- HOME
- >
- READING
- >
- 岩SHOWの「デイリー・デッキ」
- >
- ボロス果敢:ピアの実力、判明(パイオニア)
READING
岩SHOWの「デイリー・デッキ」
ボロス果敢:ピアの実力、判明(パイオニア)
結局どのカードが強かったのか?どのカードが各フォーマットに大きな影響を与えたのか?その答えはなかなか出るものではない。セットが出てすぐに結論を出すのはちょっと時期尚早。後からその真価が判明するカードも見つかるものであり、なんだかんだでセットの全容が判明するまでには……1年ぐらいかかるかもな。構築フォーマットと一口に言っても、スタンダードからパイオニア、モダン、エターナルと環境の幅は広いもの。スタンダードで目立たないカードが別フォーマットで大活躍なんてこともザラにあるし、その逆も然り。皆も各セット、各カードを長い目で見ることを忘れずに。
……なんて言いつつ、あるセットのあるカードについてはちょっと結論が。5月にリリースされた『機械兵団の進軍:決戦の後に』。この一大決戦のエピローグを描いたセット、スタンダードを経由するセットとしては異例のカードの少なさ、50種類。なので、普通のセットよりもその全容を解明するのに時間はかからなかったようだ。『決戦の後に』に関して競技プレイヤーたちが出した結論は……《復興の領事、ピア・ナラー》はガチ!
4 《聖なる鋳造所》 4 《戦場の鍛冶場》 3 《感動的な眺望所》 2 《針縁の小道》 7 《山》 -土地(20)- 4 《損魂魔道士》 4 《僧院の速槍》 4 《復興の領事、ピア・ナラー》 4 《砕骨の巨人》 -クリーチャー(16)- |
4 《火遊び》 1 《棘平原の危険》 4 《岩への繋ぎ止め》 3 《無謀なる衝動》 3 《レンの決意》 3 《舞台照らし》 4 《熊野と渇苛斬の対峙》 2 《スカルドの決戦》 -呪文(24)- |
1 《湧き出る源、ジェガンサ》(相棒) 2 《スカルドの決戦》 2 《傑士の神、レーデイン》 2 《引き裂く流弾》 2 《高山の月》 2 《安らかなる眠り》 2 《ゴバカーンへの侵攻》 1 《摩耗 // 損耗》 1 《邪悪を打ち砕く》 -サイドボード(15)- |
《復興の領事、ピア・ナラー》は2色の伝説ではあるが2マナ2/3と扱いやすいスペック。そして肝心のその能力。追放領域から土地を戦場に出したり呪文を唱えると、飛行機械を生成できる。1/1飛行のこのトークン、ピアの能力でさらに速攻を得てすぐさま攻撃可能だ。この能力はテキストを読んでみるだけでも結構強そうな感じはしていたが、『決戦の後に』リリースから2ヶ月以上経って、デッキリストにその名を見る機会がグッと増えてきた。それもパイオニアにおいて!というわけでこのリストはパイオニアの「ボロス(白赤)果敢」!ピアの能力を最大限に発揮させる構築を分析していこう。
果敢デッキということで、デッキの主軸は低コストで果敢能力を持ったクリーチャー。スタンダードでもお馴染みの《僧院の速槍》、そしてパイオニアの赤いアグロの低コストの定番中の定番である《損魂魔道士》!いずれも1マナ1/2、クリーチャーでない呪文を1枚唱えれば果敢で2/3にパンプアップする。最序盤に相手がクリーチャーを出してきても攻撃しやすいタフネス高めが嬉しく、3/4、4/5なんかになればより高いマナ域のクリーチャーにブロックされても打ち倒せる。《火遊び》や《岩への繋ぎ止め》のような低コスト除去でこれらの攻撃をアシストし、一気に殴り倒すスピード重視の戦術こそパイオニアの果敢デッキの特徴だ。
これまでの「ボロス果敢」には《賢い光術師》などを採用して最序盤にライフを一気にもぎ取ることを重視したリストが多く見られたが、今のトレンドはそれらのやや不安定だったり中・長期戦に入ると役目を果たしにくいカードと入れ替えで《復興の領事、ピア・ナラー》を採用している。そしてピアのポテンシャルを100%引き出してやるため、追放領域からカードをプレイするための手段がたっぷりと設けられている。
スタンダードでもピアと組み合わせられる《無謀なる衝動》《レンの決意》は2マナと軽く、最大でカード2枚分のアドバンテージを提供してくれる。この手数の増加に、さらに飛行機械のボーナスが付くと最高だ。後続のクリーチャーなり追加の除去なりを引き込みながら攻め手も追加し、オマケに果敢も誘発させてバシバシ攻撃していこう。2マナのこれらも強いのに、絢爛の条件を満たせば1マナで唱えられる《舞台照らし》はハマれば格別。これだけのアドバンテージ供給源にピアがれば、多少のロングゲームになろうとも息切れせずに攻勢を持続できるというものだ。
これらの追放領域からのプレイをサポートするカードの中でも最上位に君臨するのが《スカルドの決戦》!計2ターンに渡って追放した4枚のカードがプレイできるため、これがもたらすアドバンテージは即ち勝利への直通便ッ!ただ土地を出したり呪文を唱えられるだけでなく、Ⅱ章とⅢ章の能力では呪文を唱えることで+1/+1カウンターをクリーチャーに乗せられる。これが……むっちゃつえーんだ。これが暴れ回ったスタンダードをリアルタイムで経験していない人には、ぜひパイオニアで、その気絶するような強さを体感してほしいね。カウンターをばら撒く能力と、ピアの飛行機械生成&速攻付与の噛み合いっぷりといったら……。
対戦相手をボッコボコにする脅威の追放シナジー(相互作用)、忘れちゃいけない《砕骨の巨人》。2マナで《踏みつけ》で唱え、序盤の小型クリーチャー除去に使い、さらに出来事能力で追放されているこれを巨人として再度唱えることで1枚で2度美味しい。もはやパイオニアの赤いデッキのことごとくに採用されているため、「単純にただただ強いカード」として認識されているが……これも追放領域を経由するカードということを今一度認識しておこう。巨人と共に飛行機械が飛び出す、2度どころか3度美味しい超絶コスパに早変わりだ。
リリースから時間を経てこそセットの真価は分かるというもの。しかし『機械兵団の進軍:決戦の後に』に収録されている《復興の領事、ピア・ナラー》が強い!これはこの夏に判明した紛れもない事実だ。パイオニアのデッキを紹介したが、ぜひスタンダードなどでも彼女の能力をフル回転させられるデッキを組んでみて欲しい。追放領域を制する者がゲームを制する!
RANKING ランキング
NEWEST 最新の読み物
-
2024.11.21戦略記事
とことん!スタンダー道!難解パズルなカワウソ・コンボ(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.20戦略記事
緑単アグロ、原初の王者の帰還!(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.19戦略記事
ボロス・バーン:基本セットと火力の関係(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.18戦略記事
世話人型白単コントロール、『ファウンデーションズ』の注目カードは?(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.15戦略記事
今週のCool Deck:イゼット厄介者で機織りの季節を楽しもう(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.11.15お知らせ
MTGアリーナニュース(2024年11月11日)|お知らせ
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事