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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!1枚で決めろ、八百長サウルス(スタンダード)
寒っ……くない!むしろ激熱!
2023年11月17日、遂に『イクサラン:失われた洞窟』が発売!そしてMTGアリーナ・Magic Online上では15日よりリリース!11月3週目は、僕の地元でも昼の気温が一桁台という急激な冷え込みをマークしたものの、マジック的には超ホットなウィークとなった。
新セットが出ると何が起きるか?スタンダードが面白くなる!このシンプルな方程式、今回もバッチリ当てはまっておりますよ!というわけでスタンダードというマジックの構築における定番フォーマットのデッキを紹介し、スタンダードをこよなく愛する者から入門を志す者まで、皆でスタンダードを楽しんでいこうぜという機運を高めていくコラム「とことん!スタンダー道!」。今週も稽古の時間だ。
前回はリリース前、プレビュー情報を元に構築した赤緑2色の恐竜デッキを紹介させていただいた。今回は実際にリリース当日、筆者・岩SHOWがアリーナでわしわしとパックを剥き、集まったカードを元に構築した最初のデッキを僭越ながら取り上げさせていただこう。恐竜カードが集まったこともあって今回も恐竜デッキではあるのだが、その様相は少々異なるのでお楽しみに。と、デッキ紹介のその前に。アリーナでスタンダー道を歩む者への小技伝授!
コモン・ワイルドカードを活用すべし!
アリーナにはワイルドカードというデジタルならではの独自要素が設けられている。各レアリティごとに存在し、パックから出たり報酬として貰えたりする。このカードは消費することで、そのレアリティの任意のカード1枚を手に入れることができる。スタンダードにおいて重要なのはレアと神話レアのワイルドカードなのは言うまでもない。足りてないレア土地、伝説のクリーチャー、何と交換しようか悩むところだ。このワイルドカードはコモンにも存在している。コモンはパックを剥いたりリミテッドをしていればすぐに集まるもの。なのでコモンワイルドのお世話になることはあんまりない。パックのコモン枠に含まれるため、登場頻度も高く貯まっていく一方だったりするね。
しかしこのワイルドを上手く使って、レアや神話レアが手に入りやすくなる方法がある。それは新セットリリース直後。早速パックを大量に剥くぞ!という気持ちを一旦抑えて、たっぷりたまったコモンワイルドを消費して、新セットのコモンカードを先に作成して入手しておく。この下準備を終えた後にパックを剥くと……既に4枚以上持っているコモンが重複する。アリーナは同一カードの5枚目以降を入手した際に、宝箱という要素のパーセンテージが上昇する。これが100パーセントに到達すると、神話レア・レア・アンコモンのワイルドのセットが手に入る!無駄なくワイルドカードを利用して宝箱の数値を進め、欲しいレアを手に入れよう!
今週のラダーチャレンジ!
では本題、今週筆者が構築してラダー(アリーナのランク戦)にてイクサラン環境のデビュー戦で用いたデッキを見ていただこう!先にも述べたように恐竜デッキだが、カラーリングは赤緑に白をほんのり足した(日本ではタッチと呼ぶ)構成。
タッチした白いカードは《太陽の化身、ギシャス》!実は『イクサラン』からの再録カードである。この偉大なるギシャス、他の恐竜をライブラリーから戦場に出す強烈な能力の持ち主だ。当時のスタンダード的には……面白いカードではあったが、やっとの思いで攻撃を通しても、戦場に出てくる恐竜があんまり強くなくて……活躍は出来ていなかった印象。そのイメージを払しょくする、その真のポテンシャルが満を持して発揮される!今回引き連れてきた恐竜は強者のラインナップだからな。既存のカードも所持していたこともあり、ギシャスを上手く使えるデッキにチャレンジした結果がこちら!
