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Making Magic -マジック開発秘話-
『真夜中』の油を燃やす その2
2021年9月20日
先週、『イニストラード:真夜中の狩り』のカード個別の話を始めた。今日も、さらなる話をしていこう。
《屍錬金術師、ルーデヴィック》/《ルーデヴィックの傲慢、オーラグ》
ルーデヴィックには、ギサとゲラルフと似た話がある。彼の名前は、初代『イニストラード』の《ルーデヴィックの実験材料》で出てきていたが彼自身はそのブロックでカード化されなかった。プレイヤーが強くカード化を求めたので、我々はついにルーデヴィックのカードを『統率者(2016年版)』で作ったのだった。
このカードへの反響は中途半端なものだったので、我々は今回のイニストラードへの再訪の機会に新しくカード化することにした。最初から書いておくべきこととして、この枠は両面カードの枠であった。
〈美食家〉(第1面、バージョン1)
{1}{B}
クリーチャー ― 吸血鬼
2/1
昼/夜(これが戦場に出るに際し、昼でも夜でもないなら、昼になる。)
絆魂
{2}{B}:ターン終了時まで、[カード名]は+2/+2の修整を受ける。
//
〈取り憑かれた世捨て人〉(第2面、バージョン1)
クリーチャー ― 吸血鬼
2/1
錯乱
あなたのアップキープの開始時に、あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。[美食家]
この枠は最初、黒単色で日暮/夜明(展望デザイン中は昼/夜という名前だった)を使う吸血鬼のデザインだった。第1面でライフを獲得し、第2面でライフと引き換えにカードを引くという可愛らしいデザインだった。
〈屍体蒐集家〉(第1面、バージョン2)
{1}{B}
クリーチャー ― 人間・邪術師
2/3
[カード名]が戦場に出るか攻撃するたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード3枚を切削する。各終了ステップの開始時に、すべての墓地にあるカードの総枚数が20枚以上である場合、[カード名]を変身させる。[怪奇な融合体]
//
〈怪奇な融合体〉(第2面、バージョン2)
クリーチャー ― ゾンビ
このクリーチャーが[カード名]に変身するに際し、墓地にあるクリーチャー・カード3枚を追放する。[カード名]は、追放されている2枚目のクリーチャー・カードのパワーと追放されている3枚目のクリーチャー・カードのタフネスを持つことを除き、追放されている1枚目のクリーチャー・カードのコピーである。[屍体蒐集家]
このカードの第2バージョンでは、吸血鬼からゾンビ・邪術師に変更になり、新しいメカニズムになった。第1面は自分の墓地を肥やし、墓地のしきい値が変身の条件になっている。その後、第2面で、自分の墓地にあるクリーチャー・カード3枚を組み合わせたゾンビになるのだ。
〈狂科学者、ルーデヴィック〉(第1面、バージョン3)
{U}{B}
伝説のクリーチャー ― 人間・ウィザード
2/3
[カード名]が戦場に出るか攻撃するたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード3枚を切削する。各終了ステップの開始時に、すべての墓地にあるカードの総枚数が20枚以上である場合、[カード名]を変身させる。[ルーデヴィックの怪物]
//
〈ルーデヴィックの怪物〉(第2面、バージョン3)
クリーチャー ― ゾンビ
このクリーチャーが[カード名]に変身するに際し、墓地にあるクリーチャー・カード3枚を追放する。[カード名]は、追放されている2枚目のクリーチャー・カードのパワーと追放されている3枚目のクリーチャー・カードのタフネスを持つことを除き、追放されている1枚目のクリーチャー・カードのコピーである。[狂科学者、ルーデヴィック]
この時点で、セットデザイン・チームはこのデザインに満足していたが、ファイル内にあるカードよりもルーデヴィックにふさわしいと気づいたので、片面の枠にあったルーデヴィックをこの両面カードの枠に移した。これが、(先週言った)別の枠が黒単色になりギサになった理由である。
〈屍幻想家、ルーデヴィック博士〉(第1面、バージョン4)
{U}{B}
伝説のクリーチャー ― 人間・ウィザード
2/3
屍幻想家、ルーデヴィック博士が戦場に出るか攻撃するたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカード2枚を切削する。
{3}{U}{B}:あなたは墓地にあるクリーチャー・カード3枚を追放してもよい。そうしたなら、屍幻想家、ルーデヴィック博士を変身させる。起動はソーサリーとしてのみ行う。[ルーデヴィックの愚行、タイポ]
//
〈ルーデヴィックの愚行、タイポ〉(第2面、バージョン4)
クリーチャー ― ゾンビ
