READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴルガリ・ミッドレンジ:個性的マシンを乗りこなせ(スタンダード)

岩SHOW
 

 『霊気走破』がリリースされたと思ったらもう『タルキール:龍嵐録』のリリースが迫る……この春は濃い、濃密なシーズンになるぞ!スタンダードにおいてまだ『霊気走破』のカードを試し切っていないというプレイヤーもかなり多いんじゃないかな?このセットのメインテーマはレースに用いられるマシンをカード化した機体!無色・単色・多色と実に個性豊かなマシンが揃い、この機体だけでもまだまだ実力未知数なカードがあるはずだ。

 たとえば《重厚な世界踏破車》。リリース前に個人的に注目していた1枚だ。3マナでタフネス4、パワーは自分の土地の数という並みの同マナ総量クリーチャーよりも高い打点になることが見込める。そして戦場に出るか攻撃することで基本土地を1枚探してきて戦場に出すという、マナ加速としても優秀な側面を持っている。2枚以上の土地を出せればカードアドバンテージをゲット、3枚とか持ってこれたらもうニンマリ笑顔になれるレベルだ。攻撃すればするほどマナが増えパワーも上がるという素晴らしい機体だが……1つだけ問題点が。機体カードの宿命であるが、搭乗コストが重く設定されているため簡単にそのポテンシャルを引き出せるわけではない。パワーが4以上になるようにクリーチャーをタップしなければクリーチャー化させて攻撃できないため、これを乗りこなせるデッキというものは限られてくる。どんなリストで使うべきか?その答えは……

Nandisko - 「ゴルガリ・ミッドレンジ」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2025年3月15日)[MO] [ARENA]
4 《花盛りの湿地
3 《ラノワールの荒原
3 《ウェイストウッドの境界
3 《眠らずの小屋
3 《魂石の聖域
5 《
3 《
-土地(24)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《苔森の戦慄騎士
3 《名もなき都市の歩哨
1 《黙示録、シェオルドレッド
2 《ドロスの魔神
1 《スピードデーモン
-クリーチャー(15)-
1 《苦痛ある選定
3 《切り崩し
3 《喉首狙い
1 《保安官を撃て
1 《大渦の脈動
1 《羅利骨灰
2 《ギックスの命令
2 《亭主の才能
4 《不浄な別室 // 祭儀室
3 《重厚な世界踏破車
-呪文(21)-
1 《切り崩し
1 《羅利骨灰
1 《大渦の脈動
3 《苦難の収穫者
3 《強迫
2 《除霊用掃除機
3 《強情なベイロス
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 こんなリストはどうだろう?ゴルガリ(黒緑)カラーの中速デッキ、所謂ミッドレンジ。このアーキタイプに世界踏破車を搭載したリストがチラホラ目に入るようになってきた。ミッドレンジの基本構造は、クリーチャー除去など対戦相手への妨害要素を用いて、マナコストから見て優れたパフォーマンスを誇るクリーチャーでの攻撃を堅実に通していく、そこにアドバンテージ源を添えてまとめるというところ。そんなデッキにとって世界踏破車は嬉しいエッセンスになり得る。

 このミッドレンジは《ラノワールのエルフ》を用いるのが定番で、そこから1ターンでも早く《名もなき都市の歩哨》《ドロスの魔神》《不浄な別室 // 祭儀室》を繰り出して強い盤面を作り、優位を維持し続けての勝利を狙っている。1ターン目ラノワール→2ターン目3マナのパーマネントというブン回りパターンに世界踏破者を追加しているのは自然流れだ。3ターン目に5マナという動きも夢ではなく、また魔神らも搭乗コストに貢献するためこの癖のある機体も乗りこなせるという寸法だ。

 

 魔神にデーモン・トークン、《黙示録、シェオルドレッド》や《スピードデーモン》と黒のクリーチャーらは世界踏破車の搭乗を1枚で満たせるものがチョイスされている。また緑は《苔森の戦慄騎士》《名もなき都市の歩哨》と素のパワーが3のクリーチャーがラインナップ。これらとラノワールの2枚で搭乗4の条件を満たしても良いが、パワー3勢に+1/+1カウンターを乗せて一人で運転してもらうことも検討しよう。地図・トークンで乗せられればラッキー、確実に乗せに行くなら《亭主の才能》を使うべし。毎ターン強化できる上に護法を持たせたり、カウンターの数を倍にしたりとこれ単体でめちゃ強エンチャントというところがポイント高い。あらゆる手段でパワー4以上を確保し、それで殴るか搭乗するか、臨機応変に戦おう!

 《重厚な世界踏破車》に代表されるように『霊気走破』の機体カードは乗りこなすのはイージーではない。しかしだからこそ、乗り方をマスターしてそれに合ったデッキで運用してやれば……何もかも振り切って勝利というゴールまでノンストップの大爆走を披露してくれるはずだ。搭乗コストが重いカードはタルキールのドラゴンにその役目を期待してみても良いのかも?さあスタンダードの今後に向けて。今からエンジン温めておこう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER