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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
オルゾフ・フォーチュン・ライフ:それは本当に馬なのか?(スタンダード)
このカードを見た時に、こう叫ばずにはいられなかったんじゃないか?
どこが馬やねん!?
と。四つ足の獣以外の共通点ないやん、こんな馬が競馬場で疾走してたら怖いわ、色んなツッコミたい気持ちが湧いてくるが……このカード、英名が「Fortune, Loyal Steed」。Steedってのは特に乗馬用の馬を指していて……まあ、バイクとかを“愛馬”と表現することもあるか。このフォーチュンもそもそもタイプの時点でビーストのみと、種としての馬ではないことは明白。でも、その背に主を乗せる姿は“忠実な馬”と評するに値するのではないかな。そんなわけで実戦デビュー前からインパクトを残すことには成功したカードである。
このフォーチュンは名前とイラストだけでなく、その能力にも大いに注目するべきだ。3マナ2/4、安心感のあるタフネスの持ち主。そして『サンダー・ジャンクションの無法者』で登場する新要素、乗騎でもある。騎乗コストは最低値の1。パワー1のクリーチャーをタップしてこれに乗せて、その上で攻撃すると……戦闘終了時にフォーチュン自身と乗ったクリーチャー1体とを追放できる。それらはすぐに戦場に戻る……ブリンクと呼ばれる処理がなされる。これに何の意味があるのか?と思うかもしれない。まず追放されて戻ってくるカードは指定がない限りアンタップ状態で出てくるため、攻撃と騎乗しつつも次のターンにブロックに回すことができる。そして上記したクリーチャーをブリンクするメリットは……
クリーチャーが戦場に出た時に誘発する能力、これの使いまわしだ。《ひよっこ捜査員》のような戦闘に向いているわけではないが、戦場に出ることでプラスに働く能力を持ったクリーチャー。その能力をフォーチュンに乗せてブリンクすることで、再度誘発させるのである。捜査員から手掛かりを複数個生成できればそれだけ手札が増えるので、大きなアドバンテージに繋がる。あるいはクリーチャー自身ではなくともそれが戦場に出たことで誘発するような能力もブリンクと相性が良い。《戦導者の号令》のようなカードの能力をガンガン誘発させることもまた勝利への近道だ。
今回はこのフォーチュンを使ったスタンダードのデッキ構築にチャレンジ。カラーは白黒、オルゾフだ。クリーチャーが戦場に出ることでライフを得られる能力を持った《月皇の古参兵》《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》との組み合わせを狙ってみよう。これらでの回復を何度か誘発させてライフを回復し、アグロデッキに対して強靭に立ち回れるデッキをイメージ。環境最初期はどんなカードも試してみないとわからないため、どっしり腰を下ろしてBO3(2本先取)というよりは、BO1でなんでもあれこれ回しては試してを繰り返すことになりがちだ。BO1では勝ち逃げという性質から赤を始めとしたアグロデッキが多いため、それらをライフ回復&フォーチュンの高タフネスで抑え込もうという魂胆だ。
オルゾフカラーのデッキに組み込みたくなる1枚……《無情な法執行者》もかなり気になるね。クリーチャーを生け贄に捧げるという代償を払って、土地でないパーマネントはなんでも破壊できるという強烈なコントロール力をは発揮する。これも1回使った後にフォーチュンに騎乗させれば、ワンモアタイム。上記の2枚でライフ回復することを考えれば、クリーチャー・トークンを生成する手段を色々と盛り込んで、回復と破壊で盤面を支配する……この方向性で行ってみよう。
4《コイロスの洞窟》 2《秘密の中庭》 3《砕かれた聖域》 2《薄暗い裏通り》 3《眠らずの城塞》 1《皇国の地、永岩城》 1《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 6《平地》 2《沼》 -土地(24)- 4《ひよっこ捜査員》 4《月皇の古参兵》 3《残忍な巡礼者、コー追われのエラス》 2《大洞窟のコウモリ》 2《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》 3《忠実な馬、フォーチュン》 4《ガムドロップの毒殺者》 4《無情な法執行者》 2《世慣れた見張り、デルニー》 1《乗っ取り屋》 -クリーチャー(29)- |
3《失せろ》 1《手つかずの饗宴の事件》 3《幽霊の裁き、ケイヤ》 -呪文(7)- |
|
クリーチャーが戦場に出た時に誘発する能力を使いまわし、ライフも回復できる……というコンセプトで組んでみた「オルゾフ・フォーチュン・ライフ」。このデッキのやりたいことにがっちりと噛み合うであろうカードが《ガムドロップの毒殺者》!そのターン中に得たライフ分のマイナス修正を与えるこの毒殺者の能力を、フォーチュンで使いまわす!この2枚の組み合わせで対戦相手のクリーチャーを根絶やしにしつつライフは危険域に落ちないように一定値を保ち続ける……対アグロを強く意識した構成にしてみた。この毒殺者と《無情な法執行者》でフォーチュンを乗り回し、徹底的に捌き切る!またライフ回復をたっぷり狙えるので《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》も採用。彼女を20/20まで育てる……というのは難しいだろうが、回復しつつビッグサイズなクリーチャーを作り上げ、発見でドローを調整して有利な盤面のまま押し切る!
アマリアが20/20になり他のクリーチャーをすべて破壊する必殺技を披露するとすれば、《世慣れた見張り、デルニー》のサポートが必要になるだろう。デルニーはパワー2以下のクリーチャーの誘発型能力を倍にしてくれるので、古参兵とエラスらと並べばバキバキに回復できる。さらにはフォーチュンの能力も2回誘発するので、色々なクリーチャーをブリンクして……ここまで決まれば対戦相手も投了せざるを得ないだろう。
馬には見えないかもしれないけども、《忠実な馬、フォーチュン》は名馬に慣れる可能性を秘めている。上手く乗りこなして、その忠実な働きっぷりを体感しよう!皆が愛馬と呼べるような新カードと出会えることを祈っているよ。
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