帽子を被っているクリーチャー1体につき1点のライフを失う。
両デザインとも、帽子を被ったクリーチャーを大量にプレイしていると強すぎるという問題があった。アンコモンなら問題ないが、コモンのカードは開発部語で言う閾値1にしたい傾向にある。閾値1とは、作用するためにメカニズム的に言及するあるグループのカード1枚を必要とするカードのことである。言及するグループのカードが多くなっても、選択肢は増えるがカードのパワーレベルは上がらないのだ。
また、我々は「帽子関連」デッキのプレイパターンを考え始め、墓地の再利用要素が必要だと気がついた。そこで、このカードを、墓地にあり帽子を被ったクリーチャーを手札に戻すものに変更した。
〈帽子の中の鼠〉(バージョン#3)
{1}{B}
クリーチャー ― ネズミ
1/1
{1}{B}, これを生け贄に捧げる:あなたの墓地にあり帽子を被っているクリーチャー・カード1枚を対象とする。それをあなたの手札に戻す。
「帽子を被っている」を「帽子を持っている」に変更した(アートの多くは帽子を手に持っていて被っていなかった)以外は、このカードはこれ以降基本的にそのままだった。大変更をするまでの間は。我々はステッカー・カードのほとんどをエターナルで使えるようにすることを決め、手札やライブラリーに行くときにステッカー・シートに戻すようにしなければならなくなった。非公開領域で、ステッカーを貼ったままにすることはルール上できなかったのだ。この変更の影響を受けるカードは多くはなかったが、《Rat in the Hat》は影響を受けた。
多くのクリーチャーのアートには最初から帽子が描かれていたが、帽子のステッカーを貼ることを「帽子関連」戦略の重要な部分にしていたのだ。《Rat in the Hat》は帽子ステッカーの貼られたクリーチャーを自分の墓地から自分の手札に戻すことができるが、そうすると帽子は外れてしまい、このアーキタイプの大戦略に反することになるのだ。《Rat in the Hat》の基本手的な昨日をそのままに、「帽子関連」戦略下で成立するようにする方法はあるだろうか。
言ってしまえば、ある。帽子を被ったクリーチャーを自分の手札に戻すのではなく、そのクリーチャーを自分の墓地から唱えることができるようにすれば、ステッカーを貼ったままにできるのだ。そのターンに唱えるのであれば、手札に入れるのと同じように働くことになる。これを促進するために、墓地にある帽子クリーチャーを唱えるためにマナを使えるように、我々は《Rat in the Hat》の起動コストからマナをなくした。また、{1}{B}1/1から{B}1/2にしたのだった。
《A Real Handful》
このカードは、細かなたった1つの変更で全く違うものになったという好例である。最初のデザインはこうだった。
〈弱者のしもべ〉(バージョン#1)
{1}{B}{B}
クリーチャー ― 人間・従業員・ミニオン
1/1
あなたの背中に手1つが触れているかぎり、これは3/3のクリーチャーである。
あなたの背中に手2つが触れているかぎり、これは威迫を持つ。
あなたの背中に手3つが触れているかぎり、これは絆魂を持つ。
見ての通り、最初はこのカードではなくプレイヤー(の背中)に誰かが触れる必要があった。これはプレイテスターを恐れさせた。(「人に触られるのは嫌です。」)我々は、触れるところをどこにすべきか、かなりの時間をかけて話し合った。肩はどうだろうか。頭はどうか。靴ならどうか。
最終的に、プレイヤーに触れさせるようにしないことが正解だとわかった。このカードの本質が他の誰かに手伝ってもらうことなので、『Unstable』の《Handy Dandy Clone Machine》を元に、カードそのものに触れるようにすれば問題なく成立するとわかったのだ。この解決策に至るのに、我々は(というか私は)必要よりかなり多くの時間を費やしたのだった。
《Six-Sided Die》
このカードのデザインの話は、実装の話である。先行デザイン中に行なったサイコロを振るデザインに関するブレインストーミングで、ジョージ・ファン/George Fanがこのカードを作った。このカードの本質は、ジョージが最初に作ったバージョンから、黒のインスタントの除去呪文で、6面体サイコロを振ってそのクリーチャーを6種類の殺し方をする、《Six-Sided Die》というカードでだった。それでは、各出目は一体何をするのだろうか。このカードの進化をその観点から見ていこう。
〈災殺の出目〉(バージョン#1)
1 ― それを破壊する。
2 ― それを破壊する。それは再生できない。
3 ― それを追放する。
4 ― これはそれに4点のダメージを与え、あなたは4点のライフを得る。
5 ― ターン終了時まで、それは-5/-5の修整を受ける。
6 ― それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
