READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!いざ極めん、ジェスカイ道(スタンダード)

岩SHOW

 マジックには5つの色が存在する。そのうちの3色を使ってデッキを組む場合、10通りの組み合わせになる。このカラーリングを、それぞれの色を示す頭文字を取ってWBGと表記したりもするが……なんだか味気ない。ちょうどマジックには3色からなる勢力が存在しているので、デッキのアーキタイプを表記する時などにはこの勢力の名前を用いることがしばしば。

白青黒({W}{U}{B}):エスパー
青黒赤({U}{B}{R}):グリクシス
黒赤緑({B}{R}{G}):ジャンド
赤緑白({R}{G}{W}):ナヤ
緑白青({G}{W}{U}):バント

 カードの裏面には各色を現すシンボルが五角形状に並んでいる。これの一角を中心に、両隣の色を友好色と表現する。青の場合、白と黒がこれにあたる。友好3色の組み合わせは、アラーラ次元の5つに分かれていた世界、断片の名前になぞらえて上記のように呼ばれている。

白黒緑({W}{B}{G}):アブザン
青赤白({U}{R}{W}):ジェスカイ
黒緑青({B}{G}{U}):スゥルタイ
赤白黒({R}{W}{B}):マルドゥ
緑青赤({G}{U}{R}):ティムール

 一方で角から見て対角線にある2色は対抗色(敵対色)と呼ばれる。対抗3色の組み合わせは、歴史改変前のタルキール次元に存在していた5つの氏族の名で表現される。この通称はかなり浸透しているのだが、実は氏族の正式な名称ではない。各々に、マルドゥ族・ティムール境・アブザン家・ジェスカイ道・スゥルタイ群、とその氏族の実態が伝わる正式名称を持っているのだ……ん?

ジェスカイ道!?キタキタキタぁぁ!

 スタンダードというフォーマットは一つの道、これを極めんとするのがスタンダー道であると標榜している我々にとって、ジェスカイ道とは見逃せないフレーズ。なるほど、ジェスカイの面々も道を極めようと日々鍛錬に明け暮れていたのか。今ではタルキールが異なる時間軸を辿ったため、多元宇宙にはジェスカイ道に勤しむ者はいなくなってしまったが……その魂、スタンダー道の道場生が受け取った!

とことん強力2マナ域!

 というわけでちょっとテンション高くスタートさせてもらった今週のスタンダー道。ある意味歴史の改変とも言えるローテーションが間近に迫っている中で、現環境のジェスカイ道に基づいたコントロールデッキを紹介しよう!

Yamashita Shinji - 「ジェスカイ・コントロール」
平日構築戦 3-0 / スタンダード (2024年6月17日)[MO] [ARENA]
1 《シヴの浅瀬
1 《戦場の鍛冶場
4 《さびれた浜
3 《嵐削りの海岸
3 《日没の道
1 《金属海の沿岸
1 《尖塔断の運河
2 《感動的な眺望所
3 《不穏な投錨地
1 《皇国の地、永岩城
1 《天上都市、大田原
1 《廃墟の地
1 《平地
1 《
1 《
-土地(25)-

1 《冷静なスフィンクス
-クリーチャー(1)-
3 《推理
3 《記憶の氾濫
4 《稲妻のらせん
4 《冥途灯りの行進
2 《一時的封鎖
3 《太陽降下
4 《喝破
2 《三歩先
1 《錬金術師の計略
4 《完成化した精神、ジェイス
2 《放浪皇
2 《希望の標、チャンドラ
-呪文(34)-
3 《石術の連射
1 《邪悪を打ち砕く
1 《失せろ
1 《告別
2 《否認
2 《ティシャーナの潮縛り
3 《黄昏の享楽
2 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

 

 現スタンダードのコントロールを支えるカードの一つ、《喝破》。3マナの追加コストを求める打ち消しで、マナが少ないゲーム序盤はほぼ確定で相手の行動を妨害し、中盤以降も無駄になりにくい。追放が付いているので各種再利用も許さない……青系コントロールをやるなら白を相方にしてこの《喝破》を用いるのが王道だ。そして青白2色では足りないところを赤で補う……これぞジェスカイ道!赤が加わったことで軽いクリーチャー及びプレインズウォーカーへの除去として《稲妻のらせん》が加わる。2マナ3点ダメージのインスタントで隙なく運用できて、しかも3点回復のオマケ付き。長いゲームを戦い抜くことを狙うコントロールにとって、この3点回復は五臓六腑にしみわたるもの。

 これら多色の2マナ圏を筆頭に、マナが揃えば《太陽降下》《三歩先》などの効果の大きい呪文で勝負する……じっくり有利になるゲームを味わいたい人には、「ジェスカイ・コントロール」をオススメしよう。

ジェスカイ道極めし奥義
 

 このリストはゲームに勝つためのカード、所謂フィニッシャーの枚数がごくわずか。クリーチャーが《冷静なスフィンクス》1枚のみであり、その他トークンを生み出す手段も限られているため、クリーチャーの攻撃による殴り勝ちよりももっと優先しているものがあるのが読み取れる。その上で4枚採用されている《完成化した精神、ジェイス》、彼こそまさにフィニッシャー。[-X]能力でゴリゴリに切削し、対戦相手のライブラリーを溶かすのだ。[+1]能力はクリーチャーを弱体化させる実質的な除去として機能、[-2]能力でジワジワ切削しながらドローするのもコントロールにとっては嬉しいものだ。この防衛手段兼フィニッシャーであるジェイス、その切削をより押し進めるためのコンボもデッキ内に潜ませているのが……いかにもジェスカイ道!

 

 デッキ内のカードで少し浮いた存在になっている《錬金術師の計略》。コントロールデッキが単に追加ターンを得るだけでは、それほど大きな結果に繋がらない……が、《希望の標、チャンドラ》がいれば話は別だ。チャンドラはそのターンに唱えた最初のインスタントかソーサリーをコピーしてくれる。これで切除コストで支払った計略をコピーして、追加ターンを2連発!そうやって得たターンの中で、ジェイスを唱えて忠誠度をすべて注いで15枚切削→次のターンにもういっちょ!というように動けば……大抵ゲームは終わりを迎える。チャンドラの[-X]もダメージを与えるのでこれでライフを狙うのも良しだ。その場合は余った《稲妻のらせん》をコピーして一気にライフを詰めるのが最高!これぞジェスカイ道奥義!

 今週は3色の呼び名の由来をおさらいし、スタンダードのジェスカイカラーのサンプルとなるリストを紹介させていただいた。7月に突入し、ローテーションまでの時間はもうあとわずか。次なる環境はどうなるのか?楽しみに待ちながら、現環境を遊びきる!これぞスタンダー道の正しい歩み方だ。水分補給を忘れずに、それぞれのペースで歩んでいこうぜ!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索