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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!ビッグ・グリーン&八百長ビビアン(スタンダード)

岩SHOW

 スタンダードを愛する諸君、今日もようこそ。スタンダードという道を極めんとするものが集う、「とことん!スタンダー道!」。本日も稽古を始める……その前に!

新情報、キタキタキタ~!

 いやぁワクワクするというか、ワクワク以外の感情がない!そんな状態だね。10月25日、『イクサラン:失われた洞窟』のメカニズムと一部カードが発表された。中南米の文明をモチーフにした世界観、たまらんなぁ。イラストを見ているだけでその世界観に打ちのめされそうだ。

 新ファイレクシアの侵攻を退けた後に、イクサランの太陽帝国・薄暮の軍団・川守り・そして海賊……各勢力は地下へと繋がる洞窟を発見したという導入もアツいじゃないか。洞窟には宝物、菌類、亡霊、怪物……そして神まで潜んでいるようで、地か世界を巡る探検と戦いの様子がどのようにカード化されているかが楽しみでならない。様々なメカニズムが公開されたが……その中の一つに注目して話を進めていこう。その前に……。

とことん!単色道!

 先週からより多くの方にスタンダードを楽しんでほしいという思いから、参入障壁の低い単色デッキを紹介するシリーズをやっていこうと決意。基本土地をたっぷりと使う構築であれば、デッキを組むハードルは下がると信じて、今週取り上げるのは緑単だ!

WagonsRoll - 「ビッグ・グリーン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2023年9月7日)[MO] [ARENA]
1 《耐え抜くもの、母聖樹
24 《
-土地(25)-

4 《硬化した屑鉄喰らい
4 《装飾庭園を踏み歩くもの
4 《復活した精霊信者、ニッサ
2 《ヴォリンクレックス
3 《産業のタイタン
-クリーチャー(17)-
2 《森林の目覚め
4 《星界の飢餓
4 《イクサランへの侵攻
4 《ゼンディカーへの侵攻
4 《向上した精霊信者、ニッサ
-呪文(18)-
4 《機械壊しの河童
3 《ポルクラノスの再誕
3 《砂追いのモロク
2 《タミヨウの保管
3 《未認可霊柩車
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 緑単色のランプ、ビッグマナなどと呼ばれるアーキタイプだ。主役は《向上した精霊信者、ニッサ》!このプレインズウォーカー、[-7]能力は森の数を参照してクリーチャーをサイズアップし、トランプルも与える。森タイプを持っていれば良いので《ジアトラの試練場》のような土地を使った多色デッキで使っても機能するものだが、やはり基本土地の《》だけに絞った緑単でこそ高打点を発揮できるカードであることは間違いない。《森林の目覚め》とのコンボも仕込んであるね。

 《装飾庭園を踏み歩くもの》《ゼンディカーへの侵攻》などの基本土地をライブラリーから戦場に出す類のマナ加速を用いて、戦場に大森林地帯を生い茂らせ、ニッサを始め《産業のタイタン》などの重くて強いカードに繋げる!森がいっぱい並べば勝てる!自然への信仰心が高いプレイヤーには一度使ってみてほしい。スタンダードのランプといえば、多色の構成が主流である。その裏でこういった緑単もあるのだ。何も色を足さなきゃデッキにならないわけじゃないんだぜ。

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 この「ビッグ・グリーン」とでも呼ぼうか、ワイルドなデッキ。イクサランの地下洞窟から新戦力を得て強化されるかも?プレビュー第一弾で公開された《コズミュームの合流点》は個人的にかなりグッときた1枚だ。3つのモードから3つを選ぶというモード呪文の新ソーサリー、1つはエンチャントの破壊というよくあるものだが、残りの2つは……今セットでもたらされる新要素「洞窟」に関するものだ。洞窟は新しい土地のサブタイプで、これを持つ土地をライブラリーからタップ状態で出すか、洞窟をクリーチャー化させるというモードを持っている。純粋に土地3枚を持ってこれるという形で使っても、5マナでここまで効率よくマナ加速できるソーサリーは珍しい。2枚持ってきて1枚クリーチャー化させたりと応用が利くので、緑単色のデッキで一度使ってみたいなと。

 洞窟カードの候補としてコモンの「隠された○○」サイクルが公開された。緑は《隠された生育場》で、いずれの色も同じ能力を持つ。それが発見というまた新しい能力であり、これはかなり面白い。この洞窟を生け贄に捧げると発見4を行い、ライブラリーから4マナ以下の呪文が公開されるまでめくっていって、それをマナを支払わずに唱えるというなかなか強力なものだ。ビッグマナで溢れかえった土地を後半に呪文に変換できる可能性があり、息の長いゲームが戦えそうだ。コズミュームが手に入ったら組んでみる予定!

