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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セレズニア・アグロ:新たな風景、緑の躍進(スタンダード)

岩SHOW


 マジックの構築フォーマットの魅力は色々ある、ありすぎて語り尽くせない。そんな面白く楽しい要素の1つに、風景がガラリと変化することを挙げておこう。いつまでも同じカードやデッキが、戦術が変わらず……それらを延々と極めていくゲームも面白いとは思う。しかしマジックが今日これ程までに多くのファンを獲得して発展したのは、変化があるからこそだ。新セットのリリース、環境へのテコ入れ、ローテーション、果てはルールの変化……様々な要因で環境は変化する。いつまでも同じじゃない、その劇的な変化を体感してこそのゲーム。変化の中で自分は何を選択するのかというのが奥が深く、いつまでも飽きが来ないのである。

 

 直近で最も変化を遂げたのはスタンダード環境だ。2025年11月以前のスタンダードは……赤と青という色が2強。青赤2色や赤単色などのデッキがトーナメントの上位を埋め尽くしていた……そんな状況から12月現在の環境は一変し、様々なデッキリストをトーナメント結果に確認することができるようになった。特に緑の躍進が凄まじい。それは間違いなく《アナグマモグラの仔》の参入によるものである。

 《アナグマモグラの仔》は2マナ2/2と扱いやすいスペックで、土地をクリーチャー化する。頭数を求めるデッキ、特に全体に+1/+1カウンターをばら撒く《ウロボロイド》系デッキにおいてカード1枚で2体分のクリーチャーを確保できるのは有難い話であり……かつ、クリーチャーがマナを加える際に緑マナ1つをプラスするマナ加速、これがめちゃ強だ。土地1枚で止まっていても《ラノワールのエルフ》やクリーチャー化した土地やらからマナを確保して《ウロボロイド》などに繋げて無理やり勝ってしまうというゲーム展開に度々出くわす。

 そんな超パワーカードの参入により、アナグマモグラ×ウロボロイドを軸としたデッキがスタンダードの中心に躍り出た。少し前の環境とは全く異なる、緑の旋風が吹き荒れている。世はまさにアナグマモグラ時代と形容して問題ないだろう。時代を築くカードや戦術が現れると、次に見られるのは派生形の誕生だ。シミック(青緑)が主流のアナグマモグラデッキだが、究極的な話、緑が入っていればなんでもOK!そんなわけで全環境ではあまり見られなかったようなカラーリングのデッキもチラホラと目にするようになった……。

BurnMann - 「セレズニア・アグロ」
Magic Online Standard Challenge 第12位 / スタンダード (2025年11月29日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《マルチバースへの通り道
4 《ハッシュウッドの境界
4 《不穏な大草原
4 《
2 《平地
-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《脚当ての補充兵
3 《ザックス・フェア
3 《地区のマスコット
4 《アナグマモグラの仔
3 《防壁の雄牛
4 《コスモグランドの頂点
1 《猛打者、タイヴァー
4 《ウロボロイド
4 《混合成体、ダイアドライン
-クリーチャー(34)-
2 《失せろ
2 《嵐の討伐者、エルズペス
-呪文(4)-
3 《エイヴンの阻む者
2 《鋭い目の管理者
1 《スペクタキュラー・スパイダーマン
2 《神出鬼没の狩人、スーラク
2 《没収の強行
3 《幽霊による庇護
2 《倦怠の宝珠
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 というわけでスタンダードのセレズニア(緑白)カラーのアグロデッキをご紹介。このカラーリングのアーキタイプと言えば《収集家の檻》を用いた「セレズニア・ケージ」が知られている。あるいはアドバンテージの取れる《輝晶の機械巨人》と1マナのパーマネントを多くとった「セレズニア・ギアハルク」……このリストはそのどちらも採用しておらず、しかしそれらのアーキタイプと共通するのは、軽いクリーチャーを並べてそれらを+1/+1カウンターで強化するという戦術。白と緑らしいシンプルな面での制圧だ。

 《ラノワールのエルフ》や《アナグマモグラの仔》の土の技でマナ加速し、序盤から強い盤面づくりを目指す。《コスモグランドの頂点》はそのデッキの目指すべきところを猛烈にプッシュするデッキの心臓的な1枚だ。全体強化を受けるクリーチャーが少なければトークン生成、十分な数が居ればそれらをカウンターで強化と2つの役目がこなせる便利な1枚である。各ターンン2回の呪文という行動回数も、アナグマモグラによるマナの量産があれば問題なく満たせるというものだ。

 

 コスモグランドやウロボロイドによるカウンターでの強化は、単に戦闘面を有利に進めるためだけのリソースではない。たとえば《地区のマスコット》。このかわいいワンちゃんは、その上からカウンターを2つ取り除くことで能力を起動し、アーティファクトを破壊できる。それを用いるデッキ相手にはかなりの嫌がらせになるだろう。

 そして同じくカウンターを取り除いて能力を用いるのが《混合成体、ダイアドライン》!名前が最高にイカしたこのクリーチャーは、攻撃時に自分のクリーチャー2体からそれぞれにカウンターを取り除くという支払いを求めてくる。一見すると自分の盤面を弱くする行為だが、その対価として1枚のドローと1体の2/2ロボットが贈られる。盤面の頭数を増やしつつ手札切れというこの手のカラーリングの弱点をカバーしてくれる能力は、要所でしっかりと解決まで持っていってゲームを優位に進めたい。これを唱える際に支払ったマナの数だけのカウンターが乗るという点も面白く、X=0であっても2/3相当と悪いスペックではなく、アナグマモグラで大量のマナが捻出されるようになれば一騎当千のスーパーマシンとして降臨することだろう。

 

 アナグマモグラの土の技で土地をクリーチャーにすると、色々と面白い事態が引き起こされる。「眠らずの~」「不穏な~」という名のクリーチャー化する2色土地のサイクル。これらはいずれも攻撃時に誘発する能力を持っている。この能力はマナを払ってクリーチャー化する能力を起動しなくとも、土の技でクリーチャー化した状態で攻撃してもしっかりと誘発する。セレズニアであれば《不穏な大草原》がこれにあたる。この大草原が攻撃すると自身の他のクリーチャー全体のサイズを一段階上昇できるため、かなり効率よくダメージを叩き込めるようになる。さりげなくめちゃ強ムーブなので、土の技を活かして気持ち良いフィニッシュを目指そう。

 赤系一色から緑系が数を増やし、大きく勢力図が塗り替わったスタンダード。この環境が終わる頃にはまた別の光景が拡がっているのだろうか?ともかく自分で遊んでみて、環境の変化を味わい尽くそう!

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