ジョージは、4通りのいい殺し方(破壊する、追放する、吸収する、-N/-Nする)と1つのひねった方法(対戦相手が生け贄に捧げる。通常、我々がこれをするとき、どれを生け贄に捧げるかはコントローラーが選ぶ。)を思いついたが、6つ目には苦労しているのがわかる。「破壊する。再生できない」は2014年の『基本セット2015』以来、《滅び》 を連想させる『モダンホライゾン2』の《滅ぼし》以外では使われていない。再生そのものも、2016年に引退している。つまり、ジョージはよりよい選択肢を必要としていたのだ。
〈災殺の出目〉(バージョン#2)
1 ― それを破壊する。
2 ― それを追放する。
3 ― それがタップ状態であれば、それを破壊する。
4 ― これはそれに4点のダメージを与え、あなたは4点のライフを得る。
5 ― ターン終了時まで、それは-5/-5の修整を受ける。
6 ― それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
次は、「タップ状態であれば破壊する」を試した。これは比較的弱い除去能力だが、ときおり黒が使っているものである。
〈災殺の出目〉(バージョン#3)
1 ― それを破壊する。
2 ― それを追放する。
3 ― それの上に-1/-1カウンター3個を置く。
4 ― これはそれに4点のダメージを与え、あなたは4点のライフを得る。
5 ― ターン終了時まで、それは-5/-5の修整を受ける。
6 ― それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
ここで、我々は-1/-1カウンターを試した。通常、+1/+1カウンターと-1/-1カウンターを混在させることはないが、これは突飛なサプリメント・セットであり、《Attempted Murder》がすでに使っていた。
〈災殺の出目〉(バージョン#4)
1 ― それを破壊する。
2 ― それを追放する。
3 ― それのコントローラーはそれを生け贄に捧げる。
4 ― それの上に-1/-1カウンター4個を置く。
5 ― これはそれに5点のダメージを与え、あなたは5点のライフを得る。
6 ― ターン終了時まで、それは-6/-6の修整を受ける。
このバージョンでも使っている除去効果は同じだが、少しばかり変更を加えている。-1/-1は4、吸収は5、-N/-Nは6に割り振った。
〈災殺の出目〉(バージョン#5)
1 ― ターン終了時まで、それのタフネスは1になる。
2 ― それの上に-1/-1カウンター2個を置く。
3 ― これはそれに3点のダメージを与え、あなたは3点のライフを得る。
4 ― ターン終了時まで、それは-4/-4の修整を受ける。
5 ― それを破壊する。
6 ― それを追放する。
この最後の変更ではいくつかのことが行なわれた。1つ目に、対象を取る強制生け贄は普段しないことなので止めた。2つ目に、リミテッドで少々強すぎることがわかったのでいくらか弱くした。3つ目に、出目が大きい方がいい結果だと感じられるようにした。出目によって結果が異なるカードはある(過去のアン・セットでは大きい出目のほうが常に良い結果だった)が、このカードは6種類の出目を扱うので、大きい出目のほうがいい結果になると感じられるようにしたかったのだ。過去のバージョンでは、中間の出目を出したくないと感じるので奇妙だったのだ。
この考えから、-1/-1カウンターを置くのを2、吸収を3、-N/-Nを4にした。破壊と追放を5と6にしたのは、それが最も望ましい結果だからである。その後、1の効果を最弱でそのクリーチャーを殺せない場合もあるものにした。(ただし、対象にしたクリーチャーによっては有効に使うことができる。)我々は、5や6の出目を出した時だけを考えるようなものにしないように尽力したのだ。
《Sole Performer》と《Trigger Happy》
《Sole Performer》と《Trigger Happy》には、『Unfinity』でこの2枚だけに共通したものがある。両カードとも、最初は『Unfinity』向けにデザインされたものではなく、『Mystery Booster』のプレイテスト・カードだったのだ。『Mystery Booster』を監督したガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin verheyは、私が『Unfinity』を作っていることを知っていたので、私にプレイテスト・カードすべてを見せ、次のアン・セットにふさわしいと思うものを取らせてくれた。私は何枚かのカードを選んでファイルに入れたが、印刷まで到ったのがこの2枚だけだったのだ。
《Souvenir T-Shirt》
初期に、我々は謝肉祭やアミューズメント・パークで手に入れられるもののリストを作った。その中にあったのが、Tシャツだった。『Infinity』でしか作れないクールな装備品になりそうだと思ったのだ。最大の問題は、それが一体何をするかだった。最初の試作はこうだった。
〈Tシャツ〉(バージョン#1)
{1}
アーティファクト ― 装備品
