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Making Magic -マジック開発秘話-

基本セットのデザイン その1

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Making Magic

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基本セットのデザイン その1

Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru

2012年7月9日


 時折、私は諸君からのさまざまな質問に答える、お返事コラムを掲載している。そして、ここ数年は、お返事コラムに何らかのテーマを定義している。マジック2013が発売されたところなので、今回のお返事コラムはマジック2013のデザインに関する質問に限ることにした。


グリクシスの首領、ネファロックス》 アート:Aleksi Bricolt

 去年や一昨年にやってきたのと同様、これらの質問は私宛のツイッターから集めたものだ。こちらからの質問は:

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@maro254 マジック2013に関するお返事コラムを書くので、マジック2013のデザイン関連の質問を投げてもらいたい。質問1つを1つのツイートで。


 大量の良い質問を得ることができたので、二部作にすることにした。それでは、始めよう。

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@FearsomeCritter @maro254 これはデザイン関連かどうか微妙ですが:レジェンド・ルールの注釈文を誰か推奨しましたか? 意識しましたか?


 それについて議論はしたが、それらのカードはレアで、デッキに2枚以上入れていない限り必要ないルールなので、初心者プレイヤーに見せる必要はないと判断したんだ。

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@SweetoothTKC @maro254 M13の賛美で新しく開かれたデザイン空間は何ですか?


 メカニズムを基本セットに再録することは、デザイン空間の拡張が目的ではない。メカニズムを戻すことの目的の1つには、基本セットを必要以上に複雑にすることなくフレイバーをもたらすためのもっとも単純なものを探す、ということがある。

 質問への答えだが、今回開拓した最大のデザイン空間は、このメカニズムをこれまで存在しなかった色、黒に入れた、ということだ。

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@spaceyjdjames @maro254 デザインは基本セットの再録メカニズムをどうやって決めているんですか?


 さっきの質問の続きとしていい感じだ。

 基本セットに戻すメカニズムを探すにあたって、いくつもの条件がある。

  • 把握しやすいこと。プレイヤーがテキストを一読して(戦略的にどう使うかはともかく)その働きを理解することができなければ、基本セットのメカニズムとしては良いものではない。
  • 比較的単純なカードで何らかの効果を持つこと。そのメカニズムを持った新しいカードを作るが、それは新しいデザイン空間を開拓するためではない。
  • フレイバー的に有効であること。基本セットは他のセットよりも芳醇さに重きを置いている。
  • 直近のエキスパンションで再録の予定がないこと。ブロックごとにメカニズムを再録しているので、次のブロックで用いる予定のものを基本セットで使わないようにしなければならない。(エキスパンションのほうがより厳しくメカニズムが制約されるので、エキスパンションにどのメカニズムを再録するかの方が優先される)

 これらのガイドラインによって、使用可能なメカニズムは少数に絞られるのだ。

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@wbyeast @maro254 M13のメカニズムは他のセットのよりも上級者向けに思えます。初心者にこの複雑なカードについてどう教えれば良いですか?


 基本セットに関する考え方はこの5年間(マジック2010のデザイン以降)で変わってきていると思う。単純さももちろん重要だが、基本セットをマジック世界への入り口と位置づけていた頃のようにそれが最優先というわけではなくなっている。

 現在、我々はデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズが最適な入り口で、そこから基本セットに向かうものだと考えている。つまり、基本セットは可能な限り単純であればいいというものではなく、マジックとはこういうものだと(初心者を怯えさせることなく)提示することが重要になっているのだ。そのため、より芳醇さを重視し、多元宇宙を示し、人気のある再録カードを入れ、そして再録メカニズムを入れることにした。


機知の戦い》 アート:Jason Chan
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@EdGuise88 @maro254 タイタンがなくなると決まったとき、そのサイクルの代わりのためにどういうことをしましたか? 必要なのが何なのかはわかっていたんですか?


 もっとも必要だったのは、「サイクルではない」。必要だったのは、それぞれが自立しているといえる、魅力的な神話レア群だった。

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@Moshne @maro254 2つのブロックを基本セットで繋ぐことをどの程度重要視していて、そのためにどんなカードをデザインしましたか?


 近年の基本セットのデザインとデベロップにおいては、前の年のブロックにもう一花咲かせるためのもの(たとえば感染と相互作用する《怨恨》)と、翌年のブロックの準備をするもの(たとえば......おっと、まだ内緒だ)の両方を入れることが重要だ。

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@gray_embrace @maro254 M13に、《空虚への扉》や《機知の戦い》のような「カジュアル・レア」が大量に再録された理由はなんですか?


