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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
グルール・レジェンズ:吟遊詩人になりてぇな(タイムレス)
皆はRPGはプレイするのかな?僕はあまりやったことがなく……アクションRPGならちょっと触ったことはあるかな程度。RPG、即ちロール・プレイング・ゲーム。キャラクターやその役職を演じるロールプレイ。キャラクタークリエイト機能があるゲームなんかだと、造形にこだわって気が付けば数時間経っていた……なんて人もいるんだよね。
そこで職業を設定するゲームもあるけども……ファンタジーものだと、なんなのか今一つよくわからない職業、あったりしない?戦士とか魔法使いとかなら広く浸透しているけども、同時になんなのかよくわからない役職もあるよね。その最たるものが……吟遊詩人。詩人ってのは、まあわかる。詩を書き、読み、歌う人ってことだよね。吟遊?うーん、わからんものを考えても答えは出てこないので、調べてみよう。
<中世のヨーロッパで恋愛歌や民衆的な歌を歌いながら諸国を遍歴した詩人音楽家>
なるほど、中世にそういう人たちがいたのか。職業として具体的にはどのようなことをしていたのかな……と思いながら色々調べると、諸説あるようだ。中でも面白いと思った説が、騎士のための詩を作っていた人たちがいたという話。今でこそ騎士道精神という言葉もあるように、高貴な存在であると認識されている騎士。しかしその精神が根付くまでは、騎士という名のあらくれ者が大多数だったのだとか。そんな連中に対して、騎士とはどうあるべきかという詩を歌って聞かせる……偉い人からの命を受けてそのような活動をしていた人々がいたんだとか。面白いよね。そんな吟遊詩人がゲームの世界だと味方を鼓舞してパワーアップさせる能力などを持っているのも、納得できるかも。
マジックにはそんな吟遊詩人になれるカードがあるぞ。《バード・クラス》!ダンジョンズ&ドラゴンズとコラボした際に登場したエンチャントだ。言うまでもなくバードとは吟遊詩人のこと。クリーチャーでこのタイプを持つものもいくつか存在しているぞ。このエンチャントをコントロールしているとプレイヤーはバードになり、その歌によって伝説のクリーチャーが恩恵を受けるというデザイン。伝説のクリーチャーが戦場に出る際には+1/+1カウンターを1個得る。
そしてマナを支払ってクラスのレベルを上げると、さらに強くなる。レベル2では伝説の呪文を唱える際に、赤と緑を1マナずつ軽減してくれる。たとえば《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》などはマナを支払わずに唱えられるようになる。スゲェ!でも不特定マナの支払いが軽減されるわけではないので、《太陽の執事長、インティ》を唱える際には赤マナは軽減されて何か1マナ支払うという形になる。またレベル3になると伝説の呪文を唱えるたびに、ライブラリーの上2枚を追放してそれを唱えられるようになる。ターン終了時まで限定の、所謂衝動的ドローというやつだ。2つも唱えられるのは大きく、レベル2のコスト軽減も相まって怒涛の展開を見込める。
伝説の人物や怪物についての伝承を歌い、彼らが戦場に赴く際には盛大に繰り出して鼓舞する。そのフレイバーと、伝説のカードで固めたデッキでこそ真価を発揮するというデザイン。個人的にめっちゃ好みで、リリース以降定期的にこれを使ったデッキを構築して遊んでいる。今この《バード・クラス》をプレイするなら、MTGアリーナのオリジナルフォーマット、タイムレスが熱い!
