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Making Magic -マジック開発秘話-
『Unfinity』ガントレット その2
2022年10月10日
先週、『Unfinity』のカード個別のデザインの話を始めた。今日はその続きとなる。
《Astroquarium》
ステッカーを手掛けていた時の我々の目標の1つが、新しい使い方を見つけることだった。もちろんカードの性質を変えることはできるが、それ以外の形でステッカーを参照するカードは作れないだろうか。そこから生まれたのが、アートの要素に手を加えられるカードを何枚も作るための(私の次席者で右腕の)クリス/Chris Mooneyが指揮するチームだった。《Astroquarium》はステッカーの大きさを参照するカードである。プレイヤーに、可能なかぎり大きいステッカーを使わせるのだ。(その逆が《Juggletron》で、プレイヤーに可能なかぎり小さいステッカーを使わせる。)フレイバーは最初から、ガラスにヒビの入ったガラスの水タンクでステッカーを使って水が出てくるのを止めなければならない、というものだった。そうしたなら、ボーナスを得るのだ。これらのカードをプレイテストするため、クリスはスケッチを描いてデータベースに入れ、プレイテスト・カードに印刷されるようにした。
最初のバージョンは、タップしてルーター能力(カード1枚を引いてカード1枚を捨てる)を使えるが、ヒビを覆っていればカード1枚をただ引けるというものだった。2つ目のバージョンは、クリーチャーに-2/-0の修整を与えるが、ヒビが覆われていればその修整が-4/-0に強化された。3つ目のバージョンは、ヒビが覆われているかどうかに応じて、クリーチャーを4/4のサメか8/8のタコにするものだった。
このカードを作る上での一番の難関は、アートのときに訪れた。ほとんどのセットでは、アートはカードにメカニズム的な影響を与えることなく向上させるものである。《Astroquarium》では、ヒビの大きさがこのカードの強さを文字通り決定することになる。つまり、私は(カードのコンセプトづけをした)アニー/Annie Sardelisや(アート・ディレクターの)ドーン/Dawn Murinとこのヒビの大きさが厳密にどうであるかについて何度も話し合う必要があったのだ。しかし、まだステッカーはできておらず、その正確な大きさもわかっていなかったのだ。我々はステッカーの大きさを推測し、それからヒビを覆うのに何枚のステッカーが必要であると考えられるかについて話し合うことになったのだ。最終的に、最少は2枚でおそらく3枚、引きが悪ければ4枚以上もありうる、ということにした。これからできたのが、枠の上から下にわたるY字型のヒビだった。
セットの印刷が始まり、開封してテストをするためのブースターが何箱か印刷された。私は2パック目で《Astroquarium》を引き、すぐにステッカーを貼ってみた。(ステッカーの大きさを参照する)《Astroquarium》も《Juggletron》も、最初に想定した通りに成立していたので私は大満足だったのだ。ところで、このカードのアート指示はこうだった。
舞台:『Umbrella』(このセットのコードネーム)
色:青のアーティファクト
場所:マーフォークのマリーナ p.29 防水ポッドの中。ただしこのポッドのガラスにはヒビが入っている!
行動:大きな水族館の水槽のガラス壁の向こうに、サメと巨大タコが見えている。それらのクリーチャーはネオンで彩られた衣装をまとっている。(似た形状のネオンを着たマーフォークはp.71参照。)そのガラスには枠の上から下までY型のヒビが入っている。(添付参照。)そのヒビから水漏れが生じているのがわかる。
焦点:ガラスのヒビ
雰囲気:今にも割れそう!
