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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
新年特別企画!今年は辰年、ドラゴンイヤーは「永久」に!?(タイムレス)
新年あけましておめでとうございます!今年もマジック:ザ・ギャザリングが盛り上がり、皆さまにとって素敵な1年となりますように!これが心からの願いだよ。今年は悪役が主役のセット、人間がいない動物たちの次元を舞台にしたセット……マジックにまた新しい要素が加わりそうで、今からワクワクだ。毎年のように「今年は凄かったなぁ」「この1年でマジックも変化したなぁ」と感じ続けているので、2024年もその進化を当コラムでも追っていく所存だ。
さて、毎年恒例のお正月特別企画!干支をモチーフとしたカードを使ったデッキ構築!過去回は以下のとおり。お正月休みでやることがなくて暇だ、初詣の移動中で時間ある、そういう時間つぶしに読んでくれると報われるのでヨロシクゥ!
毎年干支にまつわるデッキを考えるのはなかなか大変だった…が、今年は話は別だ。辰年、龍、即ちドラゴン!数が少ないウサギや、そもそもクリーチャー・タイプではないトラに比べたら頭を捻る要素もない!何せ最古のセットから今日まで存在し続ける、最も人気な種族の一つだからな!……うん、てことは。
逆にハードル高くないか?
ドラゴンデッキなんてのは誰もが憧れ、思いつき、一度はトライする道(デッキ)だ。なので新年特別企画と銘打ってドラゴンデッキを紹介するというのはインパクトに欠けるものではある……これはこれで困ったな。そんなことを考えていた12月。MTGアリーナを起動するとゲーム内でお知らせが届いていた。
お~新フォーマット、もう始まるのか。師走に青天の霹靂だ、まさかMTGアリーナにもう一つ構築フォーマットが増えるなんてね。アリーナにはヒストリックというフォーマットがある。モダンやレガシーとも異なる使用可能なカードプールで、独自のデッキが存在しており味わい深い環境だ。
一時期はアリーナにスタンダードとヒストリックしか構築フォーマットがなかったこともあって、僕もかなり入れ込んでいたものだ。そんな広大なカードプールを誇るヒストリックでも《稲妻》や《対抗呪文》は禁止されている。レガシーでも禁止の《チャネル》や《悪魔の教示者》はいうに及ばずだ。そんなデンジャラスなカード達を、期間限定でプレイ出来た禁止解除ヒストリックというイベントはかなり盛り上がっていた。スタンダードの新セットが出ない期間の、気分転換的なものかと捉えていたのだが……まさか、そこから得たデータをもとに新フォーマット「タイムレス」が誕生するとはね。
タイムレスには禁止カードが存在しない。上述の連中に加えて《王冠泥棒、オーコ》《ネクロポーテンス》などの時代を染め上げた激ヤバカードも、とにかくなんでも使用可能となっている。これはかなり強烈な魅力だよね。他じゃプレイ出来ないカードが使える、その響きにそそられてデッキを構築したくなるというものだ。
そしてこのタイムレスでは禁止がない代わりに、制限が導入されている。これは面白い!制限カードに指定されると、デッキに採用可能な枚数は本来の最大4枚から大きく下がって1枚までとなる。これはヴィンテージで用いられている方式で、だからこそヴィンテージでは《ブラック・ロータス》などのぶっ壊れカードを満喫することが可能となっている。やっぱりカードゲームなのだから強いカードは使いたい!でもゲームバランスは保たれていてほしい。制限カードという方式は、そういう二つの思いを受け止めてくれる、バランスの良い方式かなと個人的にはとらえている。そしてアリーナにそれがやってきた。なるほど、タイムレス…やりがいのあるフォーマットになりそうな予感だ。
このタイムレス導入を記念して、《永久のドラゴン》が全ユーザーにプレゼントされた。5マナ5/5飛行と平均的なスペックながら、平地サイクリングで同タイプを持つ土地を手札に加えられる。捨てた後は自身の永遠能力でトークンとして復活。なかなか痒い所に手が届く、いぶし銀なカードでレガシーのコントロールデッキなどで姿を見かけたものだ。しかしこのプレゼントはシャレが効いてるね!英名は「Timeless Dragon」だもんな。永遠不滅の竜……良いじゃないか、縁起が良い!《永久のドラゴン》になぞらえて、今回は新フォーマットを初めて取り上げる意味も込めて、タイムレスでドラゴンデッキを作ってみるぞ!
