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金子と塚本の「勝てる!マジック」
金子と塚本の「勝てる!マジック」 第33回:プレイング編 情報の公開
金子と塚本の「勝てる!マジック」第33回:プレイング編 情報の公開
by 金子 真実 & 塚本 樹詩
登場人物:
金子 真実
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
Q. 好きな季節は?
A. 引きこもりなんで季節とか興味ないです!エアコンサイコー!文明の利器バンザイ!塚本 樹詩
マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
Q. 好きな季節は?
A. 無限に秋が続けばいいのにって思います。春もいいのですが、梅雨が辛すぎてね。あと5月病もあるので春は罠が多い。春が秋に勝る唯一の利点は、春だとアレな人が増えるので、俺がおかしくても目立たないこと!!前回の勝てマジ!
見えない情報を、相手は自分にとっての脅威だと思う時もある。
そういった見えない部分を利用して相手に「ある」と思わせる戦術、ブラフを教わった塚本。
そして終盤でお互いにロースペックになった二人、一体どうなってしまったのか?
塚本「ということで......。」
金子「心を入れ替えて、今回からは再スタートということで、真面目にやりましょうか!」
塚本「ハイスペックの後にロースペックってプラスマイナスゼロだったのでは......。」
金子「もう塚本さんを改造しようなんて思いません!」
塚本「先週ロースペックだったので、先週のことよく覚えてなかったのですけど、自分の手札を相手が脅威に考えるのを利用するような話だった気がするのですが......。」
金子「詳しくは前回を参照ですが、相手から見えていない情報をどう使うか、という点では今回は続きみたいなものですね。」
今回のケース その1
金子「これは2ゲーム先取制のイベントの、1ゲーム目のあなたの第1メインフェイズです。この場面、塚本さんならどうしますか?」
塚本「僕なら奇声をあげて、相手のたった一匹のクリーチャーを葬り去りますね!そう、たったひとつの、その小さなプライドをね!!!」
金子「......塚本さん、どういった理由で除去を唱えたんですか?」
塚本「『クリーチャーを見たらすぐ倒そう!委員会』に入っているんですよ、僕。」
金子「あー......まぁ、そういった委員会があるなら仕方ないですね。」
塚本「他にも、『全次元のクリーチャーを守ろう!委員会』や、『クリーチャーと会ったら話しかけよう!委員会』等様々な委員会が存在しますね、はい。」
金子「前者はともかく、後者はとてつもなく不気味ですね。そういう思想なら仕方ないのですが、この場面では相手のクリーチャーが1体しかいないので、2ターンかけて自分のクリーチャー全員で攻撃したら勝てそうです。なので、わざわざ貴重な除去を使わなくてもいいと思いますよ。」
塚本「そうか!そういう状況では必ず相手のクリーチャーはブロックするので、必然的に相手のクリーチャーがやられる、これは倒したと同義............!」
金子「いや、塚本さんの委員会活動的目標の達成の話ではないです。どうせ勝てるんだから、ここで相手に『《焦熱の衝動》がデッキに入っている』という情報をわざわざ教えなくても良い、ということです。」
塚本「除去を見せないと、どんないいことがあるんですか?」
金子「まだ1ゲーム目なので、ここで余計な情報を与えてしまうと、次からのゲームでは警戒されてしまいますね。対策カードをサイドボードから入れられてしまうかもしれません。他にも、手札に持っている除去がソーサリーならソーサリーに対抗する打ち消し呪文、エンチャントなら、エンチャント破壊といった対策カードがあります。このゲームは勝っても、次のゲーム以降で相手に対策されてしまうのは損ですよね。」
塚本「すごい!金子さん......今日から僕は、『情報はなるべく相手に与えないで勝つ!委員会』に入ります。」
金子「......では今日から、僕が委員長になりますね。」
今回のケース その2
1ゲーム目、対戦相手のの戦闘開始時。
金子「これは2ゲーム先取制のイベントの1ゲーム目で、相手に攻撃されています。この場面ではどう動くといいのか、もうわかりますよね?ちなみに、自分のデッキの中には、全体除去等の1対多交換できるような便利なカードは当然入っていません。」
塚本「ここで僕は自分のクリーチャーでブロックして、そのクリーチャーに《剛力化》を唱えます!」
