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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ラクドス大釜:今宵のメニューは樹のシチュー(パイオニア)
最近はモダンが大盛況、世界中のショップやオンライン上で開催されるトーナメントが盛り上がりを見せている。無理もない、『モダンホライゾン3』という超刺激が投下され、新しいデッキを作りたくてしょうがないビルダー、それらを体験したくてたまらないプレイヤーらが、モダンに殺到している。この夏はモダン一色!……モダンをプレイしていない人が置いてけぼりになりそうだが、決してそんなことはない。他のフォーマットにもそこでしか味わえないものがあるわけで、モダンが流行っているのは事実だが自分の好きなフォーマットで延々遊ぶというスタイルを貫いたって構わない。
『モダンホライゾン3』はモダンはもちろん、レガシーやヴィンテージといった構築フォーマットでも用いることができる。しかしパイオニアおよびスタンダードでは使用不可だ。この境界線があるからこそ、パイオニアはパイオニアで面白いカードやデッキが輝きを放っている。特殊セットという刺激はなくとも、既存セットで十分に刺激的なデッキは組める!そんなビルダー魂に火をつけるフォーマットかもしれない。
というわけで今回はパイオニアのデッキをご紹介。キーカードは《アガサの魂の大釜》だ。この大釜も実に面白いアーティファクトだとしみじみ思うね。対戦相手の墓地を追放する、墓地対策の性質を持ちつつ、クリーチャーを追放した場合は自身のクリーチャーに+1/+1カウンターを乗っける。このカウンターが乗ったクリーチャーは、大釜で追放しているクリーチャーの起動型能力を得る。そして大釜で追放できる墓地は対戦相手のものだけでなく自分のものでも構わないので、何か特殊な能力を別のクリーチャーに与えることで、夢溢れるコンボを狙うことも可能!コンボが面白いのはモダンだけじゃない、パイオニアもまたコンボの本場!インパクト満点の大釜コンボをご覧あれ!
4 《血の墓所》 4 《黒割れの崖》 4 《大音声の劇場》 3 《荒廃踏みの小道》 1 《ロークスワイン城》 1 《目玉の暴君の住処》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 2 《沼》 1 《山》 -土地(22)- 4 《ヴォルダーレンの美食家》 2 《見捨てられた鉱夫》 4 《税血の収穫者》 3 《新たな血族、ヴァドミル》 1 《死の飢えのタイタン、クロクサ》 4 《ヴォルダーレンの興奮探し》 4 《地獄の樹》 -クリーチャー(22)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 4 《アガサの魂の大釜》 4 《鏡割りの寓話》 -呪文(16)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒) 2 《強迫》 2 《絶滅の契機》 3 《墓掘りの檻》 2 《コラガンの命令》 3 《敵対するもの、オブ・ニクシリス》 2 《シェオルドレッドの勅令》 -サイドボード(15)- |
というわけで「ラクドス(黒赤)大釜」。キーとなるクリーチャーは《ヴォルダーレンの興奮探し》!この吸血鬼は、生け贄に捧げることで自身のパワー分のダメージを任意の対象に与える能力を持っている。そして賛助という能力でクリーチャーに+1/+1カウンターを個置き、このターン限定でその能力を共有する。自分も他者も投げ捨てて、除去したり対戦相手本体を抉ったりと攻撃的なクリーチャーである。生け贄に捧げるということは能動的にクリーチャーを墓地に置けるので、大釜で追放する具材を準備してくれるカードでもある。またカウンターを乗っける賛助も大釜と噛み合っており、セットで使えと言わんばかりの2枚になっている。
この興奮探しのダメージ能力と組み合わせるのが……《地獄の樹》!この樹はタップすることで、自身のタフネスと対戦相手のライフを交換する。どういうことか?これのタフネスは13。対戦相手のライフが20だったとしたら、これらの数値が入れ替わってタフネス20・ライフ13という状況に。相手がそれだけライフを回復しようと、強制的に13に引き戻す。あるいはブロックに参加するなどしてダメージを受けていれば、もっとライフを減らせるかも。ホライゾン系のカードもびっくりな、唯一無二の挙動だ。
この樹を……大釜に放り込む!適当なクリーチャーにこの起動型能力を付与し、13どころか3とか2とか低いタフネスとライフを交換していただこうと、そういうわけだ。一気にライフが減った対戦相手に、興奮探しの能力でダメージを与えてフィニッシュ!相手のライフが100点あろうが1000点あろうが、たとえ一億とかあってもこの二撃で瞬殺よ。召喚酔いでないクリーチャーと大釜があれば、あとは墓地次第でどんな劣勢からでも一発逆転できるコンボ……夢、ありませんか?
このリストはコンボパーツ以外の部分は、同じパイオニアのラクドスカラーのデッキ……ミッドレンジや吸血鬼と共通するカードを備えている。それらで盤面を作り、相手の妨害をしている間に普通に殴って勝つ、という動きも狙っていけるのが強みだ。《税血の収穫者》や《鏡割りの寓話》など、お馴染みのパワーカードが安心感をもたらす。これらのカードはただ強いだけでなく、血・トークンやⅡ章能力で手札を捨ててカードを引かせてくれる。つまり樹や興奮探しといったパーツを墓地に送って、大釜に仕込むための着火剤的な役目も果たしてくれる。こういう真っ当に強いカードがコンボを支えてくれることで、ただ夢を追うだけでなく現実とも向き合っていけるデッキに仕上がっている。
モダンだけでなく、パイオニアやその他のフォーマットにもエキサイティングで興奮できるデッキは存在している。どのフォーマットも満遍なく遊べれば理想的だが、様々な要素でそれは簡単なことではないだろう。だったら、自分の好きなフォーマットを遊べば良い、マイデッキを突き詰めれば良い!目を凝らせば、刺激はそこかしこにあるぞ!
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