 そういったカードを楽しむようなカジュアル・プレイヤーがたくさんいるからだ。

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@epramono @maro254 再録カードがこのセット全体のデザインに与えた影響はどんなものがありますか? 再録を決めたのは最初ですか、最後ですか? フレイバー次第ですか?


 基本セットとエキスパンションでは、再録のあり方がまったく異なる。基本セットの独自性の1つには、諸君がもう一度使いたいと思っているだろうものを再録できるということが挙げられる(スタンダードで。より広いフォーマットなら今でも使えるからね)。そのため、基本セットの構造はより柔軟なものであり、より広くから再録できるのだ。

 基本セットにおける再録カードに関する最大の問題は、さまざまなメタゲームに入れて大丈夫かどうかということだ。エキスパンションではそのブロックのテーマに合っているかどうかということが重視されるが、基本セットではテーマは少し下に置かれる。


クローン》 アート:Kev Walker
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@Spencer_AZ @maro254 基本セットの再録枚数を決めるのはデザインですか?


 デザインは再録したいと思うカードをデザイン・ファイルに入れて提示する。マジックのファイルなので、デベロップはそれに変更を加える。その際に、その再録カードがセットに入るかを変更したりもする。再録カードについては、デザインとデベロップの合作だと言える。

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@Pattapit @maro254 ほとんどのブロックはテーマに基づく(トップダウンとか郷愁とか)ものですが、M13はいくつものテーマを持っているように見えます。これはそういう計画だったんですか?


 基本セットのデザインはエキスパンションのものとは大きく異なる。エキスパンションはブロック単位でデザインされ、より大きな枠組みの一部である必要がある。基本セットはそれだけで独立しているので、基本セットが用いるどんなテーマにでも使えなければならない。基本セットのテーマは、デザインを狭い空間に押し込んでしまいがちなブロックのテーマよりずっと緩いものだということに注意してもらいたい。

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@joshuamilliken @maro254 このセットのデザインしたカードの中でお気に入りは何ですか?


 難しいな。《機知の戦い》《前兆の時計》《忘却の輪》の3枚が同率首位だ。代替勝利条件カードが大好きな私がその中で一番の傑作《機知の戦い》を外すわけにはいかないし、エンジン・カード(リソースを他のリソースに変換するカード)好きな私の中のジョニーはその中でも面白い《前兆の時計》を挙げる。白の除去呪文の新境地を拓いてくれた《忘却の輪》はもちろんお気に入りだ。

 そうそう、私には基本セットに集中する時間はあまりない(私は全部のエキスパンションで働いている)ので、このセットの新カードはデザインしていないことを添えておこう。

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@OriginalOestrus @maro254 代替勝利条件カード(《空虚への扉》《機知の戦い》)をM13に入れることを決めたのはなぜですか?


 代替勝利条件カードは非常に人気があり、また、これらを基本セットに入れることでカードがルールの骨格を変えると言うことをはっきりと示せるからだ。

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@CurlyfryUSA34 @maro254 M13に大変更が必要だと感じましたか?(タイタンや《極楽鳥》、蜘蛛などの代表的クリーチャーを取り除いたこと)


 マジック2013のデザインの目的は、大変更ではなかったと思っている。むしろ、今回の変更は大変更だとは思っていない。毎年、何かを残しながら、環境を変えていかなければならない。毎年新しいものを加えていく必要があるので、古いものの中には取り除かれるものもあることになる。

 《極楽鳥》や《大蜘蛛》は驚きだったかもしれないが、タイタンが消えたことは驚くに値しない。タイタンは競技マジックに多大な影響を与えていたし、競技マジックを定義づけるカードを入れ替えることでスタンダード環境のあり方を変えていくことは重要なのだ。

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@SweetoothTKC @maro254 《雷口のヘルカイト》はすごいですね。開発部はいつから構築で使えるドラゴンを作りたいと思っていて、このデザインはいつ始まったんですか?


 ダグ・ベイヤー/Doug Beyerの《雷口のヘルカイト》に関するコメントは、「このカードに関してはデザインよりデベロップに踏み込んでいると思います。このセットをデベロップに渡した時点で、ザック/Zac(・ヒル/Hill、このセットのリード・デベロッパーだ)に『このカードがとても優秀であるようにしてください。これがデザインの意図です』と伝えました」


雷口のヘルカイト》 アート:Svetlin Velinov
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@joelniddrie @maro254 デザイン段階で、《交易所》が土地だったことはありますか? あったなら、なぜ変更されたんですか? なかったなら、なぜ土地でなかったんですか?


 常にアーティファクトだったと記憶している。その最大の理由は、このカードには文章量が多いということだ。デザイン上のルールとして、土地はマナを出さなければならない。マナを出す能力を付けると、さらにカードの文章量が増えてはみ出してしまう。

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@SweetoothTKC @maro254 デュエルズ2013はM13の新カードのデザインに影響を及ぼしましたか?


