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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
Goryo’s Blink:カッコいいデッキを目指せ(モダン)
マジックで勝ちたい!そんな気持ちが強いなら……カッコいいデッキを組んで、カッコよくプレイできることを目指す。そんなアプローチもあるのではないかな。今回はカッコよく、そして結果を残したリストをご紹介。フォーマットはモダンより、先日の「チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド2」でトップ8に入賞した市川ユウキ選手のデッキをご覧あれ!
4 《溢れかえる岸辺》 4 《汚染された三角州》 3 《湿地の干潟》 1 《薄暗い裏通り》 1 《神聖なる泉》 1 《湿った墓》 1 《神無き祭殿》 1 《地底街の下水道》 1 《迷路庭園》 1 《島》 1 《平地》 1 《沼》 -土地(20)- 4 《ファラジの考古学者》 4 《偉大なる統一者、アトラクサ》 4 《悲嘆》 2 《グリセルブランド》 -クリーチャー(14)- |
2 《精霊界との接触》 4 《虹色の終焉》 4 《御霊の復讐》 4 《染みついた耽溺》 4 《信仰の繕い》 4 《致命的な一押し》 4 《儚い存在》 -呪文(26)- |
3 《時を解す者、テフェリー》 3 《天界の粛清》 2 《緻密》 2 《狼狽の嵐》 2 《否定の力》 2 《滅ぼし》 1 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
《御霊の復讐》は伝説のクリーチャーをリアニメイトし、速攻を与える。対象は限られるが、釣ったクリーチャーで即座に攻撃できるのはリアニメイト呪文としては優秀。しかもそれがたったの2マナで、インスタントなのである。対戦相手のターンに釣り上げるという芸当も出来てこの破格のプライス……にはもちろん理由がある。その伝説のクリーチャーはターン終了時に追放される。制限時間付きなので、ただ単に殴るクリーチャーを釣ってもそれほど旨味はない。追放されるという念の入れようで、同じクリーチャーを2枚目の復讐で使いまわすということも不可能だ。
なので、盤面や手札になんらかの形でカードの枚数差を生みだす、平たく言えばアドバンテージをもたらすクリーチャーを釣ってこそこのカードの本領は発揮される……つまり、《偉大なる統一者、アトラクサ》!あるいは《グリセルブランド》!これらで手札を大量に補充するのが最もスマートな運用ということ。これらはパワーが高いので一撃かませば相手のライフもゴリッと減るし、絆魂で回復もできる。アトラクサは10枚見てカードタイプ1種につき1枚手札に加え、グリセルはライフ7点で7枚ドロー。どちらも追放されたとしても、次につながる何かを残していくカッコいいヤツらである。
そんなアトラクサ&グリセル、《御霊の復讐》で釣り上げたあとも盤面に残していっしょにいたい!まるで駄々っ子のような願望を、このデッキは本気で叶えようとする。そういった大人げなくも見えるアプローチ、これがモダンで勝つうえで重要な心構えだ。
ターン終了時に追放される、その前に……《儚い存在》。これで追放して戦場に戻すとあら不思議。領域を移動してきたクリーチャーは、御霊で釣ったものとは別物扱いとなる。なのでターン終了時に追放されることはなく、あなたのそばに居座り続けてくれるのだ。アトラクサの誘発をおかわりできるし、グリセルならば攻撃して追放して戻すとアンタップ状態で警戒のように運用できる。これはヤバい。《精霊界との接触》の魂力能力でも同じことが行えて、これはエンチャントであるためアトラクサの能力で手に入るカードの枚数を水増ししてくれるという噛み合いっぷりだ。構築がスマートすぎるッ。
《儚い存在》などのようにパーマネントを一度追放し、それを戦場に戻す動きはブリンクと形容される。これをメイン戦術にするデッキは「○○ブリンク」と表記され、このデッキの名前もそれに倣って「Goryo’s Blink」で「御霊ブリンク」。カッコいいぜ。
御霊で釣った大物以外にもブリンクして嬉しいカードが採用されているのがこのリストの抜け目ないところ。《悲嘆》を想起で唱え、これをブリンクすればほとんどマナを払わずに相手の手札を2枚捨てさせ、さらに3/2威迫が残る。《儚い存在》は次のアップキープにも反復で唱えられるため、最大で3枚も手札を捨てさせれば……もうグッズグズのズッタズタだ。《ファラジの考古学者》もシブいチョイスだ。切削してその落ちたカードの中の非クリーチャー呪文が手に入るため、クリーチャーを埋めながら御霊を手に入れるという、1枚でコンボを成立させる可能性を秘めている。まあそこまで完璧でなくても、除去などが手に入ればそれだけで御の字。これをブリンクしてゴリゴリと切削を進め、手札を満たしていく……この真面目さ、手堅さがマジでカッコいいッ。
このリストに採用されている新カードは……土地。『カルロフ邸殺人事件』で大挙して襲来した諜報能力付きの土地だ。2つの基本土地タイプを持つ2色土地で、戦場に出た際に諜報を行ってライブラリーからカードを墓地に送ることができる。これがまた良い仕事をするんだ、本当に。タップ状態で戦場に出るのが足を引っ張るかと思われるが、モダンであれば数枚を忍ばせておいてそれを《汚染された三角州》などで引っ張ってきて、対戦相手のターン終了時にこれでクリーチャーを埋めるのを狙うのが隙の無い運用。もちろん自身のターンで出してしまって、御霊チャンスを掴みにかかっても良い。
このリストでは白青黒の3色がメインで、それぞれにその2色の組み合わせの諜報土地が1枚ずつ採用され……そして1枚《迷路庭園》が忍ばせてあるのがニクイね。緑を加えるこの土地が1枚あることで、アトラクサが手札にある時になんとか唱えられるように設計されている。アドバンテージ勝負どんとこいなロングゲームも戦えるデッキなので、アトラクサ素出しプランが用意されているかいないかは勝率を大きく変える重要なファクターだったりするのだ。
カッコいいと感じるということは、強いということの証明かもしれない。皆もカッコいいデッキを目指して、研鑽を重ねてリストを昇華させてみよう!カッコいいものは強いのだ。
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