装備しているクリーチャーは速攻とブランドを持つ。(これは、これのコントローラーが着ているマジック関連製品1つにつき+1/+1の修整を受ける。)
装備{1}
マジック関連の衣料品を身につけることを推奨するというアイデアが出て、手掛かりが見つかった。しかし、それをどう実装するかという大きな疑問があった。最初のこのバージョンは、可能なかぎり多くのマジック関連製品を身につけることを推奨しており、そうであることを前提のコスト付けをしていたため、何も身に着けていなかったり1~2枚だけだったりしたらデッキに入れても意味がないような強さになっていた。デザイン・チームの中にはそれをクールだと考えるものもいたが、私は、リリース・イベントでごく一部のプレイヤーだけがプレイするようなカードにはしたくないと言ったのだ。私は、マジック関連製品を着ることに立脚したかったが、それが利点であって義務ではないと言えるようなバランスでなければならない。また、マジック関連製品を1つ身につけることで嬉しくなるようにしたかったのだ。
〈Tシャツ〉(バージョン#2)
{2}
アーティファクト ― 装備品
装備しているクリーチャーは速攻とブランドを持つ。(それが攻撃するたび、あなたがコントロールしている攻撃クリーチャー最大X体は+1/+1の修整を受ける。Xはあなたが身につけているマジック関連製品の数に等しい。)
装備{1}
次のこのバージョンは、ボーナスは与えるがその影響は小さくなっていた。あまりインパクトはなく、マジック関連製品を身に着けていてさえもプレイする人はいなかったのだ。
〈Tシャツ〉(バージョン#3)
{2}
アーティファクト ― 装備品
装備しているクリーチャーは+1/+1の修整を受けブランドを持つ。(あなたがマジック関連製品を着ているかぎり、装備しているクリーチャーはあなたがオーナーでないマジックのカードの対象にならない。)
装備{1}
3つ目のこのバージョンでは、マジック関連製品を着ていれば呪禁のような利益を得られる。これについての反響は、利益が小さすぎるというものだった。
〈Tシャツ〉(バージョン#4)
{2}
アーティファクト ― 装備品
装備しているクリーチャーは+1/+1の修整を受けブランドを持つ。(あなたがマジック関連製品を着ているかぎり、ブランドを持つすべてのクリーチャーと持たないクリーチャー1体はバンドで攻撃できる。バンドはグループでブロックされる。あなたがコントロールしていてブランドを持つクリーチャーがクリーチャーにブロックされたなら、そのクリーチャーの戦闘ダメージはブロックされているクリーチャーの間で、そのコントローラーではなくあなたが割り振る。)
装備{1}
次のこのバージョンは少し狂っている。ブランドが(似ている)バンドを与えたらどうだろうか。これは無意味に面白かったので、必要ないほど長くファイルに残っていた。最終的に、3つの理由からボツになった。1つ目、バンドはあまりにも混乱を招く。2つ目、バンドは盤面を膠着させて攻撃できなくする。(これはバンドだけの問題であり、後援が攻撃時にのみ働く理由である。)3つ目、ひとつ前のバージョン同様、これはリリース・イベントにマジック関連製品で行こうという気にさせない。
最終バージョンでは、我々は《Elvish Impersonators》を元にした2枚目のカードに問題はないと判断した。(1枚目についてはこの後で。)マジック関連製品ごとに1つサイコロを増やせるのは意味があるが上限があるので、マジック関連製品を着ていない人もプレイできるようなコストにできたのだ。
《Standard Procedure》
『Unglued 2』で、私は〈恥知らずな残り物〉という(知らない諸君のために説明すると、「The Duelist」はウィザーズが出していたマジック専門誌である)カードを作った。
〈恥知らずな残り物〉
{3}
アーティファクト
これを生け贄に捧げる:「The Duelist」最新号に登場しているマジックのカード1枚を選ぶ。ターン終了時まで、そのカードがあなたの手札にあるかのようにプレイしてよい。この能力は、あなたが「The Duelist」の最新号を持っていなければプレイできない。
このカードの元になったアイデアは、その汎用性が時ともに変わるというものだった。メカニズム的機能は、カードの変動するグループに基づくのだ。『Unfinity』でもこのアイデアに別の形で取り組み、「The Duelist」に代わってスタンダード・フォーマットを使うことにした。最初のバージョンではコピー呪文のように働いて、スタンダードにある任意の軽い呪文(最初はマナ総量が2以下であることが条件だった)をコピーできるというものだった。最初のこのバージョンが青だったのは、コピー呪文という位置づけだったからである。
〈スタンダードの呪文〉(バージョン#1)
{3}{U}
インスタント
現在スタンダードで使用可能でありマナ総量が2以下でありインスタントやソーサリーであるカード1枚を指名する。それのコピーをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