 非常に強く及ぼした。両デザイン・チーム(マジック2013とデュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013)は協力して、同じカードがどういう目的を達成できるかを考えた。彼らが決めたことの中には、デュエルズの敵キャラ5種類がマジック2013に伝説のクリーチャーのサイクルとして入るというものもある。これらの伝説のクリーチャーはM13のエントリーセットの中核カードとなった。

 また、この両チームで、M13とデュエルズのデッキの両方で役に立つカードを探した。最終的に両方の条件を満たすカードは60枚ぐらいになったはずだ。新しくデザインされた中には、デュエルズのために作られ、M13に入ることになったカードもある。

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@34thGingerbread @maro254 色違いのマナを必要とする能力を持った単色クリーチャーの方が多色クリーチャーよりもいい選択なんですか?


 色違いの起動型能力は、重要なある点において異なった働きを見せる。2色目のマナは起動コストに含まれるだけなので、両方の色が揃う前にそのクリーチャーを唱えることができる。つまり、色違いのマナを引かない場合の不利益がそれほど激しくない形でタッチさせることができるのだ。また、古典的な多色カード(金色カード)は色違いの起動型能力よりも大きくタッチさせる必要がある。そして、このセットで重要なカードにして唯一の金色カード《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》への注目を保つこともできるというわけだ。


プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》 アート:D. Alexander Gregory
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@Kengy5 @maro254 均等でない場合に、どの色に何枚の神話レアを置くかには何か規定があるんですか? 基本セット2回連続で赤は少ないんですが。


 規定はない。何年も前に、神話レアの枚数比率を簡単に定める方法は存在しないと開発部で決めた(アーティファクトや土地、多色カードの神話レアを作りたい場合に、神話レアの枚数が5で割り切れなくなるからだ)ので、毎回ほぼ近いようにはするが変動は受け入れることにしたのだ。前のセットの神話レアの色がどうだったから今回のセットの神話レアの色はどうするという規定は存在しない。

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@SSJTapkar @maro254 なぜ(パッケージに描かれている)1人のプレインズウォーカーに焦点を当てているんですか? 基本セットはストーリー重視じゃなかったはずですよね?


 パッケージにおいては、中心に据える絵柄を1つ定める必要がある。複数の焦点を置くと、パッケージが散漫に見えるのだ。《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》がパッケージに描かれているのは、彼がこのセットの象徴に思えるからだ。この物語には多くの英雄がいるが、大敵はたった1人なのだ。

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@JoshuaLemish @maro254 賛美のような基本セットの能力が持ち越されることがあり得ますか? それとも、M12の狂喜のようにまたなくなりますか?


 現時点での計画では、基本セットに戻すメカニズムは1セット限りで、次の年はまた新しいものがそれに代わることになっている。つまり、マジック2014では何か別のものが入るから、それまでマジック2013の賛美を楽しんでくれたまえ、ということだ。

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@Voraath @maro254 M13は、現在のスタンダード環境とこの秋以降の環境のどちらを意識してデザインしましたか?


 どちらも非常に強く意識している。

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@markabq @maro254 一般プレイヤーは利点だけのカードが好きだと言いますが(マーフォークのロードとか)、本当にそれがマジックにとっていいことなんでしょうか?


 私はそうだと強く信じている。これまで得てきた知見の中に、マジックのゲームにおいては多くのものを記録する必要がある、ということがある。対戦相手のカードのルール・テキストに書かれている、自分のカードに関する情報の数を減らすことがプレイヤーの助けになる。プレイヤーは自分のカードを見て、自分の側の情報を知るべきであり、対戦相手のカードを見て対戦相手の情報を知るべきである。自分のカードを見て対戦相手の情報を考えたり、対戦相手のカードを見て自分のカードを考えたりするのは直感的とは言えない。この問題を解決するため、利点だけのカードを使っているのだ。

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@301865564 @maro254 速攻に突然ルール・テキストが加えられたのはなぜですか? 速攻は以前からある能力で、ほとんどのプレイヤーはすぐに覚えるものだと思います。


 注釈文に関する我々の考え方は、必要だと思ったなら書く、というものだ。経験を積んだプレイヤーが注釈文を読み飛ばすほうが、情報の存在すら知らない新人プレイヤーが情報を探し当てることよりもよっぽど簡単である。言い換えると、情報不足は情報過多よりも悪いことだ。

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@TheSundry @maro254 M13は基本セット史上初めて「ラッキー・チャーム」サイクルの入っていないセットになります。入れなくした理由はなんですか?


