皆、何飲みながらマジックやってる？

　これ、シンプルな疑問。僕は普段は常温の水を2リットルほど飲み、一日に2・3杯ほどのコーヒーやお茶を嗜んでいる。甘いものは飲まないね、いわゆる清涼飲料水はよっぽどのことがない限りは口にしないなぁ。たまーに飲むと美味いけどね。そんなわけでマジックしている時も大体、水をボトルで。この時期にはあったかいコーヒー（ブラックorミルク少量、砂糖ナシ）でもやりながらが良いかもね。皆は何を飲んでいるのかな？家でマジックする時はお酒のお供に、なんて方もいることだろう。

　というわけで今週もやってきました、マジックの構築フォーマットの定番、スタンダードを愛し、スタンダードにアツくなる。「とことん！スタンダー道！」道場の門は開いている！さあ入って、あったかいもんでも飲みながらスタン、やろうぜ！

とことん！ビッグ・レッ道！

　赤いデッキを「○○レッド」と表現することがある。何の違和感もないだろう、ストレートなデッキ名だ。そしてこのレッド系の中でも「ビッグ・レッド」というアーキタイプは古くから愛され、今でも呼ばれ続けているものの一つだ。デカい赤、そのまんまである。4・5マナほどのでかめな赤いクリーチャー、プレインズウォーカー、あるいはソーサリーやアーティファクトなど……カードパワーを重視して単騎で制圧することを良しとする、中速デッキのことである。古くは《弧炎撒き》《再燃するフェニックス》等を活用したデッキが記憶に残っている。さて、今回紹介するのはこの「ビッグ・レッド」の現スタンダードバージョンだ。とくとご覧あれ！

　シブい、シブいな～《山》25枚！徹底したマナ基盤がたまらない。この「ビッグ・レッド」は山に関するカードが主役だ。《サルディアの岸壁踏み》は山が4枚以上ないとパワー0、しかし4を超えると2マナとは思えない超パワーの持ち主となる。山を並べていくだけで盤面が強くなっていく、その動きを《レジスタンスの火、コス》で支える。彼で毎ターン山を手札に加えて、滞りなく土地を展開。また合間に[－3]能力を起動して除去も行い、盤面をコントロール。[－8]が決まれば山を出すだけで4点ダメージ！ここまでいけば勝ったも同然だ。そこまで持っていくために相手のクリーチャーを焼き払い、コスがのびのびと山を増やしていく状況を作る。コントロール要素の強いデッキとなっている。

　全体除去《家の焼き払い》。このソーサリー、今のスタンダード環境にフィットしているように感じるね。《兄弟仲の終焉》も軽くて使いやすく、序盤のクリーチャーを捌くにはVery Good。軽量アーティファクトもまとめて破壊できるので《地底のスクーナー船》などが流行っている今、ビッグ・レッド的には手放せない1枚である。しかしこれだけに全体除去を任せていると、タフネス4以上のクリーチャーが出てくる中盤以降は心許ない。全体除去として確実性が高く、また除去が不要な展開であればデビルを射出して攻めに転じることもできる焼き払い。今こそこのソーサリーをぶっ放す時！巨大な赤いデッキに追い風が吹いている！

今週のラダーチャレンジ！

　今週も筆者岩SHOWがラダー（MTGアリーナのランク戦）で実際に使用したデッキをご紹介。今回は上記のビッグなレッドで熱いデッキに感銘を受けて、自分も《兄弟仲の終焉》《家の焼き払い》を備えた赤いコントロール要素の強いデッキを使いたいなと……赤単道を歩むことを決意！

　《家の焼き払い》の強い使い方を考えた時……真っ先に思いついたシンプルな組み合わせ、《嘶くカルノサウルス》の発見能力で叩きつける！これを目指して構築してみた。カルノサウルスからの焼き払い、対戦相手のタフネス5以下が全滅して、こちらのカルノサウルスはタフネス6なので耐える。これでリセットして返しのターンからカルノサウルスで攻守逆転を狙う！相手がクリーチャーを出していない状況ならデビルを走らせる、あるいは唱えずに手札に加えるという選択で無駄もない。カルノサウルス焼き払いコンボ、試してみる価値はある！と血気盛んにラダーへ突撃。

　結論として……カルノ焼き払い、決まればマジで大逆転！これはプレイしていて最高に楽しい、どんなに押されていてもカルノサウルスで捲れるチャンスがあるってだけでラダーも諦めずにトライできるというものだよ。焼き払い以外に《骨集めのドラコサウルス》が出てきてもそれはそれでヤバい。さらにカルノサウルスの追加枠として《内なる太陽、チミル》も投入。これも祈りながらターン終了を迎え、焼き払ってガッツポーズという最高のマジック体験を届けてくれる！

　かつてのラダーで相当な回数起動し続けてきた《宝物の地図》。スタンダードで使用可能だった頃はもちろんのこと（まだアリーナがクローズドベータだった時代だな）、ヒストリックでもアーティファクトを主体とした赤・白・黒などの単色デッキでしこたま占術し、宝物をばら撒き、それをただのマナやドローに留まらせずに色々と活用法を求めて試行錯誤したものだ……またスタンダードに帰ってきてくれて、ありがとう！相手がアグレッシブすぎる時の後手番などには、いちいちマナを払って起動している暇もなく結果役に立ちにくいのでサイドアウトすることが多い。逆に言えばそうでないゲームであれば、これを起動している余裕というのは案外あるもんだ。宝物からカルノサウルスや《原初の征服者、エターリ》に繋ぐ、あるいはじっくりと3回分のドローを味わう……デッキという料理に最高の風味と塩気をもたらす、ソースのような《宝物の地図》。皆もラダーで宝を求めて起動するべし！

　今週は冬の到来を暖かくしてくれそうな赤単を紹介させていただいた。読んでいて心が温まって来たならば、暖かい飲み物で身も温めてスタンダードに励むべし！あ、テーブルの上とかキーボードには絶対こぼすなよ！これ、マジ。それじゃあコーヒー淹れてくる間に、シャッフルして準備進めててくれよな！また来週ッ。