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鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

第10回:Simon Bertiouの「Tezzerator‐Blade」をリプレイ!

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鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」

2011.04.05

第10回:Simon Bertiouの「Tezzerator‐Blade」をリプレイ!


 こんにちは。

 今週は、3/26,27に行われたグランプリ・バルセロナでTop8の成績を残したSimon Bertiouu氏の「Tezzerator‐Blade」をリプレイしてみたいと思います。

 グランプリ直後にデックリストを見たとき、《ボーラスの工作員、テゼレット》を《精神を刻む者、ジェイス》と勘違いしていた自分は、津村の記事を読んでかなりびっくりしました(笑)。

 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
  第47回:各大陸の出した答え・ヨーロッパの場合

Simon Bertiou
グランプリ・バルセロナ2011 / Top8[MO] [ARENA]
4 《平地
2 《
2 《
4 《忍び寄るタール坑
4 《金属海の沿岸
4 《闇滑りの岸
2 《氷河の城砦
4 《湿地の干潟

-土地(26)-

4 《戦隊の鷹
4 《石鍛冶の神秘家

-クリーチャー(8)-
4 《定業
4 《強迫
3 《伝染病の留め金
2 《破滅の刃
1 《喉首狙い
4 《転倒の磁石
1 《迫撃鞘
1 《饗宴と飢餓の剣
1 《骨溜め
4 《ボーラスの工作員、テゼレット
1 《滞留者ヴェンセール

-呪文(26)-
2 《コーの火歩き
1 《太陽のタイタン
2 《コジレックの審問
1 《天界の粛清
2 《瞬間凍結
3 《記憶殺し
1 《肉体と精神の剣
1 《ジェイス・ベレレン
1 《精神を刻む者、ジェイス
1 《ギデオン・ジュラ

-サイドボード(15)-


 このリストを見ていただくととわかると思うのですが、一般の「Dark-Blade」と全く同じ動きをするゲームもあります。
 今回は、このデッキならではのゲームを、2つ紹介したいと思います。


vs. エルフドラージ

http://www.youtube.com/watch?v=XucsdkmhdeY


前半 0:00
 Blade系のカードが全く無く、既に胡散臭い初手に期待できそうなゲーム。
 3色の土地に、《ボーラスの工作員、テゼレット》と《伝染病の留め金》と、ビートダウンもできそう。

前半 0:20
 《精神を刻む者、ジェイス》というライブラリー操作不在なデッキであり、現状土地が過剰という理由から、《闇滑りの岸》やを置くのではなく、先に《湿地の干潟》を使い土地をフェッチしてライブラリーの土地の濃度を下げる。
 《精神を刻む者、ジェイス》や、《闇滑りの岸》等のアンタップイン条件が絡む場合はこうプレイしないこともあるが。
 そして《ジョラーガの樹語り》を除去をしつつの《伝染病の留め金》は、4ターン目には《ボーラスの工作員、テゼレット》で5/5にする予定なので、これは実質2対1交換。

前半 0:51
 相手の《ラノワールのエルフ》《東屋のエルフ》の展開に対し、《強迫》をプレイしたところが作戦の岐路。

 《野生語りのガラク》を捨てさせるか、《肉体と精神の剣》か。
 対エルフではクロックがあるため、こちらのプレインズウォーカーを生き残らせるのが難しそう。


 ここでは《肉体と精神の剣》を落とし、《野生語りのガラク》を残した。
 理由は、こちらに《忍び寄るタール坑》があるので、ダメージで処理できるだろうし、失敗してもライフを払うだけで済むだろうという判断。




http://www.youtube.com/watch?v=u5aZt52P6eY


後半 0:24
 《信号の邪魔者》が出てきたが、《石鍛冶の神秘家》を引けたのでプランを変更して、これを除去するために《迫撃鞘》。
 1/2があるだけで相手もアタックに来にくいし、これで《ボーラスの工作員、テゼレット》も守りやすくなっただろう。