4 《魂の洞窟》 1 《ジェトミアの庭》 4 《カープルーザンの森》 2 《低木林地》 2 《戦場の鍛冶場》 2 《落石の谷間》 1 《草茂る農地》 1 《日没の道》 2 《不穏な尾根》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《山》 1 《森》 -土地(24)- 4 《イクサーリの伝承守り》 4 《好戦的な一年仔》 3 《ギシャスの初子、イツキンス》 2 《剛胆な古生物学者》 4 《好戦的な槌頭》 2 《骨集めのドラコサウルス》 4 《嘶くカルノサウルス》 1 《地揺すりの戦慄大口》 1 《原初の征服者、エターリ》 1 《養育する鋸背》 3 《太陽の化身、ギシャス》 -クリーチャー(29)- |
4 《八百長試合》 3 《髑髏胞子の結節点》 -呪文(7)- |
3 《石術の連射》 1 《兄弟仲の終焉》 2 《マグマ用ガレオン船》 2 《温厚な襞背》 1 《打ち壊すブロントドン》 1 《未認可霊柩車》 2 《強情なベイロス》 2 《イクサランへの侵攻》 1 《免れ得ぬ破滅、ルーカ》 -サイドボード(15)- |
ギシャスを戦場に繰り出すため、選んだのは《八百長試合》!パワーが7以上のクリーチャーをコントロールしていれば、これで追放したカードをマナを払わず唱えられる。このエンチャントはコストが低いパワー6のクリーチャーと組み合わせ、戦場に2枚揃ったターンに即座にコンボ完成という形式で用いられてきた。
そんな八百長相方枠に加わった《好戦的な槌頭》!なんとたったの3マナで6/6!前回提案のデッキもこれを使う気満々の構築だったが、今回はそのポテンシャルをさらに引き出してギシャスに繋げる!貪欲仕様だ。《イクサーリの伝承守り》から2ターン目槌頭→3ターン目八百長というかつてない最速ムーブも爆誕。3ターン目にギシャスが走って恐竜軍団を引き連れてくればもう対戦相手は即投了だ。ハッキリ言って、気持ち良すぎるって!
槌頭八百長コンボを中心に据え、その周りを《イクサーリの伝承守り》《好戦的な一年仔》などの恐竜やそれとシナジー(相互作用)を形成するカードで固めた、攻めるデッキとしての構築。クリーチャー主体のこの構成で、八百長以外に採用している非クリーチャー呪文が……
《髑髏胞子の結節点》!このカードにも個人的にはかなり期待していた。パックからゴロゴロと出てきて集まったので喜んで使ってみた結果……想定していたよりも強いね!これぞやりよる1枚。クリーチャーが死亡してもその代わりにファンガスであり恐竜であるトークンが残る。黒いデッキの《喉首狙い》や接死クリーチャーには効果覿面!破壊されるのを恐れずに恐竜を繰り出せる。これのコストも槌頭で軽減して、早いターンに叩きつければゲームがグッと楽になった。
この結節点はクリーチャーのパワーを倍にするというシンプルにして強烈な起動型能力も持っている。ガコッと起動してトランプルや飛行を持つ面々の打点を引き上げれば、それだけで勝てる!起動のタイミングに制限もないので、八百長から唱えてそのままパワー倍にしてアタックという流れもできちゃうのはたまらないぜ。
前回に赤緑2色の恐竜デッキを組んだ時にリストに取り入れていた恐竜たち……プレイする前からやり手だろうとは思っていたが、どいつもこいつもイメージしていたよりも強く感じて、プレイしていて幸せな気持ちになれる!《ギシャスの初子、イツキンス》は速攻を持っているのが想像よりも機能的であり、黒いデッキに対して《ヴェールのリリアナ》などのプレインズウォーカーの前に立つ低タフネスクリーチャーを除去しながら速攻で殴って落とす、という動きが爽快感があった。
《骨集めのドラコサウルス》は強さを疑ってはいなかったけど、みたまんまの感想通りにめちゃ強だったね。恐竜が湧いてくるのは戦闘で殴りすぎてブロッカーがいない、という自体を起こしまくる僕にとってはこの上なく有難いオプションだ。また先制攻撃を持っていることも、実戦の場で重要だと実感。《黙示録、シェオルドレッド》が自身より高マナ域のクリーチャーと相討ち上等で突っ込んでくる、スタンダードお馴染みの嫌な場面が起こらない!偉いッ!
そして《嘶くカルノサウルス》の痒い所に手が届く3点ダメージ除去、そして戦場に出た時の発見5、どっちも頼もしいぜ。特に発見の方はとんでもない事態を引き起こす。この能力で《八百長試合》を捲り、そのまま戦闘に入ってカルノサウルスがパワー7なので条件クリアという……「1枚八百長」は深夜でもはしゃいでしまう、アドレナリン全開ムーブだ!
今回は帰ってきた《太陽の化身、ギシャス》とその後を追ってやってきた新恐竜たち、それらと相性◎の《八百長試合》《髑髏胞子の結節点》を組み合わせたデッキを共有させていただいた。皆の血が11月の寒さを跳ね返すくらい滾ったのなら幸いだ。じゃあ、スタンダード、やろうぜ!対戦相手はカードショップにも、オンライン上にも、いっぱい待ってるからな!
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