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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!決意の土地総数13枚?赤単&ミシュラデッキ(スタンダード)

岩SHOW

暑いのか寒いのかわからんな……でもスタンダードがアツいのはマジ!

 本当に10月の気候っていつも難しいよな、服装に困っちゃうぜ……寒いから長袖引っ張り出した次の日はカンカン照りであっつ~って具合にね。しかしこの秋のスタンダードは安定して面白い。世界選手権を経て、優勝やトップ8入賞したデッキが圧倒的に増えるのかと思いきや……ラダー(MTGアリーナのランク戦)をプレイしていると、そんなこともなく。各々が好きなデッキを使い探求しているという感じで、混沌としたデッキに遭遇する機会もまだまだ多く、楽しいのだ。

 このアツく楽しく、そして極めようとすると厳しく難しいフォーマット、スタンダードという道を歩んでいこうと推奨する「とことん!スタンダー道!」。今週も元気よくいってみよう!

とことん!マナフラ回避!

 ラダー戦でマッチするデッキの種類は比較的バリエーション豊富ではあるが、ランプと赤単は比較的多く、ラダー2大巨塔といったところか。中でも赤単はラダーというシステムに噛み合っている。勝っても負けてもゲームにかかる時間は短いので、同じ時間を費やしてもランクを上げる効率で優れている。幸運に恵まれれば、あっという間にミシックランクまで到達できることだろう。ライフ回復など、対策手段は豊富ではあるが、惹かれなければどうということはない。相手の体制が整う前にゲームを終わらせる「赤単アグロ」。当道場でも度々取り上げてきたが……今回はその中でもかなり、か~な~り、思い切ったリストを紹介しよう!

zwyvex - 「赤単アグロ」
Magic Online Standard Challenge 9位 / スタンダード (2023年9月17日)[MO] [ARENA]
11 《
2 《反逆のるつぼ、霜剣山
-土地(13)-

4 《僧院の速槍
4 《フェニックスの雛
4 《攻め立てられる槍護衛
4 《増員された浪人
4 《魅力的な悪漢
4 《ロノムの発掘家、フェルドン
3 《怪しげな統治者、スクイー
-クリーチャー(27)-
4 《火遊び
4 《稲妻の一撃
4 《祖先の怒り
4 《巨怪の怒り
4 《熊野と渇苛斬の対峙
-呪文(20)-
3 《石術の連射
4 《絞殺
4 《塔の点火
4 《魔女跡追いの激情
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 土地の総数、驚異の13枚!少なッ!赤単は他と比べて土地を削ったリストが多いものだが、ここまで少ないのはなかなか見ないな。何故赤単は土地を減らすのか?それは“マナフラ”回避のためだ。マナフラとはマナフラッドの略。フラッドとは洪水のことで、マナの洪水、即ちマナが溢れかえっている様子。マジックプレイヤーなら誰霜経験したことのある、ドローすれどもすれども土地しか引かず、使い道のないマナだけが増えていく……あの状況を示す用語だ。

 どんなデッキにも起こりうる事故であり、こうなってしまうと敗色濃厚になってしまうのだが……赤単はそれが特に顕著だ。最序盤から動くデッキなので、1・2マナのクリーチャーや火力呪文をびっしりと採用。そんなデッキにとって必要なのは3マナもあれば十分、5マナ以上供給できるようになっても、言ってしまえば何の意味もない。無駄なドローになり、そうして足踏みしている間に対戦相手が息を吹き返して逆転される……これを避けるために赤単は土地の枚数を切り詰める。引かないリスクよりも引くリスクをケアする。これを極限まで突き詰めたのが上記のリストってわけだ。いや~、よっぽどマナフラした経験があるのかなとか思ってしまうよな(笑)。でもその気持ち、わかるよ。土地事故免許皆伝の僕に勇気を与えてくれる、このリストは挑戦者の気高き魂を感じるね!