このクリーチャーが[カード名]に変身するに際し、これは、追放されているカードのうち1枚のコピーとなる。ただし、追放されているカードのうち別の1枚のパワーと追放されているカードのうち3枚目のタフネスを持ち、他のタイプに加えてゾンビであることを除く。[屍幻想家、ルーデヴィック博士]
次のこのバージョンでは、自分の墓地にあるクリーチャー・カード3枚を追放する部分が第1面に行ったことを除き、第2面はそのままである(ただしテンプレートは変更になっている)。変身を容易にするため、セットデザイン・チームは変身条件を誘発型能力からマナを必要とする起動型能力に変更した。第1面で切削する枚数は、3枚から2枚になった。
最終のバージョンでは、数か所の変更があった。切削の枚数は2枚から1枚になった。切削枚数が減り続けているのは、これがプレイデザイン上の変更であるということを示している。変身のコストが、ちょうど3枚のクリーチャー・カードを追放することから任意の枚数のクリーチャー・カードを追放することに変わり、その数は起動コスト内のXで扱われている。その後、第2面では、パワー/タフネスが4/4に追放されたクリーチャー・カード1枚につき+1/+1されたものになっている。これは、第2面のクリーチャーをさらに心躍るものにするための変更であった。
その結果が、諸君の多くがプレイして楽しめるルーデヴィック博士になっていれば幸いである。
《光の勇者、シガルダ》
シガルダは、彼女の姉妹であるブルーナとギセラとともに『アヴァシンの帰還』で初登場した。『イニストラードを覆う影』ブロックの出来事のせいで、シガルダは3人の天使の中で唯一の生き残りとなった。(ただし、もう1人の姉妹であるリーサが先週の記事で触れたとおり、復活している。)シガルダは物語上で重要な役割を演じていたので、このセットでカード化する必要があることはわかっていた。その話に入る前に、これまでの彼女のカード2枚について見ていこう。
どちらのカードでも彼女は人間の庇護者だったので、今回もそうする必要があった。天使なので、当然飛行を持っており、また過去2枚から呪禁も使うことになる。また、両方とも比較的大きく、4/5と5/5だった。彼女のカードの最初のバージョンはこうだった。
〈大天使シガルダ〉(バージョン1)
{4}{G}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使
5/6
飛行
{1}{G}{W}:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
あなたがコントロールしているクリーチャー1体が対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、白の1/1の人間・クリーチャー・トークンX体を生成する。Xはそのクリーチャーのパワーに等しい。
この第1バージョンは、自軍のクリーチャーを強化し、大量の1/1の人間・クリーチャー・トークンが得られるようにする6マナ5/6だった。フレイバーには富んでいたが、心を躍らせるものではなかった。
〈大天使シガルダ〉(バージョン2)
{3}{G}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使
4/5
飛行、呪文鎧2
あなたがコントロールしていてこれでないすべてのクリーチャーは呪文鎧1を得る。
あなたがコントロールしているアンタップ状態のクリーチャーX体をタップする:あなたはマナ総量がXである呪文1つをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。この能力はあなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる。
次のこのバージョンは、唱えるコストが1マナ安くなり、スタッツも縮んだ。これまでのバージョンの呪禁のフレイバーを再現するため、このバージョンでは護法(当時は呪文鎧と呼ばれていた)を持ち、それを自分以外の自軍のクリーチャーにも適用していた。そして、クリーチャーをタップして手札から呪文を唱えることができるという非常に派手な能力を得た。これは、セレズニアで召集メカニズムが2回使われているということから来たものだろう。
〈大天使シガルダ〉(バージョン3)
{1}{G}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使
3/4
飛行
{G}{W}:あなたがコントロールしている人間・クリーチャー1体を対象とする。それをあなたの手札に戻す。そうしたなら、[カード名]の上に+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、これは呪禁を得る。
次のこのバージョンは、もう少し積極的に物語上の彼女の個性を再現しようとしている。(彼女に近い人たちに悪いことが大量に起こり、彼女は彼女が守る誰も傷つかないようにするのだ。)このバージョンでは、唱えるコストはわずか3マナである。マナ・コスト的には2マナ減っているが、スタッツは1/1しか減っていない。彼女の起動型能力は、彼女をだんだんと大きくしていくのに加えて、人間と彼女自身を守ることができるものである。
