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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
アマリアと野茂み歩きで超探検!(パイオニア&エクスプローラー)
イクサラン次元の住人は他の次元と名前の雰囲気が異なっていて面白い。アニム・パカルのような独特な響き、いかにも中南米をモデルとした大陸という感じでイイね。また《バルトロメ・デル・プレシディオ》のように長く複雑な名前、これは西洋の宣教師らしさを漂わせている。このバルトロメは女王の密命を受け、ヴィト・キハノ・デ・パサモンテに同行してイクサラン大陸へ。ヴィトもかなり長い名前の持ち主だったんだな……。
バルトロメが女王より受けた命はヴィトの監視だ。彼は何やらよからぬことを企んでいる可能性がある、と。結果、ヴィトはアクロゾズを目覚めさせ、自国へ連れ帰ることを計画していた。そのための生け贄としてケランが捧げられるところだったが……バルトロメがこれに気付き、部下であるアマリア・べナヴィデス・アギーレに後を託した。アマリアもその長く複雑な名前と、ちょっとオタク感のあるこれまでの吸血鬼像と異なるルックスから、印象に残るキャラクターとなっている。カードもそのまんまフルネームで《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》。一度聞いても覚えられないが、一度目にしたら忘れられないインパクトだ。
地図を用いた魔法の使い手であるというアマリア、彼女はライフを得ることで探検を行うという独自性の高い能力を持っている。2マナで護法も持っており、扱いやすい吸血鬼だ。そして今パイオニアではこのアマリアを主役としたデッキが、その名前と同じくらいのインパクトを放っている。
1 《神無き祭殿》 4 《草むした墓》 4 《寺院の庭》 2 《秘密の中庭》 3 《花盛りの湿地》 4 《剃刀境の茂み》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《沼》 1 《森》 -土地(21)- 4 《ラノワールのエルフ》 3 《金のガチョウ》 2 《陥没穴の偵察》 1 《命の恵みのアルセイド》 4 《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》 4 《野茂み歩き》 4 《裕福な亭主》 2 《魂浸し、ダイナ》 1 《大洞窟のコウモリ》 3 《救出専門家》 3 《名もなき都市の歩哨》 -クリーチャー(31)- |
4 《召喚の調べ》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
1 《エメリアのアルコン》 1 《不屈の解体者》 2 《大洞窟のコウモリ》 1 《機能不全ダニ》 1 《不屈の将軍、ジリーナ》 1 《暮影の騎士》 1 《マラメトの模範、クチル》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 2 《全軍突撃》 1 《傑士の神、レーデイン》 3 《復活の声》 -サイドボード(15)- |
こちらがそのデッキ「アマリア探検コンボ」。ライフを得ると能力が誘発して探検を行う《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》。そして探検を行うと能力が誘発してライフを得る《野茂み歩き》。これら2枚が戦場に揃うとどうなるか?ライフを得るか探検を行うか、どちらかの条件が満たされると…アマリアで探検→野茂みで回復→アマリア→野茂み……とエンドレスで探検と回復が行われる。そして延々と探検が行われた果てにアマリアのパワーが20ちょうどになると、全クリーチャーが破壊される。野茂み含む自陣のクリーチャーも吹き飛ぶが、対戦相手の盤面も焼け野原に。そこをアマリアが颯爽と対戦相手本体に向かって進んで、一撃必殺!絵面のインパクトが凄まじい、このアマリア探検コンボ。
これを成立させるために各種クリーチャーサーチを用いる。《召喚の調べ》で真面目に1枚1枚探すのも良いが、やっぱり豪快に《集合した中隊》1枚からコンボパーツ両取りといきたいところ。いずれにせよどちらもインスタントなので、対戦相手のターン終了時に唱えてコンボを成立させ、パワー20で盤面崩壊させたらこちらのターンを迎えて悠々と攻撃するのが理想的だ。ソーサリー除去を回避し、ブロック役を再展開させるのを許さない。エンド時のアマリアこそが安全にして究極の破壊力!
