新セットめった切り！

2012.2.6

「闇の隆盛」トップカードレビュー！後編

読み物

新セットめった切り！

By 津村健志

　新セット『闇の隆盛』ついに発売！週末には発売記念パーティが各地で行われ、盛り上がりを見せていましたね。

　前編に引き続き、恒例の「トップカードレビュー」をお送りします！
　『闇の隆盛』では、「木曜マジックバラエティ」での連載もスタートした気鋭のプレイヤー・行弘賢と、週刊連載記事でおなじみ津村健志による、鋭い切り口の考察からカード愛までたっぷり詰まったレビューをお届けします。

　この後編では、津村チョイスの５枚を掲載！

　それではさっそくまいりましょう！

《思考掃き》

　久しぶりに登場した、1マナの優良ドローサポート。
　このカードを上手く使用するためには、「フラッシュバック」付きのカードを大量に入れたり、《ヘイヴングルの死者》や《太陽のタイタン》のように墓地を活用するカードと組み合わせたいところ。
　特に「フラッシュバック」コストの軽いカードを落とせた場合、《思考掃き》は非常に使い勝手の良いカードになるので、《熟慮》や《捨て身の狂乱》、または《信仰無き物あさり》なんかと併用していきたいですね。
　ゲーム終盤であれば、《ネファリアの溺墓》や《青の太陽の頂点》と組み合わせて相手のライブラリーを狙うこともできます。

《絡み根の霊》

　今回新たに登場したメカニズムは、「窮地」と「不死」のふたつ。「窮地」は自分のライフが5以下の場合になにかしらのボーナスを得られるもので、もう一方の「不死」は、「不死」を持つクリーチャーが死んだ際に、一度だけ+1/+1カウンターのおまけ付きで戦場に戻ってくるという能力です。
　「不死」はとにかく強力な能力で、その証拠にごくわずかなクリーチャーしか「不死」付きのカードは印刷されていません。もとのスペックが高いとリミテッドのゲームバランスを壊しかねないので、実に繊細にデザインされているという印象を受けますが、そんな中《絡み根の霊》は構築クラスの強さを秘めていると思います。
　唯一の問題は、これが入るアーキタイプがあるかどうかということですが、それさえクリアできれば文句無しの活躍を見せてくれることでしょう。
　「不死」能力と《出産の殻》は相性が良いので、もしかしたら「《出産の殻》」デッキに居場所を見つけられるかもしれません。
　他の「不死」付きのクリーチャーとして、《ゲラルフの伝書使》もかなりのカードパワーを誇りますが、タップインのせいで《蒸気の絡みつき》が幅を利かせている現状では少し厳しいかなという印象ですね。

《町民の結集》

　あの《急報》が帰ってきた！　残念ながらインスタントからソーサリーに格下げされてしまいましたが、その代わりに「窮地」がおまけとして付いています。
　このカードの何がすごいかと言いますと、出てくるトークンのクリーチャータイプが「人間」だということです。《機を見た援軍》や《エルズペス・ティレル》を見てもらえれば分かる通り、今までこの手のカードは「兵士」トークンを生みだすのが通例でしたが、「闇の隆盛」では《町民の結集》《高まる献身》《スレイベンの破滅預言者》など、「人間」トークンを生産するカードがいくつか登場しています。
　これにより《教区の勇者》は今まで以上の活躍が見込めますし、他にも《スレイベンの守護者、サリア》や《忠実な聖戦士》など、「人間」デッキを強化するカードが目を引きます。これらの恩恵を受け、「闇の隆盛」加入後は「人間」デッキはますますの輝きを放つことでしょう。

《未練ある魂》

　個人的に「闇の隆盛」で一番注目しているカードがこれです。
　すでに週刊連載（第88回）でも触れましたが、このカードは本当にすごいです。スタンダードで「白黒トークン」という新たなアーキタイプが生まれたのは、このカードあってこそですし、《清浄の名誉》や《無形の美徳》と組み合わせれば、それだけでゲームを掌握することができるでしょう。
　これくらいのカードパワーがあれば、もしかするとスタンダードのみならず、モダンやレガシーでもお呼びがかかるかもしれませんね。

《イニストラードの君主、ソリン》

　ストーリー上でも重要な役割を果たす《イニストラードの君主、ソリン》さん。
　スタンダードでもそれと同じく重要な地位を占め、《未練ある魂》とともに、「白黒」というカラーリングの持つ魅力を今まで以上に引き出してくれます。
　上で紹介したカードと合わせて「トークン」デッキを作るも良し、はたまたコントロールデッキに入れてブロッカーを出すも良しと、実に様々なデッキでの活躍が期待されます。
　単体で使っても十分に凶悪なカードですが、最終奥義のタイミングを早める「増殖」カードと併用すると、対戦相手の計算を狂わせることができて面白いかもしれませんね。

　お楽しみいただけましたか？

　『闇の隆盛』では、全カードリスト、全カードギャラリーも公開されていますので、この記事の右上と下にあるツイッターボタンを利用して、「あなたのトップ５」を語ってみてください！

　それでは、この後も『闇の隆盛』をお楽しみに！