今週のラダーチャレンジ!

 毎度筆者岩SHOWがMTGアリーナのラダー(ランク戦)で用いたデッキを紹介するこのコーナー。先週は他のことで誌面が埋まってしまって、勿体ぶって1週間引き延ばす形になって……メンゴ!(昭和)《八百長試合》と《狩りに出るビビアン》の2枚が使いたいという動機から組みだしたデッキを、早速見ていただくことにしよう。

岩SHOW - 「八百長試合スペシャル」
スタンダード (2023年10月26日)[MO] [ARENA]
4 《死天狗茸の林間地
4 《ラノワールの荒原
4 《眠らずの小屋
2 《ミシュラの鋳造所
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
4 《
3 《
-土地(23)-

4 《苔森の戦慄騎士
3 《しつこい負け犬
1 《腐れ花
4 《強請る大入道
2 《下水王、駆け抜け侯
4 《ドロスの魔神
1 《真夜中の空、殉至
1 《シェオルドレッド
1 《作業場の戦長
1 《荒々しい三つ子
1 《産業のタイタン
1 《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル
-クリーチャー(24)-
2 《喉首狙い
1 《シェオルドレッドの勅令
4 《八百長試合
4 《狩人の贖罪
2 《狩りに出るビビアン
-呪文(13)-
2 《切り崩し
2 《喉首狙い
2 《剃刀鞭の人体改造機
3 《墓地の侵入者
3 《強情なベイロス
1 《機能不全ダニ
1 《辺境地の罠外し
1 《夜の棍棒使い
-サイドボード(15)-

 《八百長試合》は戦闘開始時にクリーチャーに+1/+1カウンターを1つ乗せる。毎ターンこれが誘発するだけでもなかなか強いが、もしカウンターを乗せ終わった後にパワー7以上のクリーチャーをコントロールしていると、更にボーナス。秘匿により追放していたカードを、マナを支払わずに唱えられる。

 これでビビアンのコストを踏み倒せたらなかなかアツいなというアイディアがぽろっと出てきてね。八百長のパワー7を速やかに満たしてくれるもの、ということで黒から助っ人を迎え入れた。《強請る大入道》と《ドロスの魔神》!どちらも3・4マナというコストでパワー6と回避能力持ちというパワフルな存在。デメリットも抱えてはいるが、このコストで流れるように秘匿を解放できる大変に魅力的なクリーチャーだ。単純にこれらで殴っているだけでも強いので、コンボを抜きにしても積極的に用いたいなと。《ドロスの魔神》のデメリット、よっぽどなことがない限りは敗北を迎えることはないと思うが、いざとなればビビアンで生け贄に捧げて5マナのクリーチャーへと繋げるルートを用意しておくことが安心もできる。

 八百長の当たり枠とビビアンで持ってくるクリーチャーとして、5マナ以上の強力な面々をラインナップ。ビビアンで生け贄にすると能力が誘発、どっちのモードを選んでもアドバンテージに繋がる《真夜中の空、殉至》、同じくビビアンによってコピー1体を能動的に墓地に送ることで強力な打点となる《荒々しい三つ子》、この当たりは使っていて楽しく、素でプレイすることも無理がない。《産業のタイタン》や《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル》は八百長から出したいところ。ゾパンドレルの能力は戦闘開始時に誘発するので、八百長から出て即打点2倍とはいかないが……ドロスが上空から二桁ダメージをゴンゴン叩き込むことになるので一瞬で勝ててしまうはず。

 上記以外にもメイン・サイド共に1枚挿しのクリーチャーを多くとり、それらをビビアンと《狩人の贖罪》でサーチするのもこのデッキのテーマだ。その際に生け贄に捧げるのは《苔森の戦慄騎士》《しつこい負け犬》あたりで担えれば完璧。彼ら死を恐れないスタッフのおかげで、ゾパンドレルの起動型能力も狙っていけるという……低コストで真面目に強いカードをしっかり採用しておくことで、ドリームに溢れたロマン生物を運用できるというものだ。

 というわけで今週もスタンダードのデッキを見てきたが……イクサラン、11月というのに体温をググっと上昇させてくれる熱いセットになりそうな予感がするね。それと同時に多くのプレイヤーにとって好評だった現『エルドレインの森』スタンダード環境が終わりを迎えるという、寂しいというと大袈裟ではあるが……今を楽しむしかないなという気持ちも芽生えてくる。そんなわけで今日もスタンダードのデッキ案、練りますかねぇ。

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