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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!コントロールの色、白青+黒(スタンダード)

岩SHOW

春がキ……テないな、まだかねぇ……

 3月……学生諸君は春休みかな?宿題をキチンとやって、学年によっちゃバイトとか、卒業旅行とか、それぞれの青春を謳歌する時期……まだちょっと寒いね。これを書いているのは2月末だが、来週の予想気温も低め。風邪ひかないように気をつけないとな……花粉も厳しい時期もやってくるし……だからこそマジック!だからこそスタンダード!強引かな?否、強引くらいがちょうどいい。この春、4月から皆をとりまく環境は新しいものになるかもしれない。それに対する準備で忙しい人もいるはずだ。でもスタンダード環境が変化するのはもう少し先だ。今はスタンダード環境初期が終わって、定番と呼べるデッキも出そろったかなというところ。ただまだまだデッキ開発の余地はあり、色んなことができそうだ。これぐらいのゆるい時期こそ、まったりスタンダードをやろうじゃないか。

 さあ春は室内でスタンダード、テーブルトップでもオンラインでも、デッキを作って遊びつくそうぜ!というわけで今週もスタンダード大プッシュな当コーナー、とことんデッキ紹介いっちゃうぜ!

おさらい!投錨地コントロール!

 まずはアゾリウス(白青)系のコントロールのおさらいから。プレイヤーズコンベンションで活躍したリストは以前にもこのコラムで紹介させてもらった(2015回リンク)。このリストはそれ以降、オンラインやテーブルトップで使用率が上昇。リスト毎に細かい違いはあれど共通しているのは、ある土地をキーカードとしていること。そして横浜の時点から、このデッキもあるスパイスを加えられて進化を遂げている!

Jesse Robkin - 「アゾリウス・コントロール」
BLACK - FRI - 11AM - Chicago 75K Standard Open 12位(11-3) / スタンダード (2024年2月24日)[MO] [ARENA]
4《不穏な投錨地
2《金属海の沿岸
4《さびれた浜
1《アダーカー荒原
3《沈んだ城塞
4《廃墟の地
1《ミレックス
1《皇国の地、永岩城
1《天上都市、大田原
3《平地
3《
-土地(27)-

1《有角の湖鯨
-クリーチャー(1)-
4《喝破
1《攪乱プロトコル
3《失せろ
3《冥途灯りの行進
3《一時的封鎖
2《集団失踪
2《太陽降下
1《告別
3《推理
4《記憶の氾濫
3《放浪皇
3《完成化した精神、ジェイス
-呪文(32)-
3《否認
1《エルズペスの強打
2《痛烈な一撃
1《邪悪を打ち砕く
2《ティシャーナの潮縛り
2《敬虔な新米、デニック
2《金属の徒党の種子鮫
1《謎めいた外套
1《クチルの側衛
-サイドボード(15)-
Melee より引用)

 

 現在のスタンダードにおける「アゾリウス・コントロール」は《不穏な投錨地》によるビートダウンを行うデッキ……「投錨地コントロール」などと言い換えても決して誇張表現ではない。コントロールしきってからフィニッシャーを出して勝つ、というようなどっしり系コントロールとは少々異なり、投錨地の攻撃を安全に行い、ダメージを対戦相手に確実に通せる状況を作るためにコントロールしていく、と考えるのが良いだろう。打ち消しや除去で安全確保をしたら、投錨地を起動してガンガンと攻撃。地図を生産してこれも起動し、投錨地をサイズアップさせるのに成功すれば勝利が近づいてくる。

 《放浪皇》もただの除去に留まらず、打点を生み出す重要なフィニッシャー。隙あらばこれらで攻撃し、要所ではしっかりと構える。メリハリがあるゲームプランをしっかりと実行できた時、「ああマジックやってるなぁ」と充実感を味わえる……良いコントロールだ。

 このデッキにもたらされた新たなスパイスは《沈んだ城塞》!このチョイスには目からうろこだ。土地の能力起動に支払えるマナを2つ加えられるので、これで投錨地をスムーズに起動しよう!というのが狙いである。これにより投錨地をクリーチャー化して攻撃しつつも打ち消しなどのインスタントを構える、という動きが従来の土地構成よりも1ターン早く可能になった。たかが1マナの違いだが、されど1マナ。そうして生まれた余裕が地図の起動を促し、投錨地を育てて土地を手に入れ、淀みなく投錨地ビートで勝利へと走り抜けられる……ついでに《廃墟の地》や《ミレックス》などもお得に起動できる。戦場にはタップ状態で出るため、4枚採用するのはためらわれるかもしれないが、この便利な城塞、一度使ってその感触を味わっていただきたいね。

今日はとことんコントロール!

