- HOME
- >
- READING
- >
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- >
- 第23回:これがプロツアー! 殿堂プレイヤー・Brian Kibler vs. Jon Finkel をリプレイ!
READING
鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
第23回:これがプロツアー! 殿堂プレイヤー・Brian Kibler vs. Jon Finkel をリプレイ!
読み物
鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
2012.02.14
第23回:これがプロツアー! 殿堂プレイヤー・Brian Kibler vs. Jon Finkel をリプレイ!
こんにちは、鍛冶です。
昨日まで行われていたプロツアー・闇の隆盛はみなさんご覧になられましたか?
日本からは永井 守さんが、見事トップ4に入賞。
殿堂プレイヤーであるBrian Kibler、Jon Finkel、Jelger Wiegersmaの3人に、Paulo Vitor Damo da Rosa(PV)という、とっても濃いメンバーで行われたプロツアーの決勝は、Brian Kiblerの優勝で幕を閉じました。
大方の予想通り、世界は《秘密を掘り下げる者》を中心に回っていたと言っても過言ではなく、メタゲーム・ブレイクダウンを見てもそれは明らかでした。
しかし、Kiblerの使用したデッキは、ChannelFireball謹製の、火力をふんだんに投入した《高原の狩りの達人》入り《ケッシグの狼の地》でした。
5 《森》 6 《山》 4 《根縛りの岩山》 4 《銅線の地溝》 4 《墨蛾の生息地》 2 《ケッシグの狼の地》 -土地(25)- 1 《極楽鳥》 3 《真面目な身代わり》 4 《高原の狩りの達人》 1 《最後のトロール、スラーン》 1 《酸のスライム》 4 《原始のタイタン》 2 《業火のタイタン》 -クリーチャー(16)- |
4 《太陽の宝球》 4 《不屈の自然》 4 《感電破》 1 《鞭打ち炎》 4 《金屑の嵐》 2 《緑の太陽の頂点》 -呪文(19)- |
2 《最後のトロール、スラーン》 1 《秋の帳》 2 《古えの遺恨》 2 《焼却》 1 《鞭打ち炎》 2 《帰化》 2 《内にいる獣》 1 《原初の狩人、ガラク》 2 《解放された者、カーン》 -サイドボード(15)- |
序盤の相手のダメージクロックを取り除くことを強く意識した構成になっていますね。
準決勝で対戦したのは、《未練ある魂》のフラッシュバックのために黒をタッチした《秘密を掘り下げる者》デッキを操る、あのJon Finkel。
5 《島》 1 《平地》 1 《沼》 4 《金属海の沿岸》 3 《氷河の城砦》 4 《闇滑りの岸》 2 《ムーアランドの憑依地》 2 《進化する未開地》 -土地(22)- 4 《秘密を掘り下げる者》 3 《幻影の像》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《ドラグスコルの隊長》 2 《地下牢の霊》 -クリーチャー(17)- |
4 《ギタクシア派の調査》 1 《はらわた撃ち》 4 《蒸気の絡みつき》 4 《思案》 1 《神への捧げ物》 1 《存在の破棄》 2 《マナ漏出》 4 《未練ある魂》 -呪文(21)- |
1 《幻影の像》 2 《地下牢の霊》 2 《外科的摘出》 2 《はらわた撃ち》 1 《啓蒙》 1 《天界の粛清》 1 《神への捧げ物》 1 《存在の破棄》 1 《マナ漏出》 1 《否認》 1 《四肢切断》 1 《雲散霧消》 -サイドボード(15)- |
しかしKiblerはFinkelをも蹴散らして決勝へ進出し、1枚しかデッキが変わらないPVとのミラーマッチを戦いました。
世界選手権2011を優勝した彌永淳也に続いたこの結果に、《ケッシグの狼の地》のポテンシャルを再確認させられましたね。
さて、今週はまだMOで「闇の隆盛」がリリースされていないので、この準決勝、Brian Kibler と Jon Finkel の最終第5ゲームをリプレイ!したいと思います。
観戦記事もあわせてご覧ください。
(翻訳記事)準決勝: Jon Finkel(アメリカ) vs. Brian Kibler(アメリカ)
その前の第4ゲーム。
1-2と負けている状態で、Kiblerは《ドラグスコルの隊長》と《幻影の像》(《ドラグスコルの隊長》のコピー)で強化されたスピリットたちに襲い掛かられ、絶体絶命のピンチ。
これを、見事なトップデックで大逆転します。
Kibler 「いまのゲームは全身全霊だったぜ...一世一代のな。わかるだろ」
そんなKiblerでしたが、続く第5ゲームも大苦戦。
しかし、優勝したのはご存知の通りKibler!その勝利までの過程が見応えのあるゲームをみてみましょう!
プロツアー・闇の隆盛 準決勝: Brian Kibler vs. Jon Finkel Game 5
下記リンクから動画をご覧ください。
http://youtu.be/jedseuxEvxk?t=1h30m37s
1:31:40
お互いに7枚のハンドをキープしてのゲーム開始!
