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Making Magic -マジック開発秘話-
レンズ状のデザイン
レンズ状のデザイン
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2014年3月31日
過去数年にわたって、私は「レンズ状のデザイン」という表現を使ってきた。そして、この言葉を使うたびに、レンズ状のデザインとは一体何で、そしてデザインはそれをどう使ってマジックをより良いゲームにしているのかの詳細について語る記事をいつか書くと宣言してきた。そして、いつかが訪れたのだ。デザインの詳細を掘り下げる記事が好きな諸君は、まさに今回、深く、そしていくらか複雑な概念について語るので楽しんでくれたまえ!
見方によって
さて、数年前、我々は多くの新規プレイヤーが止めてしまっていることに気がついた。これはビジネスが下降線に入ったという最初の兆しであり、非常に困ったことだった。既存のユーザーを維持することは大切だが、商品そのものに関係ない場合で止めるプレイヤーも常にいるので、プレイヤー数を維持するためには新しい人を増やさなければならないのだ。
《スランのレンズ》 アート:L.A. Williams |
我々はこの問題を解決するためにかなりの時間を費やし、そして現在「新世界秩序」と呼ばれている回答を見つけ出した。その概要についての記事も公開されているが、一言で言うと、コモンにおける複雑さに上限を定めることにしたということである。これは平均的な新規プレイヤーはそれほど多くのパックを購入せず、従って彼らが手にするカードのほとんどはコモンだからである。コモンの複雑さの閾値を下げることで、初心者にとってマジックを単純なものにし、それによって参入障壁を下げながら、より上級のカードをマジック内に残すことにしたのだ。
新世界秩序を手がけている間に、私はゲーム・デザインを別の視点から見ることを始めた。各個別のカードが様々なタイプのプレイヤーにどのような影響を及ぼすのか自問し始めたのだ。様々なフィルター(これについてはまた別に記事を立てよう)を通して見はじめた、そのなかの1つが複雑さだった。私は各カードごとに、「このカードはどれだけ複雑か?」と自問していった。その問いに答えているうちに、新しい概念にたどり着いたのだ。
複雑さについて考えるとき、ほとんどの人はそれを程度として考える。それが一般的にどの程度複雑かを推定し、そしてそれを該当する場所に置く。私が気付いたのは、複雑さ、特定のカードの複雑さというものは、受け取るプレイヤーによって違うということだった。同じカードを何人かのプレイヤーに見せたとしたら、複雑さの評価は同一にはならない。諸君が何を考えているかわかる。もちろん、複雑さは変化する。より上級のプレイヤーにとっては、カードはより単純に見える、というのはゲームの基礎をよく理解しているからだ。
それはわかる。その逆に、カードの中には上級プレイヤーにとってより複雑で、新規プレイヤーにはより単純になるものもあるのだ。どうしてそんなことが可能なのかって? 鍵になるのは、複雑さの中には、それに気付くためにある一定の知識が必要な、隠れたものがあるということである。一見すると非常に単純だが、その使い方に気付くとより複雑になるようなカードが存在するのだ。
私は、こういった類の、新規プレイヤーにとっては単純だが経験を積んだプレイヤーにとってはより複雑なカードのことを「レンズ状のカード」と呼んだ。この単語は元々、しばしばトレーディングカードで使われている、複数の画像を1枚のカードに収め、角度によって違う画像が見えるようにする技術のことを指す。
私がレンズ状のカードという概念を諸君に紹介した時、最初に使った例が《黒猫》だった。よく知らない諸君のために説明すると、《黒猫》は2マナの1/1のクリーチャーで、死んだときに素敵な驚きをもたらしてくれる(対戦相手がカードを1枚捨てる)カードだ。一方、経験を積んだプレイヤーにとっては、このカードのメインは死亡誘発だ。死亡誘発の脅威はカードの使われ方に影響するが、初心者はプレイの判断の因果関係についてあまり考えないので忘れやすい(これについてはすぐに説明する)。
これが、レンズ状のカードである。そこで次の問題が浮かび上がってくる。どの要素が初心者に見えないのか、どうやって判断すればいいのだろうか?
