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Making Magic -マジック開発秘話-
基本根本:初期プレイテスト
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Making Magic
基本根本:初期プレイテスト
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2013年2月11日
4年前、私はデザインの技術面から見た裏側を語る、「基本根本」というちょっとした連載を始めた。最初の記事は開発部が全てのカードをファイルの中で管理するために使う、カード・コードについてのもの(リンク先は英語)だった。その次が、マジックのデザイナーが自分のセットの構造を考えるときに使う、デザインの骨格についてのもの(リンク先は英語)。その翌年、デザインの骨格を埋めることについて、まずコモンに関して語った。そして去年は、より高いレアリティのデザインの骨格を埋めることについて語った。今回は、次の話をしたいと思う。ギルド門侵犯はまだ誰の記憶にも新しいので、これを次の一歩の説明に使うことにしよう(もう一つ、この記事はマジックのセットをデザインしたいと思っていない諸君にも興味あるものになるように尽力しよう)。
組み合わせよう
前回までで、デザインの骨格を作り、そしてそれを完全に埋めた。今はその全てのスロットにカードが存在しているわけだ。これで終わりだ、と思うかね? まさか。むしろその逆だ。これからが本番なのだ。カードを全てのスロットに埋めたのは、デザインの次の一歩を踏み出すために必要だからである。次の一歩とは、プレイテストのことだ。デザインは繰り返しの手法であり、同じ手順を何度も繰り返して変更を重ねていくのだ。カードのデザインにおいては、繰り返す手順は次のようなものである。
- カードを作る
- それらのカードのプレイテストをする
- プレイテストの記録を取る
- 記録に基づいてカードを修正する。場合によっては新しいカードを作る
- 2に戻る
デザインの骨格が重要なのは、ある程度の方向性を持ってプレイテストを始められるよう、カード・ファイルにある種の構造を与えるためである。セットは「何か」なのだ。究極的にはそれでなくなるかもしれないが、それが何かであることは重要だ。何かを別の何かに修正するのは簡単だが、何もないものを何かに変えるのは難しいのだ。
もう一つ指摘しておくべきところは、開発部においては、我々はこの繰り返しをコモンの準備ができ次第始める。なぜその時点から始めるかというと、コモンだけでのプレイテストでも正しい方向性を掴んでいるかどうかを見極めるには充分だからだ。デザインの骨格を埋め、そして繰り返しのプレイテストを行い、それを同時に続けていく。諸君にはデザインの骨格の残りの部分を先に埋めてもらったが、それは基本根本のようなシリーズ構成では同時に進めるということが難しいからである。また、デザインの骨格全体を一度扱うことで、セット全体としてどういう方向性にしたいのかを掴みやすくなるものなのだ。
まず今日は全てのコモンを手にしてプレイテストをするところから始めよう。デザインの初期には、小規模なプレイテストを行うことを勧めておく。雑なものになるだろうし、セットの後のことを考えると協力者に嫌な思いをさせたくはないだろう。開発部では、デザイン初期のプレイテストはデザイン・チームだけで行うことが多い。さて、プレイ中には、次のような所を見ておこう。
面白いのは何か? これが最も重要な点である。諸君は環境を作り上げてはおらず、何枚かのカードを作っただけに過ぎない。最初のコモンだけによるプレイテストは形式的なものであり、何に可能性があるかを見るものである。微笑みを生んだカードを記録しておこう。
面白くないのは何か? これもまた同等に重要である。あるカードがあるせいで面白くないのであれば、それも書き留めておくこと。この段階では、セット内の何も確定してはいないのだ。カードであれメカニズムであれテーマであれ、捨てることができるのだ。
カードは期待通りのものになっているか? プレイテストでもっとも価値があることの1つは、カードについて考えるのではなくカードを使ってプレイすることになるということである。頭の中で考えて面白そうなものが実際にはそうならないというのはよくあることだ。実際にそのカードでプレイしてみたら、充分な威力がなかったり、想定していた状況が滅多に起こらなかったり、そもそもカードがちゃんと働かなかったりするものである。