注:ヒビはY字型のもの1つにしてください。(それ以上分岐させないこと。)
《Done for the Day》
このエンチャントの進化は、ステッカーやアトラクションの進化の多くを反映している。
〈あちらから〉(バージョン #1)
{3}{G}
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、チケット・トークン1つを生け贄に捧げる。(それは「{T}, このアーティファクトを生け贄に捧げる:{C}を加える。そのマナはアトラクションやステッカーにしか支払えない。」を持つアーティファクトである。)
{2}{G}, チケット1つを生け贄に捧げる:あなたのアトラクション・デッキの一番上にあるカード1枚を開く。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる。
このデザインは、チケットがカウンターでなくトークンであった当時のものである。おそらく、通常の呪文を唱える間に、チケットが大量にあり、ステッカーを貼ったりアトラクションを観覧したりするために使えるという前提で、ステッカーやアトラクションを使うためにマナを使おうとしていた時期だろう。アトラクションを観覧するための条件がマナだけだったのは、このカードの起動型能力でアトラクションを開いていることでもわかる。
〈あちらから〉(バージョン #2)
{3}{G}
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、あなたはチケット1枚を得る。
これを生け贄に捧げる:賞品0を行う。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる。(あなたはチケット・カウンターを得ないが、プライズウォールからステッカーを買うことができる。)
このバージョンまでに、チケットをアトラクションに使うのを止め、ステッカーに制限している。カードにステッカーを貼るという代わりに、賞品というキーワードを試している。
賞品Nは、ステッカーN枚を得、その後、カード1枚に貼ることができるという意味であった。最終的には、必要以上に複雑であることや特定の種類のステッカーだけを貼れるカードを作りたいことから、この賞品能力はボツになった。
〈あちらから〉(バージョン #3)
{2}{G}
エンチャント
あなたがコントロールしているクリーチャー1帯が戦場に出るたび、チケット1枚を得る。
これを生け贄に捧げる:賞品0を行う。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる。(あなたはチケット・カウンターを得ないが、プライズウォールからステッカーを買うことができる。)
このデザインでは、クリーチャーを出せばチケットが得られる。プレイテスターがクリーチャー1体だけにすべてのステッカーを貼っていた時期があり、我々はステッカー・デッキがより多くのクリーチャーを求めるように、そしてステッカーを複数のクリーチャーにバラすようにするカードを作ったのだ。
〈あちらから〉(バージョン #4)
{2}{G}
エンチャント
あなたがコントロールしているクリーチャー1体が戦場に出るたび、{Ticket}を得る。
これを生け贄に捧げる:あなたがオーナーであるパーマネント1つにステッカー1枚を貼る。(チケット・コストは{Ticket}で支払うことができる。)
この時点で、チケットのアイコンを使い始めた。印刷されたバージョンでは、従業員、パフォーマー、ロボットをコントロールしていることで利益を得られるカードになっている。このセットでは、パークで働くクリーチャーを表すいくつものクリーチャー・タイプを導入しており、少なくとも1枚はそれらをメカニズム的に参照するカードが欲しかったのだ。(まあ、従業員、パフォーマー、ロボットにはそれぞれのアーキタイプがあるが。)我々はこのエンチャントがすべての労働者を表すようにしたいと考えた。私は、労働者が給料を現金(宝物)かパークのチケットのどちらで支払われるかを選ぶという隠れたフレイバーを気に入っている。
《Embiggen》
さて、このセットには緑の強化呪文が必要だった。通常、その種の呪文はターン終了時までクリーチャー1体を+2/+2~+4/+4強化する。これはアン・セットなので、平均がその範囲になるようにできる変数を探すことにした。少しの調査の結果、私は、タイプ行にある単語数に目をつけたのだ。ほとんどのクリーチャーは、クリーチャーのカード・タイプと1~3個のクリーチャーのサブタイプを持つ。これは完璧に作用した。デザインの初期に私が作ったこのカードは、長い間そのまま残ったのだ。
