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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ジャイルーダは洞窟からやってくる!(パイオニア)
皆は何を求めてマジックをプレイしているのだろう。様々な想いがあるはずだ。この世界に数えきれないほどの選択肢が存在する中から、マジックを選んでプレイする。その理由……マジックならではのコンボが好きだから、という人はかなりの割合になるのではなかろうか。カード2枚以上を組み合わせて、テキストに書かれている以上のことを引き起こす。コンボには多種多様なバリエーションが存在するが、それがアツいフォーマットはパイオニアかもしれない。
《クイントリウス・カンド》をコピーして発見を行い続けたり、《睡蓮の原野》を何度もアンタップしていつまでもマナを加え続けたり……パイオニアではこのフォーマットならではのコンボデッキが活躍している。スタンダードより広く、モダンよりは狭い。そんなカードプールだからこそ、決められるコンボがありかなえられる夢がある。今回はパイオニアの自由さを象徴するようなグッとくるコンボを紹介しよう!
4 《魂の洞窟》 2 《マナの合流点》 1 《神聖なる泉》 2 《寺院の庭》 4 《繁殖池》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 4 《夢根の滝》 1 《天上都市、大田原》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 2 《森》 -土地(25)- 4 《森の女人像》 3 《楽園のドルイド》 2 《裕福な亭主》 4 《賢いなりすまし》 4 《灯の分身》 4 《たなびき織りの天使》 3 《深海の破滅、ジャイルーダ》 1 《龍王コラガン》 1 《暴走暴君、ガルタ》 4 《もう一人の自分》 -クリーチャー(30)- |
1 《アイレンクラッグ》 4 《狼柳の安息所》 -呪文(5)- |
1 《深海の破滅、ジャイルーダ》(相棒) 3 《赦免のアルコン》 3 《減衰球》 4 《神聖の力線》 4 《虚空の力線》 -サイドボード(15)- |
《深海の破滅、ジャイルーダ》!このクリーチャーもかつてパイオニアで猛威を振るった、瞬間最大風速では最強クラスのコンボデッキのキーカードと評価しても良いのかもしれない。かつての相棒クリーチャーは、デッキ構築の条件さえ満たせばサイドボードから直接唱えることが可能だった。これによりデッキを偶数のカードのみで固めて、サイドから飛び出してくるジャイルーダの強さといったら。ルール変更により相棒を唱えるためには{3}を支払って一度手札に加えるプロセスが求められるようになり、ジャイルーダ・コンボもなりを潜めたが……だからといってコンボが成立しなくなったというわけではない。2023年の暮れ、このジャイルーダが再浮上!
ジャイルーダは戦場に出た際に互いのライブラリーを切削し、その中から偶数のクリーチャー・カード1枚を戦場に出すという変則リアニメイト能力を持っている。このジャイルーダで自身のライブラリーから墓地に落として戦場に戻すクリーチャーは……コピー能力を持った面々。《灯の分身》《賢いなりすまし》《もう一人の自分》、これらのコピーとなって戦場に出てくるクリーチャーでジャイルーダのコピーとなる。これにより切削が継続され、《灯の分身》が出てくれば複数体のジャイルーダが戦場に並ぶこととなる。
また相棒に設定していないジャイルーダ3枚や、あるいは《たなびき織りの天使》でも切削からのリアニメイトは継続される。天使でジャイルーダやそれをコピーしているクリーチャーを追放して戦場に戻すことで、クリーチャーが増えつつループが続くという仕組みだ。
このループの果てに《龍王コラガン》が戦場に飛び出し、これによりジャイルーダやそのコピーや天使ら全てのクリーチャーが速攻を持つ。重量級クリーチャーの総進撃でフィニッシュと相成るわけだ。コラガンは1枚のみに抑えられているが、これが手札に来てしまうと速攻が得られず、コンボの一撃必殺性が損なわれてしまうのでは?という心配は無用だ。《暴走暴君、ガルタ》で他のクリーチャー共々戦場に出してやれば良いのだ。クラーケンに天使にドラゴンと恐竜、絵面もいかにもコンボって感じでたまらないぜ!
ジャイルーダはガルタ以外にも『イクサラン:失われし洞窟』からの新戦力を得ている。《魂の洞窟》だ。相棒であれメインデッキに含まれているものであれ、ジャイルーダは6マナと重い。偶数のマナ加速は多数デッキに含まれてはいるが、それでも準備にはそれなりの時間がかかる。これ即ち対戦相手に打ち消しを構える時間を与えてしまうということ。《かき消し》すらケアするのが容易ではないこのコンボにとって、鬼門の打ち消しを完全スルーできる《魂の洞窟》は本当に有難いもの。青系コントロール相手にもコンボが決まる確率が高まったのだ。ジャイルーダの再浮上は洞窟の後押しあってこそ!
ジャイルーダを使ったコンボデッキは独特の魅力にあふれているため、当時ハートをガッチリと掴まれたファンもいることだろう。ルールが変わっても、新戦力とプレイヤーの努力がデッキを復活させる。最高じゃないか。僕がマジックをプレイしている理由は、こうしたコンボデッキと出会って感動したい、それが一番大きいのかもしれないな。
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