混乱させるものはないか? もう一つよくある問題は、簡単だと思っていたことが実際に使ってみるとずっと複雑だったということである。カードについて考えていただけでは見えてこなかったあらゆる問題が、プレイしてみたらすぐに浮上してくるものだ。コモンだけによるプレイテストにおいて、よくあるメモは「このカードをアンコモン(かそれ以上)に動かす」というものなのだ。コモン向けにデザインされたカードの多くはコモンではない、というのは私がよく言う冗談だが、プロのマジック・デザイナーでもそうなのだから、諸君のほとんどにとってもそうなるのは間違いない。
テーマは伝わっているか? 私のデザイン上の格言の一つに、「テーマがコモンに存在しなければ、それはテーマではない」というものがある。コモンだけによるプレイテストにおいても、そのセットが何であるかの雰囲気が掴めなければならない。まったく掴めないようであれば、それは大問題である。伝わってきたものが伝えようとしたものと一致しないということもしばしばある。これは、その伝わったものが気に入るものであるなら、悪いことだとは言い切れないものだ。
資料として、私がギルド門侵犯で、最初にコモンだけによるプレイテストを数回行なったときに起こったことを紹介しておこう。理解できるように、その時点でのギルド門侵犯のメカニズムについて先に記しておく。
オルゾフ
クリーチャーが死亡したときに誘発するメカニズムを試していた。残念ながらその名前は覚えていない。
ディミーア
研磨、つまり「特定の数の土地が出るまでライブラリーを削る」メカニズムだった。これはセットにも残っているが、キーワードではない。
グルール
クリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えたときに、そのプレイヤーのクリーチャーと格闘するという、乱暴/Rowdyと呼ばれるメカニズムを使っていた。
ボロス
現在と同じ大隊だった。
シミック
進化だが、当時はパワーだけを見ることになっていた。
最初の一連のプレイテスト(簡単のため、ここでは何回ものプレイテストをひとかたまりで扱っておく)の結果、いくつものことがわかってきた。進化と大隊はどちらも非常に面白い。研磨はライブラリー破壊が好きなプレイヤーにとっては楽しいが、そうでないプレイヤーにとっては苛立つだけだ。乱暴は強すぎる。オルゾフのメカニズムは最悪で、ただ混乱させるだけでつじつますら合っていなかった。
大きな絵
これは「基本根本」の記事なので、一歩引いてより高みからやったことを俯瞰してみることにしよう。セットを組み上げるときに最初にしなければならないのは、そのセットのメカニズム的中心が何なのかを見付けることだ。これについては各ギルドのデザインに関する記事でも語ってきているが、ここでもう一度説明しておこう。
セットのメカニズム的中心とは、デザインの中心に存在するメカニズム的要素のことである。元来、最初に何か、中心になるものに重点を置かなければならない。重点を置くのが大事なのは、もし要素同士が矛盾した場合、どちらを上位に置くかを判断するための基準が必要となるからである。ギルド門侵犯においては、メカニズム的中心は最初から決まっていた。ギルドである。ギルド門侵犯の場合は、5つのギルド(オルゾフ、ディミーア、グルール、ボロス、シミック)を担当することが決まっていた。つまり、最初のプレイテストで見るべきは各ギルドのやっていることであった。ギルド・メカニズムだけでなく、ギルドの雰囲気を見ていたのだ。
最初に、一番デザインしにくくて一番重要なことから始めるのは、それをデザインするために使える道具が多いからである。ギルド門侵犯の場合、ギルドが先にあり、ギルド・メカニズムがほとんどの空間を占めるので、最初にやるべきなのだ。
最初のプレイテストが終わって、私は「各ギルドのギルド・メカニズムは見つかったか?」と自問自答した。シミックとボロスについては、見つかったと言えた。ディミーアは微妙だったが、よりふさわしいものにするべきではあった。グルールは問題がある気がしたが、デベロップに任せることにした。オルゾフははっきり見つかっていなかった。