金子「どうしてそうなるんですか!塚本さん、『情報はなるべく相手に与えないで勝つ!委員会』に入ったじゃないですか!」
塚本「え?それは勝つときの話ですよね?それに僕は『自分のクリーチャーを強くするクラブ』にも入っているので、手札に《剛力化》があるなら唱えないわけにはいかないんです!この場面、むしろどうして相手のターンになるまで溜めておいたのか、まったく理解できない!」
金子「こ、こいつ、めんどくさい奴だ!!塚本さん33回目なのに新鮮なまでにめんどくさい人ですねあなた!!」
塚本「金子さんだって、休日には釣りしてるじゃないですか!!釣りクラブに入っていないのですか!?」
金子「僕の趣味と、塚本さんのニッチな思想を一緒にしないでください!」
塚本「なんだと............きー!!って襲い掛かれないですね、僕は非暴力、不服従を貫いているので。」
金子「ガンジーかよ!!」
塚本「金子さん、ガンジーじゃなくてガンディーですよ。」
金子「めんどくささもそこまでいくと逆にあっぱれですね......。とりあえず説明を続けます。
例えばここで相手のクリーチャーを1体討ち取ったとして、6点のダメージは必ず受けて残りライフ2点。相手には3体の2/2、自分は2/2が1体。前提として、先ほど言った通り1対多交換できるカードはデッキに入っていないので、どうやっても負け、詰んでいます。どうせ負けるなら、わざわざこちらのデッキの《剛力化》を見せる必要はないと思いませんか?」
塚本「これで対戦相手に次のゲームから《剛力化》を前提に動かれてしまったら確かに嫌ですね。」
金子「もちろん、勝つチャンスがあるときにはしっかりプレイしたほうが良いです。現在の状況はどんな状況か、しっかり見極めるのが大切ですね。他にもこれが別の《剛力化》を既に見せていたなら、『既に《剛力化》を見せているので情報は気にせず2枚目も使用して無駄に粘って、デッキに複数のクリーチャーに対処できるカードが入っているように見せる』とかみたいな話もありますが......基本的には、相手に無駄な情報は見せないほうが良いと覚えましょう。」
おまけのケース
金子「すごく極端なケースです。あなたはスタンダードのイベントに出ていて、ゲーム1です。土地が来なくて、いきなりマリガンを4回してしまいました。さらにその手札も土地なし。こんなケース、よほどのことがない限り勝てないので、土地をあとから引いてきたとしても、相手の行動だけ見て、自分は負けるまで何もせずに投了するのも一つの手ですね。」
塚本「どうせ負けるなら、相手の情報だけ見て、自分の情報は与えない。そういう考え方もあるのですね!」
金子「はい、そうです。これは構築戦の試合だと顕著ですね。使用する土地から、ある程度デッキの見極めができちゃいますから。こちらが情報を与えないと、こちらだけ相手のデッキの対策カードをサイドインできますからね。とはいえ、あくまで投了は選択肢の一つなので、手札の内容と相談してどうするか決めるのがいいでしょう。ということで、まとめに入りましょう。」
今回のまとめ!
- 相手に余分な情報を与えずに勝てる場面では、余分に動かない!
- 不利な場面では、チャンスがあるかどうかをしっかり考え、時にはきっぱりと負けるのも大事!
- 最後のゲームでは情報を隠しても意味がないので、出し惜しみはしないこと!
金子「こういった感じで、情報の管理には、次以降のゲームや、サイドボードが絡むというお話でした! いつもは1ゲームの中でで話が完結していましたが、イベントでは2本先取制でマッチをやる場合が多いので、しっかり考えるといいですよ。」
塚本「金子さん......僕、『情報はなるべく相手に与えないで勝つ!委員会』やめます。」
金子「ええ? 情報が大事ってわかってくれたのではないのですか?」
塚本「『勝つにしろ負けるにしろ、情報はなるべく相手に与えない!委員会』に入ります。それとクラブも『今日から最後のゲームでは情報は出し惜しみしない!クラブ』に変えます!
そして金子さんにも釣りクラブをやめて、とあるクラブに入ってもらいます!!」
金子「そんな、僕の人生唯一の楽しみが!!で、何のクラブに入るんです?」
塚本「『塚本の情報を全て把握するクラブ』です。まず今までの32年と9か月分の全データが入ったハードディスクを金子さんの家に送るので、全部暗記してください。」
金子「この先一生、釣りでボウズになるほうがマシだあああああああああ!!」
BADEND!
続く......?
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