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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
夏の感謝祭イベントオススメデッキ!ディミーア・ブリーチ(スタンダード)
6月末のイベントの余韻も落ち着いて……競技プレイヤーの最前線にいる方々はプロツアーへの準備に余念がない時期に入っている。一方、我々一般的なプレイヤーは……また日常のマジックに戻り、まったり楽しむとしようかというところかな。もちろん、イベントを経て内なる闘志、やる気、些細なことから大きな事までモチベーションを抱いた状態でね。イベントに不参加だったプレイヤーにも、我々の熱が飛び火して、今年の夏は日本列島マジック大熱波となることを願っているよ(気候の熱波は勘弁してほしいけどな)。
日常の中にあるマジックは人それぞれ、今回はMTGアリーナでサクッと遊べるスタンダードのデッキをご紹介。2023年7月突入、スタンダードの景色はどのようになっていくのかな?
4 《闇滑りの岸》 4 《島》 2 《天上都市、大田原》 2 《英雄の公有地》 4 《難破船の湿地》 4 《沼》 1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼》 4 《地底の大河》 -土地(25)- 3 《侵攻の伝令、ローナ》 2 《しつこい負け犬》 4 《賢明な車掌、トルーズ》 3 《黙示録、シェオルドレッド》 2 《復活したアーテイ》 1 《シェオルドレッド》 -クリーチャー(15)- |
3 《かき消し》 3 《切り崩し》 4 《喉首狙い》 1 《ギックスの命令》 2 《伝説の秘宝》 3 《多元宇宙の突破》 2 《アモンケットへの侵攻》 1 《ヴェールのリリアナ》 1 《裏切りの棘、ヴラスカ》 -呪文(20)- |
1 《切り崩し》 1 《シェオルドレッドの勅令》 2 《カーンの酒杯》 2 《軽蔑的な一撃》 1 《否認》 2 《強迫》 1 《眼識の収集》 1 《ギックスの命令》 2 《墓地の侵入者》 1 《完成化した精神、ジェイス》 1 《漆月魁渡》 -サイドボード(15)- |
こちらのデッキは「ディミーア(青黒)ブリーチ」とでも表現しようか。ブリーチこと《多元宇宙の突破》を切り札としたいわゆる中速のデッキである。クリーチャーをドカドカ出してドスドス殴ってスピーディーに勝利する高速デッキ、アグロ。対戦相手のやりたいことを妨害し、ゲームを長引かせて最終的に逆転を狙う低速デッキ、コントロール。それらの中間の速度で、どちらの戦い方もこなせる中速のデッキ、ミッドレンジ。このリストは典型的なミッドレンジで、そして《多元宇宙の突破》という大技から勝負を決めるものである。
この突破、自身と対戦相手の墓地からクリーチャーかプレインズウォーカーを戦場に戻すという、リアニメイト系カードの中でもマナ効率に非常に優れた1枚だ。7マナとそれなりの額を要求するが、これでお互いの墓地から4マナのクリーチャーを釣り上げれば計8マナと得をすることに。もちろん、もっとデカいコストのクリーチャーらをまとめてリアニメイトできればその瞬間にゲームが終わるだろう。先のプロツアーでも注目された1枚は、現スタンダードにおいてお約束的なフィニッシャーとして盤石の地位を築いている。
白単に黒を足したものや黒赤2色など、ミッドレンジの一派としてブリーチデッキが組まれる中、このリストは珍しい青黒2色型。
《喉首狙い》などのクリーチャー除去、そして未だ信頼度の高い壁役でありフィニッシャーを務める《黙示録、シェオルドレッド》。そして3マナ以下のクリーチャーの選択肢も豊富と、黒は非常にミッドレンジ向けの色である。黒単のミッドレンジでも十分に強いものは組めるが、ここに青を足した理由……《かき消し》や《復活したアーテイ》などの打ち消しが使えるから!それももちろん、滅茶苦茶重要。コントロール力がより高まり、ミッドレンジ同型の4マナ以上の決定力の高いカードを巡る攻防においても、打ち消しがあるとないとでは大違いだ。サイド後には《軽蔑的な一撃》や《否認》も加わり、同じブリーチ系相手に《多元宇宙の突破》を一方的に通せるように。そりゃもう勝ったも同然よ。
青の理由はそれだけでなく、常に手札を強く保つことにも大いに貢献してくれるからだ。《侵攻の伝令、ローナ》はカードを1枚引いて1枚捨てる能力、いわゆるルーティング能力を持つ。このようなクリーチャーを「ルーター」と呼ぶ。ルーターは手札の枚数が増えるわけではないので、マジックを始めたばかりだとあまり強そうに見えないかもしれない。捨てるカードが分からない!という状況に陥ることもあるだろう。
しかしながらルーターの力は偉大だ。ミッドレンジはある種どっちつかずのデッキでもある。器用貧乏というやつで、たとえば「赤単アグロ」のような最序盤を重視するデッキ相手に《多元宇宙の突破》等を引いても役に立ちにくい。逆にコントロール相手に《切り崩し》なんて引いてきても旨味がない。そういった無駄になってしまうドローを、他のカードと入れ替えられるルーターはゲームの流れを変える力を秘めた、見た目よりもずっと強いカードなのである。
特にローナはタップだけでマナを必要としない点が優秀で、しかも伝説の呪文を唱えるとアンタップする。1ターンに2回以上のルーティングを行える可能性があり、土地を引きすぎたり引かなさすぎる所謂”事故”を回避するための手段でもある。
《賢明な車掌、トルーズ》は伝説なのでローナのアンタップを促し、カードを捨てればそれを追放して彼女の貯蓄にする。戦場を離れれば捨てたカードが戻ってきて、一気にアドバンテージ獲得を狙える。このリストでは4枚ガッツリ採用し、レジェンド・ルールを利用してわざと2体目を戦場に出し、先に戦場に居てたっぷりカードを追放した方を墓地に置くって手札を補充するというテクニックを搭載している。これで長期戦もウェルカムだ。
このブリーチデッキを支える激シブカードは《伝説の秘宝》!クリーチャーの大半が伝説なので、このアーティファクトのマナを加える能力の起動を狙いやすい。7マナの突破をとなえることもこれでスムーズに。ローナをタップしてマナを加え、伝説呪文を唱えて起こしてまたマナを得たりルーティングしたり……小技をやっている時は最高にマジックをしている気分を味わえるね。
というわけで今回は夏の始まりにおけるスタンダードの《多元宇宙の突破》デッキの一例を紹介させていただいた。見た目よりも扱いやすいデッキなので、特にルーターの強さに懐疑的な初心者にこそ使ってもらって、手札を入れ替えることの強さと気分の良さを体感してもらいたいね!「夏のスタンダード感謝祭2023」なるイベントも7月中は開催されているので、デッキを手にお近くの開催店舗へGO!
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