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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!The Rockイズムを受け継ぐミッドレンジ(スタンダード)

岩SHOW

テーブルトップ参戦がキタキタキタァ!

 というわけで久しぶりにスタンダードをテーブルトップで遊ぶことになった。MTGアリーナではずっとスタンダー道を突き進んでいたが……紙のカードで大会に出るなんて、いつぶりだろうか。これでようやくスタンダー道を極めている皆と同じステージに立てるのかな。そんなわけで大会までの間、より一層スタンダードのプレイに力を入れていきたい所存だ。

 スタンダードをとことん遊び尽くすことを目的とした当コラム、今回は昔懐かしなイズムを感じるあるリストをご紹介!

The Rockというイズム

 最近ではめっきり言わなくなったが、一時期はある特定の色の組み合わせを「The Rock」と呼んだ。それは黒と緑、またそこに白を散らした構成も。かつてこのカラーリングのデッキでトーナメントにて好成績を残したプレイヤーが自分のデッキを「The Rock and His Millions」と名付けた。それを縮めて「The Rock」と呼称するのが定着したってわけ。

 

 この語源について説明すると本題からそれるので今回は割愛。《破滅的な行為》で流して《魂売り》で殴る、攻撃的なコントロールという趣で、今でいうミッドレンジというやつだね。その後も黒緑+白の同系統のデッキは「The Rock」や「○○Rock」と呼ばれ、ドッシリしたデッキを愛するプレイヤーに好んで用いられたものだ。いつしかそれらはゴルガリ(黒緑)やアブザン(白黒緑)カラーのミッドレンジに置き換わっていったが……今では時折「これはThe Rockだな」と呼びたくなる、そんなリストに出会うことがある。今回スタンダードで出会ったリストもThe Rockのイズムを継承したもの……と勝手に思っている。

Ichthus00 - 「アブザン・ミッドレンジ」
スタンダード (2024年8月20日)[MO] [ARENA]
4 《コイロスの洞窟
2 《ラノワールの荒原
1 《低木林地
2 《秘密の中庭
2 《花盛りの湿地
3 《眠らずの小屋
2 《地底の遺体安置所
1 《草萌ゆる玄関
2 《寓話の小道
2 《平地
2 《
2 《
-土地(25)-

4 《大洞窟のコウモリ
4 《苔森の戦慄騎士
3 《分派の説教者
2 《暗黒星の占い師
2 《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ
2 《グリッサ・サンスレイヤー
3 《跳ねる春、ベーザ
1 《最深の裏切り、アクロゾズ
-クリーチャー(21)-
2 《切り崩し
3 《喉首狙い
2 《執念の徳目
1 《暗殺者の戦利品
1 《花粉の分析
2 《亭主の才能
1 《ヴェールのリリアナ
1 《大天使エルズペス
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(14)-
2 《温厚な襞背
1 《第三の道のロラン
2 《羅利骨灰
1 《苦々しい勝利
1 《長い別れ
2 《締めつける瘴気
2 《一時的封鎖
2 《強迫
1 《ギックスの命令
1 《ヴェールのリリアナ
-サイドボード(15)-
AetherHub より引用)

 

 

 《苔森の戦慄騎士》や《グリッサ・サンスレイヤー》といった優秀なクリーチャーを展開して《喉首狙い》などの除去でそれらの攻撃をアシストするゴルガリ。その戦い方をベースに《星界を呼ぶ者、ゾラリーネ》などのパワーカードを追加したのがこのリスト。

 ゾラリーネは3マナ以下のパーマネントを墓地から戦場に出せるので、上記のクリーチャーらに加えて《分派の説教者》や《ヴェールのリリアナ》のような強力なパワーカードを使いまわす。コウモリの攻撃によってライフが得られるようになるため《大洞窟のコウモリ》とも相性が良い。これにコウモリを追加するために《暗黒星の占い師》を加えて……独自のチューンが施された、3マナ域が強力な現代の「The Rock」!良いねぇ、このミッドレンジ同士の戦いで絶対に打ち勝ってやるぞと言わんばかりのドッシリ感。この対戦相手を選ばない、純粋な強さはテーブルトップの大会に持っていきたくなるものだ。

 

 ここでとことんスタンダードを極めるための初心者向けテクニックを一つ。《跳ねる春、ベーザ》は劣勢を覆す可能性をもたらす、非常に頼もしい1枚。3色デッキで白のダブルシンボルは厳しく見えるが、《コイロスの洞窟》《低木林地》などダメージランドをはじめ、2色土地をしっかり取り揃えることで問題なく運用できる。ダメージランドで受けた傷もベーザで回復してしまえば問題ない。そしてこのダメージランド、対戦相手がこっちよりほんのりライフが多い時などには強引にライフを下げて、ベーザから4点を受け取るという荒業も。2点受けてて4点得たら+ですからな、こういった小技を駆使することが勝敗を分けるというもの。

 同じテクニックは《分派の説教者》でも使える。相手よりライフが数点多いなら、ダメージランドでこれを調節。同じ値にしてから攻撃すれば、ドローとトークン生成の両方の恩恵を受けられる。ダメージを受ける土地が何故ありがたがられるのかわからない、というのは誰もが初心者のうちに通る道。これらのカードとの組み合わせだとデメリットが活きてくる、という強みが伝わったら幸いだ。

 さて、大会当日まではもう少し時間がある。その間に流行りのデッキも多少は変わってくることだろう。どこまで読んでデッキを用意するのか……あるいは相手が何でも構わない、かかって来いと言わんばかりのThe Rockイズムなデッキで臨むのか。どうしようかなぁ……こうだって答えが、見つかることを願いながら今日もスタンダー道、駆け上がっていくとするか!

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