READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:スライ、RDW、はたまた赤単アグロ……とその天敵(Premodern/プレモダン)

岩SHOW


 マジックのクールさを世に広めるために毎週デッキをピックアップ!今週のCool Deckのコーナーだ。マジック最新事情としては『マジック:ザ・ギャザリング | ミュータント タートルズ』のリリースにより、スタンダードや統率者戦が大盛り上がりな予感。新しいセットが出るってやっぱりワクワクするよな……今年は合計7回もこの新セットリリースを迎えるわけで、前情報でそれを知った時には一体どうなるかと様々な感情が起こったものだが……1月、そして3月と今のところどちらのセットもスーパークールでたまらないぜ。

 しかし、しかぁし!マジックの魅力は最新だけではない。過去を振り返ることができるのもまたマジックの良さであり、クールに感じる部分だ。年齢層が高いプレイヤーが多い理由はそういうところにもある。長くやればやるほど思い出が増え、振り返るのが楽しくなる……というわけで先週に続いて今回も話題のフォーマット、プレモダンのデッキを紹介しよう!プレモダンについて詳しくは前回のCool Deckをば。

 今回まず紹介するのは、懐かしのアーキタイプ「スライ」だ。近年のマジックプレイヤーからすると「何それ?」というリアクションもやむなし。このスライは今の呼び方であれば「赤単アグロ」となる。しかしアグロというような呼称は、マジック黎明期では用いられることは……僕が知る限りではほとんどなかったなぁ。クリーチャーで攻撃するデッキはビートダウンと呼ばれていたし、1マナ域をたっぷり詰め込んだ今でいうアグロな構成の赤単は「スライ」や「RDW(Red Deck Wins)」などと呼ばれたものだ。

 スライとはプレイヤー名であり、1・2マナ域の軽量クリーチャーをメインに採用。対戦相手のライフを減らす赤いダメージ呪文もタップリ添えて、そして土地の枚数を20枚以下に抑える……そういう構築法を最初に持ち込んで結果を残したのがポール・スライというプレイヤーだったことに由来する。人名由来のアーキタイプ名って、マジクールだよなぁ。デッキ内容についてはどうこう言うよりもリストを見るのが手っ取り早いね。

Yuri Yamschikov - 「スライ」
Uralskiye Mesyachnye 優勝 / Premodern (2026年3月1日)[MO] [ARENA]
4 《樹木茂る山麓
2 《血染めのぬかるみ
4 《ミシュラの工廠
10 《
-土地(20)-

4 《渋面の溶岩使い
4 《ジャッカルの仔
4 《モグの狂信者
-クリーチャー(12)-
4 《稲妻
4 《炎の印章
4 《火炎の裂け目
4 《火葬
2 《火山の鎚
4 《火炎破
2 《呪われた巻物
4 《硫黄の渦
-呪文(28)-
1 《紅蓮破
3 《赤霊破
2 《Anarchy
3 《モグの分捕り
3 《発展の代価
3 《トーモッドの墓所
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 こちらのリストはクリーチャーが全て1マナ!軽さを何よりも重視しているが、その上でダメージ効率の良いものを厳選している。《モグの狂信者》は最近では見る機会の減ったクリーチャーではあるが、かつては赤いデッキ=狂信者な時代があったものだ。そしてそんな狂信者と同期になる《ジャッカルの仔》!1マナで素の状態でパワー2あるクリーチャー、今ではコモンでも見られたりするが、かつてはそんなものほとんどいなかった。ジャッカルは1マナの中でもクールなエリートだったのだよ……これが受けたダメージをコントローラーも受ける?今見るとなかなかエグいデメリットを持っている。デカいクリーチャーをブロックしてしのごうにも意味がないっていうね……そんなクリーチャーを使うということは、後退のネジを外した前のめりオンリー&速いターンの内にゲームを終わらせるプランしか考えていないという思想の表れだ。

