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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
新カードから考えるスタンダード:緑多色、出来事編(スタンダード)
さあ本日も『エルドレインの森』!エルドレインの話題一色の9月!こういうのを幸せって言うのだろう。徹頭徹尾マジックに染まって、毎日が楽しい!マジックの最新セットのみに含まれる栄養素、必須マジック酸を摂取することで健康が加速していくのだ。というわけで今日は早速このセットの注目カード、この1枚から……
《ベルーナ・グランドスコール》!態度悪ッ!
お菓子の家をフットレストにするこの巨人。雲の上の城、ストームケルドに住む彼女は、下界の様々なものを集める癖がある。たっぷり集めた貴重品の中には《魔法の鏡》が。背景ストーリーでもキーアイテムとなるこの鏡を巡って、主人公ケランら一行とベルーナが関わることになるが……。エルドレインの遺物を収集するベルーナは、その習性に相応しく出来事に関する能力を与えられている。
エルドレインで起きたちっぽけなことから壮大なことまでひっくるめた事件、これを表現したインスタントorソーサリーである出来事呪文と、それに立ち会った当事者であるクリーチャー。これらを一つのカードにまとめて、出来事から入ればその後クリーチャーとして唱えられる、1枚で2枚分の働きを見せるお得なカードたち。かつて『エルドレインの王権』で登場した出来事カードは、スタンダードで使用可能である期間中ずっと使われ続け、またパイオニアやモダンでは今でも現役で活躍していたりする。
そんな強力な出来事がこの度再登場し、その親玉的なカードとして用意されたのが《ベルーナ・グランドスコール》。《快楽の渇望》はカード7枚切削し、その中の出来事カードを全て手札に回収する。何かの間違いで7枚捲れたら、5マナのインスタントで手札が7枚も増える……これは思わず唾をのむ爆発的なアドバンテージ……ッ。そうやって増えた手札から出来事呪文を唱え、一度追放。それをクリーチャーとして唱える際に、ベルーナはこれのコストを{1}軽減させる。たかが{1}、されど{1}。この1マナが手数を変え、それが勝敗に直結することもあるはず。態度も身体も抜群にデカいベルーナを主役とした出来事デッキ、現スタンダードで組んでみようじゃないか。
いきなりだけど、まずは感謝の言葉から。リリース前の原稿は頭の中でカードがどう動くか考える、その妄想だけで書かなければいけないので……僕の脳内CPUでは限界が。なので配信でもしながら皆に「どんなアイディアある?」ってネタを提供していただいている。
今回も出来事デッキを組む際にな~んにも考えていなかったけども「ピアと組む形はもう考えた?」とのコメントが。ピア?おお、《復興の領事、ピア・ナラー》か!パイオニアで活躍中の白赤2色の伝説クリーチャー、スタンダードで彼女を使うアイディアがなかったので全く選択肢になかったのだが……これは良い!ピアは追放領域から土地を出したり呪文を唱えると飛行機械を生成する。そのトークンにはその名の通り飛行があり、そしてピアにより速攻が付く。1/1といえど即座に攻撃に入れるのであればこれは十分な戦力だ。ただでさえ得する出来事カード、それにトークンのオマケ。さらにベルーナでコスト軽減できれば展開力も大幅アップ。ピアとベルーナ、頼もしいコンビが誕生の予感!皆とっくに思いついていたなら恥ずかしい話だが、こんな強そうな組み合わせがあるのか!と僕は感動してしまったのだった。
ピアと同時期に登場して、追放領域に関するカードでもある《街角の料理人、ロッコ》を挙げる意見もあった。ロッコは追放領域から土地を出すか呪文を唱えるかすると、クリーチャーに+1/+1カウンターを置いて、さらに食物を生成する。そしてロッコはピアよりもコストと色が増えているだけあって、これ自身でもカードを追放してそれを唱えられるという、アドバンテージ獲得能力も内蔵している自己完結したカードだ!……と手放しで褒められるだけの能力ではなく、ライブラリーの上を追放して唱えられるのは対戦相手も同じだ。次の自分のターンが返ってくるまでの間という期限付きなので、そのタイミングで唱える必要のないカード・そもそもコストが払えずに唱えられないカードなどが捲れれば一方的なアドバンテージなるかもだが、その自体は自分にも起こりうるわけだ。対戦相手だけが何の労力もなくロッコの美味しいまかないをいただく可能性があり、ちょっとリスキーなんだな。
それでも追加のピア的なものとして、せっかくだからこのロッコも採用したリストにはしたいね。出来事の参入で加速度的に食物供給が可能になれば、このカードの評価も大きく変わるかもしれない。期待大!
