READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

残虐爪デッキ、その魅力と新戦力候補(スタンダード)

岩SHOW

 スタンダードが盛り上がること、これ即ちマジックの盛り上がりに繋がる。これは間違いないのだ。マジックを始めるには何からすればいい?と質問されて「定番」という名前のフォーマットがオススメできる状況が理想的なのは言うまでもないのだ。

 そんなわけで当コラムでもスタンダードのデッキをガンガン紹介して、その魅力を伝えることに全力の姿勢だ。ちょうど初心者にもわかりやすいカードが中心となり、スタンダードでも長く使える『ファウンデーションズ』がリリースされる。このセットからスタンダード、マジックを始めるっきゃない!という流れが起こりますように……祈りつつ、スタンダードの多様なデッキを紹介しよう!今日のデッキはこれだ!

biz1 - 「ラクドス・ミッドレンジ」
Magic Online Standard Challenge 32 13位 / スタンダード (2024年10月31日)[MO] [ARENA]
3 《硫黄泉
3 《黒割れの崖
4 《ブレイズマイアの境界
4 《不穏な火道
1 《寓話の小道
1 《ミレックス
1 《ミシュラの鋳造所
4 《
5 《
-土地(26)-

4 《腐食の荒馬
3 《狡猾なコヨーテ
1 《骨術師の達人
4 《悪名高い残虐爪
4 《止められぬ斬鬼
2 《黙示録、シェオルドレッド
1 《最深の裏切り、アクロゾズ
4 《ボイラービルジの大主
2 《ファイレクシアの肉体喰らい
-クリーチャー(25)-
3 《切り崩し
4 《喉首狙い
2 《執念の徳目
-呪文(9)-
3 《削剥
2 《苦痛ある選定
1 《シェオルドレッドの勅令
2 《覆い隠し
3 《除霊用掃除機
4 《ウラブラスクの溶鉱炉
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 こちらは《悪名高い残虐爪》デッキだ。黒赤、ラクドスと表現される2色デッキであり、クリーチャーを中心としたアグレッシブに動ける中速デッキである。キーカードの残虐爪は、対戦相手に戦闘ダメージを与えるとライブラリーの上からカードを追放。土地でないものが公開されると、それを唱えられる……コストの支払いはマナではなく、手札を1枚捨てるという形で。クリーチャー1体が2枚以上のカードに繋がるアドバンテージ源であり、かつコストを踏み倒すことでマナ総量の大きい強力なカードを早いターンに唱えるという、2つの芸を同時にやってのける。

 この残虐爪から唱えるカードチョイスも、ただ重いものばかりを集めたんじゃあデッキとして機能不全に陥りかねない。手札に来てしまってもどうにかなる重いカード……高コストでも低コストでも運用できるようなカードをチョイスするのがスマートなやり方だ。このリストでは《ファイレクシアの肉体喰らい》《執念の徳目》など軽く唱えられるモードを持ったカードを採用し、手札にお荷物を作らないように心がけているところがグッド!

 残虐爪というクリーチャーは強い!だからこそ警戒される。見たら即除去!あるいは威迫でも攻撃を通さないようにブロック役を複数体並べたり、なんらかの形で対処されがちだ。ただ残虐爪デッキにはその点のケアも怠ってはいない。

 

 《狡猾なコヨーテ》は戦場に出るとクリーチャー1体を+1/+1して速攻を与える。これで残虐爪に速攻を与えて即殴り、それで対戦相手にダメージをねじ込んで能力誘発に持っていく。このコヨーテは計画能力で追放しておいて、後からノーコストで唱えることが可能だ。2ターン目に計画、3ターン目に残虐爪を出して後からコヨーテ、速攻付けてパンチ!これで3ターン目から一気に強力なクリーチャーを展開できれば、そのまま押しきれてしまうだろう。《ボイラービルジの大主》なんかを繰り出すことができれば最高だ。またゲーム終盤にはこのボイラービルジにコヨーテで速攻をつけるというのも大いにアリ。戦場に出た時、そして攻撃した時にダメージをばら撒くボイラービルジ、コヨーテで走って文字通り火を噴くぞ!

 

 では2024年のトリを飾る『ファウンデーションズ』に収録されるカードの中から、このデッキにマッチしていそうなカードをピックアップしてみよう。まずは《原初の嵐、エターリ》。再録カードであるこの伝説の恐竜は、攻撃するとお互いのライブラリートップを追放、そのカードをマナを支払わずに唱えられる。莫大なアドバンテージを生み出す可能性がある、大逆転も狙えるエターリ。これを戦場に出してから攻撃するまでのタイムラグを、コヨーテでショートカット!対戦相手の想定していない大嵐を起こそうじゃないか。残虐爪から捲っても強烈なプレッシャーになるので、デッキのベクトルとは噛み合っているね。

 

 続いては新たなチャンドラ、《整炎師、チャンドラ》。完全新規カードであるこのプレインズウォーカーは、7マナという高コストに見合ったド派手な能力を持っている。残虐爪でコストを踏み倒して戦場に出したら、[-4]能力で8点ダメージを割り振り、盤面を綺麗に掃除する。あるいは[+2]で次なるカードに繋げるも良し。そして[+1]はクリーチャーのコピーを作って速攻を与える。これでボイラービルジなんかをコピーした暁には、一瞬で相手のライフが消し飛ぶだろう。大振りなカードだが、盤面に出せた時の気持ち良さはかなりのものに見えるので、新たな神話レアを手に入れたプレイヤーは彼女の力で大暴れを狙ってみよう!

 『ファウンデーションズ』が加わり、益々スタンダードが盛り上がって……もうネクストレベルな熱量になることを楽しみにしている。《悪名高い残虐爪》のように面白いカードを使ったデッキが豊富にそろった環境になることを、新たなセットに期待しているよ。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索