コピー呪文という位置づけではあったが、教示者や願いのほうが近いと感じられたので、青から黒に変えることにした。また、2マナの呪文を唱えるのに4マナ必要なのは間違いだと感じたので、マナ・コストを1点減らした。
〈スタンダードの呪文〉(バージョン#2)
{2}{B}
インスタント
現在スタンダードで使用可能でありマナ総量が2以下でありインスタントやソーサリーであるカード1枚を指名する。それのコピーをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
このカードの使われ方は気に入ったが、大きな問題があった。カラー・パイを破っていたのだ。{2}{B}で、色を問わず軽い効果を唱えることができた。ただコスト無しで唱えるのではなく、そのカードを唱えられるようになっていたのだ。また、これは軽い呪文を唱えるためのコストを減らせるということでもあった。プレイテストでは楽しかったので、我々はこれを全色に公開することにした。黒から無色にしたのだ。両方の理由から、マナ・コストは{1}に減った。最終的に、我々は選べるカードを、マナ総量2以下からマナ総量3以下に広げた。
〈スタンダードの呪文〉(バージョン#3)
{1}
インスタント
現在スタンダードで使用可能でありマナ総量が3以下でありインスタントやソーサリーであるカード1枚を指名する。その呪文のコピーを唱えてもよい。
私はこのカードの使われ方が気に入ったが、教示者や願いと別物だと感じさせるための何かが足りないと感じていた。その時、カードを取ってくるのではなくこのカードをそのカードにするというアイデアが浮かんだのだ。スタンダードに言及するのはどんぐりの範囲ですでに扱っているので、同じ効果をもっと違う、派手なものに見せる方法だと考えたのである。このカードがそのターンの間そのカードのコピーであり続けるので、さまざまな領域にあるそのスタンダードのカードとしてのこれとクールな相互作用も可能になるのだ。(これを青のカードにして《意志の力》のために捨てたり、インスタントにして《輪の信奉者》のために墓地から追放したりできる。)
《Vedalken Squirrel-Whacker》
サイコロを初めて使ったセットは『Unglued』であり、私のお気に入りのサイコロを使うカードは《Elvish Impersonators》だった。
サイコロを振ることの高い分散を面白く使った好例だった。1/1から6/6まで、36種類の結果のいずれかを得られたのだプレイ感もよく、スリルに満ちた瞬間が生まれ、そして理解も容易かった。ある日、私は、《Elvish Impersonators》を『Unfinity』で再録できないかと思いついた。パフォーマーは文字通り新しいクリーチャー・タイプだ。ショックランドの再録はすることになっているが、これは別の話だった。我々はこれまで、ブースターのアン・カードは再録したことがない。(『Unhinged』の《Water Gun Balloon Game》はリリース・プロモだった。)また、クリーチャーは強くなってきているので、4マナならこのカードにはまだ余地があると言われたのだ。
私は新しい《Elvish Impersonators》を作ることにした。このカードに他に何を加えればいいのだろうか。そこで思いついたのが、サイコロに他の機能を持たせると面白そうだということだった。他の出目と交換できたらどうだろうか。出目をより良くしたり、クリーチャーを強化したり、あるいはその両方ということもありうる。(『Unfinity』には、低い出目のほうがいいカードもある。)最初のカードは緑青の伝説のクリーチャーだったが、最終的に青単色にして伝説ではなくした。これは緑青の伝説のクリーチャーのスロットに入れたい効果(《Ambassador Blorpityblorpboop》と《It Came from Planet Glurg》)が他にあったからである。
「そして皆は幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし」
まとめなければならない時間だ。3週にわたる『Unfinity』のカード・デザインの話を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、この記事や話題にしたカード、あるいは『Unfinity』全体について、諸君からの感想を楽しみにしている。私はこの製品をとても大切に思っているので、諸君の感想をどうか聞かせてほしい。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『Unfinity』に関する一問一答でお会いしよう。
その日まで、あなた自身に語るべき『Unfinity』の物語がありますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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