そして話はエターナルかどんぐりかの話し合いの時期に飛ぶ。カードに存在する特殊タイプ、タイプ、サブタイプを数えたことはなかったが、それに関してルールが扱えないものは何も存在しなかった。しかしながら、プレイデザインから問題が指摘された。ほとんどのカードのタイプ行にある単語数は限られているが、1つ例外があったのだ。(『ローウィン』の)多相メカニズムは、すべてのクリーチャー・タイプを持つ。このメカニズムは何度か再登場しており、50枚以上存在していた。《Embiggen》と多相で、どんなフォーマットでもどのプレイヤーでもすぐに倒せるダメージが出せることになる。この組み合わせを考えると、このカードはどんぐりにせざるを得ない。
私は、「このカードをその組み合わせができないように調整したらどうだろう」と言った。問題は、あまり文章を伸ばさないでそうする方法を見つけなければならないことだ。入り組んだエターナル版よりもきれいなどんぐり版のほうがいい。デザイン・チームはどんぐりカードにすることを受け入れたが、私はきれいな解決策があると確信していた。かなり考えた末、私は、テンプレートに単語1つを足すだけの解決策を見つけたのだ。「クリーチャー・タイプ1つでない」ものを対象とするようにすれば、多相のクリーチャーとそのクリーチャー・タイプ以外のほとんどのクリーチャーに使えるようになる。しかし、そのクリーチャー・タイプは何にすべきか。
これはアン・セットなので、目指すところは最も可笑しい選択肢を選ぶことである。それが実在しているかどうかわからなくても、目にしたときに思わず笑うようなクリーチャー・タイプは何だろうか。私が最初に思いついたのが、ブラッシュワグだった。
ブラッシュワグは『ミラージュ』で初登場して、マジックのコミュニティでバカバカしいクリーチャー・タイプとしてミーム化しており、そのため『イコリア:巨獣の棲処』では2枚目のブラッシュワグを作ったのだ。他のさまざまな選択肢についても話し合ったが、どれだけ話してもブラッシュワグに戻ってきてしまうので、あきらめた。ブラッシュワグだ! また、同じ技巧が必要なステッカーもあったので、そこでもブラッシュワグを使った。この問題はかなり初期に起こっていたので、それに合わせてアートを作ることができたので、本心で言えばブラッシュワグをセットに入れることができたはずであった。こうして、《Embiggen》には「ブラッシュワグでない」という語が入ったのだった。
《Get Your Head in the Game》
このカードはほぼ変わらなかったが、ここで語りたい変更が1つだけある。最初のバージョンはこうだった。
〈要注意〉(バージョン#1)
{1}{W}
エンチャント
瞬速
これが戦場に出たとき、クリーチャー1体を対象とする。これが戦場を離れるまで、それを追放する。その後、これをあなたの前頭部につける。これが剥がれ落ちたとき、これを生け贄に捧げる。
最初のデザインの意図は、《忘却の輪》の亜種で、このカードがあなたの前頭部に貼り付いているあいだそのクリーチャーを追放するというものだった。私は人生ずっとカードゲームをプレイしてきていて、子供の頃に前頭部の湿気を使ってカードを前頭部に貼り付ける方法を学んでいた。誰でもその方法を知っていると思っていたのだ。これを使った初めてのプレイテストをした日までは。
私はクリス・ムーニーと対戦していて、クリスがこのカードを引いた。そして、カードを前頭部につけるというのはどういう意味かと聞かれたのだ。私はやってみせた。クリスは私がやったやり方を理解できていなかった。クリスは、誰かがそうするのを見たことも、自分がそうしたこともなかったのだ。つまり、クリスに関しては、このカードは「したこともなければする方法もわからないことをしろ」と書いてあることになる。
我々はこれを、頭に触れさせておくだけでいいことにした。プレイヤーは、前頭部に貼り付けてもいいし、載せてバランスを取ってもいいし、頭に載せて押さえてもいい。簡単に言えば、選択肢が増えたのだ。
少し簡単になったので、{1}{W}から{2}{W}にした。一方で、我々は他のパーマネント・タイプへの対策を探していたので、コストを上げていたこともあって、このカードでクリーチャーだけでなくどのパーマネントでも追放できるようにした。
《Gobsmacked》
『Unfinity』における私の目標の1つが、『Unstable』で非常に面白いと証明された「ゲーム外の人物」を、その使い方を広げて、再登場させることだった。多くのブレインストーミングを行ない、私に刺さったアイデアが、助けになると知らないまま助けてくるゲーム外の人物、というものだった。一体どうすればそれができるのか。もちろん、やり取りをした上でそうすることはできない。