後半 1:10
 《忍び寄るタール坑》ではなく、5/5を《野生語りのガラク》へアタックさせれば必ずチャンプブロックさせることができる。
 返しに忠誠度-4の能力を使われたとしても、払うのは最大で12点のライフ。このターンさえ乗り切れば、ゲームはこちらにかなり有利になりそうだ。

後半 1:27
 《激戦の戦域》の追加ダメージは大きいが、火力のない色を相手にしている安心感がかなり大きい。
 《迫撃鞘》も5/5に変えればゲームはあと2ターンか。

後半 2:25
 《転倒の磁石》をトップデックしたので、チャンプ要員を寝かせてのフルアタック。
 奪った《激戦の戦域》と《饗宴と飢餓の剣》で18点ダメージ!


vs. ボロス




http://www.youtube.com/watch?v=ZeuEm21Koz4


0:00
 全く普通のDark-Bladeにしか見えないハンドをキープした。
 《石鍛冶の神秘家》から《饗宴と飢餓の剣》と流れていきたいところ。

0:15
 《ステップのオオヤマネコ》はさすがにダメージが大きすぎるので、即《喉首狙い》。
 ここで《石鍛冶の神秘家》をキャストした場合、チャンプするかアタックで1点しか得をしないし、代わりに、相手にフェッチからのアタックで4点喰らう可能性が大きい。

0:38
 火力と《未達への旅》でクリーチャーを除去し尽くされることをケアして、生体武器の《骨溜め》をサーチ。
 《定業》で見つけた《コジレックの審問》は、相手の《肉体と精神の剣》を落とせない場合でも十分強い場面なのでキープした。

1:20
 ハンドに《滞留者ヴェンセール》もあるので、積極的に《転倒の磁石》を使ってテンポを稼いでいく。
 《狡猾な火花魔道士》も、2枚目の《石鍛冶の神秘家》から《迫撃鞘》で対処できるので問題なし。
 ただ、気になるのは5枚目の土地を引けるかどうかで、一応ターンを長引かせるプレイを選択。

2:00
 5枚目の土地をあっさり引けたので、《滞留者ヴェンセール》+《骨溜め》のシナジーを大きくできるように行動する。
 《石鍛冶の神秘家》で《板金鎧の土百足》を対処したいが、《稲妻》を使わせられたので、これはこれでokか。

3:03
 思惑通り、相手のハンドを消耗させつつ盤面を固めることに成功した。
 こちらは《ボーラスの工作員、テゼレット》分有利だが、地味に《狡猾な火花魔道士》が痛い。
 《滞留者ヴェンセール》で《転倒の磁石》を再利用しつつ、ゲームを終わらせる方向へ。

3:52
 《ボーラスの工作員、テゼレット》から《伝染病の留め金》を見つけてしまい、ここでほぼ詰み。
 チャンプした《石鍛冶の神秘家》などで膨れた《骨溜め》は既に4/4になっていた。


 《ボーラスの工作員、テゼレット》の役割のイメージは掴んでもらえたでしょうか?

 津村の記事にもありますが、忠誠度:+1よりも積極的にアーティファクトを5/5にするプレイがゲームを優位に運ぶ秘訣のようです。
 実際に、自分の動画中も5/5化が主でしたし、もう余りのアーティファクトが無いか、忠誠度が低いから+1、という理由でのみライブラリーに手をかけたように思います。

 自分がこのデッキを使ってみた感想ですが、一般のBlade系と違って能動的に動くことが非常に多く、プレイがとても難しく感じました。
 ちなみに、アップされている動画は勝っているゲームが多いですが、録画までにかなり負けてもいます(笑)。
 この「Tezzerator‐Blade」も慣れるまで時間がかかり、最初はかなり勝率が悪かったんですが、とても面白いデッキだったと思います。

 それではまた来週!

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