読み物

鍛冶友浩の「今週のリプレイ！」

2011.05.10

第15回:八朔 人平の「集団変身」をリプレイ！

　こんにちは！
　先週末には「新たなるファイレクシア」のプレリリースも行われましたが、みなさん参加されましたか？
　新セットの発売日まであと一週間を切りましたが、かなり楽しみですね。

　しかし、MOの世界ではまだNPHは非対応。
　そこで今週はレガシーを紹介できればと思っていたのですが、今回の更新には準備不足でした。期待してくれていた方には本当に申し訳ありません。

　代わって、今週は日本選手権予選を通過した八朔さんの「集団変身」デッキを紹介したいと思います。

八朔 人平
日本選手権2011予選・大阪1次 / 5位[MO] [ARENA]

11 《島》 7 《森》 4 《カルニの庭》 4 《霧深い雨林》 1 《墨蛾の生息地》 -土地（27）- 4 《巣の侵略者》 4 《海門の神官》 4 《コジレックの捕食者》 4 《霜のタイタン》 3 《クローン》 -クリーチャー（19）-	4 《迫撃鞘》 3 《成長の発作》 3 《集団変身》 2 《エルドラージの碑》 2 《野生語りのガラク》 -呪文（14）-	4 《よじれた映像》 4 《マナ漏出》 4 《饗宴と飢餓の剣》 3 《酸のスライム》 -サイドボード（15）-

　久しぶりに《島》が入っているのに《定業》も《精神を刻む者、ジェイス》も無いデッキリストを見かけた気がしますが、なんとそれだけではなく、《水蓮のコブラ》も《探検》も入っていません。

　この一風変わったデッキ、キーカードはデッキのタイトル通りの《集団変身》です。
　《巣の侵略者》や《コジレックの捕食者》と、生み出されるエルドラージ・トークンを頭数に数えつつ、みんなを《霜のタイタン》や《クローン》へと変身させて勝負を決めるデッキです。
　6マナという重たさも、トークンをマナに変換できることを考えれば十分機能するのでしょうか？

　では、実際にプレイした動画を紹介したいと思います！

《集団変身》！

http://www.youtube.com/watch?v=s_-GXIXOXX4

0:00
　初手はなかなか良く、2,3ターン目でマナ加速できるので重たいパーツを少し引きたいところ。
　《海門の神官》もあることだし、あまり心配はいらないかな。

0:47
　相手のデッキが緑単エルドラージということもあり、3ターン目は《成長の発作》でマナを伸ばす。
　スピードが求められるこの対戦では、出来る限り早くキーカードのある6マナへ到達したいので、《海門の神官》はここでは我慢しよう。
　出された《絡み線の壁》も、《草茂る胸壁》があれば、《饗宴と飢餓の剣》対策を兼ねたマナ加速になっていることにも注目したい。

1:00
　ここで一番引きたかった《集団変身》をトップデック！
　だが、まだクリーチャーの数が少ないので《コジレックの捕食者》をキャストして種モンスターを追加する。
　《原始のタイタン》を先に出されるかもしれないが、さすがに5,6体も変身させればなんとかなるだろう。

2:03
　案の定《緑の太陽の頂点》から《原始のタイタン》を出されてしまうが、こちらもトークンをマナに変えて《変身》x5で対抗する！

　ここで公開されたのは、
　《霜のタイタン》《クローン》《海門の神官》《コジレックの捕食者》、《巣の侵略者》。

　《霜のタイタン》で《原始のタイタン》を寝かせつつ、《クローン》で《原始のタイタン》をコピーし、勝負に出た。

2:22
　しかし、《テラストドン》で相手は土地2枚を犠牲にし、3/3トークンに変えて戦線を維持しようと試みたので、こちらは《クローン》でさらに相手の土地を破壊し、追い打ちをかけた。
　これで戦場はよく分からない混戦になってしまった。