そこで思いついたアイデアは、プレイヤーが見なければならないというものだった。それはなぜ重要なのか。相手を見ている間だけ作用する効果というのはどうだろうか。何らかの理由でその人物が他の部屋に行ったら、その効果が消えるのだ。少し考えた結果、私は、その効果にふさわしいのは《拘引》の変種だと気がついた。
それを使った最初のプレイテストで、私の対戦相手は第5ターンに大型クリーチャーを出してきて、私はプレイテスト中の他の人を選んだ。(その人物は選ばれたことを知らない。)2ターン後、その人物がトイレに行った。どうなるか。私のゲーム・プランは、その人物が戻ってくるまで生き延びられるかにかかっていた。他のプレイテスターもすぐに何が起こっているのか気づき、そのプレイテスターの帰還は前の関心事になったのだ。そして、私はガラス越しに彼が帰ってくるのを見ていた。彼はちょうど間に合う時間に戻ってきてくれたのだ。
これは、ふさわしいメカニズムは経験を強化する瞬間を生み出し得て、プレイヤーが一生語れるような物語になるということを示している。このとき、私は成功したと確信し、このカードを残すために全力を尽くした。そしてこのカードはセットに残ったのだった。
《Nearby Planet》
このカードに関しては、誰もが気にしていることにまず答えよう。「なぜこれがどんぐりカードなのか?」「なぜエターナル・カードにできなかったのか?」 厳密に言えばルール内で成立しないのだが、それは対処できる話だ。マジックは新しい効果が出るたびにルールを調整しており、このカードで必要になる変更はそう大きいものではない。
大きな問題は、レガシーやヴィンテージである。我々がセット内のカードをエターナルにするのは、そのセットを統率者戦でプレイできるようにする必要があるからである。統率者戦は我々の最もカジュアルなフォーマットで、アン・セットは最もカジュアルなセットなので、どこかのフォーマットでプレイできるようにするなら統率者戦であるべきだと考えている。つまり、我々はレガシーやヴィンテージに加えるものについて用心深くならなければならないのだ。
どのカードがどんぐりでどのカードがエターナルなのかを決めるために組織したチームには、ルール・マネージャーのジェフ・ダンクス/Jeff Dunks、このセットのエディターのマット・タバック/Matt Tabak、リード・セット・デザイナーの私、プレイデザイン・チームからのカルメン・ハーディ/Carmen Hardyがいた。レガシーやヴィンテージで問題を起こすカードをエターナルにしないようにするのは、カルメンの仕事だった。コストを変更することもあれば、エターナルでなくすることもあった。
我々は《Nearby Planet》を作ったのは、リミテッドでのマナ基盤の助けとして、タップして5色どの色でも出せるコモンの土地が必要だったからである。上述のとおり、Rangeling/多層はルール上成立しないので、アン・セットができることの水準をクリアしていることになる。(エターナルの議論が生じる前のことである。)エターナルの話が持ち上がったとき、我々には2つの選択肢があった。コストを変更してレガシーやヴィンテージで問題にならないようにする(レアリティも変更になるだろう)か、どんぐりカードにするかである。前者は多くの頭痛の種になる(この時点でアートは全部終わっていることを思い出してもらいたい)上に危険性も残るので、我々はどんぐりカードにすることを選んだのだ。レガシーやヴィンテージに関する方針としては、「怪しいときは安全に寄せる」なので、今回もそうしたのだった。
《Omniclown Colossus》
《Omniclown Colossus》と《Pie-roclasm》は最初別々の呪文だった。『Unstable』には、π点のダメージを与える初のカード、《Just Desserts》があった。
『Unstable』の黒赤の陣営は最初道化師で、《Just Desserts》は唯一印刷に到ったそのデザインの名残だった。サーカスのセットが来ることを知っていれば、これは温存していただろう。
《Just Desserts》の振り返りを作ることに決めたところ、3人のデザイナーがそれぞれ全く同じ名前の全く同じカードを作ったのだ。これが、《Pie-roclasm》がセットに入った経緯である。《Omniclown Colossus》は、「道化師トロン」と呼ばれるトップダウンのカードとしてジョージ・ファン/George Fanがデザインしたものである。このセットの道化師はすべてロボットだと気づいて、ジョージはボルトロン型の道化師というアイデアを思いついた。彼はそれを「道化師トロン」と名付け、最初のデザインはこうなった。