 今日はとことんコントロールを紹介しようじゃないか。白青と同じカラーをベースに黒を足した、通称エスパーカラー。これもまた古き時代よりコントロールの定番カラーだ。投錨地コンと比べてどれだけ違うかというと……

eresopacaso - 「エスパー・コントロール」
Magic Online Standard Preliminary トップ8 / スタンダード (2024年2月27日)[MO] [ARENA]
4《ラフィーンの塔
2《アダーカー荒原
1《地底の大河
4《さびれた浜
1《難破船の湿地
3《砕かれた聖域
1《金属海の沿岸
3《闇滑りの岸
1《不穏な投錨地
1《眠らずの城塞
1《ミレックス
1《皇国の地、永岩城
1《天上都市、大田原
1《平地
1《
1《
-土地(27)-

2《門衛のスラル
-クリーチャー(2)-
4《推理
4《記憶の氾濫
2《切り崩し
3《喉首狙い
2《虚空裂き
3《一時的封鎖
3《太陽降下
1《告別
4《喝破
4《放浪皇
1《無形の処刑者、ケイヤ
-呪文(31)-
1《加護をもたらす戦乙女
3《金属の徒党の種子鮫
1《危難の道
1《虚空裂き
4《黄昏の享楽
2《軽蔑的な一撃
1《否認
1《極悪非道の盗人
1《犯行現場の再現
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 除去して打ち消してドローする、その理念はアゾリウスと全く変わらない。しかし投錨地やクリーチャー化する土地は少な目。3色であるというのも影響してはいるが、どちらかというと時間をかけずに勝ちたい投錨地型と異なり、どれだけ長くやっても構わんぞと言わんばかりの超ロングゲーム仕様だ。エスパーカラーでコントロールを組むなら……やっぱり《虚空裂き》!これは外せないな。現行スタンダードの護法を持った危険なクリーチャー達……《墓地の侵入者》や《ティラナックス・レックス》といった手こずる連中を、護法を無視してぶっ壊せる。その上で土地以外のパーマネントは何でも破壊できるってのは安心できるよなぁ。

 黒を足したことで、より豪快なフィニッシャーを得られるのもエスパーの魅力。メインに1枚挿しの《無形の処刑者、ケイヤ》。《推理》などのドロー呪文で最終的にこのカードを掘り起こし、その圧倒的な戦力で対戦相手を鎮圧する。2枚ドローもライフ3点ドレインも相手にとっては心が折れるもの。その上で追放除去+トークン生成というコントロール要素も備えている。このケイヤこそパーフェクトなフィニッシャー!

 そしてサイド後は相手のデッキによっては《極悪非道の盗人》を投入!マナを払えば払う程相手のカードを奪って自分が唱えられるようになるので、相手がコントロール同型や中速系のデッキの場合、これで一気にカードをいただいて、アドバンテージ差を突き放して勝利する。当たり前の話だが、相手のデッキに強いカードが入っていればいるほどこの盗人の威力は増す。逆に1マナクリーチャーをびっしり敷き詰めたアグロや、単体で見てカードパワーが高くないもの同士を組み合わせるコンボチックなデッキ相手にはこれでカードを奪っても美味しい思いをできない可能性が高い。なのでサイドから投入するプランをとっているわけだが、このカードがハマった時にはそれだけでゲームが終わるレベルなので、一度と言わずにこの極悪っぷりを堪能して見て欲しいね。

 今週はコントロールをガッツリと……与えられた時間でとことんマジックを楽しむなら、この手のデッキがうってつけかもしれないね。もちろん個人の好みもあるだろう、各々の性格やプレイスタイルにフィットするデッキを探すには、食わず嫌いせずにコントロールでもアグロでも何でも使ってみよう。このデッキ探し自体もまたマジックの醍醐味だったりする。次のセットが出るまでに皆が「これだ」というデッキが見つかることを祈って……じゃあ今日もスタンダード、みっちりやるとするかね!

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