構築を始める前に、改めてタイムレスの特徴を振り返ろう。MTGアリーナに実装されているすべてのカードが使えるという大盤振る舞い!環境を支配するようなカードは制限となる。そして、これはアリーナならではの特徴になるが、再調整されたカードが元の状態に戻っているというのも見逃せないところだ。アルケミーやヒストリックの健全さを保つために《オークの弓使い》や《軍団のまとめ役、ウィノータ》といったカードは元よりもマイルドなものに再調整されている。これらがその枷を取っ払って、本気モードで再び輝ける環境となっている!この再調整がなくなるルールにより、黒いデッキが弓使いで様々なデッキのドローに対して睨みを利かせている。
再調整カードといっても、デジタルのみに存在するカードはその調整を受けたものがタイムレスでは使用可能という形式だ。というところで、この再調整に関する1枚で思い出したのが《恐るべき仔竜》だ。アルケミー創設時には暴れまくったドラゴンデッキの心臓である。全体的にコストが重いドラゴン、そのコストを{1}下げてくれるという軽減を、手札のドラゴン達が永久に得る!最初の仕様ではこの軽減がターンの終了時に誘発していたので、2ターン目に仔竜を出して続く3ターン目に4マナのドラゴンを唱えるという動きがメチャ強だった。その後再調整を受けてこの軽減が誘発するのはアップキープの開始時となる。代わりに速攻を得た。ターンを返したところで除去されて、コスト軽減のチャンスを逃す可能性は高くなったが、速攻で攻撃して最低限の役目も果たしやすくなる、という形でバランスがとられた。
そんな仔竜、その現在の姿を確認してみると……紆余曲折を経て、「誘発はターン終了時に」&「速攻持ち」という、良いとこどりな仕様に再調整されている。マジか!在りし日の強さを知っているだけに、ドラゴンデッキを組むならこれは外せない。一気にテンション上がってきたァ!
再調整されたデジタルのドラゴンと言えば《街裂きの暴君》も忘れてはいけない。土地がそのコントローラーにダメージを与えるか生け贄に捧げるかを強要するようになる、強烈なダメージ兼妨害能力!この土地の能力が誘発するタイミング、投書はアップキープの開始時で即座にその効果を発揮していたが、再調整でターン終了時になって土地のコントローラーに少々の猶予が与えられた。この再調整も解除され、現在は基本土地は対象に取れないが能力の誘発はアップキープという、2代目(再調整1回目)の性能で固定されている。対象となった土地はマナ能力以外の能力を失うという、これもなかなかに重要なポイント。
ゾンビがうじゃうじゃと湧いてくる《死者の原野》。土地であり、誘発条件は土地が戦場に出た時という……かなり妨害されにくい形で2/2を大量に生成するため、コントロールデッキを圧倒し、アグロデッキの攻撃を遮断する攻防一体の超強力カードだ。これを《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《原始のタイタン》で速やかに誘発させていくデッキはタイムレスならではのものとして、高い人気を誇っている。原野に対してブレーキをかけ、空から殴り勝つ。暴君を軸としたドラゴンデッキを選ぶ意義は十分にあるなと、構築しながら感じたね。
1 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《樹木茂る山麓》 1 《ザンダーの居室》 1 《湿った墓》 4 《血の墓所》 2 《蒸気孔》 1 《黒割れの崖》 4 《魂の洞窟》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《島》 1 《沼》 2 《山》 1 《目玉の暴君の住処》 -土地(23)- 4 《恐るべき仔竜》 4 《デアリガズの仔》 4 《街裂きの暴君》 3 《破滅の龍、ニコル・ボーラス》 1 《燃え立つ空、軋賜》 2 《骨集めのドラコサウルス》 2 《黄金架のドラゴン》 2 《栄光をもたらすもの》 -クリーチャー(22)- |
4 《コジレックの審問》 2 《致命的な一押し》 1 《稲妻》 1 《コラガンの命令》 1 《悪魔の教示者》 4 《タルキールへの侵攻》 2 《オーブ・オヴ・ドラゴンカインド》 -呪文(15)- |