 ラッキー・チャーム(マジックの歴史上に2種類存在した、ある特定色の呪文が唱えられた時にライフを得るというアーティファクトのサイクルの通称)はアルファ版からずっと存在していた。新規プレイヤーは気に入りがちだが、5つのスロットを占有してしまうということから、これについては毎年論争が生じていた。増えたり減ったりするのがマジックの日常なので、デザイン・チームはラッキー・チャームに休暇を与え、他のカードに光を当てるることにした。代わってこのスロットを埋めたのが、指輪サイクルである。

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@IredaleLuke @maro254 リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldが作った元のマジックからM13のデザインに引き継がれたものは何ですか?


 開発部が壁に掛けたベータ版のアンカット・シートを見ているということについては、すでに語ったことがある。


マロの記事「80,000 Words(リンク先は英語)」より

 そうしている理由の1つに、我々がこのゲームの起点を見直すようにすることがある。リチャードは何か魔法的なものを思いつき、そして、アルファ版やベータ版が完璧だったとは言わないにせよ、いろいろな面で正しいことをした。マジックを新しい水準に引き上げようとする時、我々はリチャードが最初にこのゲームを作った時にやったことを思い出し、そして彼の見識がずっと通して輝き続けるようにしたいと思っている。これが、リチャードの見識がマジック2013に与えている最大の影響だ。

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@bloodyspasm @maro254 なぜ《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》だけが多色カードなんですか? 新規プレイヤーにとっても、複数色を使うことはそんなに難しいことには思えません。


 「らくだの背骨を折るのは最後の藁だ」という諺がある。何かを延々繰り返し、「こんなのはカンタンだよ」と言い続けながら、すべてを積み重ねていくと複雑怪奇な物になってしまうものだ。基本セットに多色カードを入れることができるかと言われれば、できるが、基本セットに大量に導入すべきものだとは思わない。注目を集めるカード1枚で、新規プレイヤーをたたきのめすことなくその概念を導入できるものだ。

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@ThePilat @maro254 なんで《怨恨》?


 《怨恨》は強烈で、人気があるカードで、良いカードだけれども戻してはならないほどには強くないカードだと思った。《稲妻》で見ての通り、マジックの歴史上に存在した強烈なカードをもう一度投入して引っかき回したいのだ。《怨恨》は《稲妻》の続きということになる。

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@KyleMueting @maro254 《火葬》の「再生防止」部分を取り除いて《灼熱の槍》に入れ替えるに至った議論を教えて下さい。


 長い間、我々は「クリーチャー1体を対象とする。それは再生できない」という文章を多くの除去呪文に組み込んできた。それどころか、「これを破壊する。それは再生できない」ということを表す「埋葬」という単語まで作り上げた。ある日、我々はふと自問した。なぜ? なぜ、再生をそんなに誹らなければならないのか? 再生はそんなに強い能力じゃない。多くの除去呪文に使い物にならないのだから、あまりにも弱い能力じゃないか。

 そこで、ある日のミーティングで、「再生を弱体化させるのはやめよう」ということになり、再生できないというテキストを追加するのをやめることにした。《灼熱の槍》は《火葬》を再録して再生を弱体化させるのを避けるために作られたのだ。

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@Milambus @maro254 基本セットとエキスパンションで、カードのデザインにおける最大の差は何ですか?


 エキスパンションは非常によく規定されている。たとえば、イニストラードはホラーをテーマにしたブロックだ。だから、デザインは特定の種類のカードを作ることになる。どのカードもホラー・ジャンルっぽいものにしたいと思ったので、カードのデザインにも偏りが出てくる。基本セットはテーマの縛りがそれほどきつくないので、より率直なものになりがちだ。

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@Steve_Will @maro254 マジック2013のカードの中で、最初から当確だったカードはありますか? 他のカードが埋めなければならない「隙間」を定めた簡単な選択は?


 諸君は、チアリーディングの映画を見たことがあるだろうか。トライアウトの時に、ヘッド・チアリーダーが、誰が先にチームにいたかは関係ないと言うのだ。誰もが同じ所に立って、自分の力を見せなければならない。基本セットはそういったものだと思う。

 それまで何回入っていようとも、どのカードも「入ることが確定」してはいない。どのカードも、その基本セットに必要であることを証明しなければならない。マジック2013では、これまでの基本セットの象徴的だった何枚ものカードがなくなっている。それらのカードは二度と帰ってこないことが決まっているわけではないが、このセットには必要ないと判断されたということだ。

今回のお返事コラムはどうだったろうか?

 今日のコラムはここまでだ。それではまた次回、マジック2013のデザインに関するさらなる質問に答えるときにお会いしよう。

 その日まで、あなたのやってきたことに関して質問したいと思うような面白い体験があなたとともにありますように。


 マジック関連の仕事をしたいと思う諸君は、英語版記事末尾にある告知を確認のこと。


基本セット2013

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