複雑なゲーム
これを理解するために、まずは複雑さがマジックのどこに存在するのかを知る必要がある。既に説明してきたとおり、マジックには3種類の複雑さが存在すると私は信じている。
理解上の複雑さ
この1つめの種類の複雑さは、カードがすることを理解することに関するものだ。単純には、カードをさっと読んだだけでその機能を完全に把握できるか? これは何をするカードなのか? である。様々な形で理解上の複雑さは存在しうる。
1つめに、カードに理解不能な文面が書かれている場合。この一例として『スカージ』の《混沌の掌握》が挙げられる。
上級プレイヤーはスタックというものを知っているが、マジック・プレイヤーの大多数がよく理解している概念ではない。現在、この語をカード上で使わないようにしている理由は、テストの結果いつでもこの単語はプレイヤーを混乱させるということがわかったからである。私はしばしば、マジックで使う語彙には注意が必要であるということについて語っているが、それは語彙が最も大きな参入障壁になるからである。言葉の問題になると、カードを理解することは非常に難しくなる(なお、そのため、現在では基本セットの基本的なクリーチャー・キーワードに注釈文がつけられるようになった)。
2つめに、実行するのが難しい文章が書かれている場合。これをまさに示しているのが『アポカリプス』の《生き写し》である。
《生き写し》は一体何をするカードなのか? 白青と青赤のクリーチャーをコントロールしていて、《生き写し》を唱えたとする。破壊される? この種の複雑さを把握するための一番簡単な方法は、プレイヤーが理解するために何かを何回読まなければならないかを見ることである。1回でなかったなら、そのカードには理解上の複雑さが存在するのだ。
3つめに、文章にあまりにも多くの手順が書かれている場合。この問題の古典的な例が『時のらせん』の待機メカニズムである。
待機には複数のコストが存在し、別の領域を扱い、カウンターの記録が必要になり、何ターンにも渡って処理が続く。この全てが相まって、経験の浅いプレイヤーにとっては厳しいものとなる。
4つめに、文章はわかるが求めていないことをするように見える場合。この場合にもプレイヤーは混乱することがある。この典型例が、『神河救済』の《空虚自身》だ。
《空虚自身》に書かれている文章自体は短いが、多くのプレイヤーを困惑させるものだった。なぜか? なぜなら、このカードに書かれている内容が、なぜそんなことをしなければならないのか理解できない類のものだったからである。プレイヤーは文章を読み、そしてその使い道が理解できず、自分が誤解しているに違いないと考え、完全に理解しているにもかかわらず理解できていないと思ったのだ。
このどの場合においても、経験の浅いプレイヤーはルール文章を読み、そしてそのカードの使い方がわからなくて立ち止まらされることになる。
盤面の複雑さ
この種の複雑さは、複数のカードが戦場にあるときにどう相互作用するかである。各カード1枚1枚は理解しにくいものでなく、理解上の複雑さは低くても、全てがどう相互作用するか全体を理解するのは難しい場合がある。この一例が『ローウィン』と『モーニングタイド』で、カードは入り組んだ関連性を持ち、そのためにプレイヤーは戦場で何ができるのか掴むのが難しかったのだ。これは、カード観の全ての繋がりを追いかけることができないような経験の浅いプレイヤーには非常によくあることだった。
盤面の複雑さは、いくつかの分類に分類できる。
1つめは戦場にある他のパーマネントに影響を及ぼすカード群である。この種の盤面の複雑さのうち、多くのプレイヤーが複雑だと思わないものを挙げれば、《放蕩紅蓮術士》(あるいはその祖先の《放蕩魔術師》)がある。
《放蕩紅蓮術士》が盤面の複雑さをもたらす理由は、戦闘時のあらゆる計算を変える可能性があるからである。どこに放たれるかわからないので、その全ての可能性を計算に入れる必要があり、それによって計算は一気に難しくなる。戦闘の簡単なやり方を理解している上級プレイヤーにとっては、追加の因子を増やすことは非常に簡単なことで、従って多くのプレイヤーはこれを大問題だとは感じない(充分大きな問題なので、コモンにこの種のカードが入ることはなくなった。他にも理由はあるが、この理由だけでも以降の充分な理由になっただろう)。
