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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
とことん!スタンダー道!コントロールのカードチョイスと対抗デッキ(スタンダード)
「プロツアー凄かったな……これはマジックやるしかねぇ」そういう気持ちに火をつけられたプレイヤーは一体どのくらいいたのだろうか。世界中のプレイヤーの思いが一つになる瞬間はここかもしれないね。今回のプロツアーはモダンだったが、プロツアーや世界選手権という舞台で取り上げられるフォーマットはスタンダードであることも多い。MTGアリーナだったり店舗だったり、まずはスタンダードからはじめてみよう。このフォーマットに本気でぶつかること、それが競技マジックへの近道なんじゃないかな。
というわけでとことんスタンダードという奥深い道を突き詰める「とことん!スタンダー道!」、本日も道場の戸は開いているッ!
とことん!レックスを巡る攻防!
スタンダードをやるならこのカードと共に!最近の僕のフェイバリットは《ティラナックス・レックス》!打ち消されず、速攻持ちで、そして護法{4}!硬さと強さを兼ね備えた、スーパーフィニッシャー。「とことん!スタンダー道!」でもお馴染みの1枚だな。
このレックス、プレイすれば最高に気持ち良い1枚であることは間違いないのだが……最近、警戒されてるんだよなぁ……対コントロールにおける信頼度が非常に高いカードだったのだが、コントロール側もこのカードへのガードをしっかりと上げてきたと実感する。
4 《ラフィーンの塔》 2 《アダーカー荒原》 1 《地底の大河》 1 《コイロスの洞窟》 4 《闇滑りの岸》 4 《さびれた浜》 1 《難破船の湿地》 3 《砕かれた聖域》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 2 《ミレックス》 1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 -土地(27)- -クリーチャー(0)- |
3 《切り崩し》 2 《喉首狙い》 3 《シェオルドレッドの勅令》 2 《虚空裂き》 3 《太陽降下》 1 《告別》 3 《かき消し》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《雲散霧消》 4 《記憶の氾濫》 3 《眼識の収集》 1 《セレスタス》 4 《放浪皇》 -呪文(33)- |
1 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《強迫》 1 《告別》 2 《一時的封鎖》 1 《眼識の収集》 2 《黄昏の享楽》 3 《金属の徒党の種子鮫》 2 《黙示録、シェオルドレッド》 -サイドボード(15)- |
というわけでエスパー(白青黒)コントロール。スタンダードでもお馴染みのデッキだ。白と黒の優秀なパーマネント除去、そして青の打ち消しと手札補充。伝統的なこれぞコントロールというロングゲームを見据えた構成だ。スタンダードにはこういうコントロールがあってこそ、というのはあるね。なんというか「ちょうど良いコントロール」というところ。全体除去《太陽降下》は非常に強力ではあるが、5マナなのでつけ入る隙がある。使う際にはこれぐらいのコントロールが生き延びる喜びを味わえるもので、使われる側としても崩せなかった自分に甘さがあったと納得のいくレベルなんじゃないかな。
このリストではコントロール低コスト除去の定番である《喉首狙い》よりも優先して《シェオルドレッドの勅令》の方に枚数が多く取られている。この生け贄要求するタイプのインスタント、護法を誇るレックスにも効くんだよなぁ……攻撃にあわせて撃たれると速攻も活かせず、7マナと2マナの交換で精神的にもがっくりくる。そこでしっかりとケア、非トークンのクリーチャーを他に用意しつつ攻撃したとしても、今度は《虚空裂き》。強いんだけども3マナというのがな……みたいな贅沢な悩みの前に採用率が伸びなかったカードではあるが、この夏はスタンダードでの採用率が大きく上昇しているようだ。どのエスパーコンもこれをレックスに投げつけてくるからたまらないよ。どうたまらないかって、《虚空裂き》は打ち消されないので護法の{4}を支払う必要がない。これまた7マナと3マナの交換になり、狙い撃ち落とされるとたまらない気持ちになる。
コントロールを使う側であれば、しっかりとレックスによる敗北を回避できるこれらの除去をチョイスすることをオススメするよ。逆に使われる側であれば、これらの除去を上手く釣りだすプレイを心がけよう。他のカードに使わせることで、最重要のレックスをなんとしても通す!あるいは、《強迫》や《エルドレインへの侵攻》のような手札破壊により安全を確保してから恐竜王を走らせよう。
コントロールは無敵じゃない!