まずはFinkelの《ギタクシア派の調査》でKiblerの手札は丸裸にされる。
《感電破》《焼却》《高原の狩りの達人》、《緑の太陽の頂点》という呪文をメモし、《思案》へと続ける。
1:33:18
2マナのマナ加速呪文をケアして《進化する未開地》ではなく《島》を置き続けるFinkelに、Kiblerは淡々と土地を置くのみ。
対クリーチャーの除去呪文と、対マナ加速呪文の打ち消し呪文の睨み合いが続く。
お互いにインスタント呪文で牽制したいと考えているのか、まるでパーミッション同士のようだ。
1:35:02
十分な土地に恵まれた両プレイヤーは、徐々に行動を開始する。
Kiblerの《墨蛾の生息地》アタックから、Finkelの《未練ある魂》へと、戦場は少しづつだがパーマネントが揃い始める。
そして、《マナ漏出》を構えているFinkelに、《秋の帳》を持ったKiblerが《高原の狩りの達人》で攻める!
1:36:30
この《高原の狩りの達人》に行動を制限されつつも、変身させなければ《天界の粛清》があるので脅威ではない、と割りきり、メインで《瞬唱の魔道士》から《思案》へと続けるFinkel。
あいにく3枚の土地なのでシャッフルを選ぶが、2/1で地上はがっちり?
もちろんそんなことはなく、Kiblerは《緑の太陽の頂点》でもう1枚の《高原の狩りの達人》をサーチする。
1:39:55
ターン終了時に《高原の狩りの達人》を《天界の粛清》で処理するが、ボードのクロックを見れば若干Kiblerの有利か。
続くターンもFinkelは《思案》を唱えるが、《ギタクシア派の調査》ばかりがめくれ、マナもライフも余裕がないのでシャッフルをすると、そこには《瞬唱の魔道士》が!
1:42:24
このドローでシーソーは逆に傾き、フラッシュバックの《天界の粛清》で《高原の狩りの達人》は退場した。
もうKiblerには2/2のトークンしか残されておらず、手札の火力も1/1トークン相手には効果が薄く虚しいだけだ。
さらにFinkelは《否認》と《瞬唱の魔道士》を《思案》で掘り当て、ゲームを完全にコントロールしようとライフにプレッシャーをかける。
1:45:07
ダメージ源に恵まれないKiblerは、飛行クリーチャーに殴られる一方でほとんど反撃といった行動が取れず、ただターンが過ぎていく。
こうなってしまうと、普通に考えればKiblerに逆転の目はないだろう。
せめて《ケッシグの狼の地》さえ引けば話が変わるのに・・・だが、今のドローで引いたカードは3枚目の《感電破》!
火力のないFinkelのデッキのダメージはクリーチャーからしかダメージを与えられない。つまり、Kiblerに残されたターンはあと1ターンある。
1:47:01
この時のために、《焼却》はあえて《瞬唱の魔道士》へは使わずにゲームの速度を調節し、《墨蛾の生息地》はチャンプブロッカーと見せかけて金属術を果たし、Finkelの1/1スピリットトークンでのチャンプをさせたくないシチュエーションを作り、《否認》を持たれていても止めを刺せる、残りライフ8という瞬間を創りだした!
さすが殿堂プレイヤー同士の戦いは見応えがありますね!
普通に考えたら2/2トークンを相打ちで使ってしまったりして、ドローの弱さに嘆いてしまうゲームかもしれませんが、細い細い勝利への道を歩み、3枚の金属術した《感電破》で逆転勝利!
これだからプロツアー・サンデーの試合はたまりませんね。
他の名試合はこちらでご覧下さい!
(英語)Video Archive: 決勝
(英語)Video Archive: 準々決勝
また、アーキタイプごとの詳しい分析記事はこちらにあります!
Archetype Breakdown for Pro Tour Dark Ascension
英語となってしまいますが、マジックならOKという方は是非チャレンジしてみてください。
☆今週のイベント・インフォメーション!
Magic Onlineの最新情報・イベント結果・デッキリストがわかる公式情報ページはこちら!(リンク先は英語)
What's Happening?
※以下の時刻はすべて日本時間です。
闇の隆盛・プレリリース
おまたせしました、「闇の隆盛」をいち早くMagicOnlineで遊びたいプレイヤーに朗報です!
Magic Online上での発売日とプレリリースのスケジュールが発表されました。
ストアでの発売は2/20からとのアナウンスですが、今回も以下の2つのフォーマットで一足お先にプレリリースが行われます!
