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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:スタンダードの中隊?そこから飛び出すのはスケルトン!(スタンダード)

岩SHOW


 マジックのクールさを伝えるためにカードやデッキを語りまくる!今週のCool Deckのお時間がやってきた。今回は……マジックプレイヤーにありがちなこと、「カードを別のカード名で呼ぶ」。これについて掘り下げてみよう。

 

 これは本当に古くからある風習だ。たとえば《巨大化》(Giant Growth)、これはクリーチャー1体を+3/+3するインスタントだが、同様の働きを見せるカードはすべて「ジャイグロ(巨大化の略称)」と呼んでしまう方……「巨大化してトランプル」とか、ついつい言ってしまう、あるある。

 クリーチャーを複数体まとめて除去するものはすべて《神の怒り》(Wrath of God)だ。《審判の日》だって「ラスゴ(神の怒りの略称)」!「相手だけラスゴ」とか、もはやそれは《神の怒り》ではないだろ!みたいな突っ込みたくなるようなフレーズも。打ち消しは《対抗呪文》、3点ダメージは《稲妻》といったように、なんでも第一人者ならぬ第一カードがずっとその役目の顔でありつづけているというわけだ。これは歴史あるクールなコンテンツならではだろう。新規プレイヤーにはわかりやすい表現に務め、そういう歴史的なところを丁寧に説明できる、そんな模範的なクールプレイヤーでありたいものだ。

 

 そんな別のカードに例えられるカード、スタンダードでもたびたび耳(or目)にする1枚がある。《団結の最前線》だ。ライブラリーから土地でもクリーチャーでもないパーマネントを最大2枚戦場に出すという、アドバンテージの取れる1枚であるわけだが……このカードは度々「中隊」と表現される。これは《集合した中隊》のことである。この中隊と最前線は戦場に出せるパーマネントタイプが真逆であり、それ自体のタイプもソーサリーとインスタントという違いこそあるものの、マナ総量・2枚出せること。出せるパーマネントの最大マナ総量は3であることなど共通点が多い。中隊はリリースされた当時、大変に高い使用率を誇った名カードだ。緑がらみのクリーチャー系のデッキを大きく強化し、パイオニアなどで今でも活躍する1枚である。

 この中隊を彷彿とさせる最前線、それもそのはず、中隊は『タルキール龍紀伝』のカードで、最前線はそののちの時代である『タルキール:龍嵐録』のカード……ということで正式な元ネタであるわけだ。というわけでカードとしては全く別の方向性のデッキで用いられるのに、最前線は「白中隊」「置き物中隊」などの愛称でプレイヤーに親しまれている。

 そんなクールな《団結の最前線》を用いたデッキを今回は取り上げるわけだが、そのリストは先日京都にて開催されたチャンピオンズカップファイナルの全デッキの中でも一際クールな雰囲気をまとっているものだ。オルゾフ(白黒)カラーの極上のクールを味わえるリストを見てみよう。

Tokuyama, Yutaro - 「オルゾフ・スケルトン」
チャンピオンズカップファイナル シーズン4ラウンド2 8-4-1 / スタンダード (2026年3月13日)[MO] [ARENA]
1 《始まりの町
3 《マルチバースへの通り道
4 《神無き祭殿
4 《ブリーチボーンの境界
4 《秘密の中庭
1 《魂石の聖域
3 《平地
1 《
-土地(21)-

4 《見捨てられた鉱夫
4 《呑気な物漁り
4 《勝利の楽士
-クリーチャー(12)-
4 《縫い目破り
4 《幽霊による庇護
2 《逃げ場なし
1 《アンの氷山
4 《団結の最前線
4 《謎の骸骨の事件
4 《迷いし者の骸
3 《天上の鎧
1 《若き忍び
-呪文(27)-
4 《虚空の力線
3 《破片魔道士の救出
1 《天上の鎧
2 《倦怠の宝珠
1 《アンの氷山
1 《没収の強行
1 《駆け抜け侯の祝福
1 《世話人の才能
1 《モーニングタイドの光
-サイドボード(15)-
MTGMelee より引用)

 

 

 キーカードは分かっているので、その《団結の最前線》から何を繰り出せるかを見てみよう。さてさて……アーティファクトやエンチャント……その中でおっ!と目を引くのが《迷いし者の骸》!このエンチャントは2/2のスケルトンを生成し、全スケルトンのパワーを上昇させて速攻ももたせる。落魄という条件を満たせば手札に戻すことが可能で、サイド叩きつければスケルトンが増える。イラストも激烈クールでたまらない、そんな《迷いし者の骸》を最前線から戦場に出せれば……本来クリーチャーを出せないはずのカードから速攻持ちが飛び出す!2枚捲れた暁には、パワー4の速攻が2体!本家中隊のようなアクションが可能になり超クールだぜ……。

 そして!《謎の骸骨の事件》!《見捨てられた鉱夫》!スケルトンの姿が……これはスケルトンデッキだ!まごうことなきスケルトンデッキ!スタンダードでスケルトンデッキの姿を見る日が来るとは……クールすぎて震えが止まらねぇ……。《謎の骸骨の事件》は容疑をかけられているスケルトンをコントロールしていない状況であれば、欲しいカードを手札に加える強烈なサーチ能力持ち。《見捨てられた鉱夫》は悪事を働けば戦場に戻せるので、《縫い目破り》などで除去して再出撃!《迷いし者の骸》のポテンシャルを最大限に発揮させる、この「オルゾフ・スケルトン」!こんなクールなデッキを待っていた!

 

 色々とカードチョイスについて語りたくなる魅惑のリストだ。とりあえず《勝利の楽士》は《団結の最前線》を通すためにはなくてはならない1枚といえるだろう。対戦相手がこちらのターンに呪文を唱えてこなくなるので、安心して4マナソーサリーからパーマネントを探しに行ける。そして応召という能力のおかげで打点も高いのがこのクリーチャーの良いところ。

 さらにその打点を高めてくれるのが『マジック:ザ・ギャザリング | ミュータント タートルズ』の《若き忍び》!自分のクリーチャーが戦場を離れると対戦相手がライフを失う、つまり応召で出てきたトークンがそのターン終了時に自動的に生け贄になれば、それだけで2点ライフを失わせることができる。さらにレベル2に上昇させれば、クリーチャーのパワーが1上がって威迫も得るという……楽士と忍びの2枚だけでゲームに勝てるレベルじゃねぇか!

 クールすぎるリストにちと興奮しすぎてしまったが、こんなデッキと出会えるからクールデッキ探求は辞められない。現スタンダードの中隊って何?それは《団結の最前線》!そこから出すパーマネントは……プレイヤーごとにクールなチョイスがあることだろう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool!Unite and fight together!!

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