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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ラクドス・ブリーチ:ドラコサウルスを使いたい!(スタンダード)

岩SHOW

 『イクサラン:失われた洞窟』を探検する時が迫っている。深奥に突き進み、地下世界・宝物・恐竜や神々……未知なるロマンを発見せよ!いやぁ~こいつは盛り上がりそうだ。今ではすっかり当たり前のように各セットで出てくる宝物・トークンも元はといえば『イクサラン』でもたらされた要素だったなぁ。今回も海賊や洞窟探索の戦利品など、宝物を生成するカードは健在だ。中でも……

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 《骨集めのドラコサウルス》!これの宝物生成力はなかなかにぶっ飛んでいる。まず本体が5マナ5/5飛行・先制攻撃、この時点でつえ~。さらにアップキープの開始時にライブラリーの上から2枚を追放してそれらをこのターン唱えられる。赤では毎度おなじみの衝動的ドローと呼ばれる、コスパは良いが消費期限付きのアドバンテージ獲得能力だ。こういった能力でもたらされる衝動的ドロー、それも継続して誘発するものの中では珍しく、追放したカード両方がプレイできるというのも大盤振る舞いだ。

 さらにこの衝動的ドローに付随して、土地でないカードを追放すると、それを唱えるためのマナをどうぞと宝物が提供される。もしくは土地が追放された場合には、3/1の恐竜が生成される。これすごいぜ。衝動的ドローは「複数捲っても全部土地」という時が超ガッカリなのだが、ドラコサウルスはむしろクリーチャーが増えて嬉しい、2枚とも土地でも全然かまわん!というポジティブな姿勢が素晴らしい。意地でもアドを稼がせるこのドラコサウルス、タイプが恐竜・ドラゴンというのも最高だ。

 骨を集めるというヤバい習性を持ちながら飼い主には尽くす、この空の大怪物をどのようなデッキで使えば良いだろうか?スタンダードで何かないかと探してみると……

Tripleh - 「ラクドス・ブリーチ」
New Standard Cup 2 トップ8 / スタンダード (2023年9月6日)[MO] [ARENA]
4 《ジアトラの試練場
4 《硫黄泉
4 《憑依された峰
1 《爆発域
1 《解体爆破場
1 《ミレックス
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《
5 《
-土地(26)-

4 《退廃的なドラゴン
3 《原初の征服者、エターリ
-クリーチャー(7)-
3 《切り崩し
2 《喉首狙い
4 《火山の悪意
2 《家の焼き払い
2 《大勝ち
2 《多元宇宙の突破
4 《アイレンクラッグ
2 《執念の徳目
4 《コルヴォルドと高貴なる盗賊
2 《希望の標、チャンドラ
-呪文(27)-
4 《強迫
2 《ぎらつく氾濫
4 《石術の連射
1 《シェオルドレッドの勅令
2 《黙示録、シェオルドレッド
2 《しつこい負け犬
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

回転

 このようなラクドス(黒赤)カラーの中速デッキが見つかった。宝物を作るカードをいくつか採用している。それら宝物や《アイレンクラッグ》でマナを加速して《多元宇宙の突破》《原初の征服者、エターリ》といったヘビー級のカードを唱え、力技でねじ伏せるのを狙っている。この手のデッキは「ラクドス・ブリーチ(突破)」と呼ばれたりしているね。

 宝物生成カード、定番の《大勝ち》に加えて残りの2種類は面白い。《コルヴォルドと高貴なる盗賊》は2ターンに渡って生成、《退廃的なドラゴン》は攻撃をすると生成。4マナのパーマネントからさらなる高マナ域へと繋げるのだ。そしてこれらのカードに共通するのは、ライブラリートップを追放して唱えられるようにする……しかし衝動的ドローとは異なる挙動。対戦相手のライブラリーからカードを追放し、それを自身の戦力とするのだ。コルヴォルドはⅢ章能力で3枚奪い、ドラゴンは出来事《贅沢な嗜好》で2枚抜きだ。

 相手のカードを奪うのは、必ずしもそれを有効に使えないかもしれないというネックはある。たとえばクリーチャーを全く展開してこない相手から《太陽降下》を奪っても全然美味しくない、という具合に。とはいえ唱えられることが無くなるというのはポジティブに受け止められるし、《放浪皇》とか《黙示録、シェオルドレッド》とかをペロッといただければ気分が良いなんてもんじゃない。この手の対戦相手のカードを奪って唱えるカードは、色マナを望むように支払っていいというボーナスがついているものだが、これらの赤のカードにはそれがない。代わりにと言っては何だが、宝物を供給することでそれで支払えってことだね。

 カードとしての方向性は異なるが、宝物を生成しライブラリーを追放してアドバンテージを獲得するカードを抱えたこのブリーチデッキに、《骨集めのドラコサウルス》を採用してみたいものだ。黒赤の2色には他にも期待の新戦力が。

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 《溶鉄の崩壊》はスタンダードに留まらずパイオニアなどでの活躍も期待される、話題の新2マナ除去。クリーチャーかプレインズウォーカー、あるいはマナ総量1以下のクリーチャーでも土地でもないパーマネントを対象に取って破壊する!2つのモードによる対象範囲の広さもさることながら、落魄を満たせばこのモード両方を選ぶことも可能!スタンダードであればクリーチャー+《熊野と渇苛斬の対峙》や各種トークンを割れればというところで、両モード選択が滅茶苦茶機能するというわけでもないかもだが、とりあえず2マナの万能除去はいつだってウェルカム!

 このソーサリーやその他の落魄系カードと相性が良いのが《不穏な火道》。黒赤にさらに2色土地が追加され、いよいよ色マナ事故が起きることはなくなってくるんじゃないか?この土地はクリーチャー化し、威迫持ちの2/3の昆虫に。攻撃すると手札を1枚捨てて1ドロー。この手札入れ替えで不要な土地などパーマネントを捨てれば落魄は満たせる!この組み合わせ、覚えておいて損はなさそうだな。

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 2枚の衝動的ドローと宝物or恐竜のトークンをもたらす《骨集めのドラコサウルス》。見た目も獰猛さが溢れていてカッコいいこの恐竜・ドラゴン、宝物でマナ加速して《多元宇宙の突破》や大型クリーチャーを叩きつけるブリーチに取り入れるのは一考に値すると思うよ!エターリやその他の恐竜も採用して、ドラコサウルスともども《魂の洞窟》で打ち消しから守ってやるというテクニックもアリだな……。

 こんな具合に新カードをどんなデッキで使うか?皆も考えながら、プレイできるその日を待ち続けようじゃないか……この時期こそがマジックの醍醐味だ!

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