シミックとボロスについては、次の段階、つまりギルド・メカニズム以外のものをコモンの空き領域に入れるという段階に進むときが来ていた。セットの骨格に埋めながら、かつギルド・メカニズムとシナジーがあるようにするにはどうすればいいか? 一例をあげるなら、緑のコモンにバニラ・クリーチャーが必要だった(これはこのセットのデザイン、デベロップの間に消えていったが)。進化はメカニズムとして確定していたので、パワーかタフネスのどちらかを高くしたいと考えた(パワーだけでなくタフネスも含む、という決定はデザインの早いうちに下されていた)。通常、4/1とか1/5とかは緑のコモンのクリーチャーとして魅力的ではないが、進化のあるセットにおいては非常に面白い存在になる。セットの骨格における必要性を見、そしてギルド・メカニズムとシナジーを持つようにするにはどうすればいいか考えるのが鍵だったのだ。
ディミーアについては、ライブラリー破壊をメインにしていないデッキにおいてライブラリー破壊に意味を持たせる方法を探さなければならなかった。ここでやったことは、セットの骨格を見て、その中に対戦相手のライブラリーを破壊することに意味を見いだすものが入らないかを探すことだった。方向性は違ったが、シミックやボロスについてやったのと同じことをディミーアでもやったことになる。セットの骨格という制限を活かして、ギルドの問題を解決するための創造性を生み出したのだ。最終的には、墓地にあるカードを参照するカードをセットに加えることにした。これによって、数枚のライブラリー破壊カードが入っているだけのディミーアのデッキでもライブラリー破壊に意味が出たことになる。《死の接近》はそのためのカードの一例である。
グルールについては、まずデザイン・チーム内のデベロッパー、デイブ・ハンフリー/Dave Humpherys(デイブはこのセットのリード・デベロッパーでもある)に話を聞いた。他のデベロッパーとも話してもらい、乱暴がどれぐらい危険なメカニズムだと感じたか聞いてもらった。デイブはこのメカニズムをよりバランスの取れたものにするため、コストの変更を助けてくれた。数回のプレイテストの後、乱暴を、格闘を扱う他のメカニズムであるキックボクシングに置き換えることにした(クリーチャーが戦場に出たときに格闘させる、キッカー型の追加コストにしたのだ)。グルールを改善しようとしている間、私は主にそのメカニズムを使い物になるようにするためのマナ・コストなどの調整に集中しており、他のカードにはあまり時間をかけられていない。これは、メカニズムが完成したと言えるようになるまではその周りのカードに割く時間はないからである。
オルゾフについては、最初からやり直しだった。グルールと同じく、私はギルド・メカニズムを持つカードに集中していた。マーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebの手による抑圧/Oppressと呼ばれる新しいメカニズムも試してみた。抑圧は、土地でないパーマネントに「次にこのパーマネントが呪文1つの対象になるとき、これを生け贄に捧げる」という文章を永続的に与えるものだった。この能力は、抑圧を受けたパーマネントをもう一度抑圧すると破壊できる、対象を取るものになっていた。
となると当然出てくる疑問がある。最初のプレイテストにおいて、メカニズム以外のスロットは何で埋められているのか? その答えは基本カードである。セットをどうするか方向性が決まるまで、基本カードが使われることでプレイが可能になり、またセットの新しい部分に注目が集まるようになるのだ。
諸君も、セットの部分ごとに異なる変わり方をしていることに気付いたことだろう。その通りだ。セットのデザインは変わり続けるものであり、全ての部分が同じペースで進んでいく理由はない。また、何かを具体化することによって、環境全てが定義され、そして他のメカニズムに新しい制約が加えられることになる。制約は敵ではなく味方であり、選択肢が狭まることによって他のメカニズムのすべきことがより明確になることもあるのだ。
例えば、我々はオルゾフをどうするかにかなりの時間を費やした。メカニズムを決め始めた時には、クリーチャーと戦闘をテーマにしたメカニズムが多いとわかっていた。これを前提にして、オルゾフのために呪文を唱えることをテーマにしたメカニズムを探すことになったのだ。
接着剤
第1ステージがメカニズム的中心を見いだすこと、第2ステージがそのメカニズム的中心を助けるカードを作ること。第3ステージはいわば「接着剤ステージ」と言うべきものだ。ギルド門侵犯を振り返ってみよう。
