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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:モックス解禁、ウルザの帰還(モダン)

岩SHOW
 

 マジックのクールを追求するコーナー、今週のCool Deck。さて2025年のマジックも本格始動、次期セット『霊気走破』の情報が一気に公開された。3つの次元を巡る壮大でヒャッハーなデスレースを描いたこのセット、その設定とノリで多くの人にとっつきやすい、プレイヤー層の拡大にも貢献してくれそうなクールなセットになってくれそうだ。

 このセットにはボックス毎に箱内に1枚、スペシャルなカードが封入されている。ボックストッパーと呼ばれるパックから、ファーストプレイス・フォイルという特別な仕様のカードが出てくるぞ。これはレースで1位になった金メダル的な色合いのフレームでふちどられており、デッキに入れると特別な存在感を放つこと間違いなしのクールな逸品。新カードやスペシャルゲストとして再録されたカードなど様々なものが飛び出すが、その中でも欲しくなるのはやっぱり《金属モックス》!某ヘビーメタルバンドのシンボルを彷彿とさせるデザインが、デスレースを舞台にしたセットにドはまり!{0}でマナを加えるモックスは何枚あっても困らない、絶対に手に入れたい1枚だ。

 

 モックスと言えば、昨年末にモダンにて禁止解除が行われ、《オパールのモックス》が久しぶりにプレイ可能となった。以前に禁止となってから約4年ぶりの解放で、かつてモックスユーザーだった面々は歓喜したものである。オパールは《金属モックス》のように手札を失ったりしないが、アーティファクトを合計3つコントロールしていなければマナを加えられない。逆に考えればその条件を簡単に満たせるデッキならば、伝説なので複数枚並べられないくらいしかデメリットはないとも言える。モダン環境には土地を含め、《ミシュラのガラクタ》などの0マナのアーティファクトがゴロゴロ。なので1ターン目からオパールを機能させるのも難しい話じゃない。

 禁止になるのはクールじゃないが、そのカードが時を経てまた使用可能になるというのは最高にクールなこと。というわけで今週は《オパールのモックス》を用いたデッキ例をご紹介。

Marecki - 「ウルザ・ソプター」
Magic Online Modern Challenge 64 トップ8 / モダン (2025年1月19日)[MO] [ARENA]
4 《溢れかえる岸辺
1 《沸騰する小湖
1 《神聖なる泉
1 《蒸気孔
4 《金属海の沿岸
1 《行き届いた書庫
1 《剃刀潮の橋
1 《天上都市、大田原
4 《ウルザの物語
3 《
-土地(21)-

4 《知りたがりの学徒、タミヨウ
4 《湖に潜む者、エムリー
4 《最高工匠卿、ウルザ
-クリーチャー(12)-
4 《オパールのモックス
4 《ポータブル・ホール
1 《急送
1 《上天の呪文爆弾
1 《黄鉄の呪文爆弾
3 《金属の叱責
3 《発明品の唸り
4 《ミシュラのガラクタ
1 《真髄の針
1 《影槍
1 《魂標ランタン
2 《飛行機械の鋳造所
1 《弱者の剣
-呪文(27)-
3 《記憶への放逐
1 《否定の力
3 《紅蓮地獄
2 《急送
2 《摩耗 // 損耗
2 《減衰球
1 《除霊用掃除機
1 《魂標ランタン
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 モックスを使うなら《ウルザの物語》!これが生成する構築物はアーティファクトの数を参照するため、モックスでそのカウントを増やせば早いターンに5/5以上の大物も狙える。さらにこの英雄譚はマナコストが{0}{1}のアーティファクトを探してきて戦場に出す。なのでマナが欲しい時にはモックスを持ってくれば良い。

 この土地もさることながら、ウルザ本人──《最高工匠卿、ウルザ》だってモックスを待ち望んでいた1枚だ。4マナとモダン的には少々重いので、モックスのマナ加速がありがたく、またこのウルザも構築物を引き連れてやってくる。もしも金属術が達成できなくなったり、あるいは《石のような静寂》などでモックス自身がマナを加えられなくなっても、ウルザがこれをタップすることで青マナを加えられるというのもちょっとした保険になる。ウルザの能力起動は{5}とこれまた重いが、ライブラリートップからワンチャンスを引き込む一発逆転要素も持ったもの。

 というわけで最近モダンでは静かだったウルザが、モックス解禁によりまた表舞台で姿を眼にするようになってきた。かつてのクールデッキの帰還だ!

 

 モダンでは制定当初に禁止カードに指定されていたものがあったが、その大部分は時を経て解禁されている。これもまたクールな現象だ。《弱者の剣》もそんな1枚。これ単体ではどうということもないが、《飛行機械の鋳造所》と組み合わせることでその真価を発揮。剣を生け贄に捧げて鋳造所を起動→1/1の飛行機械が生成される→1/1が出たことで墓地の県が誘発、これを飛行機械が装備する→その剣を生け贄に捧げて……とループを形成。モリモリとライフを回復しながら飛行機械軍団を編成できる。

 これだけでも長期戦に強いクールなコンボだが、そこにウルザが並ぶと……剣と飛行機械をタップしてマナを得ることで、無限にこのループを行える!無限ライフ・無限トークン・無限マナ!そしてそのマナでウルザの能力を起動し続ければ好きなだけライブラリーを追放してプレイできる。このクールな3枚コンボでゲームに勝つ、そのために必要なマナを《オパールのモックス》で捻出しよう。2枚引いた場合は《湖に潜む者、エムリー》でグルグル回して無駄なく活用。さあ、解禁されたカードを思う存分味わい尽くそう!

 カードの禁止はプレイヤーにとってはネガティブなものではあるが、それのおかげでそれまで活躍できなかったカードやデッキにスポットライトが当たることもある。そして、時が経てばそのカードが帰ってくることもある。マジックは長くやるものだということを、モダンを通じて感じるね。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Celebrate the unban!!

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