〈大天使シガルダ〉(バージョン4)
{2}{G}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使
4/3
飛行
あなたがコントロールしていてこれでないクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
祝祭 ― あなたがパワーが異なる3体以上のクリーチャーをコントロールしているかぎり、あなたがコントロールしているクリーチャー1体が対戦相手がコントロールしている呪文や能力によって破壊されたりダメージを受けたりするたび、そのプレイヤーがコントロールしていて土地でないパーマネント1つを対象とする。それを破壊する。
このバージョンでもマナコストやスタッツは変化しているが、今度は大きくなっている。彼女はクリーチャーを強化し、当時は祝祭という名前だったが、今は集会になっている人間からのキーワードを得ている。また、彼女の攻撃的な性質を強調するため、彼女の集会能力は土地でないパーマネントを破壊するものになっている。
〈大天使シガルダ〉(バージョン5)
{1}{G}{G}{W}
伝説のクリーチャー ― 天使
4/4
飛行、警戒、トランプル
あなたがコントロールしている人間・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
祝祭 ― あなたのアップキープの開始時に、パワーが異なる3体以上のクリーチャーをあなたがコントロールしていた場合、あなたは「あなたのライブラリーから人間・クリーチャー・カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。」を選んでもよい。その後、ライブラリーを切り直す。
彼女のマナ・コストは{2}{G}{W}から{1}{G}{G}{W}になり、そのおかげで4/3から4/4にできた。警戒とトランプルを得たことで、彼女は、白であって緑でないもの1つ(飛行)と、緑であって白でないもの1つ(トランプル)と、緑と白であるもの1つ(警戒)の3つのクリーチャー・キーワードを持つことになった。クリーチャー強化は人間にだけ影響するようになった。集会能力は(緑白には似つかわしくない)破壊ではなく、人間を探す教示者能力になった。
最終版のカードはこのバージョンに近い。マナ・コストは{1}{G}{G}{W}から{1}{G}{W}{W}になり、警戒がなくなって、集会能力はライブラリー全体を見るのではなくライブラリーの一番上のカード5枚だけを見るようになった。
この最後の変更点は、ここ数年で開発部が下した、単純な教示者効果(自分のライブラリーから任意のカードを取ってくる)ではなく「衝動」効果(自分のライブラリーの一番上にあるカードX枚を見て、そこから特定のカードを選ぶ)を増やすという大きな変化の一環である。この変更の理由は、教示者効果はデッキに1枚だけ何かを入れてそれを確実に手に入れられるようにするものであり、一方、衝動効果はデッキにさまざまなものを入れて(これには多様性が必要である)手に入れられるものに無作為性を持たせるものであるからである。後者のほうが良いゲームプレイにつながると我々は考えたのだ。
《大スライム、スローグルク》
スローグルクは『イニストラード:真夜中の狩り』で初登場した伝説のクリーチャーで、マジック史上8番目の伝説のウーズである。ウーズの大ファンとして、私は、このカードのいくつもの反復を見るのは楽しいだろうと考えた。
〈知識の管理人、ジェリーヴァ〉(バージョン1)
{1}{U}{B}{R}
伝説のクリーチャー ― 吸血鬼
4/1
飛行、威迫
[カード名]が攻撃するたび、あなたは追放領域にありフラッシュバックを持つ呪文1つを、マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
この枠は最初、『統率者(2013年版)』で初登場したイニストラードの吸血鬼のウィザード、ジェリーヴァに割り振られていた。このカードが青黒だったのは、ジェリーヴァの1枚目がそうだったからである。このカードは3色サイクルの一部だった。しかしすぐに、セットデザイン・チームが、本体セットには3色カードは入れないことに決めてこのカードが緑青の枠に移行することになった。(なぜ青黒赤のカードが緑青になったのかはわからないが、おそらく、3色サイクルを取り除いて2色サイクルを追加したときに、緑青がたまたまこの枠に落ち着いたのだろう。)
〈外部原形質的存在〉(バージョン2)
{3}{G}{U}
伝説のクリーチャー ― ウーズ
6/6
トランプル
[カード名]が戦場に出たとき、カード6枚を切削する。
[カード名]がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはあなたの墓地にありフラッシュバックを持つ呪文1つを、マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