4 《要塞化した海岸堡》 4 《金属海の沿岸》 3 《アダーカー荒原》 2 《さびれた浜》 4 《閑静な中庭》 1 《皇国の地、永岩城》 1 《天上都市、大田原》 1 《ミレックス》 2 《平地》 1 《島》 -土地(23)- 4 《徴兵士官》 2 《離反ダニ、スクレルヴ》 4 《毅然たる援軍》 4 《雄々しい古参兵》 3 《微風の歩哨》 2 《敬虔な新米、デニック》 2 《先兵の飛行士、ハービン》 3 《天空射の士官》 2 《鋼の熾天使》 -クリーチャー(26)- |
4 《かき消し》 1 《交渉団の保護》 2 《邪悪を打ち砕く》 2 《トカシアの歓待》 2 《ゴバカーンへの侵攻》 -呪文(11)- |
2 《粗暴な聖戦士》 2 《邪悪を打ち砕く》 2 《ランタンのきらめき》 1 《交渉団の保護》 1 《鋼の熾天使》 1 《トカシアの歓待》 4 《婚礼の発表》 2 《放浪皇》 -サイドボード(15)- |
先の項でも触れたように「エスパー・コントロール」は硬いデッキではあるが、攻略不可能なレベルの相手ではない。以下に打ち消しや除去を備えようとも、それらを掻い潜って勝利を掴み取ることはできる!できるのだ!「コントロールに全く勝てない!キライ!」そういう初心者の意見もよく目にするし、気持ちは十分にわかる。でも創意工夫・練習次第で乗り切れるのがスタンダードというフォーマットの良いところ。
例えばこの「アゾリウス兵士」はどうだろう。3マナ以下の兵士で固められたアグレッシブなデッキだ。兵士タイプで揃えることで本領を発揮する《雄々しい古参兵》や《先兵の飛行士、ハービン》を用いて、大ダメージを与えることを狙っている、スタンダードでもお馴染みのデッキだ。
この青が絡んだ兵士デッキはクロック・パーミッションに分類される。パーミッションとは許可のこと。打ち消しを持つ相手に対戦相手が「これは(打ち消されずに)通りますか?」と許可を得るように呪文を唱えることから、打ち消しを備えたデッキをこう呼ぶようになった。そしてクロックはクリーチャーなどの対戦相手のライフを減らす要素を指す。時計の針が動くように、ダメージを刻み続けてあと何ターンで勝てるか?という考えから生まれた概念だ。すなわちクロック・パーミッションとはクロックを積極的に展開して対戦相手のライフを攻めつつ、要所を打ち消すデッキのこと。
「アゾリウス兵士」の中でも上記のリストはかなりクロックパーミ寄り。《かき消し》を筆頭に《交渉団の保護》も使って《太陽降下》のような致命的な呪文を打ち消す。また単体除去に対しては《微風の歩哨》がいい仕事をしてくれる。呪文の対象となった兵士を戻しつつ、この歩哨は2マナパワー3の飛行と効率の良い打点になってくれる。このような実質的な打ち消しというムーブは《虚空裂き》にも効果的なので試して欲しいね。
コントロール系のデッキを使っていて手を焼くのが《天空射の士官》。逆に兵士を使っているとこれほど頼もしいヤツもいない。攻撃する度に兵士を増やしていくので、カード1枚で十分に盤面を作っていける驚異的な展開力を誇る。これをしっかりと守りつつ攻撃を続け、並んだトークンは士官の能力でタップしてドロー。手札も満たされて、もしも盤面が壊滅しても再展開が容易になる。このカード、ハマった時の気持ちよさといったらマジでたまらない。一度使ってみることを強くオススメするね。これぞクロックパーミを体現するカードだ。これらのカードのポテンシャルを引き出すことが出来れば、コントロール相手にも優位に立ち回れるぞ。
真夏にいい刺激を与えてくれたプロツアー。9月の新セットの情報も公開され、現スタンダード環境は終幕へと向かっていく。今このスタンダードを遊べるのは、この8月だけ。そう考えれば新環境も楽しみだが、現環境も名残惜しいもの。最後の最後までとことんしゃぶりつくして、元気いっぱいで9月を迎えよう!それじゃあ、今宵も……スタンダードが君を待ってるぜ。
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