〈道化師トロン〉(バージョン#1)
{7}
伝説のアーティファクト・クリーチャー ― 巨人・ロボット・道化師
*/7
これのマナ・コストを支払うのではなく道化師・クリーチャー3体を生け贄に捧げてもよい。
これが戦場に出たとき、3個の6面体サイコロを振り、これの上に+1/+1カウンターX個を置く。Xはその出目に等しい。
これのパワーが:
15以上 ― これはトランプルを持つ。
0~6 ― これは絆道化師を持つ。
素数 ― これは飛行を持つ。(素数は2, 3, 5, 7, 11, 13, 17などである。)
最初の道化師トロンはいろいろなものが詰まっていた。道化師を生け贄に捧げて素早く出すことができた。サイコロを振ること、+1/+1カウンター、絆道化師(『Unstable』の絆リスの変種)、「素数関連」があった。
次のこのバージョンはいくらか整理されている。
〈道化師トロン〉(バージョン#2)
{7}
伝説のアーティファクト・クリーチャー ― 巨人・ロボット・道化師
8/11
このカードのマナ・コストを支払うのではなく道化師・クリーチャー5体を生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、ターン終了時まで、これは速攻を得る。
威迫
{1}, {T}:クリーチャー1体を対象とする。これはそれにπ点のダメージを与える。
道化師1体を生け贄に捧げる:これをアンタップする。
これが死亡したとき、無色の1/1のアーティファクト・ロボット・道化師・クリーチャー・トークン5体を生成する。
このバージョンでも道化師を生け贄に捧げて唱えることができるが、道化師はダメージを与えるためのリソースとしても使えるようになっている。道化師の数が5体になっているのは、ボルトロン感を出すためだろう。また、π点のダメージも追加されている。最後に、死亡誘発により、唱えるために使った可能性のある道化師が戻ってくるようになった。
《Pie-roclasm》と〈道化師トロン〉の両方は入れられないので、ある会議の席で、どちらかを選ばなければならない、と伝えた。そして、我々は、その2つを1枚のカードに組み合わせることにしたのだ。〈道化師トロン〉は赤になり、《Pie-roclasm》は出来事になった。サプリメント・セットなので、メカニズムを少し入れることができたのだ。スペースを節約してカードを少し強化するため、道化師を生け贄に捧げるのではなく親和(道化師)にした。常磐木でないメカニズムを少し入れるというなら、1つだけにする理由はない。
デザインの後期に、赤白のアーキタイプは「道化師関連」から「ロボット関連」に変わった(道化師でないロボットは3枚あるが、ロボットでない道化師は1枚だけである)が、このカードはフレイバー的に親和〈道化師)のままであり、最終的に唯一の「道化師関連」カードとなったのだった。このカードのアート指示はこうだった。
舞台:『Umbrella』
色:無色のアーティファクト・クリーチャー
場所:アストロトリウムの通りでのパレード(pp. 17-20 をもとに。)防御的ドームのガラスを通して公正間の広がりの煌きが見えるかもしれないし、アストロリウムのまわりを飛び回る強烈なローラー・コースターが見えるかもしれない。
行動:これは巨大な道化師ロボットで、複数の小型道化師ボットからできている。トランスフォーマーのようなもので、全高約6メートル。その躯体は、元になった多くの道化師ロボットによるカラフルなパッチワーク柄で、全身に赤く輝く鼻が大量に存在している。下から見上げている構図かも知れない。
焦点:巨大な道化師ロボ
雰囲気:非常にクールか非常に怖いか、見る人によって違う。
注:道化師ロボットはどれも派手な色で塗られていて、赤く輝く鼻がついている。(pp 76-79)
「物語の時間は終わり」
本日はここまで。『Unfinity』のカード・デザインの話を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り(あるいはいつも以上に)今日の記事や話題にしたカード、『Unfinity』そのものについての感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、さらなる『Unfinity』のカード個別のデザインの話を続ける日にお会いしよう。
その日まで、あなたが自分のために『Unfinity』の楽しみを体験できますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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