このカードが緑青になると、セットデザイン・チームはこのカードは伝説のウーズであるべきだと正しく判断した。これによって、パワー/タフネスは大きくなり、使うキーワードも変わった。ただし、第1バージョンのクールな基本コンセプトである、フラッシュバック呪文を墓地からただで唱えられるという部分はそのまま残された。攻撃誘発からサボタージュ誘発(対戦相手に戦闘ダメージを与えること)に変わり、そして自分の墓地にフラッシュバック・カードを増やす助けとなる入場誘発が与えられた。
〈這い寄るもの〉(バージョン3)
{3}{G}{U}
伝説のクリーチャー ― ウーズ
6/6
トランプル
[カード名]が戦場に出たとき、カード6枚を切削する。
[カード名]がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたの墓地にありフラッシュバックを持ちインスタントやソーサリーであるカード1枚を対象とする。ターン終了時まで、それはフラッシュバック{0}を得る。
このバージョンは基本的にその前のバージョンと同じだが、デザイン名が新しくなり、テンプレートの変更がなされている。それだけだが、充分クールなのでここで見せておきたい。
〈這い寄るもの〉(バージョン4)
{2}{G}{U}
伝説のクリーチャー ― ウーズ
4/4
速攻、トランプル
クリーチャー1体が対戦相手1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカード2枚を切削してよい。
土地カードがいずこかからあなたの墓地に置かれるたび、[カード名]の上に+1/+1カウンタ~1個を置き、あなたは1点のライフを得る。
{G}{U}:あなたの墓地にある任意の枚数のカードを対象とする。それらをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
このカードは完全に違うものになったが、これはおそらくプレイテストの結果能力に問題があったということがわかったのだろう。(何かをただでできる効果にはよくあることだ。)新バージョンは、さらにウーズのフレイバーに寄せたものになっている。ウーズは時とともに成長することが多いので、このバージョンは+1/+1カウンターを得る誘発型能力を得た。その後、その成長を可能にするサボタージュ能力と、その誘発型能力で事故死することを防ぐ起動型能力を得た。そして、サボタージュ能力と相性のいい速攻を得た。さらに、軽くなって少し小さくなった。
最終バージョンは成長要素は残ったが、セット内の他のカードで用が足りると判断されて、前段能力は取り除かれた。そして、クリーチャーとして強化するために2つの能力が加えられた。1つ目の能力は対戦相手が破壊しようとしたときに手札に戻すことで自身を守ることができる。2つ目の能力は再び成長させるためのリソースを得る助けになる。そして、このバウンス能力とコンボするために軽くなり、その分サイズも小さくなったのだ。
《不吉な首領、トヴォラー》/《深夜の災い魔、トヴォラー》
初代『イニストラード』ブロックには、伝説の狼男はいなかった。統率者戦はまだそれほどの存在感はなく、わざわざ作ろうとは考えなかったのだ。プレイヤーからは望む声が絶えなかったので、『異界月』で、我々は《爪の群れのウルリッチ》を作った。
問題は、我々は良い統率者として働く伝説の狼男を作ったが、狼男デッキの統率者にするためにデザインした伝説の狼男は作らなかったということであり、多くのプレイヤーは《爪の群れのウルリッチ》に不満を感じたのだ。
ならば三度目の正直だ。今回は、狼男デッキの統率者としてデザインされた伝説の狼男を作らなければならないということがわかっていた。トヴォラーはこれまでにも登場していた人狼だが、彼自身のカードは存在していなかった。『イニストラード:真夜中の狩り』で状況が変わるのだ。これが、トヴォラーの最初のバージョンだ。
〈血歌い、トヴォラー〉(第1面、バージョン1)
{1}{B}{R}{G}
伝説のクリーチャー ― 人間・狼男
4/4
昼/夜(あなたがこれを唱えたとき、昼/夜トークンが存在していない場合、それを生成する。それは昼面で始まる。)
{4}{G}:あなたのライブラリーの一番上のカード5枚を見る。その中から狼男・カード1枚を戦場に出してもよい。それ以外のカードをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
//
〈血吠え、トヴォラー〉(第2面、バージョン1)
伝説のクリーチャー ― 狼男
5/5
[カード名]とあなたがコントロールしていてこれでないすべての狼男は速攻と絆魂とトランプルを持つ。
最初のバージョンでは、トヴォラーは3色のクリーチャーだった。これはジェリーヴァと同じ3色サイクルの一部である。(先週語ったとおり)『イニストラード:真夜中の狩り』では黒の狼男を登場させていたので、おそらくそのすべてを使えるような伝説のクリーチャーを作ろうとしたのだろう。(白と青の各1体は除く。)第1面は狼男を増やす助けとなり、第2面は3色それぞれの能力である速攻(赤)、絆魂(黒)、トランプル(緑)を与えることでそれらを強化するものである。