　・・・が、《エルドラージの碑》を引いたお陰で一気に簡単に。

サイドボード！

http://www.youtube.com/watch?v=Q8Pl0cPW4mE

0:00
　重たいハンドだが、先行ということもありマリガンせずに7枚でキープした。
　土地が十分あることも大事だと思ったが、実際にはどうだろう？

0:55
　この《耕作》を唱えられた時に、自分はキープを後悔していた。
　さすがにこの時点で出したクリーチャーが0/1の苗木一体って、ヴァラクートなめてましたね。

1:34
　《砕土》があれば、結局どこを対象にしても変わらないので、それが無い前提ならばどれを対象にするだろう？
　《森》を破壊すれば、6マナへたどり着かれるターンが1ターン遅れるが、《カルニの心臓の探検》を破壊すれば、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》の誘発までに時間がかかる。
　相手の手札が《原始のタイタン》なのか、それ以外なのか、そこが問題だ。

1:51
　結局、返すターンに唱えられたカードは《耕作》と、《原始のタイタン》は無く賭けに勝利。
　これでハンドの《霜のタイタン》2枚が間に合いそうだけれど、ところで相手の残り6枚の手札はなんなんだろう？

2:21
　やっと6マナへ到達し、《霜のタイタン》をキャストする。
　これで《森》を縛るが、プレイ的にもう1枚の《森》を持たれていることは確実なので、期待せずにターンを終えた。

2:50
　《召喚の罠》から現れたのは幸運にも《業火のタイタン》。
　3点振り分けで《集団変身》のタネは除去されてしまったが、これなら《霜のタイタン》で完封できそうだ。
　《饗宴と飢餓の剣》も引き、ここからは詰めマジック。

3:27
　2枚の《稲妻》が《霜のタイタン》に唱えられ、ここでやっと相手のハンドが除去に偏っていたために展開が悪かったことが判明。
　しかし6マナクリーチャーを除去するのに6マナと手札2枚と、時すでに遅くこちらには全く損のない交換だった。
　残ったもう1枚の《霜のタイタン》へ《饗宴と飢餓の剣》を装備させてのアタックすると、プロテクション(緑)も効いてしまってチャンプもできない状態に、さすがに相手は投了した。

プランB！

http://www.youtube.com/watch?v=KrcdAqEOnlU

　津村連載の「第52回:日本選手権予選の注目デッキ」にて書かれているプランB。
　実際に戦略が2つあることがゲームにどう影響を与えるのかを観てみましょう。

0:00
　《巣の侵略者》の後続を引ければ《エルドラージの碑》に繋げて勝てそうな良いハンド。

0:46
　今ドローした《クローン》は欲張らず、自分の《巣の侵略者》をコピーしてクロックを高めた。
　これで《エルドラージの碑》のダメージも期待できるだろう。

1:39
　このゲームで一番大切なのがこの場面だ。
　ここでの《稲妻》は、エルドラージ・トークンへとキャストされた。
　対戦相手は、まさかこちらのハンドに《エルドラージの碑》があるとは思っていないのか、こちらの2/2の刻むダメージを軽視していたらしく、マナ源の破壊とコンボ要素を排除しにきたのだ。
　この1プレイが命取りになり、ゲームエンドまでのターンを変えた。まさに、別のプランでプレイしていることの恩恵を受けた瞬間だった。

1:51
　そして《エルドラージの碑》を満を持してキャストすると、《カルニの庭》からの苗木トークンも含めた全軍アタック！
　さすがにもう《原始のタイタン》でも間に合わず、飛行で破壊されないダメージクロックを止める手段はヴァラクートにもなかった。

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　さて、今週のリプレイはいかがでしたか？

　これからも引き続き行われる日本選手権予選、「新たなるファイレクシア」入りのスタンダードにこのデッキの居場所はあるのでしょうか？
　個人的にはやっぱりこの《集団変身》にも《定業》《精神を刻む者、ジェイス》《探検》に《水蓮のコブラ》を全部入れたかったのですが(笑)、みなさんは次のセットが加わることでこのデッキをどう構築し直しますか？

　それではまた来週！