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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:地獄の樹コンボ、新たなパーツは殺人人形!(パイオニア)

岩SHOW

 『ダスクモーン:戦慄の館』はクール極まるセットだ。まず次元そのものが悪魔ヴァルガヴォスの館である。神河の住人とラヴニカのギルドメンバーなど、キャラクター性豊かな登場人物らが団結してこの館の捜索に挑む。館の中は常識では考えられない部屋、そしてそこを徘徊する殺人鬼や怪物、恐怖の存在……設定が素晴らしければ、カードのルックスも超クール。ホラー作品を元ネタとした数々の不気味・陰鬱・ショッキングなビジュアルが「このカードを使いたい」とプレイヤーを奮い立たせる。

 マジックのデッキを“クール”を最大のポイントとして紹介する今週のCool Deck。今回はダスクモーンの新カードが変化をもたらした、パイオニアのクールデッキを紹介しよう。

jupiterbrando - 「ラクドス大釜」
Magic Online Pioneer Super Qualifier 6位 / パイオニア (2029年9月29日)[MO] [ARENA]
4 《血の墓所
4 《黒割れの崖
4 《荒廃踏みの小道
2 《大音声の劇場
1 《目玉の暴君の住処
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
2 《変わり谷
1 《噴水港
2 《
1 《
-土地(23)-

4 《税血の収穫者
4 《逸失への恐怖
2 《殺人人形、マーヴィン
4 《ヴォルダーレンの興奮探し
4 《地獄の樹
-クリーチャー(18)-
4 《思考囲い
2 《強迫
4 《致命的な一押し
1 《塔の点火
4 《アガサの魂の大釜
4 《鏡割りの寓話
-呪文(19)-
1 《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒)
2 《大群への給餌
2 《レッドキャップの乱闘
1 《チャンドラの敗北
2 《碑出告が全てを貪る
2 《強迫
2 《熱烈の神ハゾレト
3 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 これはパイオニアの《地獄の樹》コンボデッキ。《地獄の樹》はタップ能力を起動すると、対戦相手のライフとこれのタフネスを交換するという、他に類を見ない独特なアクションを行える。相手のライフが20点だとすれば、樹のタフネスが20になり相手のライフは13に。相手のライを直接減らす手段になる。上手く樹のタフネスをもっと減らすことができれば、さらに相手のライを追い詰められる。

 その特性上、これだけで相手のライフをゼロにするということはできないが……そこで白羽の矢が立ったのが《アガサの魂の大釜》。これは追放したクリーチャーの能力を他のクリーチャーに与えることができる。+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーは大釜で追放したクリーチャーの起動型能力を得るというもので、これで樹を追放。低タフネスのクリーチャーに樹の能力を持たせて、これを起動。これと相性が良いのが《ヴォルダーレンの興奮探し》。興奮探しはカウンターを乗せられるので、樹の能力を自身や他のクリーチャーに持たせる。その上で能力を起動し、相手のライフをゴリッと減らしたら、今度は興奮探しの生け贄能力で対戦相手にダメージを叩き込む。これにより瞬時に相手のライを消し飛ばせるというわけだ。クールなコンボである。

 

 このコンボを遂行するのに、新たにダスクモーンから加わったパーツが……《殺人人形、マーヴィン》だ。マーヴィンは自身と異なる名前のクリーチャーが持つ起動型能力を得る。マーヴィン自身は2マナと軽く、先出ししておける。後から《地獄の樹》を出せば、即座にマーヴィンが手に入れたタップ能力を起動。これにより相手のライフを一瞬で2まで減らすことが可能だ。あとは興奮探しで焼くなり、他のクリーチャーで殴るなりしてケリをつければよい。マーヴィンは大釜の追加枠となりつつ、各種墓地対策を用いられてもコンボを成立させる、ベクトルが異なるパーツとしてデッキに噛み合っているクールな1枚というわけだ。

回転

 

 樹を大釜で追放するために墓地に置く方法にも注目。このコンボでは手札から捨てるという形でこの条件をクリアする。《鏡割りの寓話》だったり、《税血の収穫者》の血・トークンだったり……あるいは《思考囲い》を自分自身に唱えて捨てるという最終手段も用いる。そしてこの捨てる枠に新たに選ばれているのが《逸失への恐怖》だ。これは手札を1枚捨ててカードを1枚引く、ルーターと呼ばれる入れ替え能力を有する。これで樹を捨てて他のコンボパーツを引き込もう。この恐怖は昂揚を達成すると、追加の戦闘フェイズを得るという能力を持っている。これ自身がエンチャント・クリーチャーの2種類のタイプを持っているのもあって、昂揚を達成するのはそれほど難しくない。

 そしてこの恐怖と《鏡割りの寓話》でもちょっとしたコンボが狙える。寓話が変身して《キキジキの鏡像》になったら……恐怖をコピーして攻撃。昂揚達成で追加の戦闘フェイズを得て、アンタップするのは鏡像。そしてアンタップした鏡像ですぐさま恐怖をコピー。追加の戦闘フェイズでその第2コピーで攻撃し、鏡像をアンタップ。アンタップした鏡像で恐怖をコピーして……マナがある限り攻撃し続けることが可能だ。絵面もクール、本命コンボのサポート枠がコンボを成立させるというのもまたクールだ。このコンボもマーヴィンが居ればより決まりやすくなるのは言うまでもないね。

 ダスクモーンのホラーなカード達は、様々なデッキをさらにクールにしてくれることが期待される。戦慄のカードに恐怖を覚えすぎる必要はない。恐れるものと向き合った時、それはクールな存在となる……それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Face your fear!!

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