我々は各ギルドごとに気に入ったメカニズムを見付けるまで、様々なメカニズムを試してきた。ギルド・キーワードを決めたら、次はそのギルドがすることとシナジーを持つカードをセットの骨格に埋めていった。そして、その次だ。次のカードは、2つのギルドとシナジーを持つカードである。わかりやすいのは単色カードであろう。
白単色のカードを例に取ってみよう。白のカードはボロス、オルゾフの両方とともに使われうる。白のカードの半分は、どちらかのギルドでうまく使えるものにしたいと思った。これを半分に分けるので、つまり白単色コモンの4分の1はボロスと、また別の4分の1はオルゾフと相性がいいものにするということになる。そして、残り半分として、両方のギルドと相性のいいカードを探し始めた。この割合は目安であり、デザインが進むにつれて変動していく可能性があることは添えておこう。
カードの一部が片方のギルドとだけ相性が良くすることにはどういう意味があるのか? 全ての単色カードが両方のギルドで使えるものにしないのはなぜか? それは、(a)不可能だし、(b)特にドラフトにおいて、必要とするプレイヤーがそれを手に入れられるようにするため、である。カードをより狭いものにすることで、他のプレイヤーに早い順目で取られてしまうことを防ぐことができるのだ。
先に進む前に、手順について説明するために単純化しているということを強調しておく。例えば、ギルドごとに勝利手段をメインとサブの2つずつ作っている。これによって、そのギルドが好きなプレイヤーが毎回同じことをするのではなく、いろいろなゲームを楽しめるようになっているのだ。従って、シナジーも各ギルドの各戦略ごとに分類されるのだが、これは少しばかり複雑な話になるのでギルドごとのシナジーを1つとして話をしているわけである。
この計画に関していくつかはっきりさせておきたいところがある。まず、透かし入りカード(ギルドに深く関わっているカード)もこの50%に入ることがあり得る。たとえばそのカードがギルド・メカニズムを使っている場合でも、他のギルドのデッキで有用であることはあり得るからだ。次に、万能カードでギルドの戦略に偏っていないものも存在する。例えば、白にはコモンのエンチャント除去カードが存在する。これはボロスにもオルゾフにもほとんど関係しないが、状況によってはどちらのデッキにも入ることがある。これらのカードは先の1:1:2の話を少しばかり複雑なものにする。
メカニズム的中心を正しくデザインすることは重要だ。サポートするカードを正しく作るのもまた必要である。しかし、セットを真に輝かせるために必要なのは、正しい接着剤カードである。うまく作ることができていれば、接着剤カードというのはそんなに目立たないものになる。最高の接着剤カードは、その意図がわからないようになっているものだ。デザインのある方向を向いてはいるが、プレイヤーがセットをプレイしている時には、それ以外の使い道が見えてくるものだ。プレイヤーが発見する瞬間、それこそがマジックに最も強い思い入れを生み出す瞬間なのだ。
コモンだけのプレイテストの特徴
私が、コモンだけのプレイテストから始めることを勧めているのは、そのセットがデザインの中核で基本的なメッセージを発するようにするためである。プレイヤーがリミテッドで目にするカードの3分の2以上はコモンなのだ。コモンのカードをデザインするのは最も難しいので、諸君がデザインするなら時間やエネルギーを費やしてコモンを魅力的にすべきだと考えている。ここで、コモンだけのプレイテストの特徴について、指摘しておきたいことがある。
#1: 逆転が難しい
マジックにおいて、我々がコモンから排除していることが存在する。例えば、我々は複数のクリーチャーを除去できるコモン・カードは作らないようにしている。中でも、何度もできたり、あるいは対戦相手のクリーチャーを除去する一方で何かのリソースを得るという一石二鳥のもの(「戦場に出たとき」に破壊やダメージを与える能力を持つクリーチャーがこの一例だ)は作らない。これらのカードは局面を一変させる能力を持っている。つまり、コモンだけのプレイテストにおいてはそういう追いつく能力が少ないのだ。どちらかのプレイヤーが有利になったら、不利な方のプレイヤーには打つ手がないものだ。
#2: 膠着しやすい
クリーチャーの大きさはレアリティで決められる傾向にある。例えば、5/5以上のコモンのクリーチャーが存在するのは緑と青だけなのが普通だ。クリーチャーのサイズが小さいということは、クリーチャーのサイズの取れる幅が小さくなるということである。つまり、両陣営のクリーチャーのサイズがほぼ同じなので、局面が膠着しがちということになる。
