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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!進化したシミック・ウロボロイド(スタンダード)

岩SHOW


トーナメント結果が……キタキタキタァ!

 大型トーナメントというものは、プレイヤーとして参加する喜びがある。スタッフとして運営する喜びがある。そして……その結果をチェックする、マニアとしての喜びもある!というわけでスタンダードをとことん追求し、遊びつくすことを目標としたこのコーナーでも、スタンダードマニアとして様々な大会結果を紹介してきた。

 今回は日本、いや世界中の注目を集めたジャパンスタンダードカップ:『アバター 伝説の少年アン』の結果を振り返ろう。皆ももうチェック済みだろうが……改めてチェックするのも良いもんだぜ!さあキタァ!

トップ4:森山 真秀 - 「シミック・ウロボロイド」
ジャパンスタンダードカップ:『アバター 伝説の少年アン』 / スタンダード(2025年11月22~23日)[MO] [ARENA]
4 《植物の聖域
4 《ウィローラッシュの境界
1 《眠らずの蔓茎
5 《
4 《繁殖池
4 《マルチバースへの通り道
-土地(22)-

2 《マネドリ
2 《群青の獣縛り
4 《天才遺伝学者、ジャッカル
4 《ラノワールのエルフ
4 《アナグマモグラの仔
4 《遺伝子送粉機
4 《脚当ての補充兵
2 《猛打者、タイヴァー
4 《ウロボロイド
-クリーチャー(30)-
2 《排撃の変異
4 《亭主の才能
2 《自然の律動
-呪文(8)-
1 《再利用の賢者
1 《排撃の変異
4 《倦怠の宝珠
2 《ティシャーナの潮縛り
1 《ルクサの体現、サブ=スネン
2 《声も出せない
2 《スパイダーセンス
2 《魂標ランタン
-サイドボード(15)-
 

 「シミック(緑青)ウロボロイド」!その名の通り《ウロボロイド》を必勝パターンとするクリーチャーで圧殺するタイプのアーキタイプだ。前スタンダード環境から人気を集めていたが、今回『アバター 伝説の少年アン』のリリースによる新環境を迎えて、一気にスタンダードの中心、台風の目となった!

 このアーキタイプは《天才遺伝学者、ジャッカル》によりデッキが強化されて一躍スターダムに躍り出たもので、ジャッカルを通じて1マナ・2マナと低コストのクリーチャーをコピーして盤面を作り上げ、そこに《ウロボロイド》を投下!1体1体は小さく弱い低コストクリーチャーも、まとめて+1/+1カウンター乗せて強化してやれば一気にダメージ源として昇華される。このシンプル過ぎる戦略、だからこそストロング!誰にでもわかる戦い方をする、正面からの殴り合い上等なアーキタイプ。このデッキを次の段階に引き上げたのが……

 

 《アナグマモグラの仔》!アバター環境の注目を一身に集める、今最もアツいカードナンバーワンだ。このモグラ、戦場に出ると土の技を行い土地をクリーチャー化。クリーチャーをタップしてマナを加えるなら、そのマナに追加で緑マナ1つも加えるという、横並びとマナ加速を同時に担うスゲェ仔だ。《アナグマモグラの仔》のおかげで、シミックが元々備えていた《ラノワールのエルフ》のマナを加える効率も上昇。パーマネントをタップする《遺伝子送粉機》も2マナ出るようになるならそのコストもかわいいもの、モグラを一緒に寝かせてやれば良いし一緒に使えと言わんばかりだ。これらでマナを増やし、それを用いてガンガンとクリーチャーを展開し、ウロボロイドでまとめてドン!なんとも簡単な話であるが、これが強いのなんの。土の技でクリーチャーとなった土地はマナ資源でもあり、ウロボロイドの強化を受ける戦闘要員にもなる点が噛み合いすぎている。

 そして増えたマナの使い道として《自然の律動》も一気に注目されるカードとして再評価されることに。アナグマモグラでたっぷりと緑マナを得られるので、これをコストにX=4で唱えてウロボロイドFINISHと繋げたいところ。また墓地から唱えられる調和コストが緑マナ4つを含み重たいのだが、アナグマが居れば…ね。X=2で《アナグマモグラの仔》を持ってくることもしばしばで、アナグマモグラ・ウロボロイド・律動の3点盛りは今後スタンダードの大定番として君臨し続けることだろう。使う側になるか、これを打ち倒す側になるか。とことんやるなら、ここは意識してデッキを組みたいね!

 

 クリーチャーが主役で、アーキタイプでそのほとんどがそれで構成されているが、このリストでは他のパーマネントにも注目だ。《亭主の才能》は単体の強化ではあるがウロボロイドに代わり盤面を強化する役目を担える。さらに+1/+1カウンターを乗せるカードが多い中で、それらに護法を持たせられるのも素晴らしい。レベル3への到達するのに必要なマナも、このデッキなら無理なく支払える。そして……アナグマモグラにて《遺伝子送粉機》が注目されるようになった今、タップしても問題なく機能するエンチャントという点もデッキの円滑な運用を支えている。

 それにサイドボードには《倦怠の宝珠》の姿が。これは《素早き救済者、アン》や《不動の守護者、アッパ》が使われることを見越してのチョイスだ。戦場に出た時に誘発する能力を食い止めるこのアーティファクトは、上にカードを用いて無限に気の技と同盟者の生成を狙うコンボデッキに対して劇的な効果がある。今後様々なデッキがサイドボードに……場合によってはメインから採用するカードとなるだろう。

 さあ、最新の大型トーナメントで台風の目となった「シミック・ウロボロイド」を振り返った。このアーキタイプは369名がエントリーした大会においてかなりの数が使用され、トップ8にも2名を送り出した。勝ち組アーキタイプであるため、これに倣ったリストを各地で用いるプレイヤーが爆増するだろう。使ってみるとその打点の高さが心地よく、プレイングもシンプルながら勝つためには細かなアドリブを求められたりと、プレイヤーを成長させてくれるデッキでもある。使っているプレイヤーを倒す側になるなら、どんな除去が効果覿面のかを吟味して対策し、打ち倒そう。というわけで……今回言いたいことは以上だ。スタンダー道、駆け上っていこうぜ!

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