2つめは、戦場にある他のパーマネントから影響を受けるカード群である。この種のカードの一例が、『ラヴニカへの回帰』に登場した《旅する寺院》である。
この種のカードは、常に戦場にある他のカードを意識しなければならないので把握するのが難しい。《旅する寺院》と他のクリーチャーが攻撃し、《旅する寺院》のパワーやタフネスを戦闘後に再計算しなければならないような場合には複雑なものになる。
この種の複雑さは、カード個別には無害に見えることが多いので、一見すると無害に見える。しかし、戦場に大量のこの種のパーマネントが並んだなら、把握するのは極端に難しくなるのだ。
戦略的複雑さ
この最後の分類は、正しいプレイによってカードの効果を最大限に発揮する方法の話である。マジックというゲームには多くの判断が伴う。カードの中には、理解するのも簡単で組み合わせても簡単だがプレイヤーに多くの選択肢を提供するために複雑なものも存在する。この例として、『インベイジョン』で初登場した《嘘か真か》を挙げておこう。
このカードは非常に強力だが、その正しい使い方を知っているプレイヤーは多くない。正しくカードを分けるだけでなく、各カードを正しく評価するために環境と対戦相手を評価しなければならないのだ。
この分類はもっとも広く、カードが戦略的に複雑になる方法も無数に存在する。加えて、カードはその使われるフォーマットごとに評価が変わり、つまりあるフォーマットでは戦略的に複雑なカードが、他のフォーマットではそうでもない、ということもあり得るのだ。
ここでこの3種類の複雑さに言及したのは、この後で述べるレンズ状のデザインについて学んだ基本的ルールを説明するために非常に重要だからである。
レンズ状のデザインの基本的ルール
これを踏まえて、詳細の話に移ろう。レンズ状のデザインに関して学んだことを紹介する。
《ひずんだレンズ》 アート:Glen Angus |
まず、新規プレイヤーが見るものと見ないものについて説明しよう。これは別に新規プレイヤーをけなす意図ではない。レンズ状のデザインの前提となる動機は、より経験を積んだプレイヤーにマジックの複雑さを加えながら、経験の浅いプレイヤーには難しさを増やさないようにしたいというものだった。我々は新規プレイヤーを非常に高く価値付けている。レンズ状のデザインをする意図は、この両端を同時に幸せにするためなのだ。
ルール1:複雑さの中には、経験の浅いプレイヤーには見えないものもある
経験の浅いプレイヤーにとって何が問題なのかを理解しようとする場合、以下のことが言える。
初心者プレイヤーにとって、カードが何をするかを理解するのが最初の目的なので、すぐに理解上の複雑さに気付く。盤面の複雑さは最初は見えないが、カードの相互作用を意識するようになるのはそう先の話ではない。経験の浅いプレイヤーにとってもっとも目に見えない複雑さが、戦略的複雑さである。文脈を理解するのにはかなりの知識が必要なので、戦略的複雑さが見えるようになるのはそれなりの時間がかかるものだ。
レンズ状のデザインはこれを活用している。理解上の複雑さや盤面の複雑さを低く抑えることができれば、ひっそりと戦略的複雑さを仕込むことができる。問題は、具体的にどうやってそうするかである。
ルール2:カードには一見しての価値が必要である
戦略的複雑さを仕込むためには、このルールを理解することが必要となる。新規プレイヤーがカードを読んだときに、その使い道を理解できたと思えなければならないのだ。理解したと思えば、他のカードに注目を移すようになる。つまり、レンズ状のカードをデザインする場合、それに一見してわかる価値を持たせなければならない。何かをするように見えなければならないのだ。
このルールの結果として、こういったカードにはプレイヤーが理解できない文章が書かれていてはならない。カードの一見しての価値と合わない一文が書かれていたら、プレイヤーはそのカードに意識を向け、理解しようと時間とエネルギーを費やしてしまうので、レンズ状とは言えなくなるのだ。
これは戦略関係の文章をカードに書けないということではなく、それが初心者プレイヤーに読解できるものでなければならないということである。多くのレンズ状のデザインは、プレイヤーがカードの機能そのものを理解した上で、それでもその能力の戦略的価値を理解できないというところから来ているのだ。