#3: ゲーム・プレイがより一般的になる
もう一つレアリティによって制約されるのは、効果の突飛さである。より高いレアリティではギリギリのプレイをすることもあるが、コモンはより基本的で直接的なことをするものである。この結果、ゲーム・プレイはどれも似たものになり、マジックの基本的なゲームに近づくことになる。
#4: 再現が増える
(特に小型セットの)コモンのプレイテストでは、セット全体に比べてカードの枚数は少ない。つまり、同じカードが出てくる可能性が高くなるということである。私が常に定めているルールの1つが、「2枚取り」ルールである。これは、同じカードを2枚以上使わないようにする、というものである(セットの中で戦略上それ以上使わせるような要素がある場合を除く。この例は、コールドスナップの波及能力である)。3枚以上取った場合、それを無作為に選んだ同色のカードと交換するのだ。
最大の教訓は、「コモンだけのプレイテストは環境ではない」ということだ。まだ環境ではないのだ。最初のプレイテストは、個別のカードやメカニズムの感覚を掴むためのものである。繰り返して、コモン・カードの調整を始めると環境が次第に形作られていくものだが、初期のプレイテストにおいてはそれは焦点にすべきものではない。この時点で重要なのは、各部品がどう働いているのかを見極めることなのだ。
初期のプレイテスターに伝えるヒントは、「プレイテスターは勝つためだけにプレイしないようにすること」だ。環境のバランスはまだ取られていない。初期のプレイテストは、体験し、研究するのがテーマである。そのために、全てのカードをプレイする必要があり、つまり、意識してまだ試していないことを記録する必要があるということである。私がよく使うのは、プレイテスターに色を割り当てること、あるいはプレイテスターに同じ色の組み合わせをしないようにすることである。また、プレイテスターには体験してもらうようにすることだ。
最後のメモ
まとめに入る前に、ここで明記しておきたいことがいくつかある。
初期のプレイテストは通常のマジックほど楽しくない:何かを始めに試すというのはとても興奮するものだが、プレイテスターがそのプレイテストを通常のマジックと比較するようなことがないようにすること。すでに言った通り、コモンだけのプレイテストは本当のマジックに楽しさをもたらしている多くの要素が入っていないのだ。
メモを取ること:やることは多くあり、可能な限りのデータを集めることは重要である。私は、プレイテスターがコメントを残すためのメモ帳を常に準備している。実際、起こったことを記録しておくのは重要なことだ。また、開発部は各プレイヤーが自分のプレイテスト体験について書いた短いメモを元にプレイテストの結果を踏まえているのだ。
デザイン側のコメントをデベロップ側のコメントよりも重視する:カードが重すぎるなら、それを書き留めるのは良いことだが、初期のプレイテストで重要なのはデザイン要素を見極めることである。何かがプレイして楽しいかどうかということは、それがスタンダードでどう働くかよりもずっと重要である。どこかの時点ではその情報は必要になるだろうが、そのプレイテストをこの時期にするのは尚早というものだ。
繰り返し、繰り返し、繰り返し:上に書いたとおりだ。数回のプレイテストの後で、どう向上させられるかのメモを取り、見付けるのだ。そして、もう一度プレイする前にその向上をさせよう。
そして、プレイテスト、プレイテスト、プレイテスト:もう一つデザイナーが陥りがちな危険は、カードファイルについて延々と語り続けてしまい、固定してプレイするということを忘れることだ。実際にそのカードでプレイしてみる以上に必要なことを見付ける方法は存在しない。車のデザインは乗る前にするが、カードのデザインはプレイする前にはできないのだ。
ああ基本(根本)
今回の話はここまで。諸君がこの年1回のデザイン紀行を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、この記事についての感想を聞かせて欲しい。メール、掲示板、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+)で待っている。
それではまた次回、自然を改良する方法について語るときにお会いしよう。
その日まで、あなたのメモが一杯になるほどのプレイテストがあなたとともにありますように。
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