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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス・ドラゴン:サルカンと意外な空の友だち(スタンダード)

岩SHOW
 

 今旬を迎えているデッキやカードを見ると……活躍しているクリーチャーは《ばあば》や《嵐追いの才能》のカワウソなど。軽くて優秀なクリーチャー達、確かにこれらは強い。認めよう。単純なパワー/タフネスの高さが=強さではないというのもマジックの良いところだ。しかし……これらのカードが最強と称されると、あの人が異を唱えずにはいられないだろう。

 

 サルカン・ヴォルだ。彼は力を体現する大空の支配者……ドラゴンの狂信者。ドラゴンこそが食物連鎖の頂点であり、至高の存在であると崇めており、彼らの力を用いたり自身がドラゴンに変身したりして戦う元プレインズウォーカー。彼がもしこの地球のカードショップに訪れたら、デュエルスペースから聞こえてくる「カワウソ最強!」「ばあば強すぎ」などの声に本気で反論してきかねない。ドラゴンこそ最高にして最強!そんなサルカンは過去に作られたカードがいずれも何かしらの形でドラゴンに関係している徹底っぷり。

 最新のもので現在スタンダードで使用可能な《龍へと昇る者、サルカン》もまた、ドラゴンの後見を受けると宝物生成し、ドラゴンが戦場に出るとドラゴン化してパワーアップするクリーチャーだ。2マナと軽いため扱いやすく、2ターン目に4マナのドラゴンを唱えることを可能にしてくれる。さあ、今こそドラゴンの強さを今一度示す時!そう意気込むサルカンと、彼と同じくドラゴンを愛するプレイヤーにはこのリストをオススメしよう。

Sapoa - 「ボロス・ドラゴン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年12月10日)[MO] [ARENA]
4 《聖なる鋳造所
4 《感動的な眺望所
4 《サンビロウの境界
2 《始まりの町
3 《精霊龍の大渦
2 《魂石の聖域
5 《
-土地(24)-

4 《空飛ぶ友だち、モモ
4 《魅力的な王子
4 《龍へと昇る者、サルカン
4 《鳴り渡る龍哮の征服者
4 《マグマのヘルカイト
4 《新星のヘルカイト
2 《運命の大嵐、ドラゴンホーク
4 《双つ口の嵐孵り
-クリーチャー(30)-
4 《噴出の稲妻
2 《失せろ
-呪文(6)-
4 《門衛のスラル
2 《悪魔祓い
1 《削剥
3 《炎魔法
1 《失せろ
4 《安らかなる眠り
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 スタンダードの「ボロス(赤白)ドラゴン」!環境の優秀なドラゴンを集結させ、それらをサルカンで後押しするアグロデッキだ。赤単などを初め赤系アグロのお供になっている《新星のヘルカイト》を筆頭に、スタンダードのドラゴン達もなかなかやり手ぞろいだ。特に《マグマのヘルカイト》は基本でない土地を破壊できる能力を持つ。これで壊されたプレイヤーは代わりとなる基本土地を持ってこれるが、それはタップ状態勝麻痺カウンターが乗っているため、1ターン本来よりも少ないマナでプレイしなければならず、相手のテンポを削ぐことができる強力な能力だ。本体も4/5飛行と良スペックであり、これをサルカン経由で3ターン目に唱えられれば……というのを狙っている。

 

 サルカン以外にヘルカイトらをいち早く空に送り出す役目を担うカードが加わったのが、ドラゴンデッキにとって文字通りの追い風だ。その意外な仲間は《空飛ぶ友だち、モモ》!『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』にてアンの友だちとして物語にかわいさを添える空飛ぶキツネザル。モモは飛行を持つクリーチャーを唱えるコストを{1}軽減してくれる。各ターン最初に唱えるものだけだが、1マナのクリーチャーでそれだけの働きを見せれば十分だ。

 フレイバーとしていずれも飛行を持つアンやアッパといった仲間をサポートする能力であるが、マジックの世界ではドラゴンらを加速させるという体役も務めてくれる。これによりサルカンよりも早く、2ターン目に3マナのドラゴンを降臨させることも可能!結果として《鳴り渡る龍哮の征服者》がその評価を高めることになった。アーティファクト・クリーチャー・プレインズウォーカーらの能力の起動を封じる強力な妨害能力持ちで、これは流行中の《アナグマモグラの仔》とマナクリーチャーを組み合わせたデッキへのアンチカードでとして大変に頼もしい。相手の加速を許さず、減速させながら……同じ速で戦うのであれば、力の化身たるドラゴンが空を支配してしまうだろう。

 

 赤いドラゴンに白を組み合わせるのはモモによる加速だけではなく、《失せろ》や《悪魔祓い》など質が高いパーマネント除去を手に入れることでデッキの柔軟性が増す。そしてサイドボードには墓地系デッキへの最高の妨害である《安らかなる眠り》がとれる。相手を選ばない戦いが出来るデッキになるわけだ。《門衛のスラル》も要注目の1枚で、これはクリーチャーが戦場に出た時の能力の誘発を無効化する。《素早き救済者、アン》などを用いるエアベンダー系デッキに劇的に効く。《倦怠の宝珠》でも同じように妨害は可能だが、クリーチャーであるため戦闘に参加できるし、何より瞬速で相手の計算を大きく狂わせることができるのがナイス。白いクリーチャー展開デッキであれば、宝珠よりもスラルの方を優先するケースも多くなることだろう。

 色んなクリーチャーが活躍して賑やかなスタンダードになってほしいと常々願っている。サルカンのようにドラゴン復権を願うプレイヤーは、このようなアグロで暴れ回って絶対的な力を世に示してやろう。ドラゴンこそが最強なのだ!

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