ルール3:経験がプレイヤーの思考範囲を広げる
戦略関係の文章を新規プレイヤーの目に触れさせ、かつそうと認識させないためにはどうしたらいいのか? その鍵となるのは、新規プレイヤーの盲点を理解することである。1つめの盲点は、時間である。経験を積んでいけばいくほど、プレイヤーは先を考えるようになる。実際、最強のプレイヤーたちについていつも衝撃を受けるのは、意味が何ターンも先にならないとわからない、一見すると無意味に見えるプレイをすることである。
初心者は基本を学ぼうとしているので、非常に集中している。従って、そんな先のことは意識しない。最初は、焦点は瞬間に当てられていて、今必要なことが何なのかを探すことになる。唱えられるカードは? 今はターンのいつ? 自分と敵のライフは今何点? 時を経て、もう少し先のことを見るようになる。ターン全体を見通すようになるのだ。
しかし、「このカードを今唱えることはできるが、後まで待つ理由はあるだろうか?」といったさらなる概念について考えるようになるには時間がかかる。その隙間に位置するのが、レンズ状のデザインなのだ。
ルール4:初心者は因果を考えない
このルールを説明するために、例を紹介しよう。私は、新規プレイヤーがプレイする時、何に注目しているかを見ることにしている。この観測を通して、死亡誘発(クリーチャーが死亡したときに起こる誘発型能力)についての興味深いことを学んだ。経験の浅いプレイヤーが死亡誘発持ちのクリーチャーをプレイする場合、死亡誘発を無視して、まるでただのバニラ・クリーチャーであるかのようにプレイする。そして、そのクリーチャーが死亡したら、死亡誘発をコストなしのサプライズ・ギフトのように扱うのだ。
彼らがしないことは、死亡誘発を踏まえてクリーチャーの使い方を決めることである。例として『オンスロート』の《ただれたゴブリン》を取り上げてみよう。
経験を積んだプレイヤーは、攻撃したりブロックしたりの決定をするときに死亡誘発を考慮する。例えば、《ただれたゴブリン》でタフネス2のクリーチャーをブロックすることがある。これは経験を積んだプレイヤーは《ただれたゴブリン》からの戦闘ダメージと-1/-1の効果をあわせれば殺すことができるとわかっているからだ。新規プレイヤーは、死亡誘発をブロックの結果として計算しないので、クリーチャーからの戦闘ダメージと死亡誘発の効果を組み合わせるという考えが起こることはないのだ。
レンズ状のカードを作るための助けになる方法は、一見するとつまらないものに見える能力を加えることである。しばしば、これはその能力をフレイバーに富んだものにすることによって行われる。一見してわかる目的があれば、初心者はそれをオマケだと扱うことになる。しかし、ここで注意しなければならないのが、次のルールである。
ルール5:プレイヤーは自分の見付けた機能に合うようにカードを使おうとする
このルールを説明するために、この2枚のカードを見てもらおう。
どちらも『第10版基本セット』の2/2の白のクリーチャーで、「戦場に出たとき」の誘発型能力を持ち、ときおりリミテッドで使われるものだ。一方は良いレンズ状のカードであり、一方はそうではない。《ありがたい老修道士》はライフを回復する。初心者プレイヤーはライフを過剰に評価するものなので、喜んでこのカードをプレイする。一方、より経験を積んだプレイヤーは《ありがたい老修道士》を初期に(または盤面に応じて終盤で)プレイし、ゲームの後半になって引いた場合には手札に残すことを選択することもある。
長期戦は「クロック」のゲームになる。つまり、プレイヤーはあと何ターンで相手を倒せるか計算することになる。クロックは非常に重要なので、終盤戦でライフを得ることには別の意味が生じることになる。対戦相手を情報戦で欺くため、プレイヤーは計算に影響を与える能力を持っているということを可能な限り隠そうとするのだ。
一方、《雲を追うエイヴン》は、対戦相手がエンチャントを持っていなければ意味がない能力を持っている。初心者はこの能力の価値を理解し、そして使えるようになるまで取っておこく、つまり2/2の飛行クリーチャーを「戦場に出たとき」の能力が使えるまで手札に置いておくことになるのだ。経験を積んだプレイヤーは2/2の飛行クリーチャーであるということを重視することの必要性を理解している。