1 《スパーラの本部》 1 《ジェトミアの庭》 1 《眠らずの尖塔》 2 《眠らずの露営》 2 《眠らずの蔓茎》 1 《アダーカー荒原》 1 《さびれた浜》 2 《落石の谷間》 2 《剃刀境の茂み》 1 《草茂る農地》 2 《銅線の地溝》 1 《エッジウォールの宿屋》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 1 《反逆のるつぼ、霜剣山》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《平地》 1 《島》 1 《山》 1 《森》 -土地(25)- 4 《探索するドルイド》 2 《木苺の使い魔》 4 《炎心の決闘者》 4 《煮えたぎるバイパー》 4 《花粉盾の兎》 4 《復興の領事、ピア・ナラー》 4 《ベルーナ・グランドスコール》 1 《イモデーンの徴募兵》 1 《街角の料理人、ロッコ》 2 《語り部のピクシー》 2 《伝承の大長》 2 《撚り合わせる双子》 1 《糸縛りの徒党》 -クリーチャー(35)- |
-呪文(0)- |
-サイドボード(0)- |
さあ、ピアやロッコといった追放領域を通過する出来事持ちのクリーチャーと相性の良いカードを盛り込みつつ、『エルドレインの森』から出来事を大量集結させた「4色アドベンチャー(出来事)」のサンプルリストを組んでみたのでご紹介。今回はとりあえず黒を抜いた4色でまとめてみた。黒い出来事とその当事者の面々も魅力的だったが……デッキリストがパンクしてしまうので我慢した形だ。
とりあえずは思い切って、デッキ内には土地以外はクリーチャーのみ!除去の類は出来事で何とかなるでしょうという、これぐらいの思い切りがデッキ作りには重要だね。開き直った構築には勿論裏付けもある。《炎心の決闘者》の出来事は3点ダメージの除去として、インスタント・タイミングで投げつけられる。対象を選ばないので対戦相手に撃ち込んでとどめの一撃にもなる。本人も2マナでパワー3の絆魂持ちなので序盤の戦力としては頼もしい、十分なものだ。《煮えたぎるバイパー》も軽くてライフを削ることに長けたクリーチャー。出来事の《蒸気洗浄》はソーサリーではあるものの、これも土地以外と対象の広いバウンスだ。トークンには確定除去になるし、名前も戦場が本当にクリーンになりそうで良いね。
そういった出来事呪文を駆使しつつ、ベルーナで展開力を上げてピアやロッコで強い戦場を形成していく。戦闘面で活躍するクリーチャーとしては《探索するドルイド》も期待できる1枚。《獣の探索》で追放という形でアドバンテージを得るのは上記の連中と相性◎ナノは言わずもがな。相手のターンに唱えれば次の自分のターン終了時までと賞味期限も長くなるので、インスタントであることを活かしたい。ドルイド自身は緑以外の色の呪文によって誘発し、+1/+1カウンターを得る。そのために4色とカラフルなデッキになっている。子のドルイドの誘発条件は、唱えた呪文に緑が含まれていてもOKということは忘れずに。ベルーナなどの緑を含む多色呪文でもカウンターはしっかり乗せられるぞ。
打点に貢献という意味では《花粉盾の兎》もイケてると思うんだよなぁ。特にピアとこの兎の組み合わせは激熱な予感。ピアで飛行機械をばら撒けば出来事《兎の子育て》の修正値がゴリッと上昇。また兎自身はトークンを強化するので、モリモリッとマッチョな飛行機械で攻め立てたいッ。《イモデーンの徴募兵》も絡めて一気にフィニッシュに持っていこう。
今回の出来事をプッシュする色は青。青にはこれらの呪文をアドバンテージに直結させるフェアリーらがいる。《語り部のピクシー》は出来事呪文に1ドローを追加!シンプルに強い、ただでさえ手札の消費が抑えられる出来事が、失うもののない超お得呪文に。2体以上並べればもう手札が使いきれないウハウハ状態に!
《伝承の大長》は出来事呪文をコピーする。これまたハマれば超強い、コントロールも攻めもこのフェアリーのバックアップで完璧なものに。ちなみに《語り部のピクシー》はセット・ブースターにのみ封入されている、隠しキャラ的な存在だ。カードを手に入れる時には開封するブースターに気を付けよう。
《ベルーナ・グランドスコール》を主役としたデッキ案、どうだったかな。出来事が気になる皆もこのカードが気になっているはず。彼女を主役にした「○○アドベンチャー」や「ベルーナ○○」といったデッキ名が多く見られることになるのかな?とにかくスタンダードの新環境が楽しみだ!
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