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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

シミック律動:アナグマモグラ系デッキの最新リスト(スタンダード)

岩SHOW
 

 プロツアー『ローウィンの昏明』におけるスタンダードのデッキ使用率、1位は「シミック(緑青)律動」、2位は「バント(緑白青)律動」。これら近縁種となるリストが合計で全体の30パーセントを占めた。これらのデッキの共通点は《アナグマモグラの仔》の仕様。クリーチャーが加えるマナに+緑マナ1つを追加する、驚異のマナ加速能力の持ち主。土の技で土地をクリーチャー化させることで自己完結しており、《ラノワールのエルフ》《遺伝子送粉機》《蜘蛛の顕現》と軽くて優秀なマナクリーチャーが揃っている中、これらとアナグマモグラの組み合わせで序盤から怒涛の展開を生み出すことができる。

 プロツアー直前のトーナメントでも活躍しており、本番でも最多勢力となったが……これらのアーキタイプがトップ8に送り出したプレイヤーは1名に留まり、同じくアナグマモグラ系デッキである「バント気の技」1名を足しても、やや寂しい結果に終わった。これは同大会に参加するプレイヤーがしっかりとこのアーキタイプを対策してきたという事実を証明している。持ち前のデッキパワーで対策されてもなんとか決勝ラウンドに進出したと見るべきかは各自に委ねるが、思ったほど勝たなかったというのは共通認識であることかと思う。

 では、そうした対策をされてプロツアーで勝てなかったからといって、これらのアーキタイプが終わったのかというと、そんなことは全くない。競技マジックの最高峰であるプロツアーと、我々が遊ぶ日常のマジックは別物と考えて良い。プロツアーの結果を受けてデッキの流行り廃りこそあるが、そこでの勝ち組負け組がそのまま当てはまるかというとそんなことはないのだ。

Francesco Alacca - 「シミック・ウロボロイド」
地域チャンピオンシップ予選(イタリア・メラーテ) 準優勝 / スタンダード (2026年2月8日)[MO] [ARENA]
4 《マルチバースへの通り道
4 《始まりの町
4 《繁殖池
4 《ハッシュウッドの境界
2 《植物の聖域
4 《
-土地(22)-

4 《遺伝子送粉機
4 《ラノワールのエルフ
4 《アナグマモグラの仔
4 《蜘蛛の顕現
3 《並外れた語り部
2 《ウロボロイド
1 《怪異の闘士
1 《スーペリア・スパイダーマン
4 《量子の謎かけ屋
1 《孔蹄のビヒモス
3 《マネドリ
-クリーチャー(31)-
2 《スパイダーセンス
1 《煌野の成長
4 《自然の律動
-呪文(7)-
2 《跳ね弾き
1 《声も出せない
2 《スパイダーセンス
1 《軽蔑的な一撃
2 《安らかなる眠り
1 《食らいつく変わり身
1 《幽愁
1 《門衛のスラル
1 《鋭い目の管理者
2 《ウロボロイド
1 《ローウィンの主、オーコ
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 というわけでそんな律動デッキの最新リストをご紹介。「シミック律動」のサンプルリストだ。マナクリーチャーとアナグマモグラという基盤を用いて、《ウロボロイド》などの決定力の高いクリーチャーを繰り出して勝つ。《量子の謎かけ屋》と打ち消し呪文などのために青も用いるもので、謎かけ屋はマナの使い道になり、手札を一気にダンプするこのデッキにとって損失なしで盤面を作ることが可能&高タフネスに飛行持ちで戦闘でも強い!と良いことしか書かれていない。この謎かけ屋やウロボロイドを手札から素で唱えるか、あるいは《自然の律動》で引っ張ってくるというのがこのデッキの勝ちパターン。

 律動は重要なポジションを占めるためアーキタイプ名にもなっている。Xマナのクリーチャーをサーチして戦場に直接出す……この手のカードに設けられがちな「緑である」などの縛りもないのでなんでも引っ張ってこれる。さらにこれは墓地からも唱えられるため、カード1枚で2体分のクリーチャーとしてカウントできるのが素晴らしい。緑マナ4つを要求する調和コストもアナグマモグラがいればすんなり払えるというものだ。《アナグマモグラ》を持ってきてマナ加速、ウロボロイドで盤面強化、謎かけ屋でドロー……あるいは《孔蹄のビヒモス》で全てを踏み潰す?

 

 さて、この手の律動デッキの特徴として、デッキの色とまったくあっていないクリーチャーが採用されているところにも触れておこう。律動で持ってくることを想定したデッキのカラーと異なる1枚挿しされた異質な存在……それらが律動デッキにプレイの幅を持たせて、一躍人気を集めることになった。

 たとえばこのリストで言うなら《怪異の闘士》!このゴブリンは黒である上に唱えるためのコストにゴブリンの後見を得た上にそれを追放することを要求されるので、完全に律動依存の1枚だ。これは1点のライフを支払い、枯朽2を行う……-1/-1カウンターを2つ自分のクリーチャーに置くことで、対戦相手にも同じく枯朽2を強要できる。複数回起動して、対戦相手の盤面をぐちゃぐちゃの根絶やしにしてやることが可能!突然律動から飛び出して、荒廃をもたらす秘密兵器だ。

 《スーペリア・スパイダーマン》はまだ唱えやすいカードで、墓地のクリーチャーをコピーしてそれを追放する能力を持つ。自身の破壊されたり打ち消されたクリーチャーをコピーしてその能力を用いたり、あるいは対戦相手が《欺瞞》×《スーペリア・スパイダーマン》を狙うような墓地利用デッキであれば、それを追放して邪魔してやることもできる。

 これらの特定の相手に劇的に刺さる1枚挿しのクリーチャー、律動で引っ張る以外には《並外れた語り部》で手札に加えるという手段もある。特に通常の手段で唱えることが非常に困難な《怪異の闘士》は、この語り部で捨ててしまって別のクリーチャーにしてしまおう。そこでスパイダーマンを持ってきて墓地の闘士をコピーする、という動きもカッコイイ!

 プロツアーの結果が大きな影響を与えるが、それが全てじゃない。大舞台で自分の愛するアーキタイプが活躍しなかったからといって、気を落とさなくて良い。そのリストを研いで、洗練させ、勝利を掴み取る……君の努力次第ではなんでもできるのが、マジックというゲームなのだ。各種律動デッキもまだまだ暴れ回ること間違いなし!

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