〈血歌い、トヴォラー〉(バージョン2)
{1}{R}{G}
伝説のクリーチャー ― 人間・狼男
3/3
夕暮 ― (これが戦場に出るに際し、昼/夜トラッカーがないなら、1つ生成する。)これでない狼男1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、カード1枚を引く。[血吠え、トヴォラー]
//
〈血吠え、トヴォラー〉(バージョン2)
伝説のクリーチャー ― 狼男
5/5
夕暮 ― このクリーチャーが[カード名]に変身するたび、あなたがコントロールしていて変身していないすべての狼男を変身させる。夜であるかぎり、あなたがコントロールしているすべての狼男は変身した状態で戦場に出、変身していない状態になることはできない。あなたは狼男を、それが瞬速を持つかのように唱えてもよい。これでない狼男1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、カード1枚を引く。[血歌い、トヴォラー]
この3色サイクルが取り除かれたとき、トヴォラーは主な狼男の色である赤緑になった。第1面は、狼男の前提となるものから、狼男に見返りを与えるものになった。我々はこれを有力なカードにしたいと考え、カードを引くことは強力な見返りであることはわかっていたのだ。
第2面は少しばかり奇妙である。夕暮が意味することを文章で書き下した長い文章が書かれている。おそらく、当時、日暮/夜明が厳密にどう働くのかを調整していたので、内容すべてを書き下す必要があったのだろう。それ以外では、これは狼男に瞬速を与え、また第1面にあったカードを引くという部分を引き継いでいる。
〈血歌い、トヴォラー〉(バージョン3)
{1}{R}{G}
伝説のクリーチャー ― 人間・狼男
3/3
日暮 ― (アクティブ・プレイヤーが自分のターン中に呪文を唱えなかったなら、次のターンの開始に際して夜になる。)あなたがコントロールしている狼や狼男1体がプレイヤーやプレインズウォーカー1つに戦闘ダメージを与えるたび、カード1枚を引く。あなたのアップキープの開始時に、あなたがこれでない狼や狼男をコントロールしている場合、夜になる。その後、あなたがコントロールしている任意の数の人間・狼男を変身させる。[長い夜のトヴォラー]
//
〈長い夜のトヴォラー〉(バージョン3)
伝説のクリーチャー ― 狼男
5/4
夜明 ― (アクティブ・プレイヤーが自分のターン中に2つ以上の呪文を唱えたなら、次のターンの開始に際して昼になる。)あなたがコントロールしている狼や狼男1体がプレイヤーやプレインズウォーカー1つに戦闘ダメージを与えるたび、カード1枚を引く。
{2}{R}{G}:あなたがコントロールしている狼か狼男1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+X/+Xの修整を受けトランプルを得る。Xはあなたがコントロールしている狼や狼男の数に等しい。[血歌い、トヴォラー]
狼男をプレイすることでカード1枚を引くのは強すぎたので、サボタージュ能力に変更された。また、変身させる2つ目の誘発型能力を追加したので、単純に大量の狼男を出すだけで夜になるようになった。これが追加されたのは、まず間違いなく統率者戦での最大の問題が呪文を唱えずに1ターン過ごすことが難しいということだったからだろう。第2面もこのサボタージュ能力への変更をし、また自軍の狼や狼男を強化する起動型能力を得た。
印刷されたカードの第1面の唯一の変更点は、変身するのに必要な狼男の数が3体になったことである。第2面には2箇所の変更があった。1つ目が、Xは狼や狼男の数でなくマナで定義されるようになったこと。2つ目が、強化するのがパワーだけになったことである。この後者はプレイテストによるものだ。タフネスを強化するのはカードのパワーレベルを大きく上げ、盤面の複雑さをかなり増やしてしまうので、パワーだけを強化するのが一般的なのだ。
日の出の刻
今日の話はそろそろ終わりとなる。楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、この記事や今回取り上げたカード、あるいは『イニストラード:真夜中の狩り』そのものについて、諸君からの感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instagram、TikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『イニストラード:真夜中の狩り』一問一答記事でこのセットに関する諸君からの質問に答える日にお会いしよう。
その日まで、あなたの遠吠えがいつも楽しみの1つでありますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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