ただ、たとえ中隊でアマリア&野茂みが公開されたとしても……この2枚が戦場に出るだけでは何も起こらない。先にも触れた通り、揃ったうえでライフ回復か探検するかが必要だ。なので《陥没穴の偵察》を採用。中隊でどちらかのコンボパーツと一緒に出す、あるいは《召喚の調べ》で直に持ってくるなどで探検を誘発させよう。あるいは《裕福な亭主》で回復しても良い。こちらは宝物も生成してコンボ成立をグイッと後押し。2ターン目亭主からの最速中隊コンボ完成という動き、わかっていても避けられないって!
このコンボ、まんまMTGアリーナのエクスプローラーでも再現できるので実際にプレイしてみた。そこでわかったことも。理想は上記のようにターンエンドにコンボ完成!ではあるが、あくまでも理想。現実としては自分のメインにコンボを決めることも多々あった。決まるなら思い切って決めてしまおう!の精神だ。相手が土地を全てタップしていて隙がある、ターンを返せばむしろ好機を逃してしまうかもしれない、そんな時には思い切ってメインでコンボを決めて何もないことを祈る……ということも。そもそもアマリアがパワー20に達するまで探検が行われているということは、ライフは60点ほど回復することになる。こんなの、普通にクリーチャーを出して殴るデッキじゃ削り切るのに骨が折れる処の話ではない。そして探検でライブラリー操作も行えるので、掘って行って《集合した中隊》だったりコンボパーツなりが見えたらそれでストップ。これでコンボが決まってもアマリアが攻撃できずにターンを終了せねばならない場合でも安心だ。ライフをしこたま増やしてクリーチャーもすべて破壊して、さあかかってこいと。あるいは余裕があれば《魂浸し、ダイナ》も出しておけば、ライフを得た分だけ相手がライフを失うため、タイムラグなくコンボ成立=勝利となる。
あとアリーナでプレイする際に誘発を一つ一つ解決していくのは面倒かなと思っていたが、これも意外に楽。探検によるトップ操作でもう墓地に送る必要がなくなったなら、あとは誘発する度に「解決」をクリックしていくだけでOK。ループ系のコンボにありがちな、誘発と解決の順番を操作して都度2択から選んで……複雑な操作をしていたらミスってコンボ不成立!みたいな悲劇は起こらないだろう。紙のカードでやる場合は手際よく、一部省略できる部分は相手の了承を得るなどしてコンボをしっかりと完遂するべし。
このコンボには面白い弱点が存在する。アマリアのクリーチャーをすべて破壊するという誘発は、探検の解決後にパワーがちょうどぴったり20でなければならない。普通は問題なく18個めの+1/+1カウンターが置かれたタイミングで全クリーチャーが破壊されるのだが……もし20を飛ばして21以上の値になってしまったら?その時には……アマリアの無限の探検を止める術が存在しない。無限ループが発生し、ゲームは引き分けとなってしまう。
このコンボデッキが初めて表舞台に出てきたタイミングでは《クイントリウス・カンド》を用いた発見デッキがブームの真っ只中。それらのデッキには除去として《豪奢》が搭載されており、本来はタフネス3以下のクリーチャーに撃ち込むこの除去をパワー20目前のアマリアに投げつけ、探検後のパワーが20をすっ飛ばす……というシナリオも発生していた。このリストに見られる《命の恵みのアルセイド》等を用いて、悲しい結末を回避しよう。これぐらいの弱点は個性のようなもので、むしろ愛嬌と捉えてあげるのがコンボマニアの作法ってところかな!
突然の超探検!イクサランらしさが爆発する「アマリア探検コンボ」。ド派手でかつテクニックも秘められており、対戦相手のデッキや盤面の状況からどのようにコンボに入るかという綿密な計算と、決まれば勝つという大胆な仕掛けとが味わえる、これぞコンボという素晴らしいデッキだ。クリーチャーを使ったコンボの面白さ、今こそ体験してみよう!アマリア、その名前も能力もきっちり覚えてね!
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