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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

新環境スタート!洞窟ランプ(スタンダード)

岩SHOW

 元気ですか~ッ!月~金まで更新のデイリー・デッキ、今週からは『イクサラン:失われた洞窟』参入後のデッキをガッツリと取り上げていこう!

 今回のイクサランのテーマは、洞窟と地下世界!「洞窟」はそのまんま、新しい土地タイプとして登場。土地ということで様々なデッキに採用しやすく、そして一気に追加されたこの洞窟を参照するカードと組み合わせることで、新しいゲーム体験を味わえるデッキが誕生する!そう考えている新し物好きの皆さん!その予感……的中!洞窟が主役の新デッキ、プロツアー殿堂顕彰者のガブリエル・ナシフ/Gabriel Nassifが披露していたぞ!

ガブリエル・ナシフ - 「洞窟ランプ」
スタンダード (2023年11月11日)[MO] [ARENA]
2 《魂の洞窟
1 《眠らずの小屋
1 《眠らずの蔓茎
4 《沈んだ城塞
1 《隠された中庭
1 《隠された死滅都市
1 《隠された火山
3 《隠された生育場
1 《洞窟めいた大口
1 《忘れられた聖像
1 《捧げ物の穴
1 《不安定な断層
2 《ミレックス
2 《耐え抜くもの、母聖樹
3 《
1 《
1 《平地
1 《
-土地(28)-

4 《開花の亀
4 《偉大なる統一者、アトラクサ
-クリーチャー(8)-
2 《喉首狙い
2 《失せろ
4 《壊滅的な落盤
4 《中心核の瞥見
4 《洞窟探検
1 《神の乱
4 《コズミュームの合流点
1 《カスレムの石樹
1 《執念の徳目
1 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(24)-

-サイドボード(0)-
X より引用)

 

回転

 このデッキのゴールは……《偉大なる統一者、アトラクサ》!毎度おなじみ、2023年を代表する1枚。超巨大なボディに戦闘で輝くキーワード能力、そしてカードタイプごとに1枚手に入る強力無比なアドバンテージ獲得力!これぞ大型クリーチャーの鑑、マナを払う価値のある逸品。

 そして《神の乱》、これもアトラクサ同様マナの量も種類も求める大型のパワーカードだ。これらをどう運用するか?最もふさわしいのはランプデッキ!土地を戦場に出す緑のカードを中心とした、マナ加速から大型パワーカードを叩きつける豪快なアーキタイプだ。ランプ(増加の意味)やビッグマナと呼ばれるこのアーキタイプ、前スタンダード環境でも定番のものだった。《装飾庭園を踏み歩くもの》《ゼンディカーへの侵攻》で基本土地をライブラリーから戦場へ……というのがスタンダードのランプの常とう手段だが、このリストでそれらの姿は見えない。

 このデッキは「洞窟ランプ」!基本土地を中心とした従来のランプと異なり、洞窟という新タイプを持った土地を戦場に出すことを狙っている。《中心核の瞥見》はライブラリーから《》をサーチする限定的なものではあるが、久しぶりの2マナのランプ呪文。3ターン目に4マナへジャンプアップしてさらなるマナ加速に繋げる。また墓地に洞窟があればそれを戦場に出すモードも選べる。これにより緑以外のマナを得るチャンスもある。墓地というのがポイントで、これのために《開花の亀》が4枚採用されている。切削して土地を拾う亀から一気にマナを伸ばしてアトラクサなどの大技に繋げる。

 一方《洞窟探検》は手札から土地を出せる。ドロー付きなので引いてきた土地をそのまま出せるのが嬉しい。そしてこの時に出した土地が洞窟であれば、4点回復のオマケ付き!アグレッシブに攻めてくる赤単などに弱いランプだが、マナ加速しつつ回復できるカードが出てきたのは朗報・朗報・大朗報!さらにタップ状態で戦場に出るものばかりの洞窟の弱点を解消する、アンタップで土地が戦場に出るという恩恵までもたらす。こりゃ凄い!期待の新ランプカード、2種ともアンコモンというのもプレイヤーにとっては有難いね。

 そして洞窟に関するランプ呪文の親玉が《コズミュームの合流点》!3つのモードを選択する呪文で、そのうち2つが洞窟に関するもの。ライブラリーからの洞窟サーチでマナを伸ばすのは勿論、洞窟のクリーチャー化を行えばライフやプレインズウォーカーを攻める手段にもなる。《洞窟探検》と組み合わせればライブラリーから持ってきた洞窟をそのままクリーチャー化させて攻撃という荒業も可能だ。ただのマナ加速ではなく、持ってくる洞窟により様々な形でのアドバンテージが取れる。ついでのように設けられたエンチャント破壊モードだって今のスタンダードでは強いぞ!

 洞窟が並ぶことに意味をもたらすのは《壊滅的な落盤》。洞窟の数だけ全体ダメージ、わかりやすくて火力が簡単に上昇するナイス除去!きちんとプレインズウォーカーにもダメージが通るのが、まさしく求めていた性能だ。参照する洞窟は戦場にあるものだけでなく墓地のものもカウントするので《開花の亀》を使う意味はここにもあるってことだな。自分のクリーチャーは極力少なく抑えて、被害を回避。もし亀などが巻き込まれても、対戦相手のクリーチャーを複数体薙ぎ払うことで数の面では損しないように運用したいね。

 では最後に肝心の洞窟をご紹介。《隠された生育場》などのコモンの洞窟は生け贄に捧げて発見を行う。値が4と高いため、《壊滅的な落盤》に繋げて全体除去から一発逆転チャンスを掴む……という激熱展開は狙っていきたいところ。アドバンテージ源となる洞窟もあれば対戦相手の墓地対策として使える《捧げ物の穴》のようなコントロール系の洞窟もある。これが追放する墓地のカードは単一のものでなくて良いので、こちらの墓地を追放して欲しい色マナを出せるようにしつつ、対戦相手の墓地の《しつこい負け犬》などを抜き去る動きを狙っていきたい。

 《洞窟めいた大口》はターン終了時まで3/3のクリーチャーとなる攻めの洞窟!洞窟の数を要求する条件はあるが、このデッキではないも同然のハードルだ。ターン終了時までという期限付きが微妙に見えるかもしれないが、《壊滅的な落盤》に巻き込まれず対戦相手の削サリー・タイミングの除去を受けないというメリットであることも忘れずに。他のクリーチャー化する土地と共に《開花の亀》で強化して殴る、至福の時だ。《不安定な断層》はそういったクリーチャー化する土地に対するアンチカード。土地破壊も担えるなんて、洞窟よ。一体どこまでカバーしているのか。それら洞窟の起動コストは《沈んだ城塞》でお得に支払おう。いや~書いているだけで楽しくなってきたな。

 新しいもの好きのプレイヤーには是非とも手に取ってほしい、洞窟を中心としたランプデッキ。土地を伸ばせば勝利が近づく、ランプ伝統の分かりやすさと大振りの魅力。そして洞窟とそれを取り巻くカードの意外と細かいテクニックによるサポート。魅力が伝わったなら幸いだ。洞窟とタイトルに含まれているセットだもんな、『イクサラン:失われた洞窟』。だったら洞窟デッキ、プレイしないわけにはいかないだろう!皆もそれぞれのデッキを組んで、洞窟の最深部を目指して掘り進もう!

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