 土地の枚数を減らして、その分とことん1マナの速攻持ちを取り入れたこの構成。《攻め立てられる槍護衛》や《増員された浪人》など、なかなか見かけない連中も並んでいる。実際に使ってみるとこれらの小粒も、さながら山椒のようにピリリと刺激的な良い仕事をしてくれる。まさしく波状攻撃、とにかく毎ターン1マナを中心に速攻クリーチャーを並べて、面でガンガン押していくのだ。

 小さなクリーチャーで弾き出すダメージを伸ばすために、これらを対象としてパワーを上昇させ、またトランプルを与える呪文を搭載しているのも特徴的。《祖先の怒り》はドロー付きで、土地を削った構成にもマッチ。複数引けば引くほど打点が伸びるので、ブン回った時の気持ちよさをさらに盛り立ててくれる。

 そして《巨怪の怒り》。役割という形で継続してクリーチャーを強化しトランプルをもたらすこのインスタント、この貴重な1枚をどう使うがこのデッキの一番難しいところかな。最大効率でダメージを与えられるように、リスクも把握しつつ選択肢をチョイスしていく……綱渡り的な赤単のスリルをとことん極めたこのリスト。興味が湧いたら一度手に取ってみて!

今週のラダーチャレンジ!

 今週も筆者がラダーに挑んだ自作デッキを僭越ながらご紹介!今回は前回にチラッと触れた《鬼流の金床》デッキを形に出来たので、それを取り上げさせていただこう。誌面の都合もあるので早速リストから!

岩SHOW - 「ミシュラ金床」
スタンダード (2023年10月5日)[MO] [ARENA]
4 《憑依された峰
4 《黒割れの崖
4 《硫黄泉
2 《ミレックス
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《
3 《
-土地(23)-

4 《ヴォルダーレンの美食家
4 《税血の収穫者
3 《霜剣山の製錬者
2 《剃刀鞭の人体改造機
4 《ファイレクシアのドラゴン・エンジン
4 《ギックスに拾われし者、ミシュラ
2 《レッドキャップのどぶ住まい
-クリーチャー(23)-
4 《喉首狙い
2 《塔の点火
4 《実験統合機
4 《鬼流の金床
-呪文(14)-
2 《剃刀鞭の人体改造機
3 《石術の連射
2 《魔女の虚栄
2 《執念の徳目
1 《ギックスの命令
2 《下水王、駆け抜け侯
3 《ヴェールのリリアナ
-サイドボード(15)-

 このリストに至ったスタート地点は、ラダー配信をしていた時に「これ使ってデッキ組んでくれってリクエスト募集するぞ!」と募ってみたところ、「久しぶりにミシュラ合体を!」とアツいコメントをいただいたことから。『兄弟戦争』リリース直後は《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》と《ギックスに拾われし者、ミシュラ》を合体させようと躍起になっていたもんだなぁ……もうすぐ1年か。早いものだなと感慨にふけりながら作成。

 金床とアーティファクトを生け贄に捧げるシナジーを中心に据えて、構築物などのトークンを生成。アーティファクト・クリーチャーらを量産したところでミシュラを繰り出し、小粒クリーチャーで攻撃すれば対戦相手のライフを一気に吸い取れる!ラダーでそれなりにゲームを遊んでみたところ、赤単や黒緑系には相性が良いように感じたね。ライフ回復要素が多いのと、ミシュラのタフネスが5と高いのとかがその要因かな。

 結局のところ2体合体をすることはできなかった、これはハードルがむっちゃ高いから止む無しというところだが、それを差し引いてもミシュラもドラゴン・エンジンも強かったね。これらのカード、今のスタンダードに合っているかもしれないので可能性を模索したい!

 10月、気候などの変化で揺さぶられる季節。しかし我々のスタンダードへの情熱は不変であるッ!秋の花粉やカメムシの大繁殖などなど、自然の力を前に人間は無力だということを痛感しているが、スタンダードの楽しさは自然界にはない人類の英知!これぐらいテンションを上げて、皆も身体に気を付けながら今日も明日も、スタンダー道を歩むのだ。それじゃあ、先に稽古場行ってるからな!

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