4《樹木茂る山麓》 4《踏み鳴らされる地》 4《銅線の地溝》 4《カープルーザンの森》 1《英雄の公有地》 1《反逆のるつぼ、霜剣山》 1《耐え抜くもの、母聖樹》 1《山》 1《森》 -土地(21)- 4《喜ぶハーフリング》 2《敏捷なこそ泥、ラガバン》 3《ギシャスの初子、イツキンス》 2《忠実な護衛、ハジャール》 2《終わりなき踊りのガリア》 2《勇敢な追跡者、ルビー》 2《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》 1《流星の信奉者、ゴロゴロ》 4《語りの神、ビルギ》 2《運命の神、クローティス》 1《迷宮壊し、ミグロズ》 -クリーチャー(25)- |
4《モックス・アンバー》 4《バード・クラス》 4《ボーラスの壊乱者、ドムリ》 2《時を超えた英雄、ミンスクとブー》 -呪文(14)- |
1《湧き出る源、ジェガンサ》 2《運命の神、クローティス》 4《墓掘りの檻》 3《真髄の針》 2《稲妻》 3《血染めの月》 -サイドボード(15)- |
拙作ながらごらんいただいているのは……タイムレスのMyデッキ、《バード・クラス》をメインエンジンとする「グルール・レジェンズ」!クラスレベル3からの怒涛のラッシュで一気に勝つ、コンボ的な要素を備えたビートダウンデッキだ。赤と緑多色を中心に、伝説がひしめく豪華仕様だ。
レベル3からデッキの全カードを唱え尽くす勢いで動くために、欠かせないカードは《語りの神、ビルギ》!彼女は呪文を唱えるたびに赤マナ1つを加えてくれるので、衝動的ドロー2枚に3マナ以上の呪文が含まれていても、そこから次の2枚へと繋いでくれる。《モックス・アンバー》が絡めばマナがパカパカと増えていき、クリーチャーらの能力を起動する展開も見えてくる。どんな追い詰められた状況からでも、クラスをレベル3に上げてアンバーを唱えるところから逆転の糸口が見えてくる。《ボーラスの壊乱者、ドムリ》も潤滑油としては最高峰のもので、彼もマナを加える能力で展開を後押し、クリーチャーのパワー強化と格闘による除去と、デッキに必要な要素をきっちり満たしてくれる。これらのパーツは4枚積みになっているところからもその重要性が伝わるはず。誌面の都合ですべての伝説呪文について紹介できないが……タイムレスならではの1枚は《時を超えた英雄、ミンスクとブー》!このフォーマットでならフルパワーの状態の彼らを体感できる。クラスレベル2なら2マナと軽く唱えられて、クリーチャーに+αという働きを見せてくれる。速攻を持つクリーチャーを強化できるので、ミンスクが引き連れてくる「ブー」だけでなく《終わりなき踊りのガリア》《勇敢な追跡者、ルビー》らもサイズアップ!また[-3]能力も除去でありドローでもあり、クリーチャー主体のデッキにできない穴を埋めてくれている。この能力で飛ばすダメージは対戦相手本体にも叩き込めることも重要で、フィニッシュはこれで行うケースが多い。レベル3から伝説を並べまくり《流星の信奉者、ゴロゴロ》で速攻を付けて攻撃というのがシンプルな勝ち筋ではあるが、何らかの理由でそれができないこともある。
その時は《悪魔牙のノール、ターグ・ナール》にありったけのマナを注いでパワーを倍々に伸ばしていき、ミンスクで対戦相手にむかってブン投げる!ビルギがいればマナももりもり増えて、48点くらいまでは無理なく与えられるので、どんな限界の状況に陥っても最後まであきらめずにプレイしてみて欲しい。赤マナはビルギでじゃらじゃらと余るが、緑マナは貴重。マナの支払いには細心の注意を払い、赤マナを優先して消費しながらこのターグナール発射ルートを完遂させよう。
配信でこのデッキをプレイしていると、ブン回って大逆転!という場面になった時に「《バード・クラス》強すぎじゃない?」みたいに言われることも。個人の感覚だが……このデッキ、そんなに勝てるもんじゃないところも愛嬌があって好きなんだよな(笑)。《バード・クラス》引かなくても勝てるようになっているっちゃいるんだが、引いた時と引かない時のデッキのパフォーマンスの差は歴然で……故におみくじ的なね。今日は「バークラ引ける日だ」と思ったら連戦、「引けねぇ~」と感じたら即撤退デッキ変更。こういうデッキもあって良いのよ、かわいいのよ。
皆もそれぞれに愛着を持っているカードやデッキ、あるでしょう。機会があったら教えてね!吟遊詩人というよくわからなかった存在が、マジックを通して大好きなものになった。もし今RPGをやるなら、バードを選びたいと考えているよ。
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