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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!トカゲアグロ復活の時(スタンダード)

岩SHOW

待ってたぜ、このチャンス!

 スタンダード、やってるかい?僕は最近どっぷりと毎日楽しんでいるよ……ローテーション前はモチベが下がっていたのが嘘のように、今はマジックが、スタンが面白くってしょうがない。やっぱり毎日デッキを自作・調整してああでもないこうでもない、おっこれ良いんじゃない?っていうのがね、マジックやってる感があって良いんだよなぁ。対戦相手のデッキも試行錯誤色々トライしてるなぁってのが伝わってくると、見習うものは見習うし負けてられないよなぁと、アツくなれる。ローテーション後、大型の競技イベントもまだ開催されていない、この手探り期間……これぞスタンという道を歩む上で最も楽しい、大トロ的な美味しい時間かもしれない。

 スタンダードはローテーションと新セット追加、そして一部カードの禁止という変化がもたらされた。これにより何が起こるだろうか?新カードを主役にした全く新しいデッキの誕生、既存の強デッキが一部を新カードにアップデート、そして……埋もれていたデッキの復活!これが個人的にグッとくるやつ。スタンダードは水物、デッキの流行り廃りはそりゃあるよね。一時期隆盛したデッキが、他のデッキの台頭により一気にトーンダウン、そして忘れ去られる……そうやって忘却の彼方にいたデッキが、環境の変化に乗じて再浮上!何か歴史ものを見ているかのようで、リストを見ているだけでワクワクしてくる。今回紹介するのはそんな再浮上してきたデッキ、そして僕が個人的に待ち望んでいたあのアーキタイプだ!

MDSoccer35 - 「ラクドス(黒赤)トカゲ」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年8月5日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
3 《魂の洞窟
4 《ブレイズマイアの境界
2 《不穏な火道
1 《岩面村
5 《
3 《
-土地(22)-

4 《雇われ爪
4 《玉虫色の蔦打ち
4 《鱗の焦熱、ゲヴ
4 《火硝子の導師
4 《炎貯えのヤモリ
4 《大洞窟のコウモリ
4 《思考忍びの邪術師
4 《運命を笑う者、アリーシャ
-クリーチャー(32)-
2 《悲劇の軌跡
4 《保安官を撃て
-呪文(6)-
2 《悲劇の軌跡
2 《戦略的裏切り
1 《削剥
4 《強迫
2 《除霊用掃除機
2 《新星のヘルカイト
2 《陽背骨のオオヤマネコ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 黒赤(ラクドス)カラーのトカゲアグロ!ちょうど1年前の『ブルームバロウ』にてトカゲがフィーチャーされたことでスタンダードで成立したアーキタイプだ。同セットのトカゲのテーマは対戦相手にダメージを与えることと、それによりボーナスを得るもの。ガンガン攻めに攻めまくる、前進あるのみな種族だ。たとえば赤いアグロでお馴染み、トカゲで攻撃すると1点ダメージを飛ばす《雇われ爪》にはじまり、上陸で1点ダメージ&自身のコピーを生成する《玉虫色の蔦打ち》、トカゲを唱えればダメージを発生させる《鱗の焦熱、ゲヴ》などなどのダメージ部隊と、そのダメージで恩恵を受けるトカゲらでデッキは構成されている。ゲヴはその恩恵を受ける側でもあり、対戦相手がダメージを受けていればそのターンに出てくるクリーチャーに+1/+1カウンターが乗るボーナスを提供。《火硝子の導師》はカードを追放してアドバンテージを、《炎貯えのヤモリ》はマナをと、とにかく相手のライフを減らすことで得をするトカゲらを使って、ひたすらにライフを狙っていく!

 そのアグレッシブさは一時期多くのシェアを獲得したが……すぐに他のデッキらにとって代わられてしまった。赤いアグロにおける一強の構成が無くなった今こそ、トカゲ復活の時!

 

 《思考忍びの邪術師》は手札を捨てさせ、対戦相手がダメージを受けていれば何を捨てさせるか選ぶことができる。この手札破壊トカゲに加え、《大洞窟のコウモリ》も採用。トカゲでないこのコウモリをわざわざ入れてまで、相手の手札を減らすことを狙っている。クリーチャーで攻めながら相手の反撃を封じる、これらのカードを上手く使うことがこのリストで最も重要なポイントかも。

 そうした手札破壊クリーチャーらを《運命を笑う者、アリーシャ》でリアニメイトして再利用することが、最後に一押しに繋がる。トカゲは攻撃性は高いが、除去などへの耐性は低く死亡しやすいクリーチャー。《雇われ爪》のように放置されればかなりのダメージを弾き出すが、対戦相手がそんなものを黙って見過ごしてくれるわけもない。即除去されたこれらのトカゲをアリーシャで拾う動きを備えることで、苦手とする長期戦に対して多少に耐性を付与している。得意というわけではないが、超苦手ではない、くらいのマイルドな耐性だが、あるのとないのとでは大きな差。クリーチャーを使いまわして攻め切るべし。

 

 最後にオマケ的にあるカードについて。《喉首狙い》がスタンダード落ちして、黒の2マナでインスタントのクリーチャー除去となると……《保安官を撃て》がその枠の定番カードになりつつある。このリストでもメインに4枚フル投入されており、確かに使い勝手は良い。良いのだが…問題点も。この呪文は無法者以外が破壊できる。無法者とは海賊・傭兵・ならず者・邪術師・暗殺者らのことで、これらのタイプを持っているクリーチャーは《保安官を撃て》の対象にできない。このタイプに該当するクリーチャーを多く採用しているデッキというものもあり、たとえばディミーア(青黒)のアグロデッキなど相手にしていると盤面に対象がない!なんてことが起こり得る。

 そして《保安官を撃て》が最も効きにくいデッキが、何を隠そうこのトカゲデッキかもしれない。トカゲらのタイプランを見てもらえれば分かる通り、全員揃いも揃って無法者!もはやトカゲ以外を撃てと言わんばかりである。なので黒系のデッキを相手にしていると「対戦相手が全然除去撃ってこなくてラッキー♪」みたいなことがしばしば起こる。僕は《笑う者、ジャスパー・フリント》というカードが大好きなので彼をトカゲデッキには必ず採用しているのだが、これもまた無法者であり、うっかり撃たれずに生き延びるととんでもないアドバンテージを稼ぎ出したりするので、現環境ではこのジャスパーもオススメしておこう。これらを踏まえて、黒い除去の枠は可能な限り散らしておくのが無難かもしれないね!

 

 トカゲは大好きな種族であり、これらを用いた同族系アグロデッキは僕自身も何度も何度もプレイした思い入れのあるアーキタイプ。しばらくの間肩身が狭い思いをしたが……ここからは日を浴びて体温を高め、至高のアグロここにありというところを見せつけてやろうじゃないか。サイドボードには軸をずらした攻め手として、《新星のヘルカイト》も入っている。こういう形もまた今後の定番になるやも?スタンダードをこよなく愛し、この険しくも楽しい道”スタンダー道”を極めようとしている皆の心に、トカゲアグロが届いたのなら幸いだ。気になったなら躊躇わず、レッツプレイ!

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