それでは、なぜこれが良いレンズ状のカードではないのか? 初心者とベテランがこのカードを違う形でプレイする。これが重要なのではなかったのか? いいや。このカードは、初心者に嫌な経験をもたらすのだ。2/2飛行クリーチャーを手札に残すことで、初心者はその飛行クリーチャーを出したいのに出せないという苛立ちを感じる。良いレンズ状のカードの目標は、どちらのグループのプレイヤーにもいいゲームをしてもらうことなのだ。
従って、良いレンズ状のカードは、各タイプのプレイヤーに得になる行動を推奨するものでなければならない。初心者にとっては、そのカードを使いたいと思うようなもの。初心者は行動したいし、ゲームが先に進んでいると感じたいのだ。また、彼らにゲームを終局に向けて進める手段を提供することも必要だ。クリーチャーを戦場に出すことはその第一歩である。一方、経験を積んだプレイヤーにとっては、レンズ状のカードは戦略的な深みが必要で、ほとんどの場合はゲームの局面によって違う使い方があるようにするということになる。
ルール6:プレイヤーにプレイしたいゲームをプレイさせる
これが今日の最後のルールになる。良いゲーム・デザインの鍵は、プレイヤーがやりたいことをやることを最大化するゲームを作ることである。ゲームを終局に向かうような状態に進めていくことはデザイナーの仕事である。初心者にとっては、できるだけ多くのカードを唱えて、理解していることを起こして楽しむことが目的となる。
上級プレイヤーにとっては、彼らに勝利のための道具を与えることになるが、それほど明らかである必要はない。実際、経験を積んだプレイヤーは、プレイヤー自身が経験を作り出すためにデザイナーは資源を準備してくれた、と感じるのが好きなものだ。道が準備されているより、探索すべき巨大な地図が与えられるほうがいいのである。
レンズ状のカードで重要なのは、カードが両方の役目を果たすようにすることである。初心者がプレイするのを阻害せず、上級者には選択肢を与えるようなカードを作るのだ。死亡誘発のほとんどはこの役割を果たす。戦場に出たときの誘発はこの役割を果たすのに相応しいものではない。起動型能力の中にはふさわしいものもある。
クリーチャーだけで話は終わらない。クリーチャーでない呪文も、明らかな表面と価値ある2つめの使い方を持たせることでレンズ状にすることができる。
例えば、初心者にとって、『テーロス』の《死の国からの救出》は特定の目的を持つ。これは非常にフレイバーに富んだリアニメイトだ。しかしより経験を積んだプレイヤーにとっては、それだけではない。例えば、これはクリーチャーを明滅させることができる。『テーロス』のリミテッドにはこの能力の活用法が色々と存在する。フレイバーに富んだカードにさらなつ機能を隠すことで、デザイナーはレンズ状のカードを作ることができるのだ。
2通りの物の見方
しばしば、ゲームをより初心者向けにするという話をすると、単純化に焦点が当てられる。今日の記事では、それよりもずっと複雑なものだということを示している。しばしば、複雑さを取り除くのではなく隠すことになる。しばしば、選択肢を求める人にそれを与える単純なカードを作るための方法を探すことになる。しばしば、各カードをさまざまなレンズで見て、様々なプレイヤーがどう理解するかを見ることになる。
《Urza's Contact Lenses》 アート:David A. Cherry |
レンズ状のカードの概念は複雑で、今でもなお理解を深めるよう取り組んでいる。今日の記事が我々が経験を積んだプレイヤーのために何か忍び込ませられないか考えていることについての理解を深める助けとなれば幸いである。
いつもの通り、今回の記事への反響を楽しみにしている。メール、掲示板、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で是非聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『ニクスへの旅』のプレビューが始まる日にお会いしよう。
その日まで、1枚のカードが多くの幸せをもたらしますように。
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