1 《パルン、ニヴ=ミゼット》 2 《致命的な一押し》 2 《溶鉄の崩壊》 1 《石術の連射》 1 《害悪な掌握》 1 《ドラゴンの火》 3 《思考囲い》 1 《トーモッドの墓所》 1 《大祖始の遺産》 1 《未認可霊柩車》 -サイドボード(15)- |
アルケミー産のドラゴンを中心に、噛み合いそうなカードを手持ちの中からピックアップして組んだのがこのリストだ。黒赤2色に青をほんのり足す……というか《破滅の龍、ニコル・ボーラス》を迎え入れた形だ。やっぱりボーラスでしょう、ドラゴンの親玉といったらね!仔竜から3ターン目に出す流れも強く、せっかく最近アリーナに《魂の洞窟》がやってきたのだから、3色目くらいは足せるだろうと欲張ってみた。打ち消されないボーラスは確実に対戦相手の手札を1枚奪い去り、タフネス4が《稲妻》をものともせずに頼りになりまくり!彼を唱えるためのマナ加速として《オーブ・オヴ・ドラゴンカインド》も投入。これはドラゴンの能力起動にも使えるマナを加えてくれるので、あわよくば《覚醒の龍、ニコル・ボーラス》に変身させて正月早々めでたい気分に浸りたいなと……夢を見ることに。
基本的には黒赤2色の中速デッキだ。除去と手札破壊で対戦相手の行動を阻害し、コスト比に優れたクリーチャーで制圧していく……どのフォーマットでもこのカラーリングのデッキの基本はこのような戦い方になるだろう。ドラゴンで固めているとはいえ、その伝統的なスタイルは踏襲している。手札破壊は《コジレックの審問》を優先。このフォーマットの主役たちは3マナ以下に多く分布しているので、《思考囲い》でなくとも対戦相手の主力を捨てさせられるとの判断だ。
除去の枠にはせっかくなので《稲妻》を採用したいが、1枚しか持っていなかったのでとりあえずは他のカードと組み合わせた形に。《タルキールへの侵攻》と共に効率の良いダメージを叩き込み、クリーチャーだけでなくライフも詰めていきたいところ。ワイルドカード(何にでも交換できるカード)が手に入ったら《稲妻》優先で消費していくか……カードが揃うまでは《致命的な一押し》に働いてもらわねば。これもタフネス4以上のクリーチャーを除去できる可能性があるので、決して《稲妻》に劣るものではない。
黒を第2カラーに据えている理由はこれらのコントロール要素に加えて《デアリガズの仔》がいるからだ。あどけなさの残るこの仔ドラゴンは数少ない2マナのドラゴン。そして能力も中々に優秀。単体でも2マナでパワー2の飛行、キッカーを払えば手札に確実にドラゴンが増えてアドバンテージ獲得。引いてきたり手札に加えたドラゴンがサイズアップするのも嬉しい。この《デアリガズの仔》に対して《恐るべき仔竜》のコスト軽減が2回以上付与された場合、キッカーコストに含まれている{1}も軽減されて黒赤2マナで唱えられることを忘れずに。この動きが超強い!子どものドラゴン達から《骨集めのドラコサウルス》等のパワーカードに繋げて、空を支配しよう。2マナのドラゴンらはタフネス1で《オークの弓使い》は痛いところだが、オークのリスクを考慮しても使う価値のあるカードだなと、実際にプレイして強く感じたよ。
所持カードの問題で採用していないが、赤が濃いデッキなら《血染めの月》も使ってみたいところ。赤いデッキの強みの一つであり、単色デッキがとても少ない環境においてこれでマナ基盤を縛ってやることは大変に強力。月であらゆる基本でない土地を山にしてやるのであれば《オーブ・オヴ・ドラゴンカインド》をもうちょい増やして、月を出しつつ一方的に多色のドラゴンを唱えるというゲーム展開に持ち込んでやると楽しそうだ。
新年一発目!元旦らしく干支の龍、ドラゴンを主役とした新フォーマット・タイムレスのデッキを紹介させていただいた。龍の加護を得て、皆のマジックライフが健やかな1年になることを願って……それじゃあ初詣に出かけようか。あるいは籠って、マジック始めといこうかな!2024年もマジックに満ちた日々になりますように、今年もよろしくお願いします!
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