 《渋面の溶岩使い》はパワー1ではあるが、墓地のカード2枚をコストに、対象に2点ダメージを与えることが可能だ。インスタントやソーサリー、そして《樹木茂る山麓》などの能動的に墓地に堕とせる土地を餌に、あらゆるところに《ショック》相当のダメージ!ジャッカルらの前に立つクリーチャーを焼いて良し、対戦相手本体を焦がして良しの仕事人だ。このカードも最近目にする機会が減ってきていた。プレモダンはそういうカードに再び輝きを、というのがフォーマットのコンセプトだ。こういうカードがしっかり活躍していると、その理念はしっかりと果たされているんじゃないかな。

 

 ダメージを与える赤い非クリーチャー呪文、直接火力と呼ばれたものも古のカードがズラリ。この火力に関しては、今よりも昔の方がマナ効率が良いクールなものが揃っている。1マナ3点という《稲妻》は言うに及ばず。2マナで全員に4点という豪快な《火炎の裂け目》なども懐かしいなぁ……(よくこれ打って自分のライフが減ったせいで負けたものだ)。

 そして《火炎破》!マナ不要の代替コスト火力!コストは山2枚を生け贄!豪快過ぎる…リソースを掃き出しながらフィニッシュに持っていく姿はクールすぎる。これが切り札だったというプレイヤー達はプレモダンに飛びついているんじゃないか?《硫黄の渦》は継続してライフを削りつつライフを得るのも許さない、在りし日の赤単の生命線的なカードだ。プレイヤーを焼き続ける……自分も含めてね……今は本当に自分にデメリットをもたらすカードは減ったものだ。それはそれで親切で使いやすいのだけども、たまに不便が恋しくなるようなものでこの手のカードで遊びたくなってくるんだよな。

Moritz Von Müller - 「白赤コントロール」
Moxforge Cup Trier 準優勝 / Premodern (2026年2月28日)[MO] [ARENA]
4 《戦場の鍛冶場
4 《真鍮の都
3 《宝石鉱山
8 《平地
-土地(19)-

4 《銀騎士
4 《サルタリーの僧侶
1 《マスティコア
-クリーチャー(9)-
4 《税収
2 《悟りの教示者
4 《剣を鍬に
3 《地震
1 《溶岩の飛散
3 《沈黙のオーラ
1 《パララクスの波
2 《浄化の印章
4 《大変動
1 《火薬樽
1 《ファイレクシアの炉
1 《サーボの網
1 《血染めの月
4 《キマイラ像
-呪文(32)-
2 《紅蓮破
1 《赤霊破
3 《暖気
3 《トーモッドの墓所
3 《呪われたトーテム像
2 《十二足獣
1 《賛美されし天使
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 さて、上記のようなスライ、RDW、赤単アグロにとって天敵と呼べるのが、白いクリーチャー達……プロテクションを持った面々である。こちらのリストはプロテクション(赤)持ちのクリーチャーを主役としたコントロールの一例だ。《銀騎士》は赤い発生源からのダメージを受け付けず呪文や能力の対象にもならない。先制攻撃も持っており、赤いデッキにとっては鉄壁のブロック役である。《サルタリーの僧侶》はシャドーを持っているため同じシャー持ち以外へのブロックにこそ参加は出来ないが、その能力を活かして赤くないデッキ相手にも止められない攻撃役として機能する。これらのプロテクション(赤)持ちを並べて《地震》や《溶岩の飛散》で盤面のクリーチャーを一方的に一掃する!というのがこのコントロールの狙いだ。

 今のように絆魂という能力自体が存在せず、類似する能力を持ったクリーチャーもごくわずか。なのでライフを維持し、危険域から回復して逆転するという戦い方が主流の現在のコントロールよりも、ギリギリ感を味わえる。ダラダラ戦うつもりはないため、《銀騎士》や《キマイラ像》など《地震》に巻き込まれないクリーチャーを用いて押していく、今でいうミッドレンジ……当時は「攻撃的コントロール」とか呼んだなぁ。そういったクールな戦術を用いるデッキも、プレモダンでは遊ぶことが可能なのだ。

 話題のプレモダン、今週末は京都で開催されるプレイヤーズコンベンションでもイベントが開催される予定だ。君の押し入れで眠る思い出のカードを携えて、クールなイベントに参加してみないか?それじゃ今週はここまで。Stay cool! Good things never fade‼

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索