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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

黒単コントロール:《苦花を携える者》を使う者、使われる者(パイオニア)
「ローウィン・ブロックのイメージって?」と当時を知るプレイヤーに聞いてみよう。初めて出たプレインズウォーカーの衝撃とか、各種族のカードやデッキあれこれとか、マジック初の4セットで描かれた壮大なブロックだとか、色々語れるけど……まあこのカードに尽きるんじゃないかな、《苦花》!
フェアリーのタイプを持ったこのエンチャントは、アップキープが来るたびに1点のライフと引き換えに1/1飛行のフェアリー・ならず者トークンを生成。1体1体は非力でも、ひっきりなしに湧いてくるフェアリーの圧は尋常ではなかった……エンチャントというメインからは対処されにくく、色によってはどうしようもできないというタイプも強く、またフェアリータイプを持っているためそれらを参照するカードとの相性も◎。ライフが減るというデメリットもあるものの、《霧縛りの徒党》で追放することが可能だったため、勝手にライフゼロになってくれという願いもむなしく……という負けパターンを多くのプレイヤーが味わったことだろう。
僕も持っていなくて使われる側だったので、その名の通りこのエンチャントには苦杯をなめさせられたものだ。フェアリーデッキやその他のトークンデッキなど、時代を作り上げたマジック史にその名を残す1枚、《苦花》。
この《苦花》が『ローウィンの昏明』にて帰ってきた……《苦花を携える者》として。その花、携えちゃって良いんだね?というのがまず第一の感想。野生化で生えてるものじゃなくてもフェアリーが発生するんだと……というわけで今度の苦花はフェアリー自身がその能力を持つ形に。クリーチャーになったことは、それ自身で戦闘を行えるというメリットもあるが、エンチャントよりもグンと対処されやすくなり、戦場に残してそれがもたらすアドバンテージを享受できる可能性は、本家よりはかなり下がった。
しかしながら瞬速を持つようになったという点はこの携える者の強み!相手の動きを見てから、出すかどうかを判断できるようになり、隙の無い運用が可能になった。多くのケースで対戦相手のターjン終了時に出し、安全に自身のアップキープを迎えてトークンを生成できるだろう。クリーチャーを参照する呪文や能力の恩恵も受けられるようになり、扱いやすくなった分、同じ2マナでも黒マナシンボル2つが必要と拘束は強くなった。往年の名カードのリメイクをプレイし、またプレイされる日が来るとは……つくづくマジックは長くやるものだなと、しみじみ思う。
| 2 《ロークスワイン城》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《廃墟の地》 4 《変わり谷》 15 《沼》 -土地(24)- 4 《才気ある霊基体》 3 《苦花を携える者》 4 《分派の説教者》 4 《黙示録、シェオルドレッド》 -クリーチャー(15)- |
4 《致命的な一押し》 4 《喉首狙い》 4 《思考囲い》 2 《強迫》 4 《不浄な別室 // 祭儀室》 2 《ヴェールのリリアナ》 1 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(21)- |
1 《苦花を携える者》 1 《切り崩し》 1 《シェオルドレッドの勅令》 2 《衰滅》 2 《悪性の疫病》 2 《強迫》 2 《真っ白》 1 《屍呆症》 2 《勢団の銀行破り》 1 《最後の望み、リリアナ》 -サイドボード(15)- |
そんな《苦花を携える者》を採用したデッキをご紹介。パイオニアの「黒単コントロール」!やはり黒のダブルシンボルは単色デッキで使うのが理想的。《変わり谷》《廃墟の地》など黒マナが出ない土地も採用しているアーキタイプではあるが、それらとセットで《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》もあるので大丈夫。2ターン目にスルッと戦場に送り出すことが可能だ。手札破壊とクリーチャー除去を用いて、対戦相手の思うようなゲーム展開をさせず、それでいて自分も《才気ある霊基体》など接死持ちクリーチャーを展開して攻撃を牽制、隙あらば殴る!コントロールといってもどっしり構えるだけではなく、自分からも仕掛けるミッドレンジ色が濃いリストだ。
そんなアーキタイプに《苦花を携える者》はまさしくフィットする1枚。このリストのクリーチャーはよく見れば絆魂を持つ霊基体、同じく絆魂を持つトークンを生成する《分派の説教者》、そしてカードを引くと2点回復の《黙示録、シェオルドレッド》……こういったラインナップで固められているので、携える者でライフが削られていくこともカバーできる。安心しながら序盤から戦場にフェアリーを並べ、プレッシャーをかけていこう。
逆に考えると、この手のデッキにとっても《苦花を携える者》は脅威になる。もし序盤に飛び出て、除去で迎え撃てなかったら……手を焼くことになるだろう。自分が使うカードだからこそ、それへの対策もしっかり用意するべし。トークンをまとめて除去するならやはり《悪性の疫病》!トークンがすべて-2/-2修正を受けるため、携える者から出てきたフェアリーが全自動で除去できて完封可能。このフォーマットには《コーリ鋼の短刀》のような強力なトークン生成カードもあるため、そういった相手にもこのエンチャントは有効!自分の携える者をアウトして《悪性の疫病》をインしよう。
メインとサイド両方に採用されている《最後の望み、リリアナ》も、タフネス1のクリーチャーをプチプチと潰していくやり手だ。トークンが複数並んでも、携える者と共に確実に潰していける。なんだったら自分の携える者が手に負えなくなった時の処分役にも適任だ。[+1]だけでなくどのモードも優秀で、ロングゲームでは[-7]がゲームを終わらせてくれる。使えば使う程好きになる味わい深いプレインズウォーカーで、彼女を使うためにパイオニアをやっているプレイヤーも少なくないはず。自分が使うカードは相手も使う、深淵を覗く者は……ってやつだな。
《苦花を携える者》は当時を知る者にも知らない者にも、誰にでも響くデザインの強力クリーチャー。黒マナのダブルシンボル、そしてライフを失うというこの2点にだけ気を付けて、ローウィンを代表する名カードとして、リメイク元と並び歴史に名を遺すカードかもしれない。弱点をカバーし強みを活かせるデッキを構築し、妖精に満ちた戦場を作り上げよう。
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