闇の隆盛 プレリリース スイス式 シールドイベント
開催時間: 2/17(金)AM3:00 ~ 2/19(日) PM3:00 16人そろい次第、順次開催
開催場所: 「Release Queues room」
参加費: 30チケット
プロダクト:イニストラード、闇の隆盛のブースターパックが3つずつ支給されます。
参加人数: 16人
イベント内容: デッキ構築とスイス式4回戦です。勝敗に関わらず、すべての試合をプレイすることができます。
賞品:勝ち点に基づいて配布されます。各マッチの勝ち点を3点とし、負けは0点とします。
勝ち点 | 賞品 | QP |
12 | 闇の隆盛 ブースターパック 10個 | 3 |
9 | 闇の隆盛 ブースターパック 4個 | 1 |
6 | 闇の隆盛 ブースターパック 1個 | 0 |
追加の賞品: このイベントに参加したすべてのプレイヤーにはプロモーション・カードの《貪欲なる悪魔》が、さらに勝ち点9点以上のプレイヤーにはFoilの《貪欲なる悪魔》が配布されます。
? |
闇の隆盛 8人 スイス式 ブースタードラフト
開催時間: 2/19(日)AM3:00 ~ 2/20(月) PM3:00 8人そろい次第、順次開催
開催場所: 「Release Queues room」
参加費: 20チケット
プロダクト: 闇の隆盛のブースターパックが3つ、支給されます。
参加人数: 8人
イベント内容: ドラフトとデッキ構築、加えてスイス式3回戦です。勝敗に関わらず、すべての試合をプレイすることができます。
賞品: 勝ち点に基づいて配布されます。各マッチの勝ち点を3点とし、負けは0点とします。
勝ち点 | 賞品 | QP |
9 | 闇の隆盛 ブースターパック 4個 | 1 |
6 | 闇の隆盛 ブースターパック 2個 | 0 |
3 | 闇の隆盛 ブースターパック 1個 | 0 |
追加の賞品: このイベントに参加したすべてのプレイヤーには、プロモーション・カード《貪欲なる悪魔》が、さらに勝ち点9点のプレイヤーにはFoilの《貪欲なる悪魔》が配布されます。
そんな中、MOCSは第2シーズンが進行しています!
Magic Online Championship Series(MOCS) - シーズン 2
QP獲得期間:2/1~2/29(ダウンタイムまで)
プロモカード:《生ける願い》
チャンピオンシップ 開催日時:3/4(日) AM4:00
チャンピオンシップ 形式:イニストラード・ブロック シールド戦
詳しくは、英語記事「2012 Magic Online Championship Series」をご覧ください。
普段はQPをしっかり集めるのは難しい人でも、このプレリリースのシールドイベントで4-0できれば一度に3QPですし、3-1でも1QPがもらえますよ!
イベントに参加しながら楽しくカードとQPを集める、なんてどうですか?
マジック・オンライン プロツアー予選:バルセロナ・アヴァシンの帰還
開始時間: 下記スケジュールをご参照ください。
開催場所: 「Scheduled Events room」
参加費: 30チケット
プロダクト: モダン構築のデッキを用意する必要があります。
参加人数: 33人~768人
イベント内容: モダン構築戦。参加者数に応じた回戦数のスイスラウンド、Top8ではシングルエリミネーション3回戦が行われます。
賞品: トーナメントの最終順位に基づいて配布されます。ブースターパックの種類は、そのイベントの時点でMagic Onlineで利用可能なマジック:ザ・ギャザリングのセットからウィザーズ・オブ・ザ・コースト社によって選ばれたものになります。
順位 | 賞品 | QP |
優勝 | プロツアー・アヴァシンの帰還の参加権利 及びスーパードラフトの招待 ブースターパック 48個 |
6 |
準優勝 | ブースターパック 48個 | 5 |
3,4位 | ブースターパック 36個 | 4 |
5-8位 | ブースターパック 24個 | 3 |
9-16位 | ブースターパック 12個 | 0 |
17-32位 | ブースターパック 6個 | 0 |
33-64位 | ブースターパック 3個 | 0 |
65-128位 | ブースターパック 2個 | 0 |
129-256位 | ブースターパック 1個 | 0 |
開催スケジュール
開催日 | 開始時刻 |
2月21日 | AM1:00 |
2月26日 | AM4:00 |
3月5日 | AM0:00 |
3月12日 | AM3:00 |
3月17日 | PM10:00 |
3月19日 | AM3:00 |
3月24日 | PM7:00 |
3月25日 | AM3:00 |
4月1日 | PM11:00 |
プロツアー予選への参加資格
プロツアー予選がクラッシュしてしまった場合について
プロツアー:アヴァシンの帰還 スーパー・ドラフト
以上につきましては、第18回の記事をご覧ください。
それではまた来週!
※参加人数によるラウンド数
参加人数 | ラウンド数 |
8 | 3 |
9-16 | 4 |
17-32 | 5 |
33-64 | 6 |
65-128 | 7 |
129-226 | 8 |
227-409 | 9 |
410人以上 | 10 |
RANKING ランキング
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.24戦略記事
リザード・バーン:紙のトカゲは冬眠しない(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.23戦略記事
グルール&ボロス、赤いアグロとダメージ呪文(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事