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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!アリストクラッツ復習、そして予習(スタンダード)

岩SHOW

待ってろよ!新スタンダード!

 いや~日々、どころか数時間おきにお届けられる新情報!『エルドレインの森』のリリースおよびプレリリース自体も目前だもんな、怒涛のラッシュで新カードが紹介されている。なかなか最新情報を追い切れていない人も少なくないだろう。今回も「おとぎ話」という特殊な再録もあって、SNS上を飛び交うカードが多いこと多いこと。我々スタンダード・プレイヤーとしては、本セットの新カードに全神経を注いで追っていくことにしよう!

 というわけでこのコーナーは、スタンダードという荒々しくも楽しく、険しくも素敵な道を歩むプレイヤーをとことん応援する、心の道場を目指してスタンダードの情報をお届けしている。入門生大歓迎、さあスパーリングを始めるぞ!今回は復習、そして予習だ。

とことん!アリストクラッツ復習!

 この「とこスタ」を読み続けてくれている、真面目な皆なら覚えていると思うけど……アリストクラッツってフレーズは忘れてないよな?以前にそのアーキタイプ名についてここで説明させてもらったのだ。未読の方はこちらに目を通していただけると嬉しいぜ……。

 ファイレクシアンを生け贄に捧げられる《ふくれた昇華者》。これを用いてクリーチャーを生け贄にしつつも、損をするどころかちょっとした得を積み重ねていく。そんな玄人好みのテクニックの詰め合わせデッキ。黒と赤を中心に構成されるこのアーキタイプのリスト、オンライン上のスタンダードでは目にする機会がじわりじわりと増えている。

C04NX - 「ラクドス・ファイレクシアン」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2023年8月10日)[MO] [ARENA]
4 《黒割れの崖
2 《ミレックス
1 《
1 《反逆のるつぼ、霜剣山
4 《硫黄泉
9 《
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
-土地(22)-

4 《進化した潜伏工作員
4 《胆液飲み
4 《処刑者の族長、ヴラーン
4 《生体融合の解体者
4 《ふくれた昇華者
-クリーチャー(20)-
2 《切り崩し
2 《喉首狙い
3 《踊り食い
1 《焼炉の手綱
4 《堕落した確信
2 《無孤勢団の霊裂機
4 《ウラブラスクの溶鉱炉
-呪文(18)-
3 《強迫
1 《喉首狙い
1 《切り崩し
2 《石術の連射
1 《ギックスの命令
2 《カーンの酒杯
2 《黙示録、シェオルドレッド
3 《敵対するもの、オブ・ニクシリス
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 詳しくは以前に紹介したコラムを読んでもらえると助かります!なので、ここではザックリと。クリーチャーが死亡すると対戦相手のライフを2点吸える《処刑者の族長、ヴラーン》を添えて、《ウラブラスクの溶鉱炉》が供給するファイレクシアンを毎ターン《ふくれた昇華者》などで生け贄に捧げ続ける。そうすると対戦相手のライフを確実に詰めていける……ド派手なムーブではないが、こういう真綿で首を締める系のムーブ、好きな人もいるだろう。僕は……大好きなんだな、これが。

 アリストクラッツといえば“パクリファイス”などと呼ばれる、相手のクリーチャーを奪って生け贄に捧げるムーブ。これがハマると最高に気持ちがいい。赤が得意とする一時的にクリーチャーのコントロールを得る呪文を使って相手の主力を手繰り寄せ、黒の生け贄呪文の餌とする。《焼炉の手綱》と《堕落した確信》の組み合わせは現スタンダードでも爽快感を提供してくれる、マニアが知る極上のマリアージュだ。

とことん!アリストクラッツ予習!

 さて、この既存のデッキが『エルドレインの森』の新カードを迎えて……進化する予感しかしないって!黒と赤の2色は特にリミテッドのアーキタイプ的にも、生け贄をメインテーマとして扱うことが多い。『エルドレインの森』も例外ではなく。

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 見るからに生け贄デッキで使えと言わんばかりの《大群の笛吹き、トーテンタンズ》!トークンでないクリーチャーが死亡することでネズミを生成する、つまり1体の生け贄が次なる生け贄を用意してくれる。たかが1/1、しかもブロックに参加できない脆いものだが、本来何もなくなるところに忘れ形見を残してくのは嬉しいことだ。

 このネズミを活かせるかどうかはプレイヤー次第。良いじゃないか、ネズミで天下を取ってやりたくなってくるよ。

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 アリストクラッツのパクってサクる戦術を強化する、新たなコントロール奪取呪文にも注目!《歪んだ忠義》、これさりげな~くめっちゃ強いことが書いてある!3マナソーサリーでコントロールを奪い、アンタップして速攻を与える。お約束のスペックでありながら、さらにオマケが。クリーチャーもう1体にはひねくれ者・役割・トークンなるエンチャントをつける。このオーラがつけられていると+1/+1修正に加え、このオーラが墓地に落ちると対戦相手が1点のライフを失う。つまりこのオーラが付いたクリーチャーを生け贄にすればこの能力を誘発させ、ヴラーンなどで詰めるライフを上乗せできるという寸法だ。

 この細かさ、ここにこそアリストクラッツの真髄がある。たった1点、その1点のライフのやり取りが勝利に繋がる。その探求のため、我々日々クリーチャーを生け贄に捧げているのである。

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 生け贄手段にも新たなものが加わった。《無感情の売剣》、これもアンコモンながらかなり強いと思うぞ。出来事モードで《合同火葬》として唱えると、クリーチャーが自身のパワー分のダメージを任意の対象に与える。除去として使ってもよし、プレイヤー本体を攻め手もよし。その後それは生け贄に捧げられて墓地へ。《投げ飛ばし》系の呪文の中でもかなり使いやすいもの。1マナと軽いし、打ち消されてしまった時に無駄な生け贄にならない点が素晴らしい。クリーチャー本体として唱えれば、そのターンに死亡した自身のクリーチャーの数だけサイズアップ。出来事と合計で3マナ、この軽さは非常に扱いやすく、今からワクワクが止まらないよ。アンコモンでハートをつかんでくる、おいおいエルドレイン、ヤバいんじゃないか?

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 見るからに強い派手なレアにも触れておこう。《退廃的なドラゴン》!アリストクラッツの戦術には直接的には関係はないが、黒赤2色のデッキで使うには丁度良い多色の出来事クリーチャー。《贅沢な嗜好》で対戦相手のライブラリーからカードを追放し、それが唱えられる。必要なマナはドラゴン本人が攻撃する度に生成する宝物で賄おう。アーティファクト・トークンを用意してくれるという点から、このセットの新能力「協約」のための生け贄用アイテムも供給してくれるカードととらえることもできる。

 4マナ4/4飛行・トランプルとスペックも素晴らしく、次期スタンダードの空の覇者として君臨しそうだ。アリストクラッツを組む際にはシンプルに1枚のカードパワーで押せる、こういうものも仕込んでおくとデッキの地力が底上げされるぞ。

 アリストクラッツにフォーカスして現スタンダードを振り返り、エルドレインのカードを確認させていただいた。他にも日々新情報が更新されているので、生け贄系のカードでとんでもないものが飛び出しているかもしれない。他のアーキタイプでも、デッキパーツの行進は行われるはず。痒い所に手が届く、これが欲しかったというカードと巡り合えることを願って……それじゃあ今日も、スタンダードを遊ぶとしようか!

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